レバノンで17日、多数のポケットベル（ポケベル）型通信機器が一斉に爆発し、少なくとも9人が死亡、数千人が負傷した。この件で犯行声明は今のところ出ていない。
事件には 5つの疑問があると、WSJ・上級出版編集者のエドゥアルドカプラン。
5つの疑問の一つめは、ヒズボラの戦闘員がポケベルを使用しているのはなぜか？
昨年10月にパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとイスラエルが交戦状態に入り、これを受けてイスラエルとの紛争がエスカレートしたレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師は今年2月、イスラエルが監視や標的設定に利用する可能性があるとして、戦闘員にスマートフォンを処分するよう求めた。ヒズボラ関係者は17日、多くの戦闘員がポケベルを所持していると述べたと、WSJのエドゥアルドカプラン。
二つめは、ポケベルの調達先。
当初、台湾のメーカー「ゴールド・アポロ」製と報じられていた。ゴールド・アポロの許清光・董事長（会長）は18日に記者団に対し、同社は当該製品を製造しておらず、約2年前に同社のブランド・商標ライセンスを取得した外国企業が製造したと明らかにした。
ゴールド・アポロはその後、ハンガリーのブダペストに登記上の本拠を置くBACコンサルティングが設計・製造したと発表。
しかし、オルバン・ビクトル首相率いるハンガリー政府は18日、BACコンサルティングは同国に製造拠点も事業拠点も持っておらず、レバノンで大量爆発したポケベルがハンガリー国内に入ったことは一度もないと表明。
台湾経済部（経済産業省に相当）は、ゴールド・アポロは2022年以降、約26万台のポケベルを輸出しており、そのうち約4万1000台は今年1～8月の輸出分だと発表した。レバノンに直接輸出した記録はないという。
三つ目は、ポケベルが爆発した原因。
ヒズボラによると、現地時間午後3時30分に、メンバーが所持していた多数のポケベルが一斉に爆発したとのこと。
爆発はヒズボラが大きな影響力を持つレバノン各地で発生した。ヒズボラ関係者によると、ポケベルが熱くなったと感じて爆発前に捨てたメンバーもいたのだそうです。
米サイバーセキュリティー企業エラータ・セキュリティーのロバート・グラハム最高経営責任者（CEO）は、ハッカーがポケベル内部のバッテリーを爆発させることは可能だが、非常に難しいだろうと述べたと、WSJのエドゥアルドカプラン。
グラハム氏によると、メーカーが届け先に出荷したポケベルが輸送中に奪われ、悪意のあるコードと共に爆発物がポケベル内部に仕掛けられた可能性の方が高いと。
四つ目は、犯行者は誰か。
ヒズボラとレバノン政府は、今回の事件はイスラエルによる犯行で、民間人に死者が出たとしている。ヒズボラは報復を示唆した。イスラエル軍はコメントを控えたと、WSJのエドゥアルドカプラン。
五つ目は、死者数と負傷者数。
当局によると、レバノン全土で2800人近くが負傷し、9人が死亡。
イラン国営テレビは、レバノン駐在のモジタバ・アマニ大使がポケベル爆発により負傷したが意識はあり、命に別状はないと報じたのだそうです。
盗聴防止に戦闘員のスマートフォンの使用を禁じポケベルに切り替えたヒズボラ。
しかし、ポケベルの製造元は不明。
ポケベルの一斉爆発は、輸送中に内部に仕掛けられた爆発物を通信でバッテリーを加熱爆発させた。
ヒズボラとレバノン政府は、今回の事件はイスラエルによる犯行と断定し、報復を示唆したが、イスラエル軍は無反応。
成り行きが注目されます。
ロシアのウクライナ侵攻では、日本軍のゼロ戦での突撃に代わる、無人ドローンが登場、多用されこうかを挙げる新戦術が登場定着。
ヒズボラがうけた、戦闘員が所有する通信機器（ポケベル）を、遠隔操作で爆発させ兵士を殺傷する新兵器が登場。
変化への対応が求められる時代ですね。
冒頭の画像は、ヒズボラの戦闘員らが利用していたポケットベルが一斉爆発の救助
https://jp.reuters.com/world/security/DOHMFTHJ4FN3NPM3BMCGDG76O4-2024-09-19/
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事件には 5つの疑問があると、WSJ・上級出版編集者のエドゥアルドカプラン。
ヒズボラのポケベル同時爆発、5つの疑問 - WSJ By エドゥアルドカプラン 2024年9月19日
レバノンで17日、多数のポケットベル（ポケベル）型通信機器が一斉に爆発し、少なくとも9人が死亡、数千人が負傷した。この件で犯行声明は今のところ出ていない。
ヒズボラの戦闘員がポケベルを使用しているのはなぜか？
昨年10月にパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとイスラエルが交戦状態に入り、これを受けてイスラエルとの紛争がエスカレートしたレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは当初、自らの通信網の脆弱（ぜいじゃく）性を認めていた。ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師は今年2月、イスラエルが監視や標的設定に利用する可能性があるとして、戦闘員にスマートフォンを処分するよう求めた。ヒズボラ関係者は17日、多くの戦闘員がポケベルを所持していると述べた。
ポケベルの調達先は？
爆発したポケベルの多くは、ヒズボラの元へ最近届いたものだった。ヒズボラは1年近くかけて古い機器の入れ替えを行っていた。
問題のポケベルは当初、台湾のメーカー「ゴールド・アポロ」製と報じられていた。ゴールド・アポロの許清光・董事長（会長）は18日に記者団に対し、同社は当該製品を製造しておらず、約2年前に同社のブランド・商標ライセンスを取得した外国企業が製造したと明らかにした。
ゴールド・アポロはその後、ハンガリーのブダペストに登記上の本拠を置くBACコンサルティングが設計・製造したと発表した。BACコンサルティングに電話をかけたが応答はなかった。
2022年に登記されたBACコンサルティングは、サイバーセキュリティー、電気通信、宝飾品など、さまざまなプロジェクトに取り組んでいると述べている。オルバン・ビクトル首相率いるハンガリー政府は18日、BACコンサルティングは同国に製造拠点も事業拠点も持っておらず、レバノンで大量爆発したポケベルがハンガリー国内に入ったことは一度もないと表明した。
台湾経済部（経済産業省に相当）は、ゴールド・アポロは2022年以降、約26万台のポケベルを輸出しており、そのうち約4万1000台は今年1～8月の輸出分だと発表した。レバノンに直接輸出した記録はないという。
レバノンでポケベルが爆発した原因は?
ヒズボラによると、現地時間午後3時30分に、メンバーが所持していた多数のポケベルが一斉に爆発した。今のところ爆発原因は特定できていないが、爆発はヒズボラが大きな影響力を持つレバノン各地で発生した。ヒズボラ関係者によると、ポケベルが熱くなったと感じて爆発前に捨てたメンバーもいた。
米サイバーセキュリティー企業エラータ・セキュリティーのロバート・グラハム最高経営責任者（CEO）は、ハッカーが悪意のあるコードを含むページを使ってポケベル内部のバッテリーを爆発させることは可能だが、非常に難しいだろうと述べた。さらに、ハッカーはポケベルのメーカーと型名に関する情報が必要な上、その威力は、動画で捉えられた爆発ほど強力ではないとの見方を示した。
グラハム氏によると、メーカーが届け先に出荷したポケベルが輸送中に奪われ、悪意のあるコードと共に爆発物がポケベル内部に仕掛けられた可能性の方が高い。
誰の犯行か？
ヒズボラとレバノン政府は、今回の事件はイスラエルによる犯行で、民間人に死者が出たとしている。ヒズボラは報復を示唆した。イスラエル軍はコメントを控えた。
死者数と負傷者数は?
当局によると、レバノン全土で2800人近くが負傷し、9人が死亡した。イラン国営テレビは、レバノン駐在のモジタバ・アマニ大使がポケベル爆発により負傷したが意識はあり、命に別状はないと報じた。
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エドゥアルドカプラン（Eduardo Kaplan）は、The Wall Street Journalの上級出版編集者です。
ジャーナリストで、25年以上にわたって国際的および金融的なニュースを取り上げています。彼はワールドニュースの最初のデジタルエディターであり、以前の役割では市場とラテンアメリカの報道を編集しました。
レバノンで17日、多数のポケットベル（ポケベル）型通信機器が一斉に爆発し、少なくとも9人が死亡、数千人が負傷した。この件で犯行声明は今のところ出ていない。
ヒズボラの戦闘員がポケベルを使用しているのはなぜか？
昨年10月にパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとイスラエルが交戦状態に入り、これを受けてイスラエルとの紛争がエスカレートしたレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは当初、自らの通信網の脆弱（ぜいじゃく）性を認めていた。ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師は今年2月、イスラエルが監視や標的設定に利用する可能性があるとして、戦闘員にスマートフォンを処分するよう求めた。ヒズボラ関係者は17日、多くの戦闘員がポケベルを所持していると述べた。
ポケベルの調達先は？
爆発したポケベルの多くは、ヒズボラの元へ最近届いたものだった。ヒズボラは1年近くかけて古い機器の入れ替えを行っていた。
問題のポケベルは当初、台湾のメーカー「ゴールド・アポロ」製と報じられていた。ゴールド・アポロの許清光・董事長（会長）は18日に記者団に対し、同社は当該製品を製造しておらず、約2年前に同社のブランド・商標ライセンスを取得した外国企業が製造したと明らかにした。
ゴールド・アポロはその後、ハンガリーのブダペストに登記上の本拠を置くBACコンサルティングが設計・製造したと発表した。BACコンサルティングに電話をかけたが応答はなかった。
2022年に登記されたBACコンサルティングは、サイバーセキュリティー、電気通信、宝飾品など、さまざまなプロジェクトに取り組んでいると述べている。オルバン・ビクトル首相率いるハンガリー政府は18日、BACコンサルティングは同国に製造拠点も事業拠点も持っておらず、レバノンで大量爆発したポケベルがハンガリー国内に入ったことは一度もないと表明した。
台湾経済部（経済産業省に相当）は、ゴールド・アポロは2022年以降、約26万台のポケベルを輸出しており、そのうち約4万1000台は今年1～8月の輸出分だと発表した。レバノンに直接輸出した記録はないという。
レバノンでポケベルが爆発した原因は?
ヒズボラによると、現地時間午後3時30分に、メンバーが所持していた多数のポケベルが一斉に爆発した。今のところ爆発原因は特定できていないが、爆発はヒズボラが大きな影響力を持つレバノン各地で発生した。ヒズボラ関係者によると、ポケベルが熱くなったと感じて爆発前に捨てたメンバーもいた。
米サイバーセキュリティー企業エラータ・セキュリティーのロバート・グラハム最高経営責任者（CEO）は、ハッカーが悪意のあるコードを含むページを使ってポケベル内部のバッテリーを爆発させることは可能だが、非常に難しいだろうと述べた。さらに、ハッカーはポケベルのメーカーと型名に関する情報が必要な上、その威力は、動画で捉えられた爆発ほど強力ではないとの見方を示した。
グラハム氏によると、メーカーが届け先に出荷したポケベルが輸送中に奪われ、悪意のあるコードと共に爆発物がポケベル内部に仕掛けられた可能性の方が高い。
誰の犯行か？
ヒズボラとレバノン政府は、今回の事件はイスラエルによる犯行で、民間人に死者が出たとしている。ヒズボラは報復を示唆した。イスラエル軍はコメントを控えた。
死者数と負傷者数は?
当局によると、レバノン全土で2800人近くが負傷し、9人が死亡した。イラン国営テレビは、レバノン駐在のモジタバ・アマニ大使がポケベル爆発により負傷したが意識はあり、命に別状はないと報じた。
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エドゥアルドカプラン（Eduardo Kaplan）は、The Wall Street Journalの上級出版編集者です。
ジャーナリストで、25年以上にわたって国際的および金融的なニュースを取り上げています。彼はワールドニュースの最初のデジタルエディターであり、以前の役割では市場とラテンアメリカの報道を編集しました。
5つの疑問の一つめは、ヒズボラの戦闘員がポケベルを使用しているのはなぜか？
昨年10月にパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとイスラエルが交戦状態に入り、これを受けてイスラエルとの紛争がエスカレートしたレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師は今年2月、イスラエルが監視や標的設定に利用する可能性があるとして、戦闘員にスマートフォンを処分するよう求めた。ヒズボラ関係者は17日、多くの戦闘員がポケベルを所持していると述べたと、WSJのエドゥアルドカプラン。
二つめは、ポケベルの調達先。
当初、台湾のメーカー「ゴールド・アポロ」製と報じられていた。ゴールド・アポロの許清光・董事長（会長）は18日に記者団に対し、同社は当該製品を製造しておらず、約2年前に同社のブランド・商標ライセンスを取得した外国企業が製造したと明らかにした。
ゴールド・アポロはその後、ハンガリーのブダペストに登記上の本拠を置くBACコンサルティングが設計・製造したと発表。
しかし、オルバン・ビクトル首相率いるハンガリー政府は18日、BACコンサルティングは同国に製造拠点も事業拠点も持っておらず、レバノンで大量爆発したポケベルがハンガリー国内に入ったことは一度もないと表明。
台湾経済部（経済産業省に相当）は、ゴールド・アポロは2022年以降、約26万台のポケベルを輸出しており、そのうち約4万1000台は今年1～8月の輸出分だと発表した。レバノンに直接輸出した記録はないという。
三つ目は、ポケベルが爆発した原因。
ヒズボラによると、現地時間午後3時30分に、メンバーが所持していた多数のポケベルが一斉に爆発したとのこと。
爆発はヒズボラが大きな影響力を持つレバノン各地で発生した。ヒズボラ関係者によると、ポケベルが熱くなったと感じて爆発前に捨てたメンバーもいたのだそうです。
米サイバーセキュリティー企業エラータ・セキュリティーのロバート・グラハム最高経営責任者（CEO）は、ハッカーがポケベル内部のバッテリーを爆発させることは可能だが、非常に難しいだろうと述べたと、WSJのエドゥアルドカプラン。
グラハム氏によると、メーカーが届け先に出荷したポケベルが輸送中に奪われ、悪意のあるコードと共に爆発物がポケベル内部に仕掛けられた可能性の方が高いと。
四つ目は、犯行者は誰か。
ヒズボラとレバノン政府は、今回の事件はイスラエルによる犯行で、民間人に死者が出たとしている。ヒズボラは報復を示唆した。イスラエル軍はコメントを控えたと、WSJのエドゥアルドカプラン。
五つ目は、死者数と負傷者数。
当局によると、レバノン全土で2800人近くが負傷し、9人が死亡。
イラン国営テレビは、レバノン駐在のモジタバ・アマニ大使がポケベル爆発により負傷したが意識はあり、命に別状はないと報じたのだそうです。
盗聴防止に戦闘員のスマートフォンの使用を禁じポケベルに切り替えたヒズボラ。
しかし、ポケベルの製造元は不明。
ポケベルの一斉爆発は、輸送中に内部に仕掛けられた爆発物を通信でバッテリーを加熱爆発させた。
ヒズボラとレバノン政府は、今回の事件はイスラエルによる犯行と断定し、報復を示唆したが、イスラエル軍は無反応。
成り行きが注目されます。
ロシアのウクライナ侵攻では、日本軍のゼロ戦での突撃に代わる、無人ドローンが登場、多用されこうかを挙げる新戦術が登場定着。
ヒズボラがうけた、戦闘員が所有する通信機器（ポケベル）を、遠隔操作で爆発させ兵士を殺傷する新兵器が登場。
変化への対応が求められる時代ですね。
冒頭の画像は、ヒズボラの戦闘員らが利用していたポケットベルが一斉爆発の救助
https://jp.reuters.com/world/security/DOHMFTHJ4FN3NPM3BMCGDG76O4-2024-09-19/
この花の名前は、ノースボール
↓よろしかったら、お願いします。
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月刊Hanada2024年2月号 - 花田紀凱, 月刊Hanada編集部 - Google ブックス
