12月19日朝には安倍派、続いて二階派の事務所に家宅捜索が入りました。年末に向けて東京地検特捜部の動きが大きくなっていますと、財団法人情報法制研究所事務局次長・上席研究員の山本一郎氏。
今後の展望を解説いただいています。
少し前まで、各派閥に所属する議員の政治資金収支報告書への未記載は、検察からのリークに主導される形で「些少な額でも立件可能ならば幅広にやる」と風呂敷が広がっていましたが、途中から「未記載を指示した大物議員の立件も状況によっては難しい」とトーンダウンし始めており、興味深いところですと、山本氏。
議員個人はしっかり収入を記載していた二階派は問題にできないのではないかという話が出てきました。
他方、安倍派に関しては、亡くなられた細田博之さんが派閥の事務総長を務めていた時期に、「各議員は派閥からの資金を収支報告書に記載するな」という具体的な指示が出ていたことが判明し、割と微妙な感じで「死人に口なし」の状況になっていますと、山本氏。
50万円や100万円という些少なキックバックしかもらっていない未記載の議員に関しては、後付けで資金報告書を修正すれば罪に問えるほどのものではないと判断される可能性も出てきているのだそうです。
一時期、朝日新聞など関係先に対して「自民党が崩壊するぞ!」というような勢いでリークを繰り返していた検察が大人しくなったのもそういう理由ですと、山本氏。
張り切ってマスコミにネタを投げてきたんだからもうちょっと頑張れよ、とこっちが心配になってしまうほどの尻すぼみ感です。「何それ?」という感じはしますが、地検には粘っていただきたいと思うところでありますとも。
安倍派の上層部を担った大物が問題視されています。その理由として二つの事例がささやかれていますと、山本氏。
一つが「安倍派の議員が派閥のパーティー券を売ったにもかかわらず、議員個人が派閥に入金せず『ごちそうさま』をしていた可能性」、もう一つが「安倍派の事務総長以下、大物議員が安倍派に集まったお金を各所属議員に分配するに当たり、分厚く分配した議員とそうでない議員がいるうえに、実際のキックバックされる額をピンハネしていた可能性」。
前者は、安倍派がどうとか無関係にその議員は大変なことになる。
後者は、安倍派の執行部が積極的にピンハネして、派閥自体の裏金にしていたという問題。
これは、世耕弘成さんなどに大きな嫌疑がかかってきていますと、山本氏。
また、資金報告書未記載の金額が大きい議員は特にデンジャーゾーンに突入しているとも。
目下の問題は次期通常国会が始まる前、あるいは始まったあとであっても、捜査の進展によっては自ら議員辞職をする安倍派議員が出てくるかどうかというあたりに関心が集まっていますと、山本氏。
政治資金規正法における収入などの未記載はある種の形式犯であり、それ単体ではそう重きは置かれない。
そうして作った裏金の使途が二重帳簿として運用されていたり、抱えている都議や県議、市議、区議など地元の選挙活動を担う皆さんの活動費の一部に捻出されていたとするならば、それは買収に当たり、役が一飜(いーはん)上がってしまいますと、山本氏。
しかし、一般的に軽微とされる罪だから報告書の修正が行われればお咎めなしとなる保証は実はどこにもないとも。
自ら責任を取る形で自民党要職の政調会長を辞任された萩生田光一さんがブログを書かれていまして、何とも無念というか、忸怩たるお気持ちを表明されていて残念だなあと思う面も強くあります。
岸田さんが最後まで頼りにしていた人物の一人が萩生田さんだったことを考えると、これから訪れる岸田文雄政権の難局をどう乗り越えるのか非常に不透明なことになってきたなと、山本氏。
自民党や連立与党である公明党も、積極的に「岸田降ろし」のような感じでひっくり返すよりは、少なくとも3月15日の衆参補選期日までに何人が起訴され、何人が自分から議員辞職するのかということを見極めてからの動きになることは間違いないでしょうとは、山本氏以外の専門家も含め、多くの人々の見方ですね。
むしろ、不具合を、岸田氏一身に背負わせて退場いただこうと。。
岸田さんを与党も野党も早期で降ろしたところで、次の総理大臣が就任していきなりさらなるスキャンダルにさらされ、議会運営に行き詰まって土下座という可能性もある中では、降ろそうにも降ろしようがありません。誰も泥をかぶりたくないのですと、山本氏。
振る舞い的にも岸田さんが驚くべき鈍感力を示しています。低空飛行でも粘る岸田文雄さんを思いながら、年末の慌ただしい日々を国民一丸となって乗り切りましょうと、山本氏。
意外と岸田氏の実績を礼賛されているのは、山本氏の優しさ?
国内という井戸の中ではそれでもいいのでしょうが、変動著しい昨今の世界情勢のなかでは、広島サミットで露呈した様に、日本が取り残される危惧を感じるのは遊爺だけ?
# 冒頭の画像は、粘れる岸田首相
この花の名前は、原種クリスマスローズ
↓よろしかったら、お願いします。
今後の展望を解説いただいています。
安倍派ガサ入れもトーンダウンし始めた検察と、俺たちの岸田文雄政権の2024年 誰が首相になっても火中の栗、焦点は安倍派議員がどれだけ議員辞職するか | JBpress (ジェイビープレス) 2023.12.22(金)
山本一郎:財団法人情報法制研究所 事務局次長・上席研究員
・自民党を揺るがしているパーティー券を巡る裏金問題。年末から来年にかけての焦点は、次期通常国会が始まる前、あるいは始まったあとに議員辞職する安倍派議員が出るかどうか。
・「岸田降ろし」が始まるかどうかも、3月15日の衆参補選期日までに、何人が起訴され、何人が自分から議員辞職するのかということを見極めてからの動きになる。
・その時に、大量の議員辞職が出れば、3月15日までに岸田さんが総辞職を決断し、自民党総裁選をやったうえで新任総理総裁が解散という可能性もゼロではないが、岸田首相を降ろしたところで、火中の栗を拾う人がいるだろうか。
年末に向けて東京地検特捜部の動きが大きくなっています。12月19日朝には安倍派、続いて二階派の事務所に家宅捜索が入りました。
少し前まで、各派閥に所属する議員の政治資金収支報告書への未記載は、検察からのリークに主導される形で「些少な額でも立件可能ならば幅広にやる」と風呂敷が広がっていましたが、途中から「未記載を指示した大物議員の立件も状況によっては難しい」とトーンダウンし始めており、興味深いところです。
自民党議員の側も高まるべき危機感がさほど高まらず、まあ何とかなるだろう的な温かい雰囲気に包まれているのはどうなのと思わないでもありません。国民はそういう姿勢や態度にブチ切れているからこそ、政党支持率もついに急落してきたんですけどね。
事実関係もかなり報じられ始めてはいますが、過去5年で5億円以上の派閥資金を還流させ、そのほぼすべてが報告書に未記載であった安倍派はともかく、派閥の収支報告書には未記載だったものの、議員個人はしっかり収入を記載していた二階派は問題にできないのではないかという話が出てきました。
それゆえに、岸田文雄政権でも、二階派から閣僚に入っている法務大臣の小泉龍司さんと国際博覧会担当の内閣府特命担当大臣である自見英子さんは議員個人の収支報告書で派閥からの入金をきちんと記載しているため、大臣個人としての責任は追及できず、二階派からの離脱はしつつも大臣留任の方針が出ています。
まあ小泉龍司さんも自見英子さんも大臣として個人が悪いわけではありませんから、留任は当然なんですけれども任命権者の総理なり大臣本人からの説明がもう少し世間にあって然るべきなのかなと思います。
他方、安倍派に関しては、亡くなられた細田博之さんが派閥の事務総長を務めていた時期に、「各議員は派閥からの資金を収支報告書に記載するな」という具体的な指示が出ていたことが判明し、割と微妙な感じで「死人に口なし」の状況になっています。
実際そうなのでしょうが、それで国民が納得するかと言われると微妙ですし、政治というか自民党への信頼を回復させるという点で言えばむしろマイナスかもしれません。
50万円や100万円という些少なキックバックしかもらっていない未記載の議員に関しては、後付けで資金報告書を修正すれば罪に問えるほどのものではないと判断される可能性も出てきているようです。
一時期、朝日新聞など関係先に対して「自民党が崩壊するぞ!」というような勢いでリークを繰り返していた検察が大人しくなったのもそういう理由です。
いや、まあ、そこまで張り切ってマスコミにネタを投げてきたんだからもうちょっと頑張れよ、とこっちが心配になってしまうほどの尻すぼみ感です。「何それ?」という感じはしますが、地検には粘っていただきたいと思うところであります。
大きな嫌疑がかかっている具体的な議員
今回のパー券裏金疑惑について、安倍派の上層部を担った大物が問題視されています。その理由として二つの事例がささやかれています。
一つが「安倍派の議員が派閥のパーティー券を売ったにもかかわらず、議員個人が派閥に入金せず『ごちそうさま』をしていた可能性」、もう一つが「安倍派の事務総長以下、大物議員が安倍派に集まったお金を各所属議員に分配するに当たり、分厚く分配した議員とそうでない議員がいるうえに、実際のキックバックされる額をピンハネしていた可能性」です。
前者は、派閥のパーティー券を売った金を議員個人がガメている話で、これを未記載にしているのですから、派閥がいくら「派閥のパー券は政治資金報告書に記載するな」と命令していたとしても、それとは無関係に裏金にしていたことになります。何してんだよ。
安倍派がどうとか無関係にその議員は大変なことになると思われますし、それらのカネが何に使われたのか、また、二重帳簿があるとするならばそこに何が記載されているかは焦点となるでしょう。
「パクられるのではないか?」という疑いがかけられているのは、パー券の「営業力」が大きかった元五輪相の橋本聖子さんのような、派閥とは別の資金源を引き継いだ大物政治家です。
後者は、派閥パーティー券をノルマ以上にたくさん売ったにもかかわらず、派閥内の力学などから、「あいつにはキックバック減らしたれ」と安倍派の執行部が積極的にピンハネして、派閥自体の裏金にしていたという問題です。
これは安倍派の会計責任者を指名していた元参院議長で、安倍ちゃん側近だった世耕弘成さんなどに大きな嫌疑がかかってきています。
また、国会質疑で般若心経を朗読するという偉業を達成した谷川弥一さんや、自民党が飛鳥時代から支持母体・資金源としてきた青年会議所関連の取りまとめを行っていた池田佳隆さんら、資金報告書未記載の金額が大きい議員は特にデンジャーゾーンに突入しています。
数千万もの政治資金が入っているにもかかわらず未記載にしていて、これらのカネが「いや、実は現金で残ってましたので政治資金報告書を修正します」で果たして済むのかどうか。非常に微妙なところだと思われます。
それもあり、目下の問題は次期通常国会が始まる前、あるいは始まったあとであっても、捜査の進展によっては自ら議員辞職をする安倍派議員が出てくるかどうかというあたりに関心が集まっています。その金額はもちろん、議員辞職を自ら選ぶ議員の数がどれだけになるのかというところも注目点です。
問題の収拾に乗り出そうとしない岸田政権
政治資金規正法における収入などの未記載はある種の形式犯であり、それ単体ではそう重きは置かれないとしても、そうして作った裏金の使途が二重帳簿として運用されていたり、抱えている都議や県議、市議、区議など地元の選挙活動を担う皆さんの活動費の一部に捻出されていたとするならば、それは買収に当たり、役が一飜(いーはん)上がってしまいます。
経産大臣を歴任した大物政治家、菅原一秀さんですらメロンやカニを配った買収のかどで一度は不起訴となりつつも検察審査会で起訴相当となり、議員辞職後、略式起訴で公民権停止3年というかなり厳しい状況になったことを考えると、当初検察が息巻いていた「未記載の裏金の使途によっては些少な額でも立件したい」という気持ちも分かります。
仮に、いまの特捜当局が公判の維持が難しいレベルの証拠しか集められなかったと起訴を断念しても、菅原一秀さんのように後から検察審査会から起訴相当の決定が出る可能性は割とあると見られます。金額の小さい形式犯でも、法律上では未記載そのものが公民権停止を伴う犯罪と明記されており、一般的に軽微とされる罪だから報告書の修正が行われればお咎めなしとなる保証は実はどこにもないのです。
他方、俺たちの岸田文雄政権の動きとしては静かなものです。
前述の通り、検察庁に対して指揮権を持つ法務大臣の小泉龍司さんを通じて何らかバーターや落としどころを探る動きでもしているのかと言われれば、特にそんなことはしていなさそうで、そういうときに間に入って汗をかくべき官邸官僚の皆さんも無風というかすごい静かなので気になります。
もしかして、岸田政権は本当に何もしていないのではないかと思うぐらいで、これはこれで心配になります。ちょっとは何とかしようとしろよ。
また、最近自ら責任を取る形で自民党要職の政調会長を辞任された萩生田光一さんがブログを書かれていまして、何とも無念というか、忸怩たるお気持ちを表明されていて残念だなあと思う面も強くあります。
岸田さんが最後まで頼りにしていた人物の一人が萩生田さんだったことを考えると、これから訪れる岸田文雄政権の難局をどう乗り越えるのか非常に不透明なことになってきたなと思います。
呆れるほど低支持率なのに実績は上げている現実
確かに、この一連の疑惑がどう検察当局によって解明されていくのかという点で見れば、岸田政権は受け身の体勢です。自民党や連立与党である公明党も、積極的に「岸田降ろし」のような感じでひっくり返すよりは、少なくとも3月15日の衆参補選期日までに何人が起訴され、何人が自分から議員辞職するのかということを見極めてからの動きになることは間違いないでしょう。
ここで、いや、実は20人とか30人とか議員辞職しなければならないほど大変な話なり、3月15日までに辞表が出て、4月28日の衆参補選がたくさん行われる事態になるのであれば、3月15日までに岸田さんが総辞職を決断し、自民党総裁選をやり、4月28日にあわせて新任総理総裁が解散という可能性もゼロではありません。
ただ、予算審議のこともありますし、岸田さんを与党も野党も早期で降ろしたところで、次の総理大臣が就任していきなりさらなるスキャンダルにさらされ、議会運営に行き詰まって土下座という可能性もある中では、降ろそうにも降ろしようがありません。誰も泥をかぶりたくないのです。
岸田文雄さんとしては、最長で来年9月の総裁任期満了まで引っ張り、自民党総裁選を花道に後継指名せず勇退、みたいな流れになるのかもしれません。
そのころまでには何人が起訴され、何人が公民権停止などの判決を喰らうのかという目鼻はついているでしょう。国民不在の政局だとさんざん罵倒されながらも粛々と予算を通し、重要法案を審議し続けるという働き者のゾンビのような状況になることは容易に想像できます。
何より、岸田文雄さんは呆れるほど低支持率ながら、実は今回も12本ある閣法(内閣提出法律案)をすべて通し、補正予算も成立させ、長年の懸案であったALPS処理水の海洋放出も実現し、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働へ道筋をつけ、対中国外交では日本の立場を主張してきちんと強行させたうえ、ガソリンや電気代の値上がりに対して補助金を出し、インフレを克服して国民の生活を守っているという点で、かなり優秀な実績を上げている総理です。
ただただ人気がない。これは非常にもったいないことです。また、一応は総裁ですし、立場上責任は取らないといけないとはいえ、必ずしも岸田さんの責任ではない安倍派の汚いカネのトラブルのケツを拭かされているという残念な面はあります。
問題となった円安によるコストアップインフレも、元はと言えば安倍晋三さんが突っ張ったアベノミクスのゼロ金利後遺症と言えますし、社会保障改革も安倍政権がぶん投げたあとでコロナが来て、にっちもさっちもいかなくなったものを、今回のトリプル改定で焼けた栗を拾わされている面があります。
振る舞い的にも岸田さんが驚くべき鈍感力を示しています。岸田派の田村憲久さんが就任すると見られていた政調会長・萩生田さんの後任も、無所属の渡海紀三朗さんになってしまうという不思議人事もやり遂げました。低空飛行でも粘る岸田文雄さんを思いながら、年末の慌ただしい日々を国民一丸となって乗り切りましょう。
山本一郎:財団法人情報法制研究所 事務局次長・上席研究員
・自民党を揺るがしているパーティー券を巡る裏金問題。年末から来年にかけての焦点は、次期通常国会が始まる前、あるいは始まったあとに議員辞職する安倍派議員が出るかどうか。
・「岸田降ろし」が始まるかどうかも、3月15日の衆参補選期日までに、何人が起訴され、何人が自分から議員辞職するのかということを見極めてからの動きになる。
・その時に、大量の議員辞職が出れば、3月15日までに岸田さんが総辞職を決断し、自民党総裁選をやったうえで新任総理総裁が解散という可能性もゼロではないが、岸田首相を降ろしたところで、火中の栗を拾う人がいるだろうか。
年末に向けて東京地検特捜部の動きが大きくなっています。12月19日朝には安倍派、続いて二階派の事務所に家宅捜索が入りました。
少し前まで、各派閥に所属する議員の政治資金収支報告書への未記載は、検察からのリークに主導される形で「些少な額でも立件可能ならば幅広にやる」と風呂敷が広がっていましたが、途中から「未記載を指示した大物議員の立件も状況によっては難しい」とトーンダウンし始めており、興味深いところです。
自民党議員の側も高まるべき危機感がさほど高まらず、まあ何とかなるだろう的な温かい雰囲気に包まれているのはどうなのと思わないでもありません。国民はそういう姿勢や態度にブチ切れているからこそ、政党支持率もついに急落してきたんですけどね。
事実関係もかなり報じられ始めてはいますが、過去5年で5億円以上の派閥資金を還流させ、そのほぼすべてが報告書に未記載であった安倍派はともかく、派閥の収支報告書には未記載だったものの、議員個人はしっかり収入を記載していた二階派は問題にできないのではないかという話が出てきました。
それゆえに、岸田文雄政権でも、二階派から閣僚に入っている法務大臣の小泉龍司さんと国際博覧会担当の内閣府特命担当大臣である自見英子さんは議員個人の収支報告書で派閥からの入金をきちんと記載しているため、大臣個人としての責任は追及できず、二階派からの離脱はしつつも大臣留任の方針が出ています。
まあ小泉龍司さんも自見英子さんも大臣として個人が悪いわけではありませんから、留任は当然なんですけれども任命権者の総理なり大臣本人からの説明がもう少し世間にあって然るべきなのかなと思います。
他方、安倍派に関しては、亡くなられた細田博之さんが派閥の事務総長を務めていた時期に、「各議員は派閥からの資金を収支報告書に記載するな」という具体的な指示が出ていたことが判明し、割と微妙な感じで「死人に口なし」の状況になっています。
実際そうなのでしょうが、それで国民が納得するかと言われると微妙ですし、政治というか自民党への信頼を回復させるという点で言えばむしろマイナスかもしれません。
50万円や100万円という些少なキックバックしかもらっていない未記載の議員に関しては、後付けで資金報告書を修正すれば罪に問えるほどのものではないと判断される可能性も出てきているようです。
一時期、朝日新聞など関係先に対して「自民党が崩壊するぞ!」というような勢いでリークを繰り返していた検察が大人しくなったのもそういう理由です。
いや、まあ、そこまで張り切ってマスコミにネタを投げてきたんだからもうちょっと頑張れよ、とこっちが心配になってしまうほどの尻すぼみ感です。「何それ?」という感じはしますが、地検には粘っていただきたいと思うところであります。
大きな嫌疑がかかっている具体的な議員
今回のパー券裏金疑惑について、安倍派の上層部を担った大物が問題視されています。その理由として二つの事例がささやかれています。
一つが「安倍派の議員が派閥のパーティー券を売ったにもかかわらず、議員個人が派閥に入金せず『ごちそうさま』をしていた可能性」、もう一つが「安倍派の事務総長以下、大物議員が安倍派に集まったお金を各所属議員に分配するに当たり、分厚く分配した議員とそうでない議員がいるうえに、実際のキックバックされる額をピンハネしていた可能性」です。
前者は、派閥のパーティー券を売った金を議員個人がガメている話で、これを未記載にしているのですから、派閥がいくら「派閥のパー券は政治資金報告書に記載するな」と命令していたとしても、それとは無関係に裏金にしていたことになります。何してんだよ。
安倍派がどうとか無関係にその議員は大変なことになると思われますし、それらのカネが何に使われたのか、また、二重帳簿があるとするならばそこに何が記載されているかは焦点となるでしょう。
「パクられるのではないか?」という疑いがかけられているのは、パー券の「営業力」が大きかった元五輪相の橋本聖子さんのような、派閥とは別の資金源を引き継いだ大物政治家です。
後者は、派閥パーティー券をノルマ以上にたくさん売ったにもかかわらず、派閥内の力学などから、「あいつにはキックバック減らしたれ」と安倍派の執行部が積極的にピンハネして、派閥自体の裏金にしていたという問題です。
これは安倍派の会計責任者を指名していた元参院議長で、安倍ちゃん側近だった世耕弘成さんなどに大きな嫌疑がかかってきています。
また、国会質疑で般若心経を朗読するという偉業を達成した谷川弥一さんや、自民党が飛鳥時代から支持母体・資金源としてきた青年会議所関連の取りまとめを行っていた池田佳隆さんら、資金報告書未記載の金額が大きい議員は特にデンジャーゾーンに突入しています。
数千万もの政治資金が入っているにもかかわらず未記載にしていて、これらのカネが「いや、実は現金で残ってましたので政治資金報告書を修正します」で果たして済むのかどうか。非常に微妙なところだと思われます。
それもあり、目下の問題は次期通常国会が始まる前、あるいは始まったあとであっても、捜査の進展によっては自ら議員辞職をする安倍派議員が出てくるかどうかというあたりに関心が集まっています。その金額はもちろん、議員辞職を自ら選ぶ議員の数がどれだけになるのかというところも注目点です。
問題の収拾に乗り出そうとしない岸田政権
政治資金規正法における収入などの未記載はある種の形式犯であり、それ単体ではそう重きは置かれないとしても、そうして作った裏金の使途が二重帳簿として運用されていたり、抱えている都議や県議、市議、区議など地元の選挙活動を担う皆さんの活動費の一部に捻出されていたとするならば、それは買収に当たり、役が一飜(いーはん)上がってしまいます。
経産大臣を歴任した大物政治家、菅原一秀さんですらメロンやカニを配った買収のかどで一度は不起訴となりつつも検察審査会で起訴相当となり、議員辞職後、略式起訴で公民権停止3年というかなり厳しい状況になったことを考えると、当初検察が息巻いていた「未記載の裏金の使途によっては些少な額でも立件したい」という気持ちも分かります。
仮に、いまの特捜当局が公判の維持が難しいレベルの証拠しか集められなかったと起訴を断念しても、菅原一秀さんのように後から検察審査会から起訴相当の決定が出る可能性は割とあると見られます。金額の小さい形式犯でも、法律上では未記載そのものが公民権停止を伴う犯罪と明記されており、一般的に軽微とされる罪だから報告書の修正が行われればお咎めなしとなる保証は実はどこにもないのです。
他方、俺たちの岸田文雄政権の動きとしては静かなものです。
前述の通り、検察庁に対して指揮権を持つ法務大臣の小泉龍司さんを通じて何らかバーターや落としどころを探る動きでもしているのかと言われれば、特にそんなことはしていなさそうで、そういうときに間に入って汗をかくべき官邸官僚の皆さんも無風というかすごい静かなので気になります。
もしかして、岸田政権は本当に何もしていないのではないかと思うぐらいで、これはこれで心配になります。ちょっとは何とかしようとしろよ。
また、最近自ら責任を取る形で自民党要職の政調会長を辞任された萩生田光一さんがブログを書かれていまして、何とも無念というか、忸怩たるお気持ちを表明されていて残念だなあと思う面も強くあります。
岸田さんが最後まで頼りにしていた人物の一人が萩生田さんだったことを考えると、これから訪れる岸田文雄政権の難局をどう乗り越えるのか非常に不透明なことになってきたなと思います。
呆れるほど低支持率なのに実績は上げている現実
確かに、この一連の疑惑がどう検察当局によって解明されていくのかという点で見れば、岸田政権は受け身の体勢です。自民党や連立与党である公明党も、積極的に「岸田降ろし」のような感じでひっくり返すよりは、少なくとも3月15日の衆参補選期日までに何人が起訴され、何人が自分から議員辞職するのかということを見極めてからの動きになることは間違いないでしょう。
ここで、いや、実は20人とか30人とか議員辞職しなければならないほど大変な話なり、3月15日までに辞表が出て、4月28日の衆参補選がたくさん行われる事態になるのであれば、3月15日までに岸田さんが総辞職を決断し、自民党総裁選をやり、4月28日にあわせて新任総理総裁が解散という可能性もゼロではありません。
ただ、予算審議のこともありますし、岸田さんを与党も野党も早期で降ろしたところで、次の総理大臣が就任していきなりさらなるスキャンダルにさらされ、議会運営に行き詰まって土下座という可能性もある中では、降ろそうにも降ろしようがありません。誰も泥をかぶりたくないのです。
岸田文雄さんとしては、最長で来年9月の総裁任期満了まで引っ張り、自民党総裁選を花道に後継指名せず勇退、みたいな流れになるのかもしれません。
そのころまでには何人が起訴され、何人が公民権停止などの判決を喰らうのかという目鼻はついているでしょう。国民不在の政局だとさんざん罵倒されながらも粛々と予算を通し、重要法案を審議し続けるという働き者のゾンビのような状況になることは容易に想像できます。
何より、岸田文雄さんは呆れるほど低支持率ながら、実は今回も12本ある閣法(内閣提出法律案)をすべて通し、補正予算も成立させ、長年の懸案であったALPS処理水の海洋放出も実現し、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働へ道筋をつけ、対中国外交では日本の立場を主張してきちんと強行させたうえ、ガソリンや電気代の値上がりに対して補助金を出し、インフレを克服して国民の生活を守っているという点で、かなり優秀な実績を上げている総理です。
ただただ人気がない。これは非常にもったいないことです。また、一応は総裁ですし、立場上責任は取らないといけないとはいえ、必ずしも岸田さんの責任ではない安倍派の汚いカネのトラブルのケツを拭かされているという残念な面はあります。
問題となった円安によるコストアップインフレも、元はと言えば安倍晋三さんが突っ張ったアベノミクスのゼロ金利後遺症と言えますし、社会保障改革も安倍政権がぶん投げたあとでコロナが来て、にっちもさっちもいかなくなったものを、今回のトリプル改定で焼けた栗を拾わされている面があります。
振る舞い的にも岸田さんが驚くべき鈍感力を示しています。岸田派の田村憲久さんが就任すると見られていた政調会長・萩生田さんの後任も、無所属の渡海紀三朗さんになってしまうという不思議人事もやり遂げました。低空飛行でも粘る岸田文雄さんを思いながら、年末の慌ただしい日々を国民一丸となって乗り切りましょう。
少し前まで、各派閥に所属する議員の政治資金収支報告書への未記載は、検察からのリークに主導される形で「些少な額でも立件可能ならば幅広にやる」と風呂敷が広がっていましたが、途中から「未記載を指示した大物議員の立件も状況によっては難しい」とトーンダウンし始めており、興味深いところですと、山本氏。
議員個人はしっかり収入を記載していた二階派は問題にできないのではないかという話が出てきました。
他方、安倍派に関しては、亡くなられた細田博之さんが派閥の事務総長を務めていた時期に、「各議員は派閥からの資金を収支報告書に記載するな」という具体的な指示が出ていたことが判明し、割と微妙な感じで「死人に口なし」の状況になっていますと、山本氏。
50万円や100万円という些少なキックバックしかもらっていない未記載の議員に関しては、後付けで資金報告書を修正すれば罪に問えるほどのものではないと判断される可能性も出てきているのだそうです。
一時期、朝日新聞など関係先に対して「自民党が崩壊するぞ!」というような勢いでリークを繰り返していた検察が大人しくなったのもそういう理由ですと、山本氏。
張り切ってマスコミにネタを投げてきたんだからもうちょっと頑張れよ、とこっちが心配になってしまうほどの尻すぼみ感です。「何それ?」という感じはしますが、地検には粘っていただきたいと思うところでありますとも。
安倍派の上層部を担った大物が問題視されています。その理由として二つの事例がささやかれていますと、山本氏。
一つが「安倍派の議員が派閥のパーティー券を売ったにもかかわらず、議員個人が派閥に入金せず『ごちそうさま』をしていた可能性」、もう一つが「安倍派の事務総長以下、大物議員が安倍派に集まったお金を各所属議員に分配するに当たり、分厚く分配した議員とそうでない議員がいるうえに、実際のキックバックされる額をピンハネしていた可能性」。
前者は、安倍派がどうとか無関係にその議員は大変なことになる。
後者は、安倍派の執行部が積極的にピンハネして、派閥自体の裏金にしていたという問題。
これは、世耕弘成さんなどに大きな嫌疑がかかってきていますと、山本氏。
また、資金報告書未記載の金額が大きい議員は特にデンジャーゾーンに突入しているとも。
目下の問題は次期通常国会が始まる前、あるいは始まったあとであっても、捜査の進展によっては自ら議員辞職をする安倍派議員が出てくるかどうかというあたりに関心が集まっていますと、山本氏。
政治資金規正法における収入などの未記載はある種の形式犯であり、それ単体ではそう重きは置かれない。
そうして作った裏金の使途が二重帳簿として運用されていたり、抱えている都議や県議、市議、区議など地元の選挙活動を担う皆さんの活動費の一部に捻出されていたとするならば、それは買収に当たり、役が一飜(いーはん)上がってしまいますと、山本氏。
しかし、一般的に軽微とされる罪だから報告書の修正が行われればお咎めなしとなる保証は実はどこにもないとも。
自ら責任を取る形で自民党要職の政調会長を辞任された萩生田光一さんがブログを書かれていまして、何とも無念というか、忸怩たるお気持ちを表明されていて残念だなあと思う面も強くあります。
岸田さんが最後まで頼りにしていた人物の一人が萩生田さんだったことを考えると、これから訪れる岸田文雄政権の難局をどう乗り越えるのか非常に不透明なことになってきたなと、山本氏。
自民党や連立与党である公明党も、積極的に「岸田降ろし」のような感じでひっくり返すよりは、少なくとも3月15日の衆参補選期日までに何人が起訴され、何人が自分から議員辞職するのかということを見極めてからの動きになることは間違いないでしょうとは、山本氏以外の専門家も含め、多くの人々の見方ですね。
むしろ、不具合を、岸田氏一身に背負わせて退場いただこうと。。
岸田さんを与党も野党も早期で降ろしたところで、次の総理大臣が就任していきなりさらなるスキャンダルにさらされ、議会運営に行き詰まって土下座という可能性もある中では、降ろそうにも降ろしようがありません。誰も泥をかぶりたくないのですと、山本氏。
振る舞い的にも岸田さんが驚くべき鈍感力を示しています。低空飛行でも粘る岸田文雄さんを思いながら、年末の慌ただしい日々を国民一丸となって乗り切りましょうと、山本氏。
意外と岸田氏の実績を礼賛されているのは、山本氏の優しさ?
国内という井戸の中ではそれでもいいのでしょうが、変動著しい昨今の世界情勢のなかでは、広島サミットで露呈した様に、日本が取り残される危惧を感じるのは遊爺だけ?
# 冒頭の画像は、粘れる岸田首相
この花の名前は、原種クリスマスローズ
↓よろしかったら、お願いします。