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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

海洋関連 2法案が衆院通過

2007-04-08 01:29:12 | 東シナ海ガス田
 我が国の海洋政策が、8府省庁に分かれている現状を、内閣官房に「総合海洋政策本部」を設置し、海洋政策担当相が各省庁の調整にあたることで包括的取り組みを可能にする「海洋基本法案」と、東シナ海の日本のガス田試掘地周辺への妨害船舶の侵入を禁止する「海洋構築物安全水域設定法案」が、衆議院を 3日に通過しました。
 早期通過の背景には、11日の温家宝中国首相の来日前に、東シナ海の海洋権益を確保する日本の意思を明確にする狙いがあるのだそうです。
 海洋国家としての日本で、海洋政策が一本化され強力にすすめられることは、かねてからの願いであり、ようやく一歩をふみだしたことは大歓迎ですし、海洋政策担当相には大きな権限を与え、活躍して頂くことを期待します。
 
海洋基本法案 衆院通過 (4/4 読売朝刊)

<前略>
 関係議員なよると、(安倍)首相が特にこだわったのは安全水域法だ。
 国連海洋法条約は排他的経済水域(EEZ)主権国に500メートル以内の「安全水域」設定を認め、各国が法整備している。
 しかし、日本は1996年の条約批准後も法整備を怠り、「ガス田問題で中国側から日本の本気度を疑われ、足元をみられかねない」(自民党若手議員)という危機があった。

 
<中略>
 参院での法案成立は 4月中旬以降に先送りされた。
 公明党が「温首相来日直前の成立は、必要以上に中国を刺激する」と懸念を示し、官邸側も「急ぐ必用はない」と判断した。

 朝貢姿勢の教祖様をいだく公明党に味方するつもりはありませんが、胡耀邦総書記への中曽根首相の裏切りの過ちは避けるべきですし、安倍首相の訪米に対する、米国の慰安婦法案可決時期配慮にみられるように、タイミングには配慮が重要です。
 今の阿部内閣に、タイミングの見誤りによる失点が散見されるのは、多くの指摘がなされているとおりで、今回も微妙な判断が必用です。

 かといって、温家宝、胡錦濤政権が、胡耀邦ほど親日とは言えません。経済力の成長に支えられ、潤沢な資金力による米国との覇権争いでは、日米の間を裂くことで東アジアを制しようと、あらゆる施策を進めています。
 
東シナ海から米排除 中国報告、日本も監視対象 (4/7 産経朝刊)

 【北京=野口東秀】中国国家海洋局はこのほど公表した「2006年中国海洋行政執法公報」の中で、中国が昨年東シナ海で行った定期巡航について、同海における米国などの軍事測量活動を監視もしくは排除するために実施していることを明らかにした。

 それによると、「違法な海洋科学調査、軍事測量、水中探査」などに対し、海洋監視航空機を172回、同監視船を34回の206回にわたり東シナ海に出動させていた。

 報告では「中国政府の許可なく、東シナ海の中国の管轄する海域で洋上調査をしている多数の米国の軍事測量船を追跡監視し、作業を中止するよう要求した」としており、米国が東シナ海で活発に調査活動を展開していることに対し、中国が神経を尖らせている様子が浮き彫りになった。

 また、報告は中国の天然ガス田開発に対する外国船の活動が活発化していることも指摘、日本などの艦船も監視対象に含まれているようだ。

 中国は、約100隻の海洋監視船と4機から6機程度の海洋監視用の航空機を保有しているとみられる。中国系香港紙、文匯報(電子版)によると、中国国家海洋局の孫志輝局長は昨年4月、海洋戦略報告で、東シナ海をめぐる日中摩擦に言及、「やむを得ない場合には、海上で日本を封じ込める能力と決意がある」と強調している。

 東シナ海ガス田で、日本側が本格調査を開始すれば、軍事力を使用して調査を封じ込めると言っています。
 中国の軍事力強化は、米国を凌ぐことで、台湾海峡や、東シナ海への米軍の進出を阻止し、在日米軍までも追い出そうという勢いなのです。
 以下は長くなりますが、全文引用させて頂きます。
 
中国、米軍阻止の戦略着々 台湾海峡有事 「基地」封じ込めへ日本に圧力も (4/4 産経朝刊)

 中国空・海軍の急激な増強を前に、台湾海峡の有事に際し、「米軍が介入不能に陥る」という懸念が米専門家の間で強まり始めている。空母戦闘群の接近を巡航ミサイルや潜水艦で阻む攻撃能力を中国軍が獲得しつつあることに加え、核を含む強大な軍事力を背景に、「在日米軍基地の使用封じ込め」を中国側が日本政府に迫り、日米同盟が機能不全に陥る危険も専門家は指摘している。(ワシントン 山本秀也)

 米有力シンクタンク、ランド研究所のロジャー・クリフ研究員(中国軍事専門)らの研究グループは「竜の巣に入る」との報告で、台湾周辺への米軍の接近を阻止する中国の戦略を分析した。

 クリフ氏は「米中間で軍事衝突の可能性が最も高いのが台湾問題だ」と指摘、「当面は米側が軍事的に圧倒的優位を保持しているものの、米軍が適時にこの地域に接近するのを阻止する戦略により(中国は)台湾に降伏を迫る目的を達し得る」と強く警告している。

 報告は中国が台湾への武力行使に着手する条件として、米国が世界の2つの地域で軍事紛争に介入し、身動きが取れない状況を想定している。

 米軍に対する中国の攻撃として、(1)サイバー攻撃や電子的な妨害、衛星への攻撃による情報・通信システムの破壊(2)米軍が利用する輸送・補給システムへの攻撃(3)西太平洋地域を中心とした港湾や航空拠点の破壊-を初期段階で予想している。

 報告は、これに先立って、中国が政治解決を狙うのが西太平洋での最大の拠点である在日米軍基地の封じ込めだとしている。中国国防大学の研究文書などを引用しつつ、日本に米軍の台湾有事介入を支持しないよう迫ることが可能だとの中国側の判断を指摘し、「もし米軍の基地使用を認めるなら、対日攻撃も辞さない」とする中国軍幹部の発言も紹介している。

 戦端が開かれた段階では、中国は接近する米空母を空と海から巡航ミサイルや潜水艦で攻撃すると想定し、配備数を増やし続けている弾道ミサイルも、米軍への攻撃に使ってくる可能性を挙げた。

 報告は、米中の全面戦争を想定した内容ではない。むしろ接近阻止能力を誇示することで、西太平洋地域に米軍が展開するコストを過重負担のレベルにまで高め、最終的に台湾統一の実現を図るという、中国の戦略に着目しているのが特徴だ。

 こうした中国の戦略をくじく対抗策として、報告は、弾道ミサイルを想定したミサイル防衛(MD)のほか、高性能の巡航ミサイルに対する防衛力や対潜能力の増強を米軍に対し勧告している。また、在日米軍基地の封じ込めによる日米同盟の機能不全を避けるため、同盟強化の取り組みが日米間で不可欠であることも示唆した形である。

 台湾有事をめぐる情勢分析に関しては、米議会で3月末に開かれた米中経済安保調査委員会でも、米側専門家による公聴会証言が行われた。

 米海軍大学のバーナード・コール教授は、まな板の上に載せられているはずの台湾の内部で、(1)中国が武力統一を本気で考えていない(2)有事には米軍の介入で台湾は保護される-との考えが広がるなど、台湾側が「軍事能力と政治的意思の深刻な休眠状態」にあると指摘、警鐘を鳴らした。

                   ◇

 ≪在日米軍司令官「備えは十分」≫

 ライト在日米軍司令官(空軍中将)は3日、東京都内で記者会見し、台湾海峡有事に際して中国が取り得る戦略に関し、「軍としてのわれわれの責任は常時、備えができていることだ。われわれが分析しているシナリオは多数ある」と述べる一方、日米同盟の強化を軸にして、中国との軍事交流などを通じ中国側の透明性を求めていくことの重要性も強調した。

 ライト司令官は北朝鮮情勢でも、「現在進行中の外交的関与(核問題をめぐる6カ国協議)について期待すると同時に注視しなければならない」と語り、備えを怠っていないことを繰り返した。

 司令官はさらに、「東アジア・太平洋地域は目下、かなりの試練をはらんだ時期にあり、極めて危険な地域になり得る。今は資金面の支援を削減すべきときではない」と言明、日本政府の在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の削減などに反対する姿勢も明らかにした。

 ライト在日米軍司令官の資金に関する発言は、読売新聞では、日米の防衛費予算削減への危惧といった面が強調されていました。
 中国が、軍事力をコスト競争で、日米を凌ぐレベルまで資金投下し、米軍の接近阻止能力を高めるという戦略は、長期展望と、米国の迷走する政権の現状を見据えた、悔しく歯軋りする作戦です。

 「日本に米軍の台湾有事介入を支持しないよう迫ることが可能」というのも、米国で判断されているのが情けないですね。
 「世界抗日戦争史実維護連合会」の資金ばらまきの他、米国でのロビーや世界各国での反日・反米活動への潤沢な投資や、日本国内での反日日本人買収、洗脳作戦が進んでいるということです。
 ハニートラップでの軍事機密の漏洩も情けない。

 ロジャー・クリフ研究員らのこの報告に、米国民やジャーナリズムが気づき、中国の戦略にはまらない行動や、目先のお金に動かされない行動をして頂けるよう、願っています。

 中国産のものを買うことが、この中国の戦略を支援することに繋がっています。
 中国産のものは買わない。中国に企業進出して中国内で利益を上げ、日本に還元する。
 悔しく、歯軋りする戦略への、日本国民として直ぐに取り組める対抗策は、これでしょう。
 また、「安全水域設定法」は小さな一歩を踏み出した証とは言えます。


 

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2 コメント

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Unknown (容子)
2007-04-09 13:51:13
遊爺雑記帳さま

ゴ無沙汰しました。この総合海洋政策本部が設置された事も知らなかったです・・・ショボショボ・・

貴方さまの記事で知りました。これでやっと法案は出来たのですから、活用して欲しいです。

中国は時と場合で日本に友好ムードだったり、恫喝が以降だったりで・・私の血圧も上がりそうです。

今でも中国外交は狡猾で、本国は友好ー米国の在米中国人を使って日本の対する非難を開始したり・・・日本の外務省・・・気骨のある人がいると思うんだけど・・・出て来てね・・・

たまにでいいですがコメント下さるとうれしいけど・・・
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中国外交 (遊爺)
2007-04-16 00:14:31
容子さん、こちらこそご無沙汰していて恐縮です。

>日本の外務省・・・気骨のある人がいると思うんだけど・・・

 居ていて欲しいですね。
 アメリカや欧州を担当したがる人は多いのだそうですが、チャイナスクールに俺がと志願する気骨のある人が出てきて欲しいと、私も願っています。
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