遊爺雑記帳

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ロシアの「勢力圏」は音を立てて崩れている

2020-11-18 01:33:55 | ロシア全般
 ロシアの「勢力圏」は音を立てて崩れていると指摘しておられるのは、産経新聞外信部次長兼論説委員の遠藤良介氏。
 91年のソ連崩壊後、旧ソ連圏に30年近く存在したロシア中心の秩序が、もはや過去のものとなりつつあると。
 
【遠藤良介のロシア深層】堕ちた盟主「露勢力圏」の崩壊 「ポスト・ソ連」時代の終焉 - 産経ニュース 2020.11.17

 4年前の米大統領選でトランプ氏の勝利が伝えられると、審議中だったロシア下院は万雷の拍手に包まれた。右派政党「自民党」のジリノフスキー党首は下院内でシャンパン・パーティーを催して喜びをあらわにした。

 トランプ氏はロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合を擁護し、プーチン露大統領と良好な関係を目指すと述べていた。
クリミア併合で米欧に制裁を科され、主要8カ国(G8)からも排除されたロシアは、トランプ氏との「ディール」(取引)で国際的孤立を脱却できると踏んだ

 トランプ氏の「自国第一」主義は、プーチン氏の「勢力圏」重視と相いれやすいとの期待もあった。トランプ氏なら、ウクライナなど旧ソ連諸国を「ロシアの勢力圏」と割り切り、「盟主」の自由にさせてくれるだろうと考えた。

 
当ては完全に外れたロシアがサイバー攻撃などで大統領選に干渉していたことが米政界で大問題となり、トランプ氏は対露融和に動ける状況でなくなった米国はむしろ対露制裁を強化し、米露首脳会談は3回しか行われなかった。

 今月の米大統領選で当選を確実にした
バイデン前副大統領は、人権や民主主義を旗印に厳しい対露姿勢をとり、旧ソ連圏でも民主化支援に力を入れるとみられている。4年前と違ってロシアが米大統領選にほとんど反応していないのは、先行きを警戒しているからにほかならない。

 
現実にはしかし、バイデン政権の発足を待つまでもなく、ロシアの「勢力圏」は音を立てて崩れている

 
バイデン氏当確の数日後、旧ソ連のアルメニアとアゼルバイジャンがナゴルノカラバフ紛争の停戦合意にこぎつけた。ロシアが仲介した合意は、ロシアの「弟分」であり、同盟関係にあるアルメニアが敗北を受け入れる内容だった。

 
紛争は1994年から停戦状態にあったが、9月末に再燃し、トルコの軍事支援を受けるアゼルバイジャンが猛攻をかけた。アルメニアは期待したロシアの支援を得られず、実効支配していた多くの領域を失った。旧ソ連圏にトルコが浸透し、ロシアが押し込まれる構図を印象付けた。

 ウクライナに隣接する
モルドバでは15日の大統領選で、親欧米派のサンドゥ前首相が親露派の現職、ドドン大統領に勝利した。サンドゥ氏は欧州連合(EU)との連携強化を掲げる。

 
ベラルーシでは94年から大統領の座にある独裁者、ルカシェンコ氏が、大統領選での不正に抗議する長期デモで窮地に立たされている。親露的だったベラルーシ国民は、ルカシェンコ氏を支援するロシアに強い反感を抱きつつある。

 
91年のソ連崩壊後、この地域に30年近く存在したロシア中心の秩序は、もはや過去のものとなりつつある。「ポスト・ソ連」という一時代が終焉(しゅうえん)を迎えたともいえる。ロシア経済の低迷で周辺国への恩恵は少なくなり、旧ソ連圏でも権威主義より民主主義に魅力を感じる人々が増えている

 約20年間にわたって最高権力の座にあるプーチン氏は、「大国復活」の高揚感を与えることで国民の支持をつなぎ止めてきた。
「勢力圏」の喪失は、プーチン氏の求心力低下に直結する。バイデン次期政権の発足は、プーチン政権にいっそうの逆風となろう。

(外信部次長兼論説委員)


 バイデン氏当確の数日後、旧ソ連のアルメニアとアゼルバイジャンがナゴルノカラバフ紛争の停戦合意にこぎつけた。ロシアの「弟分」であり、同盟関係にあるアルメニアが敗北を受け入れる内容。
 トルコの軍事支援を受けるアゼルバイジャンが猛攻をかけ、ロシアの支援を得られないアルメニアは実効支配していた多くの領域を失った。旧ソ連圏にトルコが浸透し、ロシアが押し込まれる構図。

 モルドバでは15日の大統領選で、親欧米派のサンドゥ前首相が親露派の現職、ドドン大統領に勝利。サンドゥ氏は欧州連合(EU)との連携強化を掲げる。

 ベラルーシでは、ルカシェンコ氏が、大統領選での不正に抗議する長期デモで窮地に立たされているのだそうです。親露的だったベラルーシ国民は、ルカシェンコ氏を支援するロシアに強い反感を抱きつつあると。

 91年のソ連崩壊後、その旧ソ連圏に30年近く存在したロシア中心の秩序は、もはや過去のものとなりつつある。「ポスト・ソ連」という一時代が終焉(しゅうえん)を迎えたともいえると遠藤氏。
 ロシア経済の低迷で周辺国への恩恵は少なくなり、旧ソ連圏でも権威主義より民主主義に魅力を感じる人々が増えているのだそうです。
 
 約20年間にわたって最高権力の座にあるプーチン氏。「勢力圏」の喪失は、プーチン氏の求心力低下に直結すると。
 そこへ、バイデン次期政権の発足。バイデン前副大統領は、人権や民主主義を旗印に厳しい対露姿勢をとり、旧ソ連圏でも民主化支援に力を入れるとみられていると遠藤氏。ロシアが米大統領選にほとんど反応していないのは、先行きを警戒しているからにほかならないと。
 バイデン次期政権の発足は、プーチン政権にいっそうの逆風となろうとも。

 人権問題には厳しいものの、中国には親しく、ロシアには厳しいバイデン時期政権と言う構図なのでしょうか。
 求心力低下のプーチン氏。日露の冷化する北方領土交渉は、ますます絶望化ですね。



 # 冒頭の画像は、プーチン大統領
 
 
 

  この花の名前は、芙蓉


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