遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

金正日総書記は、韓国以上に親密な米国のパートナーになる

2007-08-12 20:39:40 | EEZ 全般
 北京の中国戦略関係筋が産経新聞に語ったところによると、金正日総書記が昨年10月の核実験後、ブッシュ米大統領に「朝米関係を正常化し韓国以上に親密な米国のパートナーになる」と伝えたことにより、米国の対北朝鮮姿勢を転換させる契機になり、米朝が急接近し二国間での交渉が進展していることから、米朝の動きに強い警戒心を表明したのだそうです。
 また、中国はそれに対応し、日本との戦略的互恵関係構築を決めたと述べたのだそうです。
 今は8月ですから、エイプリルフールではありません...。(驚)
 
米の協調路線 背景に金総書記メッセージ「米のパートナーになる」 (8/10 産経朝刊)

 北京の中国戦略関係筋がこのほど産経新聞に語ったところによると、北朝鮮の金正日総書記は昨年10月の核実験後、ブッシュ米大統領にメッセージを送り、「朝米関係を正常化し韓国以上に親密な米国のパートナーになる」と伝えた。同筋は、これが米国の対北朝鮮姿勢を転換させる契機になったとの認識を示し、米朝の動きに強い警戒心を表明。中国はそれに対応し、日本との戦略的互恵関係構築を決めたと述べた。(中国総局長 伊藤正)

 これを明かした関係筋は機密情報に接し得る高位の人物。米朝双方の意図の解釈はともかく、メッセージに関する情報の確度は高いとみられる。最近の米朝協調だけでなく、中国の対日接近策の背景をも説明する情報であり、今後の6カ国協議、朝鮮半島情勢や日米関係にも微妙に影響する可能性がある。

 同筋によると、金総書記のメッセージは核実験直後の昨年10月末、北京で行われたヒル米国務次官補と金桂寛北朝鮮外務次官の両6カ国協議首席代表による協議の際、北側から伝えられた。

<中略>

 米国が、「テロ支援国家」の北朝鮮とは単独交渉せず、BDA問題では譲歩しない-との原則を放棄、北との協調路線に転換したきっかけになったのが、金総書記のメッセージだったと関係筋は指摘。重要な転機になったベルリン協議は米国主導で行われ、北代表団の渡航費など全費用を米側が負担したと述べた。

 また今年6月、ヒル代表が記者会見で、朝鮮半島の恒久平和体制を協議する日露を除いた米中朝韓4カ国会合を提案したのも、米朝の合意に韓国が同調した背景があるとした。

 同筋は中国は4カ国案に反対したと強調、その理由は「1(中国)対3(米朝韓)になるからだ」と述べた。

 別の関係筋によると、ヒル次官補は6月の訪朝の際、(1)金正日体制を崩壊させる意図はない(2)米朝友好関係を築き(3)平和協定を締結したい、と表明。ヒル代表からその説明を受けた中国側は(1)米朝関係の透明性を高めてほしい(2)平和協定締結は第三国の利益を損なわないように、と注文を付けたが、この第三国には日本も含むという。

 中国の戦略関係筋によると、中国の党・軍首脳部は、「北朝鮮は体制維持と安全保障のよりどころを米国に求め、米国は北朝鮮をイスラエル(戦略拠点)にしようとしている」と警戒し、米朝関係正常化はもとより、米国主導で南北統一への動きが加速すると分析しているという。

 こうした事態は東アジアの戦略バランスを崩すと同筋は指摘し、中国が日本と戦略的互恵関係を築くのは、地域の平和と安定のためにも不可欠だとの認識を示した。日本は米中のはざまで難しい立場に置かれようとしているようだ。

 北朝鮮との二国間交渉はしない、6カ国協議の場で話をすべきで、議長国の中国が北朝鮮を説得するよう中国に責任を投げかけていた米国が、様変わりして6カ国協議に先行して米朝二国間協議を頻繁に行い、「テロ支援国家」の指定解除まで行おうとするようになりました。
 ブッシュ大統領が、任期中に功績を残そうということで、北への協調路線に転じたと見られていました。
 元々、日米の分断を図ろうとあらゆる角度での工作を進めている中国からの情報ということで、にわかには信じられない話ですが、本当であれば、国際外交の変化の激しさに驚いてしまいます。

 北朝鮮は、中国一辺倒で言いなりにならざるをえない属国化を回避する手段として、米国に接近することで、米中の両大国を手玉に取ろうという戦略でしょう。
 また、米国が金正日政権打倒を目的としないことの確約も取り付けたいのです。

 ブッシュ政権は、歴史に名を残そうとの功名心の他に、中露が台頭するアジア情勢の中で、北朝鮮の中国・ロシアからの切り離し、朝鮮半島の統一による勢力図の変遷での中露への牽制を考えているというのです。
 そのためには、「テロ支援国家」指定の解除、米中朝韓4カ国会合の提案、拉致問題の日朝二国間への切り離しを、ライス米国務長官とヒル国務次官補が立案しているというものです。

 中国が日本に米国の変身の情報を伝え、日中の戦略的互恵関係構築の意思を明らかにしてきたのは、6カ国協議のリーダーとして、北朝鮮に要求を重ね、国際協調してくる中で、中朝関係が冷めてきており、米国につけ込まれてしまったこと。陸続きの国境を隔てただけの北朝鮮に、米国の息がかかることに、異常なまでに防衛反応しているとの見かたがあります。
 もうひとつは、政権が不安定な日米に対し、その離反への更なる揺さぶりとして日本に情報を流したと考えることも出来ます。

 今後の推移を、注視する必用がありそうです。
 「人民日報」(海外版)は、米下院の慰安婦決議を、単に歴史問題として日本を糾弾しようと取り上げるのではなく、日米の外交の離反として取り上げています。
 
慰安婦決議 「日本への警告」 人民日報論評 米政権の利益背景 (8/10 産経朝刊)

 【北京=矢板明夫】中国共産党の機関紙「人民日報」(海外版)は6日、「慰安婦問題は日米同盟の試練」と題する論評を掲載した。先月末に米下院で採択された日本糾弾決議を「ブッシュ政権自身の利益のための日本への警告だった」との見方を示した。慰安婦問題はこれまで、中国メディアによる日本の歴史認識を批判する材料としてたびたび使われたが、今回、中国は第三者の立場から、とくに日米の外交問題として分析した視点は新しい。

 同紙は「日本の右翼勢力を批判する声はこれまでに米国の民間レベルにとどまっていたが、今回の決議で米政府の態度表明となった」と指摘。内政も外交も困窮しているブッシュ政権にとって「日本の保守勢力が歴史問題でアジア諸国を刺激すれば、(同盟国の)米国の立場がますます苦しくなり、多くの戦略展開に影響を与えかねない」と分析し、今回の決議は米政府が慰安婦問題を口実に日本の保守勢力に与える「警告だ」と結論づけた。

 昨年10月の安倍晋三首相訪中まで、中国のメディアは歴史認識問題で、日本批判の記事を多く掲載し、欧米の華僑団体による反日の動きも大きく取り上げられた。その後、「胡錦濤政権は対日政策を調整、歴史カードを原則的に使わないことに決めた」(中国外交筋)。以来、メディアの日本批判は当局によって抑制され、今回の慰安婦決議をめぐる米国の動きも、事実のみを報道する記事が際立っている。 

 こうした中で、党機関紙が掲載した論評が「背景と米国の思惑」を独自の視点で指摘したことは、胡政権の対日外交の新姿勢を裏付けるものともいえそうだ。

 仕掛けが成就し、次の手も進めていて、悔しいことですが余裕を感じさせられてしまいます。

 小池百合子防衛相は、F-22などの情報公開他、日本の防衛力強化への協力要請を急ぐため訪米しましたが、国内与党から何しに行くのかと理解し貰えず、インド洋の海自撤退回避はしっかり依頼されるものの、こちらの目的の次期戦闘機情報など日本の国防への協力要請には、しっかりした回答は得られませんでした。
 参議院や民主党では、小沢さんのテロ特措法反対が浸透してきているようで、米国以外に英国なども撤退は今後の国交に影響すると言い出している状況で、ますます中国に喜ばれている始末です。

 日中の戦略的互恵関係構築が、世界から孤立する日本を、中華の勢力圏への勧誘でないこと、まして参議院で話に簡単に乗っていかないことを願っています。


 

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分断国家じゃない! (無能な国際評論家)
2013-09-10 08:04:49
よく南北朝鮮は、分断国家として認識されているが、扱いは正式な国家と同じです。そうでなかったら両国は国連に加盟してません。それにそれぞれ軍隊も持ってます。
この状態が一番良いのかもしれません。
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Re: 日本の国力の充実を・・・ (遊爺)
2007-08-19 18:20:51
容子さん、こんにちは。

> 日本も外交の巾を拡大し米国との関係を冷静に判断して対応した方がいいのかも・・と考えます。

 容子さんもご存じの通り、米・ライス国務長官は、会談で小池防衛相が「日米に加えインド、豪州との連携が進めばさらに安全保障関係が強化される」と理解を求めたのに対し、ライス長官は「インドは独立した存在(非同盟)で、個別の問題で協力を進める中で関係作りをしていくのが適切だ」と述べたそうですね。
  同時に、ライス長官は日米豪印構想が持論の、安倍総理の今回のアジア各国の訪問にも、中国への刺激を恐れ、「「慎重に進めた方がいい。中国に対して思いがけないシグナルを送る可能性もある」と釘を刺してきています。

 知日派のスタッフがどんどん辞職して、中国を重視し気遣う現政権や、クリントンの共和党の米国に変われば、今までのような甘えは許されないのですから、ライスさんは気にせずアジアの各国との交流密度は上げていくべきですね。
 日豪関係を固めていくところからが先決と考えますが。
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日本の国力の充実を・・・ (容子)
2007-08-17 07:23:01
遊爺さま

この米国と北朝鮮の関係の変化に驚きと、ある意味何もないこの国の外交は、ある意味たいしたものです。こうしてこの国は常に大国を手玉にとって来ただけに年季がはいってますもね・・・

韓国など、北の不足している物資の供給国としての地位以上には(?)なりえないように思います。

中国はこれ幸いと日本に接近しているようですが、日本も外交の巾を拡大し米国との関係を冷静に判断して対応した方がいいのかも・・と考えます。
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Re: 仲間はずれ (遊爺)
2007-08-15 17:47:56
杉並の純一郎さん、こんにちは。

 孤立していた盧武鉉大統領は、この米朝接近の一連かどうか、南北会談で米朝韓なのか、中朝韓なのか、はたまた米中朝韓なのか、仲間に入れて貰おうと張り切っています。

 シーファー大使は、慰安婦問題では河野談話にこだわっていました。日米のさきの戦争に対する価値観のズレを教えてくれたのか、日本政府を黙らせようとはしていましたね。
 前のベーカーさんは知日派で大物でしたが、国交が安定している国へは実業家あがりの大使を送る傾向だとかでシーファー大使になったという話もあるようですが?

> 民主党のお陰で日本が有志民主連合の仲間はずれにされるのは、なんとか避けねばなりませんね!

これからは、政局、党利ではなく、世界の中で、主要国としての役割を発揮する日本の姿を優先して行動していただきたいものですね。

 
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Unknown (杉並の純一郎)
2007-08-14 07:38:02
ご無沙汰です!
TB有難う御座います。
韓国が孤立しても構いませんが、民主党のお陰で日本が有志民主連合の仲間はずれにされるのは、なんとか避けねばなりませんね!でも、シーファー発言も程々にしないと逆効果ではないのでしょうか?もとからあの人は日本を見下していると私は思っているのですが。
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