中国・習近平政権が全人代で発表した、新たな5カ年計画では、国内総生産(GDP)成長率目標を年平均6.5~7.0%と発表しましたが、その達成に懐疑的な声が多いことは、諸兄がご承知の通りです。
その声が聞こえているのでしょう。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は12日、北京市内で記者会見し、2020年まで6.5%以上としている成長率実現について「過度な金融緩和による景気刺激は必要ない」と述べ、従来の「穏健(やや中立)な金融政策」を維持する方針を示したのだそうです。
また通貨、人民元相場についても「正常化してきた」との見方を示したのだそうで、火消、平静さを装うのにやっきの様子ですね。
しかし、各種統計(信頼性には疑念が多いのですが)や、国内情勢は、楽観を許さないことを示していますね。
荒唐無稽な中国「第13次5カ年計画」 NYタイムズ「当局は改竄、偽造を行う」 - 政治・社会 - ZAKZAK
中国、内外の需要不振 2月の輸出入減少率2桁減 :日本経済新聞
中国、鉱工業生産5・4%増…7年ぶりの低水準 : 読売プレミアム
周小川総裁の言葉を信じるか、疑念を示す多くの評価を信じるか。遊爺は、政府が発表する数字は、無理やり目標値に近い数値を発表してくるが、実態がどうかについては疑わしいとする意見に賛成です。それは、現状の数値にもいえることですね。
じつは、遊爺は、中国経済の成長の鈍化についてさほどは悲観してはいませんでした。急成長で累積し日本の倍以上になっている分母では、額が同じに成長しても、率が下がるのは当然ですから、ここまで伸び切ったGDPの成長率が鈍化するのは当然です。欧米や日本の経済成長から観て、輸出依存度の高い中国経済が、日本や欧米の成長を上回り続けることは、輸出で達成することは困難です。(日本や欧米の国内企業のシェアを奪って成長するのは限界に近くなってきている。)
そこで、周小川総裁が言及している様に、内需の成長が着目され、世界が中国に魅力を感じ続けているのも内需の成長です。
内需の伸びは、財政出動と海外からの投資でここまでは伸びてきましたが、過剰投資・過剰生産の現状を招いていて、その調整段階に入っていて、それが現在の成長の減速を招いていることは、諸兄がご承知のとおりです。先日、王毅外相が強がり発言で突っ張っていましたが、日本からの投資回復を求めて、対日接近姿勢に転じる気配があるのも、苦しい内需勃興への政策の為なのですね。
大きな経済規模に達した中国経済は、これまでの様な高い成長率の維持は困難でも、13億の人口が支える個人消費の内需が期待でき、格差問題に象徴される危険要素の対策さえ誤らなければ、波はあっても、個人消費の伸びに合わせた成長は可能と考えていました。
その人口は、日本同様に、少子・高齢化が顕在化していますが、日本は掛け値なしで少子・高齢化と人口減がすすんでいて、「保育園落ちた。日本死ね。」なんてつぶやきが旋風をおこしています。しかし、中国の少子化は、「ひとりっこ政策」の人口の政策が招いたものです。中国政府は、少子・高齢化対策として、「ひとりっこ政策」の緩和という政策カードを持っています。
それが日本と異なる中国の強味と考えていたのです。ところが、早速使用した「ひとりっこ政策」の緩和が効果が薄い結果がでているのですね。全面緩和ではないからなのか、日本同様に、適齢期の世代で、産みたくても産めない、日本同様の現象が既に生じているのか?後者だとすれば、日本の経済成長と同じ道を追いかけて来て、日本を追い抜いた中国経済ですが、成長の減速も、日本と同じトレンドに追いついたことになります。
環境整備や軍事・治安コストの増加が必須で急速に財政出動が膨らむ中国。老後の福祉厚生財源も、その人口の多さでは、日本以上の負担となります。
日本や欧米を真似て後追いすることで成長を続けてきた中国経済。これからは、日本同様に、未知の世界に遭遇し、同様かそれ以上の悩みをかかえるのか。社会主義=平等社会を希求する体制が功を奏すのか。共産党一党独裁体制が、功を奏すのか、切り捨ての強行で人民の反攻をまねくのか。注目されますね。
それでも、「面接落ちた。中国死ね。」と言う中国女性は居ない様です。。
# 冒頭の画像は、記者会見で語る中国人民銀行の周小川総裁
ヤナギハナガサと蝶
↓よろしかったら、お願いします。
その声が聞こえているのでしょう。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は12日、北京市内で記者会見し、2020年まで6.5%以上としている成長率実現について「過度な金融緩和による景気刺激は必要ない」と述べ、従来の「穏健(やや中立)な金融政策」を維持する方針を示したのだそうです。
また通貨、人民元相場についても「正常化してきた」との見方を示したのだそうで、火消、平静さを装うのにやっきの様子ですね。
しかし、各種統計(信頼性には疑念が多いのですが)や、国内情勢は、楽観を許さないことを示していますね。
荒唐無稽な中国「第13次5カ年計画」 NYタイムズ「当局は改竄、偽造を行う」 - 政治・社会 - ZAKZAK
中国、内外の需要不振 2月の輸出入減少率2桁減 :日本経済新聞
中国、鉱工業生産5・4%増…7年ぶりの低水準 : 読売プレミアム
中国人民銀総裁「過度な緩和不要」 成長率6.5%実現巡り :日本経済新聞
【北京=土居倫之】中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は12日、北京市内で記者会見し、2020年まで6.5%以上としている成長率実現について「過度な金融緩和による景気刺激は必要ない」と述べ、従来の「穏健(やや中立)な金融政策」を維持する方針を示した。また通貨、人民元相場について「正常化してきた」との見方を示した。
全国人民代表大会(全人代、国会に相当)にあわせて開かれた記者会見で語った。周氏は経済成長について「中国はすでに内需が主導する経済に移行することを決めている」と述べたうえで「穏健な金融政策とほかのマクロ経済政策の組み合わせによって成長目標を達成できる」と説明した。
ただ、国内外で大きな経済・金融リスクが発生した時は「機動的な金融政策で対応する」とした。
人民元については「これまでは変動が大きかった」と認めたが、「市場は正常化してきた」として一定の落ち着きを取り戻しているとの認識を示した。輸出が減少している状況にも触れ、「為替相場の調整によって競争力を高める必要はない」と人民元安による輸出の後押しを否定した。
中国の2月末の外貨準備高は減少幅が大幅に縮小している。人民元は11日、対ドルで昨年末以来の水準に上昇している。
【北京=土居倫之】中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は12日、北京市内で記者会見し、2020年まで6.5%以上としている成長率実現について「過度な金融緩和による景気刺激は必要ない」と述べ、従来の「穏健(やや中立)な金融政策」を維持する方針を示した。また通貨、人民元相場について「正常化してきた」との見方を示した。
全国人民代表大会(全人代、国会に相当)にあわせて開かれた記者会見で語った。周氏は経済成長について「中国はすでに内需が主導する経済に移行することを決めている」と述べたうえで「穏健な金融政策とほかのマクロ経済政策の組み合わせによって成長目標を達成できる」と説明した。
ただ、国内外で大きな経済・金融リスクが発生した時は「機動的な金融政策で対応する」とした。
人民元については「これまでは変動が大きかった」と認めたが、「市場は正常化してきた」として一定の落ち着きを取り戻しているとの認識を示した。輸出が減少している状況にも触れ、「為替相場の調整によって競争力を高める必要はない」と人民元安による輸出の後押しを否定した。
中国の2月末の外貨準備高は減少幅が大幅に縮小している。人民元は11日、対ドルで昨年末以来の水準に上昇している。
周小川総裁の言葉を信じるか、疑念を示す多くの評価を信じるか。遊爺は、政府が発表する数字は、無理やり目標値に近い数値を発表してくるが、実態がどうかについては疑わしいとする意見に賛成です。それは、現状の数値にもいえることですね。
じつは、遊爺は、中国経済の成長の鈍化についてさほどは悲観してはいませんでした。急成長で累積し日本の倍以上になっている分母では、額が同じに成長しても、率が下がるのは当然ですから、ここまで伸び切ったGDPの成長率が鈍化するのは当然です。欧米や日本の経済成長から観て、輸出依存度の高い中国経済が、日本や欧米の成長を上回り続けることは、輸出で達成することは困難です。(日本や欧米の国内企業のシェアを奪って成長するのは限界に近くなってきている。)
そこで、周小川総裁が言及している様に、内需の成長が着目され、世界が中国に魅力を感じ続けているのも内需の成長です。
内需の伸びは、財政出動と海外からの投資でここまでは伸びてきましたが、過剰投資・過剰生産の現状を招いていて、その調整段階に入っていて、それが現在の成長の減速を招いていることは、諸兄がご承知のとおりです。先日、王毅外相が強がり発言で突っ張っていましたが、日本からの投資回復を求めて、対日接近姿勢に転じる気配があるのも、苦しい内需勃興への政策の為なのですね。
大きな経済規模に達した中国経済は、これまでの様な高い成長率の維持は困難でも、13億の人口が支える個人消費の内需が期待でき、格差問題に象徴される危険要素の対策さえ誤らなければ、波はあっても、個人消費の伸びに合わせた成長は可能と考えていました。
その人口は、日本同様に、少子・高齢化が顕在化していますが、日本は掛け値なしで少子・高齢化と人口減がすすんでいて、「保育園落ちた。日本死ね。」なんてつぶやきが旋風をおこしています。しかし、中国の少子化は、「ひとりっこ政策」の人口の政策が招いたものです。中国政府は、少子・高齢化対策として、「ひとりっこ政策」の緩和という政策カードを持っています。
それが日本と異なる中国の強味と考えていたのです。ところが、早速使用した「ひとりっこ政策」の緩和が効果が薄い結果がでているのですね。全面緩和ではないからなのか、日本同様に、適齢期の世代で、産みたくても産めない、日本同様の現象が既に生じているのか?後者だとすれば、日本の経済成長と同じ道を追いかけて来て、日本を追い抜いた中国経済ですが、成長の減速も、日本と同じトレンドに追いついたことになります。
環境整備や軍事・治安コストの増加が必須で急速に財政出動が膨らむ中国。老後の福祉厚生財源も、その人口の多さでは、日本以上の負担となります。
日本や欧米を真似て後追いすることで成長を続けてきた中国経済。これからは、日本同様に、未知の世界に遭遇し、同様かそれ以上の悩みをかかえるのか。社会主義=平等社会を希求する体制が功を奏すのか。共産党一党独裁体制が、功を奏すのか、切り捨ての強行で人民の反攻をまねくのか。注目されますね。
脱「一人っ子」効果疑問 2人目負担重く尻込み (3/11 読売 獅子の計略 '16全人代)
【北京=中川孝之】中国で1979年から続いた産児統制「一人っ子政策」が撤廃され、今年から全ての夫婦が第2子まで持てるようになったが、出生数が中国政府の思惑通りには増えないとの見方が強まっている。子育て費用などを理由に2人目をためらう夫婦が多いためで、北京で開会中の全国人民代表大会(全人代巨国会)でも負担減を求める提案が相次いでいる。
中国の労働人口は2011年をピークに減少に転じている。人口政策を担当する国家衛生・計画出産委員会の李斌主任は、8日の記者会見で、2人目解禁によって出生数が増え「50年に労働人口が(現在より)3000万人増加し、高齢者の比率も下がる」と語った。
しかし、上海の華東師範大学による調査では、夫婦共に「2人目が欲しい」と回答したのは25%。地方でも同じ傾向で、東北部・吉林省では16%にとどまった。
最大の原因とされるのが、子育て費用だ。中国では30年以上続いた一人っ子政策のもとで、幼少時から外国語など多くの習い事をさせ、大切に育てる傾向が定着。北京や上海では、成人までに必要な費用は1人当たり計200万元(約3460万円)を超えるとされる。
就職でも不利
就職に不利になるとの懸念も、女性を足踏みさせている。中国メディアによれば、1月に湖北省武漢で行われた就職説明会で、8割の企業が面接で「2人目の計画がある」と答えた女性の採用を拒んだ。
中国政府は13年、どちらかが一人っ子の夫婦には第2子を認める緩和策を取り、15年の出生数を前年比100万人増と見込んだが、結果は32万人減に終わった。政府系調査研究機関の中国社会科学院は第2子を全面的に認めても、出生数の減少傾向に歯止めはかからないと予想している。
全人代代表で、広東省の元中学校校長・賀優琳氏(61)は10日、本紙の取材に対し「若い夫婦は冷めており、このままでは確実に子供は増えない」と焦りを口にした。賀氏は、同省で若い従業員不足に悩む工場が出てきたため、昨年までの全人代で5年連続、一人っ子政策の撤廃を主張してきた。
今年は、産休期間の延長や、第2子の医療費の免除、幼稚園の園費無料化を提案。「広東省の幼稚園の園費は、月2000元(約3万5000円)だ。民族の未来がかかっており、政府は思い切った施策を採るべきだ」と主張する。別の全人代代表は、「第2子を持った夫婦の所得税を軽減すべきだ」と本紙に語った。また、産児制限そのものをなくすべきだ、との意見も出ている。
【北京=中川孝之】中国で1979年から続いた産児統制「一人っ子政策」が撤廃され、今年から全ての夫婦が第2子まで持てるようになったが、出生数が中国政府の思惑通りには増えないとの見方が強まっている。子育て費用などを理由に2人目をためらう夫婦が多いためで、北京で開会中の全国人民代表大会(全人代巨国会)でも負担減を求める提案が相次いでいる。
中国の労働人口は2011年をピークに減少に転じている。人口政策を担当する国家衛生・計画出産委員会の李斌主任は、8日の記者会見で、2人目解禁によって出生数が増え「50年に労働人口が(現在より)3000万人増加し、高齢者の比率も下がる」と語った。
しかし、上海の華東師範大学による調査では、夫婦共に「2人目が欲しい」と回答したのは25%。地方でも同じ傾向で、東北部・吉林省では16%にとどまった。
最大の原因とされるのが、子育て費用だ。中国では30年以上続いた一人っ子政策のもとで、幼少時から外国語など多くの習い事をさせ、大切に育てる傾向が定着。北京や上海では、成人までに必要な費用は1人当たり計200万元(約3460万円)を超えるとされる。
就職でも不利
就職に不利になるとの懸念も、女性を足踏みさせている。中国メディアによれば、1月に湖北省武漢で行われた就職説明会で、8割の企業が面接で「2人目の計画がある」と答えた女性の採用を拒んだ。
中国政府は13年、どちらかが一人っ子の夫婦には第2子を認める緩和策を取り、15年の出生数を前年比100万人増と見込んだが、結果は32万人減に終わった。政府系調査研究機関の中国社会科学院は第2子を全面的に認めても、出生数の減少傾向に歯止めはかからないと予想している。
全人代代表で、広東省の元中学校校長・賀優琳氏(61)は10日、本紙の取材に対し「若い夫婦は冷めており、このままでは確実に子供は増えない」と焦りを口にした。賀氏は、同省で若い従業員不足に悩む工場が出てきたため、昨年までの全人代で5年連続、一人っ子政策の撤廃を主張してきた。
今年は、産休期間の延長や、第2子の医療費の免除、幼稚園の園費無料化を提案。「広東省の幼稚園の園費は、月2000元(約3万5000円)だ。民族の未来がかかっており、政府は思い切った施策を採るべきだ」と主張する。別の全人代代表は、「第2子を持った夫婦の所得税を軽減すべきだ」と本紙に語った。また、産児制限そのものをなくすべきだ、との意見も出ている。
それでも、「面接落ちた。中国死ね。」と言う中国女性は居ない様です。。
# 冒頭の画像は、記者会見で語る中国人民銀行の周小川総裁
ヤナギハナガサと蝶
↓よろしかったら、お願いします。