金正男の殺害直後に、アメリカ中央情報局(CIA)の介入(CIAは否定)を得て、アメリカ連邦捜査局(FBI)の庇護のもと米国内で、息子の金漢率と母、妹の3人の身柄を保護していると言う「自由朝鮮」。
脱北者支援活動をしてきたのですが、金正恩政権打倒の為の「臨時政府樹立」も目指しています。
一方、在スペイン北朝鮮大使館襲撃の軽挙では、米当局により襲撃メンバーが逮捕され、米政府にはしごを外された格好で、組織発足早々危機に直面している状況と、その正体や、支援国等が不明です。
対金正恩カードとして、中国が金正男を擁護していたとされ、今日では米国が、その息子のの金漢率を保護していると言われています。
「自由朝鮮」と米国などの第三国との関係は、どこまで確立されているのかは謎ですが、関連記事が集中して見られましたので、備忘録としてアップします。
「自由朝鮮」の中心人物で、大使館襲撃で手配中のアドリアン・ホン・チャン容疑者。
「コッチェビ」と呼ばれる路上生活の子供だった脱北者の講演を聞いて衝撃を受け、北朝鮮の反体制活動にのめり込んだのだそうです。
その後、いろいろ変遷。そのあたりも、「自由朝鮮」の正体が判りにくい原因?
北朝鮮の人権問題に取り組む市民団体「Link(リンク)」を立ち上げ、瞬く間に米全土の大学や海外に支部を持つ組織に成長させたのだそうですが、06年には中朝国境で脱北支援に当たっている際に中国当局に拘束されたことも。
「臨時政府樹立」というホン・チャン容疑者の目標を結実させた形の「自由朝鮮」は、金正男(キム・ジョンナム)氏の擁立失敗を受けてか、ホームページで「私たちは金氏一族の世襲を断ち切ろうと結集した脱北者や同胞の組織だ」と強調。韓国在住の脱北者との連携はないとも主張。
「韓国の団体と連携すれば、秘密保持が難しくなる」との見方があるのだそうです。
しかし、金一族の世襲を断つと言いながら、正男氏の息子の金ハンソル氏らの国外移送を担ったとされています。
金ハンソル氏らの国外移送には、米国や中国などの情報機関の介入があったとされ、「Link」を退いたいた後、CIA要員として働いてきたとされるホン・チャン容疑者が金ハンソル氏らの国外移送を担ったと。
大使館を襲撃し、コンピューターなどを奪ったことは「秘密を握った」と北朝鮮を圧迫するのにある程度成功したといえるが、身分が露呈したことで「秘密組織としては終わった」とも。
まぁ、「自由朝鮮」の立ち上げを公表したのですから、その時点で秘密組織ではなくなっていますが、大使館襲撃というせこい事件をおこしたのは、正統な政権樹立の道を外してしまったとは言えますね。
韓国の脱北者とは関係ないと言っているようですが、韓国の脱北者らの間では支持する声が広がっているのだそうです。
文在寅政権の親北政策と反北体制派への押さえ込みが亡命政府への期待を高める皮肉な現象を生んでいるのだそうです。ゆがんだ現象。。
北朝鮮からの脱北者は、脱北者団体ごとに祖国の民主化に向けて反体制運動を進めてきたが、ここまで鮮烈に「金体制打倒」を行動で示したケースがなかったことから、在スペイン北朝鮮大使館襲撃という違法行為に対しても「よくやった」と英雄視する声が少なくないのだそうです。
正男氏の息子の金ハンソル氏らの国外移送を担って、北朝鮮の最高指導者の血族を担ぎ上げようとするホン・チャン容疑者。
「私たちは金氏一族の世襲を断ち切ろうと結集した脱北者や同胞の組織だ」と強調するHPとは異なる行動です。
しかし、「文政権が「核をなくすという嘘で(金体制という)悪魔と手を握ろうとしている」今、「自由朝鮮」のような存在は必要になったとの声が。。
在スペイン北朝鮮大使館襲撃事件については、スペイン当局の国際手配に対し、米当局は元海兵隊員のクリストファー・アン容疑者を逮捕。ホン・チャン容疑者の自宅も家宅捜索したのだそうですね。
「自由朝鮮」は、米政府にはしごを外された格好で、組織発足早々危機に直面してしまいました。
コンピューターなどを持ち去り、「貴重な暗号用プログラムを奪った可能性」があり。「自由朝鮮」も米連邦捜査局(FBI)と「莫大(ばくだい)な潜在的価値のある情報を共有した」と主張していたのですが、米国に利用されただけで切り捨てられたのでしょうか。
正男氏の息子の金ハンソル氏らは、米国で安全に擁護されているのでしょうか。
「自由朝鮮」が潰された後、金正恩体制の維持保証が米朝交渉の重要課題ですが、崩壊への道は閉ざされるのでしょうか。
# 冒頭の画像は、自由朝鮮のアドリアン・ホン・チャン容疑者
この花の名前は、オダマキ
↓よろしかったら、お願いします。
脱北者支援活動をしてきたのですが、金正恩政権打倒の為の「臨時政府樹立」も目指しています。
一方、在スペイン北朝鮮大使館襲撃の軽挙では、米当局により襲撃メンバーが逮捕され、米政府にはしごを外された格好で、組織発足早々危機に直面している状況と、その正体や、支援国等が不明です。
対金正恩カードとして、中国が金正男を擁護していたとされ、今日では米国が、その息子のの金漢率を保護していると言われています。
「自由朝鮮」と米国などの第三国との関係は、どこまで確立されているのかは謎ですが、関連記事が集中して見られましたので、備忘録としてアップします。
「自由朝鮮」の中心人物で、大使館襲撃で手配中のアドリアン・ホン・チャン容疑者。
「コッチェビ」と呼ばれる路上生活の子供だった脱北者の講演を聞いて衝撃を受け、北朝鮮の反体制活動にのめり込んだのだそうです。
その後、いろいろ変遷。そのあたりも、「自由朝鮮」の正体が判りにくい原因?
正恩政権打倒目指す組織「自由朝鮮」の光と影 - 産経ニュース 2019.5.16
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権打倒を掲げ、3月に発足した脱北者らの組織「自由朝鮮」は「北朝鮮人民を代表する正当な臨時政府」だと宣言し、国内の同志とともに金政権を「根元から揺さぶる」と主張する。在スペイン北朝鮮大使館襲撃という非合法事件に手を染めながら何を目指そうとしているのか。組織の中心人物の言動を基に光と影を探った。
「21世紀にこんな悪魔のような体制があるのか!」
韓国の脱北者団体代表の朴相学(パク・サンハク)氏ら親交のあった関係者によると、「自由朝鮮」の中心人物で、大使館襲撃で手配中のアドリアン・ホン・チャン容疑者は米名門のエール大在学中の2004年ごろ、北朝鮮で「コッチェビ」と呼ばれる路上生活の子供だった脱北者の講演を聞いて衝撃を受けたのが北朝鮮の反体制活動にのめり込むきっかけだった。
北朝鮮の人権問題に取り組む市民団体「LiNK(リンク)」を立ち上げ、「カリスマ性と強い意志」(朴氏)で瞬く間に米全土の大学や海外に支部を持つ組織に成長させた。06年には中朝国境で脱北支援に当たっている際に中国当局に拘束された。
北朝鮮から韓国に亡命した黄長燁(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記との08年ごろの面会が大きな転機になったとも考えられる。ホン・チャン容疑者が「ここ(韓国)にいても何もできない。いっそ臨時政府をつくって主席をなさるよう」要請したのに対し、黄氏は激怒した。「韓国を祖国と仰ぎ来たのにまた亡命しろというのか!」
ホン・チャン容疑者は、黄氏も「しょせん学者だ。われわれ闘士とは違う」と強い失望感を漏らしたという。10年前後からはLiNKの運営を後進に任せて民主化運動「アラブの春」が起きていたチュニジアやリビア、シリアを訪れる。北朝鮮の独裁体制打倒に役立てるのが目的だったという。
「臨時政府樹立」というホン・チャン容疑者の目標を結実させた形の「自由朝鮮」は、金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の擁立失敗を受けてか、ホームページ(HP)で「私たちは金氏一族の世襲を断ち切ろうと結集した脱北者や同胞の組織だ」と強調。北朝鮮の政治犯収容所の解体や改革開放も要求している。一方で、韓国在住の脱北者との連携はないと主張した。北朝鮮工作に詳しい韓国の民間研究団体「自由民主研究院」の柳東烈(ユ・ドンヨル)院長は「韓国の団体と連携すれば、秘密保持が難しくなる」との見方を示す。
欧米メディアはホン・チャン容疑者と米中央情報局(CIA)の接点についても報じてきた。朴氏は、ホン・チャン容疑者が正男氏と直接会ったという話からLiNKを退いた後、CIA要員として働いてきたとの心証を強くしたという。
柳氏は、正男氏の息子の金ハンソル氏らの国外移送を担ったという点からも「各国間の調整を民間団体だけで行えるはずはなく、米国や中国などの情報機関の介入があったとみるのが妥当だ」と分析。ホン・チャン容疑者がCIAと連携する要員の可能性が高いとみる。大使館を襲撃し、コンピューターなどを奪ったことは「秘密を握った」と北朝鮮を圧迫するのにある程度成功したといえるが、身分が露呈したことで「秘密組織としては終わった」として、今後の活動に大きな制約があるとも指摘した。
ホン・チャン容疑者は昨年6月、朴氏に「何か果敢な行動をしなければ」と話していた。「自由朝鮮」は4月1日にHPで「大きなことを準備している。そのときまで嵐の前の静けさを守る」と表明してから、仲間への指示とみられる数字の羅列を掲載する以外、目立った動きは見られない。
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権打倒を掲げ、3月に発足した脱北者らの組織「自由朝鮮」は「北朝鮮人民を代表する正当な臨時政府」だと宣言し、国内の同志とともに金政権を「根元から揺さぶる」と主張する。在スペイン北朝鮮大使館襲撃という非合法事件に手を染めながら何を目指そうとしているのか。組織の中心人物の言動を基に光と影を探った。
「21世紀にこんな悪魔のような体制があるのか!」
韓国の脱北者団体代表の朴相学(パク・サンハク)氏ら親交のあった関係者によると、「自由朝鮮」の中心人物で、大使館襲撃で手配中のアドリアン・ホン・チャン容疑者は米名門のエール大在学中の2004年ごろ、北朝鮮で「コッチェビ」と呼ばれる路上生活の子供だった脱北者の講演を聞いて衝撃を受けたのが北朝鮮の反体制活動にのめり込むきっかけだった。
北朝鮮の人権問題に取り組む市民団体「LiNK(リンク)」を立ち上げ、「カリスマ性と強い意志」(朴氏)で瞬く間に米全土の大学や海外に支部を持つ組織に成長させた。06年には中朝国境で脱北支援に当たっている際に中国当局に拘束された。
北朝鮮から韓国に亡命した黄長燁(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記との08年ごろの面会が大きな転機になったとも考えられる。ホン・チャン容疑者が「ここ(韓国)にいても何もできない。いっそ臨時政府をつくって主席をなさるよう」要請したのに対し、黄氏は激怒した。「韓国を祖国と仰ぎ来たのにまた亡命しろというのか!」
ホン・チャン容疑者は、黄氏も「しょせん学者だ。われわれ闘士とは違う」と強い失望感を漏らしたという。10年前後からはLiNKの運営を後進に任せて民主化運動「アラブの春」が起きていたチュニジアやリビア、シリアを訪れる。北朝鮮の独裁体制打倒に役立てるのが目的だったという。
「臨時政府樹立」というホン・チャン容疑者の目標を結実させた形の「自由朝鮮」は、金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の擁立失敗を受けてか、ホームページ(HP)で「私たちは金氏一族の世襲を断ち切ろうと結集した脱北者や同胞の組織だ」と強調。北朝鮮の政治犯収容所の解体や改革開放も要求している。一方で、韓国在住の脱北者との連携はないと主張した。北朝鮮工作に詳しい韓国の民間研究団体「自由民主研究院」の柳東烈(ユ・ドンヨル)院長は「韓国の団体と連携すれば、秘密保持が難しくなる」との見方を示す。
欧米メディアはホン・チャン容疑者と米中央情報局(CIA)の接点についても報じてきた。朴氏は、ホン・チャン容疑者が正男氏と直接会ったという話からLiNKを退いた後、CIA要員として働いてきたとの心証を強くしたという。
柳氏は、正男氏の息子の金ハンソル氏らの国外移送を担ったという点からも「各国間の調整を民間団体だけで行えるはずはなく、米国や中国などの情報機関の介入があったとみるのが妥当だ」と分析。ホン・チャン容疑者がCIAと連携する要員の可能性が高いとみる。大使館を襲撃し、コンピューターなどを奪ったことは「秘密を握った」と北朝鮮を圧迫するのにある程度成功したといえるが、身分が露呈したことで「秘密組織としては終わった」として、今後の活動に大きな制約があるとも指摘した。
ホン・チャン容疑者は昨年6月、朴氏に「何か果敢な行動をしなければ」と話していた。「自由朝鮮」は4月1日にHPで「大きなことを準備している。そのときまで嵐の前の静けさを守る」と表明してから、仲間への指示とみられる数字の羅列を掲載する以外、目立った動きは見られない。
北朝鮮の人権問題に取り組む市民団体「Link(リンク)」を立ち上げ、瞬く間に米全土の大学や海外に支部を持つ組織に成長させたのだそうですが、06年には中朝国境で脱北支援に当たっている際に中国当局に拘束されたことも。
「臨時政府樹立」というホン・チャン容疑者の目標を結実させた形の「自由朝鮮」は、金正男(キム・ジョンナム)氏の擁立失敗を受けてか、ホームページで「私たちは金氏一族の世襲を断ち切ろうと結集した脱北者や同胞の組織だ」と強調。韓国在住の脱北者との連携はないとも主張。
「韓国の団体と連携すれば、秘密保持が難しくなる」との見方があるのだそうです。
しかし、金一族の世襲を断つと言いながら、正男氏の息子の金ハンソル氏らの国外移送を担ったとされています。
金ハンソル氏らの国外移送には、米国や中国などの情報機関の介入があったとされ、「Link」を退いたいた後、CIA要員として働いてきたとされるホン・チャン容疑者が金ハンソル氏らの国外移送を担ったと。
大使館を襲撃し、コンピューターなどを奪ったことは「秘密を握った」と北朝鮮を圧迫するのにある程度成功したといえるが、身分が露呈したことで「秘密組織としては終わった」とも。
まぁ、「自由朝鮮」の立ち上げを公表したのですから、その時点で秘密組織ではなくなっていますが、大使館襲撃というせこい事件をおこしたのは、正統な政権樹立の道を外してしまったとは言えますね。
韓国の脱北者とは関係ないと言っているようですが、韓国の脱北者らの間では支持する声が広がっているのだそうです。
韓国に広がる「自由朝鮮」支持 文政権の反北抑圧が期待生む - 産経ニュース 2019.5.16
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制打倒を掲げ、海外の脱北者らが3月に「臨時政府」として「自由朝鮮」の結成を宣言したことに対し、韓国の脱北者らの間でも支持する声が広がっている。亡命政府の立ち上げには、分断国家特有の“壁”が存在したが、文在寅(ムン・ジェイン)政権の親北政策と反北体制派への押さえ込みが亡命政府への期待を高める皮肉な現象を生んでいる。
韓国の脱北者団体によると、「自由朝鮮」結成を支持する意見に加え、在スペイン北朝鮮大使館襲撃という違法行為に対しても「よくやった」と英雄視する声が少なくないという。
北朝鮮からの脱北者は3万人を超え、脱北者団体ごとに祖国の民主化に向けて対北ラジオ放送や風船でのビラ散布など、反体制運動を進めてきたが、ここまで鮮烈に「金体制打倒」を行動で示したケースがなかったからだ。
背景には「韓国」という存在がある。北朝鮮から韓国に亡命した黄長燁(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記が「自由朝鮮」の中心人物、アドリアン・ホン・チャン容疑者からかつて臨時政府の主席を要請された際に示した激怒が、事情を如実に表している。
黄氏は、韓国憲法を挙げて「韓国だけが朝鮮半島の合法政権だ」と語気を強めたという。同席した脱北者団体代表の朴相学(パク・サンハク)氏も黄氏に「同感だった」と振り返る。韓国の脱北者にとっては「韓国の自由民主主義を軍事境界線の北側の社会に広げていく」ことが一義的な目標とみなされてきた。
金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が2017年に殺害される前、ホン・チャン容疑者以外にも英国の脱北者団体幹部が亡命政府の首班に就くよう要請し、拒まれたことが判明している。当時、欧米の脱北者の間で、正恩氏の叔父の金平一(キム・ピョンイル)駐チェコ大使を首班に担ごうという声も上がっていた。
一方で、金体制打倒を叫びながら、金日成(キム・イルソン)主席の直系血族を脱北者結集のシンボルにしようという計画に反感を持つ脱北者もいる。
韓国の李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)両旧保守政権は、北朝鮮体制の打倒や民主化を目指す脱北者らの活動に理解を示し、陰に陽に支援してきた。だが、対北融和を最優先する文政権に入って北朝鮮体制に反対する団体への支援は目に見えて削減され、対北ビラ散布などをやめさせるために警察が動員されるのが現実だ。
正男氏ら北朝鮮の最高指導者の血族を担ぎ上げようとするホン・チャン容疑者の考えに批判的だった朴相学氏は、文政権が「核をなくすという嘘で(金体制という)悪魔と手を握ろうとしている」と指摘し、「自由朝鮮」のような存在は「今は必要だと考えるようになった」と語った。
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制打倒を掲げ、海外の脱北者らが3月に「臨時政府」として「自由朝鮮」の結成を宣言したことに対し、韓国の脱北者らの間でも支持する声が広がっている。亡命政府の立ち上げには、分断国家特有の“壁”が存在したが、文在寅(ムン・ジェイン)政権の親北政策と反北体制派への押さえ込みが亡命政府への期待を高める皮肉な現象を生んでいる。
韓国の脱北者団体によると、「自由朝鮮」結成を支持する意見に加え、在スペイン北朝鮮大使館襲撃という違法行為に対しても「よくやった」と英雄視する声が少なくないという。
北朝鮮からの脱北者は3万人を超え、脱北者団体ごとに祖国の民主化に向けて対北ラジオ放送や風船でのビラ散布など、反体制運動を進めてきたが、ここまで鮮烈に「金体制打倒」を行動で示したケースがなかったからだ。
背景には「韓国」という存在がある。北朝鮮から韓国に亡命した黄長燁(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記が「自由朝鮮」の中心人物、アドリアン・ホン・チャン容疑者からかつて臨時政府の主席を要請された際に示した激怒が、事情を如実に表している。
黄氏は、韓国憲法を挙げて「韓国だけが朝鮮半島の合法政権だ」と語気を強めたという。同席した脱北者団体代表の朴相学(パク・サンハク)氏も黄氏に「同感だった」と振り返る。韓国の脱北者にとっては「韓国の自由民主主義を軍事境界線の北側の社会に広げていく」ことが一義的な目標とみなされてきた。
金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が2017年に殺害される前、ホン・チャン容疑者以外にも英国の脱北者団体幹部が亡命政府の首班に就くよう要請し、拒まれたことが判明している。当時、欧米の脱北者の間で、正恩氏の叔父の金平一(キム・ピョンイル)駐チェコ大使を首班に担ごうという声も上がっていた。
一方で、金体制打倒を叫びながら、金日成(キム・イルソン)主席の直系血族を脱北者結集のシンボルにしようという計画に反感を持つ脱北者もいる。
韓国の李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)両旧保守政権は、北朝鮮体制の打倒や民主化を目指す脱北者らの活動に理解を示し、陰に陽に支援してきた。だが、対北融和を最優先する文政権に入って北朝鮮体制に反対する団体への支援は目に見えて削減され、対北ビラ散布などをやめさせるために警察が動員されるのが現実だ。
正男氏ら北朝鮮の最高指導者の血族を担ぎ上げようとするホン・チャン容疑者の考えに批判的だった朴相学氏は、文政権が「核をなくすという嘘で(金体制という)悪魔と手を握ろうとしている」と指摘し、「自由朝鮮」のような存在は「今は必要だと考えるようになった」と語った。
文在寅政権の親北政策と反北体制派への押さえ込みが亡命政府への期待を高める皮肉な現象を生んでいるのだそうです。ゆがんだ現象。。
北朝鮮からの脱北者は、脱北者団体ごとに祖国の民主化に向けて反体制運動を進めてきたが、ここまで鮮烈に「金体制打倒」を行動で示したケースがなかったことから、在スペイン北朝鮮大使館襲撃という違法行為に対しても「よくやった」と英雄視する声が少なくないのだそうです。
正男氏の息子の金ハンソル氏らの国外移送を担って、北朝鮮の最高指導者の血族を担ぎ上げようとするホン・チャン容疑者。
「私たちは金氏一族の世襲を断ち切ろうと結集した脱北者や同胞の組織だ」と強調するHPとは異なる行動です。
しかし、「文政権が「核をなくすという嘘で(金体制という)悪魔と手を握ろうとしている」今、「自由朝鮮」のような存在は必要になったとの声が。。
在スペイン北朝鮮大使館襲撃事件については、スペイン当局の国際手配に対し、米当局は元海兵隊員のクリストファー・アン容疑者を逮捕。ホン・チャン容疑者の自宅も家宅捜索したのだそうですね。
「自由朝鮮」、発足早々危機に直面 北朝鮮大使館襲撃でメンバー逮捕 - 産経ニュース 2019.5.16
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮体制に反対する脱北者らの組織「自由朝鮮」は、関与を認めた2月の在スペイン北朝鮮大使館襲撃で存在感を世界に示した。一方で、米当局は4月に襲撃メンバーの逮捕に踏み切る。米政府にはしごを外された格好で、組織発足早々危機に直面している。
「書記官に会いに来ました」。スペイン当局の発表などによると、アドリアン・ホン・チャン容疑者ら襲撃グループ約10人は2月22日夕、こう告げて疑われることなく大使館に招き入れられた。投資家を名乗って以前も訪れていたからだ。
モデルガンなどで脅して職員らを拘束。騒ぎで駆けつけた警察官にホン・チャン容疑者は、北朝鮮のバッジを着けて「何も問題はない」と素知らぬ顔で対処した。手際良い犯行に見えたが、偽造免許証を落としたことなどから足がつく。
スペイン当局の国際手配に対し、米当局は元海兵隊員のクリストファー・アン容疑者を逮捕。ホン・チャン容疑者の自宅も家宅捜索されたと報じられた。
「自由朝鮮」側は事件3日後にサイトで「西側国家の同志から支援を要請された」と表明したため、大使館員の脱北支援が目的との見立てがあった。だが、コンピューターなどを持ち去っており、通信機器が狙いだったとの見方が有力だ。韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使はブログで「命より貴重な暗号用プログラムを奪った可能性」を提起。「自由朝鮮」も米連邦捜査局(FBI)と「莫大(ばくだい)な潜在的価値のある情報を共有した」と主張した。
FBIはこれらの機器を大使館側に返還したとも報じられている。トランプ政権が北朝鮮との対話を維持する中、韓国の専門家は「テロ事件として毅然(きぜん)とした態度を示す必要があったのだろう」と指摘している。
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮体制に反対する脱北者らの組織「自由朝鮮」は、関与を認めた2月の在スペイン北朝鮮大使館襲撃で存在感を世界に示した。一方で、米当局は4月に襲撃メンバーの逮捕に踏み切る。米政府にはしごを外された格好で、組織発足早々危機に直面している。
「書記官に会いに来ました」。スペイン当局の発表などによると、アドリアン・ホン・チャン容疑者ら襲撃グループ約10人は2月22日夕、こう告げて疑われることなく大使館に招き入れられた。投資家を名乗って以前も訪れていたからだ。
モデルガンなどで脅して職員らを拘束。騒ぎで駆けつけた警察官にホン・チャン容疑者は、北朝鮮のバッジを着けて「何も問題はない」と素知らぬ顔で対処した。手際良い犯行に見えたが、偽造免許証を落としたことなどから足がつく。
スペイン当局の国際手配に対し、米当局は元海兵隊員のクリストファー・アン容疑者を逮捕。ホン・チャン容疑者の自宅も家宅捜索されたと報じられた。
「自由朝鮮」側は事件3日後にサイトで「西側国家の同志から支援を要請された」と表明したため、大使館員の脱北支援が目的との見立てがあった。だが、コンピューターなどを持ち去っており、通信機器が狙いだったとの見方が有力だ。韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使はブログで「命より貴重な暗号用プログラムを奪った可能性」を提起。「自由朝鮮」も米連邦捜査局(FBI)と「莫大(ばくだい)な潜在的価値のある情報を共有した」と主張した。
FBIはこれらの機器を大使館側に返還したとも報じられている。トランプ政権が北朝鮮との対話を維持する中、韓国の専門家は「テロ事件として毅然(きぜん)とした態度を示す必要があったのだろう」と指摘している。
「自由朝鮮」は、米政府にはしごを外された格好で、組織発足早々危機に直面してしまいました。
コンピューターなどを持ち去り、「貴重な暗号用プログラムを奪った可能性」があり。「自由朝鮮」も米連邦捜査局(FBI)と「莫大(ばくだい)な潜在的価値のある情報を共有した」と主張していたのですが、米国に利用されただけで切り捨てられたのでしょうか。
正男氏の息子の金ハンソル氏らは、米国で安全に擁護されているのでしょうか。
「自由朝鮮」が潰された後、金正恩体制の維持保証が米朝交渉の重要課題ですが、崩壊への道は閉ざされるのでしょうか。
# 冒頭の画像は、自由朝鮮のアドリアン・ホン・チャン容疑者
この花の名前は、オダマキ
↓よろしかったら、お願いします。