遊爺雑記帳

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6中総会 習近平国家主席(党総書記)が党内で不動の地位を確立

2021-11-13 01:33:55 | 中国 全般
 中国共産党の6中総会で11日採択された歴史決議は、習近平国家主席(党総書記)が党内で不動の地位を確立するための政治的な決議だと興梠一郎神田外語大教授。
 諸評も概ね同様の評価ですが、興梠教授は今一歩鋭い突っ込みがあり、取り上げさせていただきました。
 
習氏、党内不動の地位確立 興梠一郎神田外語大教授 - 産経ニュース 2021/11/12

 中国共産党の6中総会で11日採択された歴史決議は、習近平国家主席(党総書記)が党内で不動の地位を確立するための政治的な決議だ。習氏の最大の脅威は党内にあり、決議の狙いは来年の党大会に向け、人事を自派で固めるため抵抗勢力を封じ込めることにある

 
過去2回の歴史決議も、党内の政敵を打倒するためのものだった。毛沢東はソ連帰りの王明らの路線を否定し、鄧小平は毛の後継者、華国鋒の失脚に歴史決議を利用した。

 
過去の決議との違いは、前の時代を否定せず、共産党の歴史を評価している点だ。その上で、自らの新たな成果として、中国の「強国」化や国際的な地位の向上、社会主義の優位性を示したことを挙げ、中華民族が「偉大なる飛躍」を迎えたと、自らを歴史の高みに据えた存命の江沢民、胡錦濤両氏の扱いを小さくすることで両氏周辺の動きを牽制(けんせい)した。

 
習氏は2012年の総書記就任以降、腐敗撲滅の名の下で粛清を繰り返して政敵を排除する一方、党の規則改正で制度的に主導権を握る体制を作り上げてきた習氏は党内で自らの地位を固めていく手法にたけている党外の国民は治安関連の法整備ですでに統制下に置かれており、歴史決議は仕上げともいえる。6中総会後に公表されたコミュニケには、49年の「第2の100年」を念頭に習氏の長期政権化を示唆する文言も書き込まれた。

 中国共産党における神格化は人為的に行われる。
決議によって地位を確立したことで党の宣伝方針が定まり、習氏はカリスマになっていく。国民が動員されるようになれば、習氏は党に外からも影響力を行使できるようになる。(談)

 過去2回の歴史決議も、党内の政敵を打倒するためのものだった。毛沢東はソ連帰りの王明らの路線を否定し、鄧小平は毛の後継者、華国鋒の失脚に歴史決議を利用した。習氏の最大の脅威は党内にあり、決議の狙いは来年の党大会に向け、人事を自派で固めるため抵抗勢力を封じ込めることにあると興梠教授。
 過去の決議との違いは、前の時代を否定せず、共産党の歴史を評価している点だ。その上で、存命の江沢民、胡錦濤両氏の扱いを小さくすることで両氏周辺の動きを牽制、自らを歴史の高みに据えたと。

 毛沢東や鄧小平の様な実績がない習近平は、人事工作で党内を抑え込んで、鄧小平が毛沢東の専制政治で招いた弊害の再発防止で集団指導体制を確立しましたが、己の保身の為、来年後半の開催が決まった第20回党大会で専制政治体制を確立させようとしているのですね。

 余談ですが、上海閥の江沢民、共青団派の胡錦涛の後を、江沢民の推奨で就き、王岐山の政敵駆逐で今の座を得た習近平。
 実績ではなく、人事工作で江沢民の上海閥を形骸化し、残る対抗勢力の共青団派の李克強の権限矮小化を進めているのですね。
 その恩人の王岐山も、名誉職的に祀り上げ、実権は剥奪。

 実績のない習近平の歴史決議は、過去の決議との違い、前の時代を否定せず、共産党の歴史を評価している点だと興梠教授。
 その上で、自らを歴史の高みに据えた。存命の江沢民、胡錦濤両氏の扱いを小さくすることで両氏周辺の動きを牽制(けんせい)したと。
 腐敗撲滅の名の下で粛清を繰り返して政敵を排除する一方、党の規則改正を人事工作で進め、制度的に主導権を握る体制を作り上げてきた習近平。
 党内で自らの地位を固めていく手法にたけている。党外の国民は治安関連の法整備ですでに統制下に置かれており、歴史決議は仕上げともいえると興梠教授。
 6中総会後に公表されたコミュニケには、49年の「第2の100年」を念頭に習氏の長期政権化を示唆する文言も書き込まれたのだそうです。

 中国共産党における神格化は人為的に行われる。決議によって地位を確立したことで党の宣伝方針が定まり、習氏はカリスマになっていくと興梠教授。

 歴史決議の全文は12日夕までに公表されていないが、閉幕後に発表されたコミュニケは習指導部の成果を「総合的な国力が新たな段階に飛躍した」と絶賛したのだそうです。
 中国、習氏を「人民の領袖」と強調し権威付け - 産経ニュース

 党100年の歴史は、基本的に
 ①毛を指導者とする革命・建設期
 ②鄧が始め、江沢民元総書記と胡錦濤前総書記が続いた改革開放期
 ③習氏の新時代
 
 という三段階で整理している。
 江、胡の両氏の時代は「過渡期」(香港メディア)として鄧時代に入れられ、相対的に鄧の存在が小さくなっていることが注目される。習氏の権威を高めたものとみられ、習氏の父、習仲勲元副首相が鄧と対立していたことを背景とする見方もあるのだそうです。

 コミュニケでは、毛から胡氏までの約90年間と、習氏の総書記就任以来の9年間に関する記述の分量がほぼ同じだ。習氏の成果をたたえる記述も目立つと、産経・北京の三塚中国総局特派員。

 実績ではなく、人事工作で固め、来年後半の開催が決まった第20回党大会に向け、強引にカリスマ化した習近平の下地造りが行われたのでした。
 このまま、実績がないどころか、経済破綻の兆しが見える中国で、習近平の思惑通りに党大会も進められるのでしょうか?



 # 冒頭の画像は、中国共産党の6中総会




  ヤナギハナガサと蝶


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