国際連合による人口推計は、数年に 1回のペースで改訂されているのだそうですが、今回の改訂内容は非常に大きなものになっていて、これほどドラスティックに変えてもいいのかというくらいに、数値が変化していると、東京海上アセットマネジメント チーフストラテジストの平山氏。
インドが、2023年に中国を超えて世界最多の人口国になると言われていましたが、「一人っ子政策」の影響で減少する人口に対し、第3子の出産を認める政策転換をしているのですが、人口減少の動きは加速され、3年前の2019年に改訂された推計では、2031年に14億6000万人でピークアウトして2032年から人口減少社会に移行するとされていたのが、10年も前倒しされる驚愕の内容に。
中位推計(出生率、死亡率ともに中位推計した場合の推計値)によると、中国の人口は、2021年に14億2000万人超でピークを迎え、2035年には14億人、2052年に13億人をそれぞれ割り込み、そして概ね半世紀後の2078年には10億人を下回るとされているのだそうです。
3年前の2019年に改訂された推計では、2031年に14億6000万人でピークアウトして2032年から人口減少社会に移行するとされていたのが、10年も前倒しされている。2000年代の経済成長を支えてきた人口大国・中国だけに衝撃が大きいと平山氏。
更に、2020年に世界の人口増加率は、1950年以降で初めて1%を下回ったことも明らかにされているのだそうです。
3年前の2019年に発表された推計では、2023年に1%を下回るとしていたため、前倒しされているのが明らかだ。今回の人口推計改訂は、コロナ感染症の影響を織り込んだ初めてのものであり、出生率、死亡率、移住などの人口変化の全要素に影響を及ぼしたからだと考えられると、平山氏。
65歳超の高齢者が世界人口に占める割合は、2022年の10%から2050年には16%に増加すると推計されている。
年齢を重ねるにつけ、生活スタイルが変化し、一人当たりの消費も減少するため、高齢者比率の上昇は、経済成長にマイナスの影響を与えると言われていると、平山氏。
特に、日本の65歳超の人口比率は、総人口に対して30%の水準に達しつつあり、世界平均の3倍になっている。日本は、経済成長率が相対的に低いだけでなく、インフレ率も欧米各国よりも抑制されている理由の一つと言えようとも。
一般に生産年齢人口と称される労働者の人口は、15歳から64歳までの世代を指し、この人口の増加は生産を拡大させるため、経済面で「人口ボーナス」と称されている。
逆に、年数の経過とともに、生産年齢に相当する人口が高齢者に移行すると、「人口オーナス(負荷)」として、経済成長にはマイナスの影響をもたらす。
2022年の日本は、生産年齢人口が1994年のピーク(8700万人)から1500万人も減少して、7200万人になっているため、この人口オーナスを経験していることになると、平山氏。
日本の場合、GDP(国内総生産)を支出面からみると消費は約6割の比率を占めるだけに、消費拡大は、経済の底上げに大きく貢献するだろう。概ね、住宅ローンを組む35歳から54歳にかけての人口は、多消費世代と位置づけられるのだそうです。
日本の多消費世代人口は、1988年に3700万人でピークに達しており、株価指数のピークである1989年と時期が偶然にも近接している。さらに米国の場合には、グローバル金融危機を経験した2008年に、多消費世代人口は8700万人でピークアウトして2016年まで減少している点は示唆に富む(その後、米国の多消費世代人口は2045年まで増加基調になると推計されている)と。
2022年改訂版の国連の人口推計は、2030年に至る今後8年間の社会がどのようになると想定しているのか。
第1に、中国は、生産年齢人口が約1200万人、多消費世代人口も約2100万人減少する一方、高齢者が急増しており、人口オーナスへの突入を示していると。
21世紀の初頭に人口ボーナスを謳歌していた中国が反転することは、われわれの経済見通しの大きな修正を強いるはず。もはや生産面でも消費面でも、大きな期待を中国に寄せるのは難しいことを再確認すべきかもしれないと、平山氏。
第2に、中国・日本を除けば、インドやアジア地域の生産年齢人口や多消費世代人口の増加は顕著。
アフリカの教育や社会システムの整備が推進されれば、21世紀初頭の中国の再来が期待できようが、現状では解決に時間を要する課題を抱えていると。
中国やロシアは、自由主義国との対立を深めていて、アフリカ諸国への浸透を推進していますね。
第3に、欧州はともかく米国は、先進国の中でも健闘しているという点は再認識すべきであろう。移民問題をどのように解決するかという点に左右されるものの、中国との相対的位置づけが、人口面では対照的になっていると、平山氏。
国連の常任理事国のロシアのプーチンによるウクライナ侵攻。
これまでも、小競り合いで武力侵攻を繰り返し、米欧から制裁を課されてきましたが、今回のウクライナ侵攻は、第3次世界大戦に発展しかねない世界中の国具の分断に至ってきています。
コツコツ稼いできたアフリカ諸国への、ウクライナの小麦などの輸出を妨害するロシア。
国連を交えた交渉では、輸出への妨害はしないと合意しましたが、積み込み港へのミサイル攻撃は継続しています。明白な国際合意違反。
これでは、食料危機の至っているアフリカ勢にどの離反を産みかねない。
人口減のトレンドに繰上げ突入した中国。
鄧小平が、戦後日本の復興に学び、独自の社会主義体制を推進。日本を抜き、いまや米国に肩を並べんばかりの製材大国に。
しかし、その基調は、圧倒的な人口数による世界の工場照りえた、安価な労働力と消費力。
そそこに陰りが生じ、世界が今回のコロナによるサプライチェーンの中国への過剰な依存への反省。
秋の共産党大会では、専制政治体制を強化。国共内戦以来の台湾併合の課題達成(≒プーチンのソ連復活へのウクライナ併呑)にむけた軍事行動は、人口数で経済成長を成し遂げてきたモデルが行き詰まってきた今日、どうなるのでしょう。
# 冒頭の画像は、少子高齢化が加速する中国
タンジン
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA
インドが、2023年に中国を超えて世界最多の人口国になると言われていましたが、「一人っ子政策」の影響で減少する人口に対し、第3子の出産を認める政策転換をしているのですが、人口減少の動きは加速され、3年前の2019年に改訂された推計では、2031年に14億6000万人でピークアウトして2032年から人口減少社会に移行するとされていたのが、10年も前倒しされる驚愕の内容に。
10年も早まった中国の人口減、「一人っ子政策」の行く末は世界経済にも影響 世界の人口動態に衝撃を与えた感染症、われわれは今、歴史の大きな節目にいる | JBpress (ジェイビープレス) 2022.7.27(水) 平山 賢一:東京海上アセットマネジメント チーフストラテジスト
2021年が中国の人口ピーク
7月11日の世界人口デーに発表された国連人口推計は、世界中に衝撃を走らせた。2022年にも、中国の総人口が減少し始めたことを明らかにしているからだ。
国際連合による人口推計は、数年に1回のペースで改訂されてきたが、今回の改訂は非常に大きなものになっている。長年にわたりこのデータを見てきた立場から言えば、これほどドラスティックに変えてもいいのかというくらいに、数値が変化しているのである。以下では、この変化の影響を確認してみたい。
中位推計(出生率、死亡率ともに中位推計した場合の推計値)によると、中国の人口は、2021年に14億2000万人超でピークを迎え、2035年には14億人、2052年に13億人をそれぞれ割り込み、そして概ね半世紀後の2078年には10億人を下回るとされている。
以前から、1970年代末から始まる「一人っ子政策」の影響が、時間差で将来の人口減少の要因になると指摘されてきたが、2022年改訂では、その影響がより大きく見込まれたと考えてよいだろう。足元の中国政府による政策転換(第3子の出産を認める方針)にもかかわらず、人口減少の動きは加速するというのだ。
3年前の2019年に改訂された推計では、2031年に14億6000万人でピークアウトして2032年から人口減少社会に移行するとされていたのが、10年も前倒しされている。2000年代の経済成長を支えてきた人口大国・中国だけに衝撃が大きかったと言えよう。
世界の人口増加率も1%を下回る
それだけではない。2020年に世界の人口増加率は、1950年以降で初めて1%を下回ったことも明らかにしている。3年前の2019年に発表された推計では、2023年に1%を下回るとしていたため、前倒しされているのが明らかだ。今回の人口推計改訂は、コロナ感染症の影響を織り込んだ初めてのものであり、出生率、死亡率、移住などの人口変化の全要素に影響を及ぼしたからだと考えられる。
ペストが流行した14世紀、17世紀に引き続き、感染症の影響が、数値の上からも人口動態に影響しているということは、われわれは人類の歴史の中でも、大きな節目を今まさに経験していると言ってもよい。
具体的には、中央アジアと南アジア、ラテンアメリカ・カリブ海地域では、2019年から2021年の間に平均余命がほぼ3年短縮し、ボリビア多民族国、ボツワナ、レバノン、メキシコ、オマーン、ロシア連邦の場合は、平均余命の推定値は2019年から2021年の間に4年以上減少したと、国連は推計している。
さらに、2023年に中国を超えて世界最多の人口国になるインドでも、65歳超の高齢者増加率は、コロナ感染症拡大以前の2019年の4.1%から、2022年には2.1%まで半減していることから、大きな影響があった点がうかがわれる。2024年には4.4%まで回復するため一時的現象であることが期待されているものの、人口最多国の人口動態が、コロナ感染症に左右されていたことから、今後の感染症の動向から目が離せない。
その65歳超の高齢者が世界人口に占める割合は、2022年の10%から2050年には16%に増加すると推計されている。
年齢を重ねるにつけ、生活スタイルが変化し、一人当たりの消費も減少するため、高齢者比率の上昇は、経済成長にマイナスの影響を与えると言われている。食生活だけでなく、耐久消費財の購入も限定されるようになるからだ。
特に、日本の65歳超の人口比率は、総人口に対して30%の水準に達しつつあり、世界平均の3倍になっている。日本は、経済成長率が相対的に低いだけでなく、インフレ率も欧米各国よりも抑制されている理由の一つと言えよう。
日本の株価と多消費世代人口のピークは同時期
その反対に、労働者の人口が多ければ、世の中の生産活動が円滑にできるメリットがある。一般に生産年齢人口と称される労働者の人口は、15歳から64歳までの世代を指し、この人口の増加は生産を拡大させるため、経済面で「人口ボーナス」と称されている。
しかし、注意しなければいけないのは、経済成長を加速させるための期限付きの機会であるということ。年数の経過とともに、生産年齢に相当する人口が高齢者に移行すると、逆に「人口オーナス(負荷)」として、経済成長にはマイナスの影響をもたらす。
2022年の日本は、生産年齢人口が1994年のピーク(8700万人)から1500万人も減少して、7200万人になっているため、この人口オーナスを経験していることになる。
ところで、先進国では、借金をして所得以上の消費をする世代が多ければ、世の中の消費活動が活発化すると考えられる。人生の中で、最も大きな買い物は住宅であると言われているように、一般的に住宅ローンを組んで購入するケースが多い。住宅を購入する際には、多くの家具や耐久消費財を購入するため波及効果も大きく、生産年齢の中でも住宅を購入する世代の人口が多ければ、消費活動が活発化すると言えよう。
日本の場合、GDP(国内総生産)を支出面からみると消費は約6割の比率を占めるだけに、消費拡大は、経済の底上げに大きく貢献するだろう。概ね、住宅ローンを組む35歳から54歳にかけての人口は、多消費世代と位置づけられる。
興味深いことに、日本の多消費世代人口は、1988年に3700万人でピークに達しており、株価指数のピークである1989年と時期が偶然にも近接している。さらに米国の場合には、グローバル金融危機を経験した2008年に、多消費世代人口は8700万人でピークアウトして2016年まで減少している点は示唆に富む(その後、米国の多消費世代人口は2045年まで増加基調になると推計されている)。
2030年に向け急増するアフリカの行方は
それでは、2022年改訂版の国連の人口推計は、2030年に至る今後8年間の社会がどのようになると想定しているのだろうか。
第1に、中国は、生産年齢人口が約1200万人、多消費世代人口も約2100万人減少する一方、高齢者が急増しており、人口オーナスへの突入を示している。世界の生産年齢人口が約3億8400万人増加し、多消費世代人口も約1億7000万人増加しているのに比べれば、中国の減少は大きな問題でないとする意見もある。
しかし、21世紀の初頭に人口ボーナスを謳歌していた中国が反転することは、われわれの経済見通しの大きな修正を強いるはず。もはや生産面でも消費面でも、大きな期待を中国に寄せるのは難しいことを再確認すべきかもしれない。
第2に、中国・日本を除けば、インドやアジア地域の生産年齢人口や多消費世代人口の増加は顕著であるだけでなく、アフリカの同増加は目を惹く。特にアフリカの教育や社会システムの整備が推進されれば、21世紀初頭の中国の再来が期待できようが、現状では解決に時間を要する課題を抱えているとの指摘が多い点には注意が必要であろう。
第3に、欧州はともかく米国は、先進国の中でも健闘しているという点は再認識すべきであろう。移民問題をどのように解決するかという点に左右されるものの、中国との相対的位置づけが、人口面では対照的になっている。
近年の、国際政治上の対立が、ヒト、モノ、カネ、そしてデータの自由な国境間移動を遮り始めていることから、地域別の人口動態は、各国・各地域の経済への影響度を高めているはず。このことは、経済だけでなく、各国・各地域の証券投資や企業の設備投資をも左右するだけに注目していきたい。
※本稿は筆者個人の見解です。実際の投資に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。
2021年が中国の人口ピーク
7月11日の世界人口デーに発表された国連人口推計は、世界中に衝撃を走らせた。2022年にも、中国の総人口が減少し始めたことを明らかにしているからだ。
国際連合による人口推計は、数年に1回のペースで改訂されてきたが、今回の改訂は非常に大きなものになっている。長年にわたりこのデータを見てきた立場から言えば、これほどドラスティックに変えてもいいのかというくらいに、数値が変化しているのである。以下では、この変化の影響を確認してみたい。
中位推計(出生率、死亡率ともに中位推計した場合の推計値)によると、中国の人口は、2021年に14億2000万人超でピークを迎え、2035年には14億人、2052年に13億人をそれぞれ割り込み、そして概ね半世紀後の2078年には10億人を下回るとされている。
以前から、1970年代末から始まる「一人っ子政策」の影響が、時間差で将来の人口減少の要因になると指摘されてきたが、2022年改訂では、その影響がより大きく見込まれたと考えてよいだろう。足元の中国政府による政策転換(第3子の出産を認める方針)にもかかわらず、人口減少の動きは加速するというのだ。
3年前の2019年に改訂された推計では、2031年に14億6000万人でピークアウトして2032年から人口減少社会に移行するとされていたのが、10年も前倒しされている。2000年代の経済成長を支えてきた人口大国・中国だけに衝撃が大きかったと言えよう。
世界の人口増加率も1%を下回る
それだけではない。2020年に世界の人口増加率は、1950年以降で初めて1%を下回ったことも明らかにしている。3年前の2019年に発表された推計では、2023年に1%を下回るとしていたため、前倒しされているのが明らかだ。今回の人口推計改訂は、コロナ感染症の影響を織り込んだ初めてのものであり、出生率、死亡率、移住などの人口変化の全要素に影響を及ぼしたからだと考えられる。
ペストが流行した14世紀、17世紀に引き続き、感染症の影響が、数値の上からも人口動態に影響しているということは、われわれは人類の歴史の中でも、大きな節目を今まさに経験していると言ってもよい。
具体的には、中央アジアと南アジア、ラテンアメリカ・カリブ海地域では、2019年から2021年の間に平均余命がほぼ3年短縮し、ボリビア多民族国、ボツワナ、レバノン、メキシコ、オマーン、ロシア連邦の場合は、平均余命の推定値は2019年から2021年の間に4年以上減少したと、国連は推計している。
さらに、2023年に中国を超えて世界最多の人口国になるインドでも、65歳超の高齢者増加率は、コロナ感染症拡大以前の2019年の4.1%から、2022年には2.1%まで半減していることから、大きな影響があった点がうかがわれる。2024年には4.4%まで回復するため一時的現象であることが期待されているものの、人口最多国の人口動態が、コロナ感染症に左右されていたことから、今後の感染症の動向から目が離せない。
その65歳超の高齢者が世界人口に占める割合は、2022年の10%から2050年には16%に増加すると推計されている。
年齢を重ねるにつけ、生活スタイルが変化し、一人当たりの消費も減少するため、高齢者比率の上昇は、経済成長にマイナスの影響を与えると言われている。食生活だけでなく、耐久消費財の購入も限定されるようになるからだ。
特に、日本の65歳超の人口比率は、総人口に対して30%の水準に達しつつあり、世界平均の3倍になっている。日本は、経済成長率が相対的に低いだけでなく、インフレ率も欧米各国よりも抑制されている理由の一つと言えよう。
日本の株価と多消費世代人口のピークは同時期
その反対に、労働者の人口が多ければ、世の中の生産活動が円滑にできるメリットがある。一般に生産年齢人口と称される労働者の人口は、15歳から64歳までの世代を指し、この人口の増加は生産を拡大させるため、経済面で「人口ボーナス」と称されている。
しかし、注意しなければいけないのは、経済成長を加速させるための期限付きの機会であるということ。年数の経過とともに、生産年齢に相当する人口が高齢者に移行すると、逆に「人口オーナス(負荷)」として、経済成長にはマイナスの影響をもたらす。
2022年の日本は、生産年齢人口が1994年のピーク(8700万人)から1500万人も減少して、7200万人になっているため、この人口オーナスを経験していることになる。
ところで、先進国では、借金をして所得以上の消費をする世代が多ければ、世の中の消費活動が活発化すると考えられる。人生の中で、最も大きな買い物は住宅であると言われているように、一般的に住宅ローンを組んで購入するケースが多い。住宅を購入する際には、多くの家具や耐久消費財を購入するため波及効果も大きく、生産年齢の中でも住宅を購入する世代の人口が多ければ、消費活動が活発化すると言えよう。
日本の場合、GDP(国内総生産)を支出面からみると消費は約6割の比率を占めるだけに、消費拡大は、経済の底上げに大きく貢献するだろう。概ね、住宅ローンを組む35歳から54歳にかけての人口は、多消費世代と位置づけられる。
興味深いことに、日本の多消費世代人口は、1988年に3700万人でピークに達しており、株価指数のピークである1989年と時期が偶然にも近接している。さらに米国の場合には、グローバル金融危機を経験した2008年に、多消費世代人口は8700万人でピークアウトして2016年まで減少している点は示唆に富む(その後、米国の多消費世代人口は2045年まで増加基調になると推計されている)。
2030年に向け急増するアフリカの行方は
それでは、2022年改訂版の国連の人口推計は、2030年に至る今後8年間の社会がどのようになると想定しているのだろうか。
第1に、中国は、生産年齢人口が約1200万人、多消費世代人口も約2100万人減少する一方、高齢者が急増しており、人口オーナスへの突入を示している。世界の生産年齢人口が約3億8400万人増加し、多消費世代人口も約1億7000万人増加しているのに比べれば、中国の減少は大きな問題でないとする意見もある。
しかし、21世紀の初頭に人口ボーナスを謳歌していた中国が反転することは、われわれの経済見通しの大きな修正を強いるはず。もはや生産面でも消費面でも、大きな期待を中国に寄せるのは難しいことを再確認すべきかもしれない。
第2に、中国・日本を除けば、インドやアジア地域の生産年齢人口や多消費世代人口の増加は顕著であるだけでなく、アフリカの同増加は目を惹く。特にアフリカの教育や社会システムの整備が推進されれば、21世紀初頭の中国の再来が期待できようが、現状では解決に時間を要する課題を抱えているとの指摘が多い点には注意が必要であろう。
第3に、欧州はともかく米国は、先進国の中でも健闘しているという点は再認識すべきであろう。移民問題をどのように解決するかという点に左右されるものの、中国との相対的位置づけが、人口面では対照的になっている。
近年の、国際政治上の対立が、ヒト、モノ、カネ、そしてデータの自由な国境間移動を遮り始めていることから、地域別の人口動態は、各国・各地域の経済への影響度を高めているはず。このことは、経済だけでなく、各国・各地域の証券投資や企業の設備投資をも左右するだけに注目していきたい。
※本稿は筆者個人の見解です。実際の投資に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。
中位推計(出生率、死亡率ともに中位推計した場合の推計値)によると、中国の人口は、2021年に14億2000万人超でピークを迎え、2035年には14億人、2052年に13億人をそれぞれ割り込み、そして概ね半世紀後の2078年には10億人を下回るとされているのだそうです。
3年前の2019年に改訂された推計では、2031年に14億6000万人でピークアウトして2032年から人口減少社会に移行するとされていたのが、10年も前倒しされている。2000年代の経済成長を支えてきた人口大国・中国だけに衝撃が大きいと平山氏。
更に、2020年に世界の人口増加率は、1950年以降で初めて1%を下回ったことも明らかにされているのだそうです。
3年前の2019年に発表された推計では、2023年に1%を下回るとしていたため、前倒しされているのが明らかだ。今回の人口推計改訂は、コロナ感染症の影響を織り込んだ初めてのものであり、出生率、死亡率、移住などの人口変化の全要素に影響を及ぼしたからだと考えられると、平山氏。
65歳超の高齢者が世界人口に占める割合は、2022年の10%から2050年には16%に増加すると推計されている。
年齢を重ねるにつけ、生活スタイルが変化し、一人当たりの消費も減少するため、高齢者比率の上昇は、経済成長にマイナスの影響を与えると言われていると、平山氏。
特に、日本の65歳超の人口比率は、総人口に対して30%の水準に達しつつあり、世界平均の3倍になっている。日本は、経済成長率が相対的に低いだけでなく、インフレ率も欧米各国よりも抑制されている理由の一つと言えようとも。
一般に生産年齢人口と称される労働者の人口は、15歳から64歳までの世代を指し、この人口の増加は生産を拡大させるため、経済面で「人口ボーナス」と称されている。
逆に、年数の経過とともに、生産年齢に相当する人口が高齢者に移行すると、「人口オーナス(負荷)」として、経済成長にはマイナスの影響をもたらす。
2022年の日本は、生産年齢人口が1994年のピーク(8700万人)から1500万人も減少して、7200万人になっているため、この人口オーナスを経験していることになると、平山氏。
日本の場合、GDP(国内総生産)を支出面からみると消費は約6割の比率を占めるだけに、消費拡大は、経済の底上げに大きく貢献するだろう。概ね、住宅ローンを組む35歳から54歳にかけての人口は、多消費世代と位置づけられるのだそうです。
日本の多消費世代人口は、1988年に3700万人でピークに達しており、株価指数のピークである1989年と時期が偶然にも近接している。さらに米国の場合には、グローバル金融危機を経験した2008年に、多消費世代人口は8700万人でピークアウトして2016年まで減少している点は示唆に富む(その後、米国の多消費世代人口は2045年まで増加基調になると推計されている)と。
2022年改訂版の国連の人口推計は、2030年に至る今後8年間の社会がどのようになると想定しているのか。
第1に、中国は、生産年齢人口が約1200万人、多消費世代人口も約2100万人減少する一方、高齢者が急増しており、人口オーナスへの突入を示していると。
21世紀の初頭に人口ボーナスを謳歌していた中国が反転することは、われわれの経済見通しの大きな修正を強いるはず。もはや生産面でも消費面でも、大きな期待を中国に寄せるのは難しいことを再確認すべきかもしれないと、平山氏。
第2に、中国・日本を除けば、インドやアジア地域の生産年齢人口や多消費世代人口の増加は顕著。
アフリカの教育や社会システムの整備が推進されれば、21世紀初頭の中国の再来が期待できようが、現状では解決に時間を要する課題を抱えていると。
中国やロシアは、自由主義国との対立を深めていて、アフリカ諸国への浸透を推進していますね。
第3に、欧州はともかく米国は、先進国の中でも健闘しているという点は再認識すべきであろう。移民問題をどのように解決するかという点に左右されるものの、中国との相対的位置づけが、人口面では対照的になっていると、平山氏。
国連の常任理事国のロシアのプーチンによるウクライナ侵攻。
これまでも、小競り合いで武力侵攻を繰り返し、米欧から制裁を課されてきましたが、今回のウクライナ侵攻は、第3次世界大戦に発展しかねない世界中の国具の分断に至ってきています。
コツコツ稼いできたアフリカ諸国への、ウクライナの小麦などの輸出を妨害するロシア。
国連を交えた交渉では、輸出への妨害はしないと合意しましたが、積み込み港へのミサイル攻撃は継続しています。明白な国際合意違反。
これでは、食料危機の至っているアフリカ勢にどの離反を産みかねない。
人口減のトレンドに繰上げ突入した中国。
鄧小平が、戦後日本の復興に学び、独自の社会主義体制を推進。日本を抜き、いまや米国に肩を並べんばかりの製材大国に。
しかし、その基調は、圧倒的な人口数による世界の工場照りえた、安価な労働力と消費力。
そそこに陰りが生じ、世界が今回のコロナによるサプライチェーンの中国への過剰な依存への反省。
秋の共産党大会では、専制政治体制を強化。国共内戦以来の台湾併合の課題達成(≒プーチンのソ連復活へのウクライナ併呑)にむけた軍事行動は、人口数で経済成長を成し遂げてきたモデルが行き詰まってきた今日、どうなるのでしょう。
# 冒頭の画像は、少子高齢化が加速する中国
タンジン
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