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プーチン大統領は、クリミアでの住民投票の圧勝結果を経て、クリミア自治共和国と特別市セバストポリのロシア編入を支持するようロシア議会に求めました。
次々と繰り出す積極的戦術に、米国などの対応は後手後手で対応させられるばかりです。特に、オバマ大統領の対応が、シリアの生物兵器対応以降続く口先だけの介入でしかも混迷している状況に、世界の信頼を減じていますね。
この米国のもたつきに、中国がどう反応するか。遊爺は、寒気がするのは風邪を引いたからではないと書かせていただいていましたが、危惧される方々の声は高まるばかりです。そしてその危惧は、日本だけでなく、海外でも高まっていると産経が報じています。
中韓の反日プロパガンダが世界中に拡散される中、予想外に中国の脅威が逆に世界に認識されてきていたのかと、感心しました。
ロシア クリミア半島を実効支配下へ - 遊爺雑記帳
ロシア大統領、クリミア編入を表明 欧米が追加制裁へ :日本経済新聞
尖閣にも波及する米のクリミア対応 (3/18 産経 【日々是世界 国際情勢分析】)
ロシアがウクライナ南部クリミア自治共和国で、実質的な軍事介入に踏み切った。冷戦時代のソ連を思わせる問答無用の振る舞いに、関係国は懸念を深めている。中でも注目されるのが冷戦時代、ソ連と対峙(たいじ)してきた米国の対応だ。欧米メディアはオバマ政権の今後のかじ取り次第では、ロシアだけでなく、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を虎視眈々(たんたん)と狙う中国を勢いづけかねないと警鐘を鳴らしている。
「(今回の米国の対露戦略は)いつの日にか起こりうる中国との、より大規模な衝突のテストケースになるだろう」
英紙フィナンシャル・タイムズのギデオン・ラックマン記者は11日付の解説記事で、米国の対応をプーチン政権だけでなく、中国指導部も固唾をのんで見守っていると指摘した。
ラックマン氏は21世紀の世界では「最も危険なライバルが、そのまま重要な貿易相手になる」と指摘し、軍事的な「力の誇示」が最大の武器だった冷戦時代と現代では事情が異なると述べ、経済制裁を優先するオバマ政権に一定の理解を示す。
それでも、オバマ政権がこれ以上、手をこまねいていれば、プーチン露政権の増長を許し、ロシアによる「現状変更」が既成事実になりかねないと懸念を示した。
尖閣諸島や南シナ海への影響も必至だ。オバマ政権は「力による現状変更は認めない」と繰り返しているが、すでに中国は防空識別権を設定するなどして一方的な「現状変更」に乗り出している。軍事力を背景とする隣国への圧力に対し、米国が何ら手を打たないことがクリミア情勢で明確になれば、中国が“次の一手”を繰り出す可能性が増してくる。
尖閣諸島はクリミア半島と異なり、日米安保条約第5条の適用範囲であり、米国に防衛義務が生じる。それでもラックマン氏は、クリミアにさえ及び腰のオバマ政権が、「地球の裏側の無人の岩」である尖閣を守るために本当に中国と対峙するのだろうかと指摘。世界第2位の経済大国で、米国債の保有高では世界最大の中国に対し、返り血を浴びることも恐れずに経済制裁を発動できるのかとも問いかけた。
保守系の米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ政策研究所」のマイケル・オースリン日本部長は、さらに強硬だ。5日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルで、プーチン政権への強力な対抗策を見いだせずに「減少するばかりの米国の信頼性は、(中露の)攻撃的な日和見主義を扇動する」と指摘。尖閣諸島やスプラトリー(南沙)諸島で軍事プレゼンスを引き上げなければ、中国の威圧に日本や他国は抵抗しきれなくなると警告している。
米紙ワシントン・ポストの3日付社説も、中国の習近平政権が尖閣諸島をめぐって日本に「砲艦外交」を仕掛けているとし、オバマ大統領には、中露に強硬策に対する「代償と対価」を考えさせうる「主導的な役割」を果たすよう求めている。
ロシアがウクライナ南部クリミア自治共和国で、実質的な軍事介入に踏み切った。冷戦時代のソ連を思わせる問答無用の振る舞いに、関係国は懸念を深めている。中でも注目されるのが冷戦時代、ソ連と対峙(たいじ)してきた米国の対応だ。欧米メディアはオバマ政権の今後のかじ取り次第では、ロシアだけでなく、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を虎視眈々(たんたん)と狙う中国を勢いづけかねないと警鐘を鳴らしている。
「(今回の米国の対露戦略は)いつの日にか起こりうる中国との、より大規模な衝突のテストケースになるだろう」
英紙フィナンシャル・タイムズのギデオン・ラックマン記者は11日付の解説記事で、米国の対応をプーチン政権だけでなく、中国指導部も固唾をのんで見守っていると指摘した。
ラックマン氏は21世紀の世界では「最も危険なライバルが、そのまま重要な貿易相手になる」と指摘し、軍事的な「力の誇示」が最大の武器だった冷戦時代と現代では事情が異なると述べ、経済制裁を優先するオバマ政権に一定の理解を示す。
それでも、オバマ政権がこれ以上、手をこまねいていれば、プーチン露政権の増長を許し、ロシアによる「現状変更」が既成事実になりかねないと懸念を示した。
尖閣諸島や南シナ海への影響も必至だ。オバマ政権は「力による現状変更は認めない」と繰り返しているが、すでに中国は防空識別権を設定するなどして一方的な「現状変更」に乗り出している。軍事力を背景とする隣国への圧力に対し、米国が何ら手を打たないことがクリミア情勢で明確になれば、中国が“次の一手”を繰り出す可能性が増してくる。
尖閣諸島はクリミア半島と異なり、日米安保条約第5条の適用範囲であり、米国に防衛義務が生じる。それでもラックマン氏は、クリミアにさえ及び腰のオバマ政権が、「地球の裏側の無人の岩」である尖閣を守るために本当に中国と対峙するのだろうかと指摘。世界第2位の経済大国で、米国債の保有高では世界最大の中国に対し、返り血を浴びることも恐れずに経済制裁を発動できるのかとも問いかけた。
保守系の米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ政策研究所」のマイケル・オースリン日本部長は、さらに強硬だ。5日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルで、プーチン政権への強力な対抗策を見いだせずに「減少するばかりの米国の信頼性は、(中露の)攻撃的な日和見主義を扇動する」と指摘。尖閣諸島やスプラトリー(南沙)諸島で軍事プレゼンスを引き上げなければ、中国の威圧に日本や他国は抵抗しきれなくなると警告している。
米紙ワシントン・ポストの3日付社説も、中国の習近平政権が尖閣諸島をめぐって日本に「砲艦外交」を仕掛けているとし、オバマ大統領には、中露に強硬策に対する「代償と対価」を考えさせうる「主導的な役割」を果たすよう求めている。
第二次大戦後と言うのか、ソ連崩壊後と言うのか、そのウクライナのクリミア半島の情勢を、力で変更することになるロシアの電光石火の戦術展開です。
ロシアにすれば、死活的に重要なセバスチポリの軍港を確保することは譲れないことですし、ソ連崩壊を「今世紀最大の地政学的大惨事」と公言しその復活(ロシア帝国シンドローム)を期すプーチン大統領の狙いがこの機会にと動き始めていることが危惧されます。
欧米が、プーチン大統領の今回の行動目標を何処までだと読んでいるのか、どこまでなら認めて、どこからは許容厳戒線を越えると考えているのか、それはEU各国や米国でどこまで認識が共有されているのかが肝ですね。
セバストポリの軍港なのか、クリミア自治共和国なのか、ウクライナ東部なのか、全土なのか...。
クリミア自治共和国以上は、武力を背景とした、プーチン大統領の帝国シンドローム実現だというのが欧米の考え。セバストポリ軍港の線に軍隊を戻せとの主張。
プーチン大統領の現下での言動は、住民投票を盾にしたクリミア自治共和国のロシア編入奪還。
終戦のドサクサとヤルタ会談の密約をもとに武力で北方四島を不法占拠しているロシア。自国内で勝手に「領海法」を定めて、日本の領土の尖閣を自国の領土と宣言して、奪取に向け武力をちらつかせる中国。更には、琉球(沖縄)は中国の属国であったと主張し奪取を睨んでいます。南シナ海全体を自国の領海と宣言し、力で占有しようとしている中国。
日本としては、力による住民投票の実施とその結果で、現状の変更を進める今回のプーチンの戦術を認められないのは当然です。
北方領土返還に向けた、安倍・プーチンの信頼関係と言いますが、北方領土の住民投票結果で、ここはロシアのものと言うことを認めることになるのですから、今回のプーチンの戦術をみとめることは、不法占拠している北方四島をロシア領として正当に編入する方法を認めることになるからですね。
そして、口先介入だけで、包囲されたウクライナ軍を放置したまま(遅まきながら空母での牽制を始めましたが)の米国。
これを観て、海外から、尖閣や南シナ海での中国の行動の変化を危惧する声が出て来ているのは、ありがたい話です。
肝心の日本自身が、危機意識を高め、日米同盟の強化を計らねばなりません。その時、オバマ米国が頼りないのなら、連携する仲間を増やして抑止力を高めておかねばなりません。
中国の次の一手は、速いはずです。日本の次の一手も緊急を要します。次の一手の具体的候補は、日豪EPA妥結でしょうか。
日豪EPA、妥結へ加速 早期合意確認、TPP交渉打開狙う (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
# 冒頭の画像は、クリミア半島のロシア編入を説くプーチン大統領
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この花の名前は、ミソハギ 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 9月撮影)
↓よろしかったら、お願いします。
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