遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

疲弊するロシア ひたすら耐え凌ぎ策

2015-01-30 23:40:31 | ロシア全般
 ウクライナへの力による現状変更を実行するロシア。欧米の制裁措置と原油安、それにつれてのルーブル安で国内経済の疲弊が進んでいます。
 だからと言って、ウクライナへの圧力の方針は変える様子は見えず、ひたすら耐え凌ぐ方針の様です。現状を、読売と産経が報じていました。
 

露、4兆円の経済対策 原油安や米欧制裁に対応 (1/30 読売朝刊)

 【モスクワ=田村雄】ロシア政府は28日、原油価格の下落や米欧の対露制裁による経済悪化への対応策として、連邦予算の歳出を10%削減する一方で、約2兆3300億ルーブル(約4兆円)規模の経済対策を行う「危機対策プラン」
を発表した。
 政府は今年の予算では約15兆5000億ルーブルの歳出を見込んでいたが、新たな地域開発計画の延期などで歳出を切りつめる。具体的な延期対象は明らかになっていないが、
極東や北極圏などの大型開発事業に影響
が出る可能性がある。
 2016~18年も最低5%、歳出を削減し、17年までに財政の均衡化を目指すという。
 ただ、
国防関連は削減の対象外とし、ウクライナ情勢を受けて高まる北大西洋条約機構(NATO)への対抗姿勢を明確にした。また、年金など社会保障分野も削減しない

 一方、経済対策としては、国債の発行による1兆ルーブルなどを銀行に注入して、
通貨ルーブルの急落や、欧米からの金融取引の制限に苦しむ金融機関の経営安定化に努める。地方政府に対する財政支援や、物価上昇に伴う年金増額、失業対策などにも資金を確保する。

 政府は、新たな地域開発計画の延期などで10%の歳出カットを行う一方で、4兆円規模の経済対策を実施し、通貨ルーブルの急落や、欧米からの金融取引の制限に苦しむ金融機関の経営安定化や、年金増額、失業対策に努めるのだそうです。
 ただ、国防関連は削減の対象外とし、ウクライナを巡る攻防については引き続き対抗姿勢を維持していく様子です。
 一方、ルーブル下落で苦しむ旧ソ連圏からの労働者には、高額な労働免許のほか、ロシアの歴史や言語を習得したとの証明書の取得を義務づける制度が始まり、流出が進行しているのだそうです。
 

旧ソ連出身の労働者、ロシア大量脱出の予測 通貨下落、証明書義務で拍車 (1/30 産経)

 【モスクワ=黒川信雄】ロシアの労働市場を底辺で支えてきたタジキスタンなど旧ソ連出身の外国人労働者が今年、大量にロシアを去るとの予測を露メディアが伝えている。ロシアの通貨ルーブル急落で給与の価値が大きく目減りし、故郷の家族らへの仕送りやロシアでの暮らしが困難になっているためだ。今月からは高額な労働免許のほか、ロシアの歴史や言語を習得したとの証明書の取得
を義務づける制度が始まり、流出に拍車をかけている。
 「給与が割に合わなくなり、高額な免許まで必要になった。ロシアにいるタジキスタン人は今年2割は減るんじゃないか」。タジキスタンの首都ドゥシャンベとの間を結ぶモスクワ市内の鉄道駅で、帰国間際の男性が話した。市内の建設現場で働いていたという。
 
ルーブルは昨年、対ドル相場で4割超下落
。先月の暴落後、当局の大規模介入で一時は持ち直したが、今年に入り再び下落した。近隣国の通貨も下がっているが、タジクの通貨ソモニの昨年の下落率は十数%で、労働者の実質的な手取りの減少につながっている。
 モスクワで合法的に働く外国人労働者は70万~80万人とされるが、非合法労働者も多く、実際の人数は明らかではない。清掃など低賃金労働には、タジクのほかキルギス、ウズベキスタンなどビザ(査証)がいらない旧ソ連諸国出身者が多く従事し、彼らは収入の多くを自国に送金している。
 タジクの場合、彼らの送金額は国内総生産(GDP)の約50%に相当するという。
 ロシア政府は今月から、こうしたビザ不要国の労働者に対し、従来の労働許可に加えて毎月、有料で更新する免許の取得や、ロシア語や歴史などを習得したとの証明書の取得、さらに保険加入などを課した。
 露紙独立新聞によると、一連の証明書などの取得には約2万ルーブル(約3万4千円)かかり、免許の更新に毎月4千ルーブルかかるという。
 在露タジキスタン人労働者組織の代表、シャリポフ氏は産経新聞の取材に、労働者の大半は税金を支払っていないと明かし、
「ロシア経済はコントロールできない労働移民により疲弊している。追い返す口実が必要だったのだ」と、制度導入の理由を分析
する。

 企業活動や公共投資の規模縮小が確実視されるなか、旧ソ連以外からの外国人労働者の帰国も大幅に増加する可能性が高い。


 企業活動や公共投資の規模縮小が確実視されるなか、外国人労働者の追い出し策をとっている様ですが、追い出され帰国する労働者や、その労働者の仕送りに依存していた旧ソ連諸国はどうなるのでしょう。

 旧ソ連圏の諸国を抱き戻し、ロシア帝国の栄華を復活させようとするプーチン大統領の夢は、遠のいていくようです。
 どこまでプーチン大統領とロシア国民が耐えられるのか、注目が必要ですね。

 主力のガス田の枯渇が迫り、極東や北極圏の開発に迫られているロシア。ますます日本の支援の必要性が高まっています。
 日本は、今は焦らず待って、北方領土の返還と絡めた支援の戦略を準備するときですね。中国が隙を利用してロシアに貸しをつくりつつありますが、今は辛抱のプーチン大統領も、中国の風下に立つのは耐えきれる限度があるはずです。





  この花の名前は、ジニア・プロフュージョン




政府広報(北方領土問題) - YouTube


↓よろしかったら、お願いします。






Fotolia


ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1月29日(木)のつぶやき | トップ | 1月30日(金)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ロシア全般」カテゴリの最新記事