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政府・自民党と全国農業協同組合中央会(JA全中)は、成長戦略の核となる農協改革で大筋合意したのだそうです。
「監査・指導権」をなくし、その為に集めていた、年間約80億円にのぼる「負担金」もなくすのだそうです。併せて、行政に意見を述べる「建議権」もなくす。
戦後の日本の農業の基盤組織を改革する、歴史的な大きな決断となります。一方で、反対勢力に譲歩した部分もあり、現実的には地域農協への統制力が残る懸念があります。
アベノミクスの第三の矢の経済成長政策の柱のひとつとして期待される農業改革。その肝として注目されているのが、農協改革で、組織のカサフタである全中の解体です。
地方の農協が、活性化を計ろうとするとき、全中の全国均一的統制が壁となり、改革の妨げとなっているのが解体の理由。
戦後の復興期には、大きな役割と成果を上げたものの、成長から低迷を経て、衰退(高齢化による従事者の減少)の兆が見えて久しい現状の農業には、TPP云々とは関係なく、新しい時代へ向けた改革が必要で、これまでも題目が唱えられ、数々の改革策が建議され、実行されましたが、土木工事が主体で、構造改革には至りませんでした。
そこで、戦後初の構造改革の着手。
がしかし、佐賀県知事選では、県連が立てた反農協改革候補が、自民党本部が立てた候補を破ってしまい、党内では一気に反対派の声が高まっていました。
地方選挙を目の前にした今、先送りになるのかと予測していましたが、頑強に抵抗していたJA全中の万歳章会長は、全中理事会を開き、政府案の受け入れを正式に決めたのでした。
安倍首相の、強い意志に折れざるを得なかったのでしょうか、付則に全中が地域農協の代表機能や総合調整を担う規定を盛り込むことや、「農業協同組合中央会」の名称を残し、下部組織、地方中央会は農協法の組織「連合会」として存続といった譲歩を勝ち取り、実質的には、影響力は残せると踏んだからなのでしょうか、万歳会長や全中理事会の態度変更の真意は、今後の経過を見守り見極めねばなりません。
懸念は残るものの、先ずは改革に向けた歴史的一歩が踏み出されたことは、大きく評価すべきでしょう。
次は、農家同様に、後継者不足で高齢化と従事者減少の危機を抱える漁業にもメスを入れることを期待します。漁獲量減はもとより、外国の密漁船の監視の眼の減少、海中の生態系の崩れと言った問題が発生しています。
# 冒頭の画像は、記者の質問に答えるJA全中万歳会長
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コムラサキ
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「監査・指導権」をなくし、その為に集めていた、年間約80億円にのぼる「負担金」もなくすのだそうです。併せて、行政に意見を述べる「建議権」もなくす。
戦後の日本の農業の基盤組織を改革する、歴史的な大きな決断となります。一方で、反対勢力に譲歩した部分もあり、現実的には地域農協への統制力が残る懸念があります。
農協60年ぶり改革決着 JA全中、指導権廃止を承諾 :日本経済新聞
政府・自民党と全国農業協同組合中央会(JA全中)は9日、成長戦略の核となる農協改革で大筋合意した。全中の監査・指導権をなくし、2019年3月末までに一般社団法人に転換する。1954年の発足以来、農村票を武器に大きな発言力を示してきた全中の権限を縮小する。政府は農産物の流通の半分を握る約700の地域農協の競争と創意工夫を促し、農業再生につなげたい考えだ。
JA全中の万歳章会長は9日に全中理事会を開き、政府案の受け入れを正式に決めた。万歳会長は自民党本部で吉川貴盛・党農協改革等法案検討プロジェクトチーム座長らと会談し、理事会の内容を報告。その後、記者団に「農家の所得の増大や地方の活性化に向けて力を結集して改革に臨んでいきたい」と語った。
自民党も9日、農林部会など合同会議を開き、農協改革を大筋了承した。安倍晋三首相は12日に予定する施政方針演説で全中を「廃止」し、農協の経営の自由度を高める方針を表明する見通し。いまの国会に農業協同組合法改正案を提出する。
安倍政権は成長戦略の柱として、農業を成長産業に変える戦略を描く。全中の統制力をなくして各農協の組合長の経営感覚を磨き、新しい農産物の開発や輸出など販売ルートの開拓を期待する。
政府は19年3月末までに全中が一手に引き受けてきた監査・指導権をなくす。地域農協などから監査料の見返りなどとして集めていた負担金(年間約80億円)もなくなる。任意の会費制に移る見通し。農協監査は公認会計士による外部監査に移行する。地域農協の経営の独立性と透明性を高める。全中の監査部門は新たに監査法人として出発することになる。
行政に意見を述べる「建議権」もなくす。建議権は、かつては米価引き上げ闘争で農林水産省の審議会に委員を送り込んだり、農業予算の増額をめざして農相に会談を申し込んだりと、政治力の象徴とされてきた。
農産物の集荷・販売を担う全国農業協同組合連合会(JA全農)は株式会社に転換できるようにする。経営力のある農協が出資を増やして発言権を高めることも可能になる。農地を所有できる農業生産法人への出資比率も現行25%から50%未満まで広げて企業が参入しやすくする。
一方で農協法改正案の付則には全中が地域農協の代表機能や総合調整を担う規定を盛り込むことになった。全中の改革への反対姿勢に政府も一定の譲歩をせざるを得なくなった。地域農協への統制力が残ると懸念する声もある。また全中が一般社団法人になった後も「農業協同組合中央会」の名称を使えるように配慮した。全中の下部組織、地方中央会は農協法の組織「連合会」として存続することになる。
政府内には農協に農家でない「准組合員」が大量に入っている問題を規制する案があったが、全中が農協改革を大筋で受け入れたことで見送ることにした。
政府・自民党と全国農業協同組合中央会(JA全中)は9日、成長戦略の核となる農協改革で大筋合意した。全中の監査・指導権をなくし、2019年3月末までに一般社団法人に転換する。1954年の発足以来、農村票を武器に大きな発言力を示してきた全中の権限を縮小する。政府は農産物の流通の半分を握る約700の地域農協の競争と創意工夫を促し、農業再生につなげたい考えだ。
JA全中の万歳章会長は9日に全中理事会を開き、政府案の受け入れを正式に決めた。万歳会長は自民党本部で吉川貴盛・党農協改革等法案検討プロジェクトチーム座長らと会談し、理事会の内容を報告。その後、記者団に「農家の所得の増大や地方の活性化に向けて力を結集して改革に臨んでいきたい」と語った。
自民党も9日、農林部会など合同会議を開き、農協改革を大筋了承した。安倍晋三首相は12日に予定する施政方針演説で全中を「廃止」し、農協の経営の自由度を高める方針を表明する見通し。いまの国会に農業協同組合法改正案を提出する。
安倍政権は成長戦略の柱として、農業を成長産業に変える戦略を描く。全中の統制力をなくして各農協の組合長の経営感覚を磨き、新しい農産物の開発や輸出など販売ルートの開拓を期待する。
政府は19年3月末までに全中が一手に引き受けてきた監査・指導権をなくす。地域農協などから監査料の見返りなどとして集めていた負担金(年間約80億円)もなくなる。任意の会費制に移る見通し。農協監査は公認会計士による外部監査に移行する。地域農協の経営の独立性と透明性を高める。全中の監査部門は新たに監査法人として出発することになる。
行政に意見を述べる「建議権」もなくす。建議権は、かつては米価引き上げ闘争で農林水産省の審議会に委員を送り込んだり、農業予算の増額をめざして農相に会談を申し込んだりと、政治力の象徴とされてきた。
農産物の集荷・販売を担う全国農業協同組合連合会(JA全農)は株式会社に転換できるようにする。経営力のある農協が出資を増やして発言権を高めることも可能になる。農地を所有できる農業生産法人への出資比率も現行25%から50%未満まで広げて企業が参入しやすくする。
一方で農協法改正案の付則には全中が地域農協の代表機能や総合調整を担う規定を盛り込むことになった。全中の改革への反対姿勢に政府も一定の譲歩をせざるを得なくなった。地域農協への統制力が残ると懸念する声もある。また全中が一般社団法人になった後も「農業協同組合中央会」の名称を使えるように配慮した。全中の下部組織、地方中央会は農協法の組織「連合会」として存続することになる。
政府内には農協に農家でない「准組合員」が大量に入っている問題を規制する案があったが、全中が農協改革を大筋で受け入れたことで見送ることにした。
アベノミクスの第三の矢の経済成長政策の柱のひとつとして期待される農業改革。その肝として注目されているのが、農協改革で、組織のカサフタである全中の解体です。
地方の農協が、活性化を計ろうとするとき、全中の全国均一的統制が壁となり、改革の妨げとなっているのが解体の理由。
戦後の復興期には、大きな役割と成果を上げたものの、成長から低迷を経て、衰退(高齢化による従事者の減少)の兆が見えて久しい現状の農業には、TPP云々とは関係なく、新しい時代へ向けた改革が必要で、これまでも題目が唱えられ、数々の改革策が建議され、実行されましたが、土木工事が主体で、構造改革には至りませんでした。
そこで、戦後初の構造改革の着手。
がしかし、佐賀県知事選では、県連が立てた反農協改革候補が、自民党本部が立てた候補を破ってしまい、党内では一気に反対派の声が高まっていました。
地方選挙を目の前にした今、先送りになるのかと予測していましたが、頑強に抵抗していたJA全中の万歳章会長は、全中理事会を開き、政府案の受け入れを正式に決めたのでした。
安倍首相の、強い意志に折れざるを得なかったのでしょうか、付則に全中が地域農協の代表機能や総合調整を担う規定を盛り込むことや、「農業協同組合中央会」の名称を残し、下部組織、地方中央会は農協法の組織「連合会」として存続といった譲歩を勝ち取り、実質的には、影響力は残せると踏んだからなのでしょうか、万歳会長や全中理事会の態度変更の真意は、今後の経過を見守り見極めねばなりません。
懸念は残るものの、先ずは改革に向けた歴史的一歩が踏み出されたことは、大きく評価すべきでしょう。
次は、農家同様に、後継者不足で高齢化と従事者減少の危機を抱える漁業にもメスを入れることを期待します。漁獲量減はもとより、外国の密漁船の監視の眼の減少、海中の生態系の崩れと言った問題が発生しています。
# 冒頭の画像は、記者の質問に答えるJA全中万歳会長
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竹島に関する動画 / 政府広報 - YouTube
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