遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

比・ドゥテルテ次期大統領 反米、中国接近姿勢

2016-06-15 23:58:58 | EEZ 全般
 中国とASEANの特別外相会議が14日に、中国雲南省玉渓で開かれ、ASEAN側は終了後、南シナ海の現状に「深刻な懸念」を示す声明を発表したのだそうです。協議後、単独の声明を発表するのは異例なことなのだそうです。声明の内容は。南シナ海問題を巡ってフィリピンが提訴した仲裁裁判の判断が近く出されることから、仲裁裁の判断受け入れを間接的に中国に促したもの。
 会議では、これまで中立の立場だったインドネシアやシンガポールの外相が、中国に直接、国際法の順守を迫ったり、中国がASEANを切り崩す外交手法にも拒否感が広まったのだそうです。
 ところが、肝心のフィリピンの次期大統領に決まったドゥテルテ氏は最近、米国と一線を画す姿勢を強め、中国との2国間協議を排除しない姿勢を示しているのだそうです。
 

比次期大統領 米と一線 ドゥテルテ氏 南シナ海 中国と協議も (6/15 読売朝刊)

 フィリピンのドゥテルテ次期大統領が、米国と一線を画す姿勢を強めている
。南シナ海を巡る中国の領有権主張が国連海洋法条約に違反するとしてフィリピンが訴えている仲裁裁判所は近く最終判断を示す見通しだが、ドゥテルテ氏の対米姿勢は、中国の一方的な南シナ海への進出に対する関係国の結束に影響しかねないとの懸念が強まっている。(マニラ向井ゆう子)

 地元メディアによると、ドゥテルテ氏は13日、ダバオ市内で、米国のゴールドバーグ駐フィリピン大使と面会した。「表敬目的」とされているが、日本や中国の大使とは当選直後に面会しており、同盟国の米国を約1か月も後回しにしたのは異例の対応と言える。
 
ドゥテルテ氏は「自分は左翼」と公言し、そもそも「米国嫌い」
(比メディア)とされる。ダバオで2002年、米国人男性の部屋で爆発事件が起き、男性が米国へ逃亡したことで捜査が頓挫。逃亡には米当局が関与したとされており、ダバオ市長だったドゥテルテ氏は激怒したという。
 旧宗主国である米国への国民の複雑な感情も背景に、
ドゥテルテ氏は当選後、アキノ現政権下で米軍の再駐留を認めることで合意した米比軍事協定について「南シナ海問題に使うことは許さない」と述べたほか、「(安全保障で)長期的には米国に依存しない」と、米国と一定の距離を置くような発言も相次いでいる

 南シナ海を巡ってもドゥテルテ氏は、周辺国と足並みをそろえて
仲裁裁の判断受け入れを中国に迫ろうとする米国の狙いに反し、中国との2国間協議を排除しない姿勢を示している
。オバマ米大統領はドゥテルテ氏との電話会談で、2国間交渉は仲裁裁が判断を示した後とするよう警告したが、その出方は読み切れない部分もあるのが現状だ。
 
中国は米比の結束の揺らぎを見透かし、今月8日、「協議を通じて紛争を解決する立場」を強調し、仲裁手続きの停止を求める声明を発表
した。

ASEAN「深刻な懸念」 仲裁裁判断 中国に受け入れ促す
 【北京=蒔田一彦、ジャカルタ=池田慶太】
中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)による特別外相会議が14日、中国雲南省玉渓で開かれた。ASEAN側は終了後、南シナ海の現状に「深刻な懸念」を示す声明を発表した。ASEANが中国と協議後、単独の声明を発表するのは異例だ

 中国は、南シナ海問題を巡ってフィリピンが提訴した仲裁裁判の判断が近く出されるのを前に、ASEANとの「対話姿勢」を演出する狙いだったが、両者の対立を鮮明にする結果となった。
 AFP通信によると、会議後に
ASEANが発表した声明では、中国の名指しは避けつつ南シナ海での最近の動きについて、「信頼を損ね、緊張を高めている」と指摘。問題の平和的解決に向けた「法的・外交的プロセスの尊重」にも言及し、仲裁裁の判断受け入れを間接的に中国に促した

 今回の会議は、毎年開催している定例の外相会議とは別の位置付けで開かれた。中国の王毅外相は会議後の記者会見で、「中国とASEANの関係において協力は意見の相違よりもずっと大きい」などと述べ、ASEANとの関係強化に自信を見せていた。
 しかし、会議では、同問題で
「中立」の立場のインドネシアやシンガポールの外相が、中国に直接、国際法の順守を迫った。中国が自らに近いラオスやカンボジアに仲裁裁判の不支持を働きかけ、ASEANを切り崩す外交手法にも拒否感が広がっていた。

 中国による南シナ海での力による現状変更の暴挙に対し、ASEAN諸国のなかで対抗姿勢を強めていたのは、ベトナムとフィリピンだったことは、諸兄がご承知のとおりです。
 米軍を追いだしたフィリピンに、中国はすかさず侵略を開始し、フィリピンは仲裁裁判所に提訴していたのです。そのため、中国から経済制裁を受け、バナナの輸入をストップされているのですね。
 自身を左翼と公言し、「米国嫌い」のドゥテルテ氏。中国が支配する島の近くに行き、フィリピンの国旗を立てると公言していたのですが、中国との二国間協議を排除しない姿勢を示し始めているのだそうです。
 ようやく対中けん制国が増えてきているのに、肝心のフィリピンが団結した交渉を離脱。自身が島に乗り込んで国旗を立てると言っていた選挙時の勢いは、何処へいったのでしょう。領土・領海を中国に差し出すのでしょうか。
 中国は、米比の再分裂は大歓迎で、仲裁手続きの停止を求めるなど、早速対比侵略を始めています。

 孤立化が進む中国は、日本やインドへの攻勢を強めています。力で脅そうというのでしょうか。それは逆に反発を強め、逆効果だと思うのですが、中国の発想が理解できません。強化を続けている軍事力で抑え込めるとの自信があるのでしょうか。

 
中国軍がインド北部に侵入 領有権主張、日米との連携強化に反発か - 産経ニュース
 【中国軍艦領海侵入】「航行の自由」…中国国防省、開き直る 尖閣以外での対応探る? - 産経ニュース

 尖閣諸島近海の接続水域に軍艦を侵入させたのも、ロシア艦の進入に便乗したのではなく、「日本の軍艦が先に接続水域に入った。そして中日双方には、艦船を接続水域に入れないとの黙契がある。中国海軍は既に東(シナ)海海域の巡航を常態化した。今回は監視中に日本艦の行動を察知し、緊急対応した」と強弁し、日本の艦船が侵入したのを排除しようとしたと主張しているのだそうですね。毎度のことながら、開いた口が塞がらないあきれた論旨です。
 

「狙いは日本艦排除」 中国軍艦、尖閣進入の深刻さ  :日本経済新聞

 6月9日午前1時ごろ、眠りにつこうとしていた首相、安倍晋三に報告が入った。この日は私邸ではなく、首相官邸脇の公邸に宿泊していた。
 「中国艦船が尖閣諸島の接続水域に入りました……」
 目覚めた安倍は付近に展開する海上自衛隊の護衛艦の動きを問い、素早く指示を出した。緊迫した中国のジャンカイ1級フリゲート艦の進入事件の謎を解くカギは、その3時間余り前にあった。

■「黙契破ったのは日本」という強弁
 
「日本の軍艦が先に接続水域に入った。そして中日双方には、艦船を接続水域に入れないとの黙契がある。中国海軍は既に東(シナ)海海域の巡航を常態化した。今回は監視中に日本艦の行動を察知し、緊急対応した」
 共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報が伝えた中国の主張だ。簡単にいうと、先に進入したロシア艦の動きは無関係で、日本艦が先に「黙契」を破ったため中国艦船も進入した、との趣旨
だ。
 もちろん中国の言う、日中の密約を意味する
「黙契」など存在しない
。尖閣の実効支配を確立している日本は、無用な摩擦を避けるため、通常、海上保安庁の巡視船が対処しているにすぎない。中国政府は、領土問題の存在を認めよと迫る際、「日本は過去に『棚上げ』を認めた」と主張する。「黙契」の存在の主張は同じ論法だ。

 中国の安全保障関係者から漏れ伝わる声はこうだ。
 「友であるロシアの艦隊が『航行の自由』を標榜して釣魚島(尖閣諸島の中国名)の接続水域に入っても見過ごす選択肢はある。だが、日本の軍艦が入った場合、我々、中国も入らなければならない。そして排除する必要がある。そうでなければ日本の実効支配を崩したとはいえない」
 この論理を真に受ければ、もし
日本の護衛艦が尖閣諸島を守るため領海に入れば、中国艦も侵入する可能性が高くなる。戦闘になってもおかしくない。極めて危険な状態だった


 
忘れてならないのは、中国が2012年秋以来、「日本の実効支配を崩した」と公言していること
だ。日本の尖閣国有化を逆に利用して中国公船が領海を侵犯。その後も定期的に接続水域、領海に入っている。それでも、これは中国海警局所属の公船だ。日本側で対処するのは海保の巡視船になる。双方が厳しく対峙しても軍ではないため即、戦争にはならない。
 今回はロシア艦の進入が誘因とはいえ、
日本艦が接続水域内を航行した。中国側は「新たな事態で放置できない」いう論理でプレーアップした。「見過ごせば中国海軍が上層部から叱責されかねなかった」。こんな見方もアジアの外交・安保専門家の間にはある
<中略>

■試された与那国島レーダー
 中国軍にはもう一つ重要な目的があった。中国語で言う「試探」。つまり
接続水域進入によって自衛隊と日本政府がどの程度、素早い動きを見せるのかを探りたかった
のだ。
 なぜ今なのか。それは3月28日、日本最西端の与那国島(沖縄県)に160人規模で駐屯を開始した陸上自衛隊とレーダー基地に関係する。与那国島の150キロ北には尖閣諸島がある。人口2000人に満たない静かな島に出現した巨大な5本の鉄塔には様々なアンテナが据え付けられた。尖閣周辺の海と空ににらみを利かせている。
 
日本政府の動きは素早かった
。安倍への報告の後、外務省は直ちに東京の中国大使館の安全保障担当公使に抗議した。中国艦の接続水域入りから僅か25分後だった。その45分後には駐日中国大使、程永華を呼び抗議した。

 見落とされている事実がもう一つある。中国艦に対処した青森県の大湊港を母港とする「せとぎり」(3550トン)は、南シナ海との縁が深い。4月12日にはベトナム南部の要衝、カムラン湾の軍港を訪れていた。直前には同じく中国と南シナ海で対峙するフィリピンの北部、スービック港に寄港。南シナ海を横切ってベトナムのカムラン湾に入った。
 カムラン湾といえば、冷戦時代に旧ソ連が軍港として使用し、対米けん制の最前線だった場所だ。今や南シナ海問題で立場は逆転した。ベトナムは中国に対抗するため米国から武器を購入し、日本の海自艦船の訪問も受け入れている。

 軍事面の実力が向上した中国海軍は、国家主席、習近平がトップに就いて以来、海洋進出を加速している。中国には強く自制を求める。力による現状の変更は極めて危険だ。そして日中間で偶発的な衝突などあってはならない。防衛当局間の早期の「海空連絡メカニズム」発効に向けた詰めた話し合いをすぐにでも始めるべきだ。(敬称略)

 中国は、着実に侵略の輪を広げています。
 その毒牙に気づかないのは、フィリピンのドゥテルテ氏だけではなく、我が日本国についても言えることです。
 平和ボケが通用した時代は、終わろうとしています。



 # 冒頭の画像は、フィリピン次期大統領のドゥテルテ氏




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