遊爺雑記帳

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大躍進のエヌビディア、追い落とし狙われる立場に

2024-03-26 01:33:55 | my notice
 米国株式市場の続伸の主役は、半導体大手エヌビディア(NVDA.O)とは諸兄がご承知の通りです。
 人工知能(AI)ブームに乗った事業が大当たりし、エヌビディアを時価総額2兆ドル(約300兆円)の高みに押し上げたフアン氏は、テック界の王者となった。自社の半導体設計をコンピューターグラフィックスからAIシステムの学習に至るまでうまく適応させたことで、同社の半導体はマイクロソフトや電気自動車(EV)大手テスラなどのテック企業にとって不可欠なものになった。フアン氏はその過程で推定680億ドルを超える富を築いたと、WSJのアサ フィッチ氏。

 米国株式市場=続伸、エヌビディアが高い | ロイター

 
大躍進のエヌビディア、追い落とし狙われる立場に - WSJ by アサ フィッチ 2024年2月29日

 ジェンスン・フアン氏は、長期的な計画はないと好んで言う。また、時計を身に着けない。本人いわく「今が最も重要な時だからだ」

 
米半導体大手エヌビディアの最高経営責任者(CEO)を務める彼にとって今は大勝利の時であり、少なからず、危機が迫る時でもある

 人工知能(AI)ブームに乗った事業が大当たりし、
エヌビディアを時価総額2兆ドル(約300兆円)の高みに押し上げたフアン氏は、テック界の王者となった。自社の半導体設計をコンピューターグラフィックスからAIシステムの学習に至るまでうまく適応させたことで、同社の半導体はマイクロソフトや電気自動車(EV)大手テスラなどのテック企業にとって不可欠なものになった。フアン氏はその過程で推定680億ドルを超える富を築いた。

 30年余り前、米国のデニーズの店舗で会社の構想を練ったことで知られる台湾生まれの移民にとって、これは驚異的な大躍進だ。今や世界のリーダーたちと親しく付き合い、彼の半導体に魅了された富豪仲間からちやほやされ、エヌビディアの年次会議ではトレードマークの黒ジャケット、黒ジーンズ、黒スニーカーを着用し、AIをめぐる自身の見解を何時間も語り続ける。

 同時に、
エヌビディアはその支配力を弱めようとする多数の企業に狙われる巨大な標的ともなっている。その中には競合企業もあれば、年間数十億ドルをこの必須半導体に支払わねばならない顧客の一部もいる。

 
同業大手のインテルとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はAI向け半導体製品の拡充を急いでいる。エヌビディアのAI学習向け半導体の大口購入者であるアマゾン・ドット・コムやグーグル、マイクロソフトはいずれも自社設計の半導体をすでに開発したか開発中である。エヌビディアが予想を超える好決算を発表した21日、マイクロソフトがインテルの技術を使ってカスタムチップを製造することで合意したと両社は発表した。

 
エヌビディアがAI競争でリードを保ち続けることは、フアン氏のライバルや彼を中傷する者の多くにとって驚きだエヌビディアの2023年11月-24年1月期(第4四半期)の売上高は前年同期の3.5倍以上、利益は約9倍に膨れ上がった同社の株価は過去16カ月間で6倍に上昇。集める期待は大きい。

始まりはPCゲーム
 フアン氏は30年以上前の創業以来ずっとエヌビディアのCEOを務める。変化の激しいシリコンバレーでこれほど長い在任期間はほとんど前例がない。

 
エヌビディアの基盤となるアイデアはいわゆる「アクセラレーテッドコンピューティング」を標的にすることだ。あらゆるコンピューターの心臓部にあたる万能チップ、すなわち中央演算処理装置(CPU)はさまざまな計算を妥当な水準でこなせる。一方、アクセラレーテッドコンピューティングは、専用チップの方が一部のタスクでより優れた能力を発揮するという考え方だ。エヌビディアはコンピューターグラフィックスの性能向上に照準を合わせた

 
同社は最初の数十年間、PCゲーム愛好者のニーズに応える画像処理半導体(GPU)を販売し、何十億ドルもの利益を上げた

 
医学研究者らがエヌビディアのグラフィックスカードを使い始めことに気づいたフアン氏は2006年、GPUを幅広い人々に提供することにした

 
数年後、エヌビディアのGPUがAIの計算処理に高い能力を発揮することを社外の研究者たちが発見した。複雑なAIシステムを構築するのに必要な数学に、複数の計算を並列処理できるGPUの特徴はうってつけだった

 
現在の生成AIブームを支えるAIシステム――米新興企業オープンAIの「チャットGPT」のような大規模言語モデル(LLM)――は特に同社のGPUへの依存度が高い。AIシステムを学習させるには、前例のない規模のデータ処理が必要になる。チャットGPTは何万個ものエヌビディア製GPUを使って構築された

 
2022年11月にチャットGPTが公開されたのを機に、テック業界の軍拡競争の火ぶたが切られたエヌビディア製GPUの生産は需要拡大に追いつけないほどだった。同社は21日、状況は改善しつつあるが依然として供給は制約されていると述べた。

世界に影響力
 
エヌビディアは突然、テック業界の中心に躍り出た業界リーダーらはエヌビディアの最先端GPU「H100」が入手困難なことを嘆くようになった。メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグCEOは1月、自身のAI構想を広げるために今年さらに数十億ドルを投じる予定だと語った。「年内にエヌビディアのH100を35万個手に入れるつもりだ」と述べた。

 
エヌビディアの半導体が不足していることは、絶大な影響力をフアン氏に与えている限られた供給を同社がいかに配分するかがAI競争の勝敗を左右しかねない。エヌビディアはその決定方法をほとんど明かしていない。21日にフアン氏はアナリストから質問された際、同社としては公平な配分を心がけているが、直ちに使う予定がない人々に半導体を売ることは避けていると答えた。

 
AI熱の高まりから1年余りが経過し、エヌビディアはAI半導体市場の80%以上を掌握していると推定される

 
顧客らはAI半導体を独自に開発する取り組みを進めており、もしそれが成功すれば、エヌビディアの売上高の数十億ドルを危険にさらしかねないグーグルとアマゾンは何年も前に内製し始めたAI半導体の改良を重ねているマイクロソフトとメタは最近になって参戦した。

 
エヌビディアは半導体の大口購入客に強く依存している。そのうち1社だけで(同社は名前を伏せた)昨年度(2023年2月~24年1月)の売上高の約2割にあたる110億ドル余りを得たという。グーグル、マイクロソフト、アマゾンなどクラウド部門を持つ企業からの売上高は、直近の11-1月期だけでも92億ドルを超えている。

 一方、エヌビディアは21日、
2-4月期の売上総利益率は約76%になる見通しだとした。米投資銀行レイモンド・ジェームズのアナリスト、スリニ・パジュリ氏は、エヌビディアの「H100」は1個約2万5000ドルで販売されるが、製造コストは3000ドル強だと推定している。

 
AMDはすでにエヌビディアに対抗する半導体を発売している。英半導体設計大手アーム・ホールディングスとインテルも自社の半導体をAI向けに売り込んでいる。AI半導体市場の変化は彼らの強みに有利に働く可能性がある。エヌビディア製半導体はAIモデルの学習では並ぶものがない。だが学習を終えた後のAIシステムの実装に関しては、インテルやAMD、新興AI半導体メーカーが手掛ける他の半導体も、場合によっては同等の性能を出せるだろう

成長への課題
 将来のビジネスを構築するため、
フアン氏は最近、有望な政府顧客に秋波を送っている世界中の当局者に対し、AI開発を外部委託するのではなく、自国のデータと計算インフラを国内にとどめるよう促している。中東ドバイで今月開催された政府会議では「AI主権」を確立するよう呼びかけた。

 フアン氏はエヌビディア製半導体をめぐる地政学上の懸念、特に中国関連の懸念を切り抜けなければならない。
米当局は過去2年間、エヌビディアなどが中国に出荷するAI半導体を制限してきた。中国軍がそれらを使って高度な兵器を製造したり、サイバー戦争を仕掛けたりすることを危惧するためだ。エヌビディアによると、11-1月期は中国市場の売上高が急減したという

 
エヌビディアが市場で圧倒的な地位を占めることから、中国、英国、フランス、欧州連合(EU)の競争当局はエヌビディアのビジネス慣行について調査を開始した。いずれも同社に制裁措置を科すには至っていない

 
フアン氏は新興企業への投資にも熱心で、エヌビディア製半導体を軸にした技術を開発する生成AIやロボット工学、自動化、ヘルスケア分野の企業に的を絞っている。昨年度は他社への出資額が5倍以上に増え、1月末時点で約15億5000万ドルに達した。ディールロジックのデータによると、2023年には計三十数社の新興企業に投資し、その活動は前年比3倍以上になっている


 自社の半導体設計をコンピューターグラフィックスからAIシステムの学習に至るまでうまく適応させたことで、エヌビディアの半導体はマイクロソフトや電気自動車(EV)大手テスラなどのテック企業にとって不可欠なものになった。
 
 同時に、エヌビディアはその支配力を弱めようとする多数の企業に狙われる巨大な標的ともなっている。その中には競合企業もあれば、年間数十億ドルをこの必須半導体に支払わねばならない顧客の一部もいると、WSJ・アサ フィッチ氏。

 同業大手のインテルとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はAI向け半導体製品の拡充を急いでいるのだそうです。
 エヌビディアのAI学習向け半導体の大口購入者であるアマゾン・ドット・コムやグーグル、マイクロソフトはいずれも自社設計の半導体をすでに開発したか開発中である。エヌビディアが予想を超える好決算を発表した21日、マイクロソフトがインテルの技術を使ってカスタムチップを製造することで合意したと両社は発表。

 エヌビディアがAI競争でリードを保ち続けることは、フアン氏のライバルや彼を中傷する者の多くにとって驚きだ。エヌビディアの2023年11月-24年1月期(第4四半期)の売上高は前年同期の3.5倍以上、利益は約9倍に膨れ上がった。同社の株価は過去16カ月間で6倍に上昇。

 エヌビディアの基盤となるアイデアはいわゆる「アクセラレーテッドコンピューティング」を標的にすること。

 コンピューターの心臓部にあたるCPUはさまざまな計算を妥当な水準でこなせる。一方、アクセラレーテッドコンピューティングは、専用チップの方が一部のタスクでより優れた能力を発揮するという考え方なのだそうです。

 同社は最初の数十年間、PCゲーム愛好者のニーズに応える画像処理半導体(GPU)を販売し、何十億ドルもの利益を上げた。

 医学研究者らがエヌビディアのグラフィックスカードを使い始めことに気づいたフアン氏は2006年、GPUを幅広い人々に提供することにした。

 数年後、エヌビディアのGPUがAIの計算処理に高い能力を発揮することを社外の研究者たちが発見した。複雑なAIシステムを構築するのに必要な数学に、複数の計算を並列処理できるGPUの特徴はうってつけだったと、WSJ・アサ フィッチ氏。

 現在の生成AIブームを支えるAIシステム(チャットGPT etc.)は特に同社のGPUへの依存度が高いのだそうです。
 AIシステムを学習させるには、前例のない規模のデータ処理が必要になる。チャットGPTは何万個ものエヌビディア製GPUを使って構築されたと、WSJ・アサ フィッチ氏。
 2022年11月にチャットGPTが公開されたのを機に、テック業界の軍拡競争の火ぶたが切られた。エヌビディア製GPUの生産は需要拡大に追いつけないほどだったと。

 エヌビディアは突然、テック業界の中心に躍り出た。業界リーダーらはエヌビディアの最先端GPU「H100」が入手困難なことを嘆くようになった。メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグCEOは1月、自身のAI構想を広げるために今年さらに数十億ドルを投じる予定だと語ったのだそうです。

 エヌビディアの半導体が不足していることは、絶大な影響力をフアン氏に与えている。限られた供給を同社がいかに配分するかがAI競争の勝敗を左右しかねない。
 AI熱の高まりから1年余りが経過し、エヌビディアはAI半導体市場の80%以上を掌握していると推定されると、WSJ・アサ フィッチ氏。

 顧客らはAI半導体を独自に開発する取り組みを進めており、もしそれが成功すれば、エヌビディアの売上高の数十億ドルを危険にさらしかねない。グーグルとアマゾンは何年も前に内製し始めたAI半導体の改良を重ねている。マイクロソフトとメタは最近になって参戦したのだそうです。

 エヌビディアは半導体の大口購入客に強く依存している。グーグル、マイクロソフト、アマゾンなどクラウド部門を持つ企業からの売上高は、直近の11-1月期だけでも92億ドルを超えていると、WSJ・アサ フィッチ氏。

 ところが、AMDはすでにエヌビディアに対抗する半導体を発売。
 英半導体設計大手アーム・ホールディングスとインテルも自社の半導体をAI向けに売り込んでいる。AI半導体市場の変化は彼らの強みに有利に働く可能性がある。エヌビディア製半導体はAIモデルの学習では並ぶものがない。だが学習を終えた後のAIシステムの実装に関しては、インテルやAMD、新興AI半導体メーカーが手掛ける他の半導体も、場合によっては同等の性能を出せるだろうと、WSJ・アサ フィッチ氏。

 フアン氏は最近、有望な政府顧客に秋波を送っている。世界中の当局者に対し、AI開発を外部委託するのではなく、自国のデータと計算インフラを国内にとどめるよう促している。中東ドバイで今月開催された政府会議では「AI主権」を確立するよう呼びかけたのだと。

 米当局は過去2年間、エヌビディアなどが中国に出荷するAI半導体を制限してきた。エヌビディアによると、11-1月期は中国市場の売上高が急減したのだそうです。

 エヌビディアが市場で圧倒的な地位を占めることから、中国、英国、フランス、欧州連合(EU)の競争当局はエヌビディアのビジネス慣行について調査を開始した。いずれも同社に制裁措置を科すには至っていないと、WSJ・アサ フィッチ氏。

 フアン氏は新興企業への投資にも熱心で、エヌビディア製半導体を軸にした技術を開発する生成AIやロボット工学、自動化、ヘルスケア分野の企業に的を絞っているのだそうです。
 昨年度は他社への出資額が5倍以上に増え、2023年には計三十数社の新興企業に投資し、その活動は前年比3倍以上になっていると、WSJ・アサ フィッチ氏。

 技術革新の激しいこの業界。今を時めくエヌビディアと、既存の王者企業の協業と一方では競合。
 風雲児のエヌビディアには要注目ですね。



 # 冒頭の画像は、エヌビディアのジェンスン・フアン氏とケリー・バレードCEO



  ウチワノキ


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