プーチンのウクライナ短期侵攻は失敗に終わり、戦闘は長期化しています。
とはいえ、いよいよ首都キエフ包囲がなされ、総攻撃が近い。
4回目の停戦交渉が14日開催され、ウクライナ、ロシア双方から事前には合意点が見つかりそうなコメントが出されていましたが、どうなったのでしょう。
プーチン氏の目論見違いで長期化しているロシアの侵略戦。
いろいろな分析がなされていますが、大国ロシアとはいえ、GDPは韓国に次ぐ11位の国。かねて、宇宙開発のトップ争いを演じていることの不思議さは、貧困国のはずの北朝鮮のミサイル開発とともに不思議(疲弊する国民が、太平洋戦争時の日本の様に耐えている?)に思っていました。
そこへ、大軍の侵攻。そのロジや使用武器(ミサイル、砲弾、銃弾 etc.)出費は膨大であろうが、裕福とは言えない筈のロシアの財政下、長期戦は困難ではないかと推測し、関連記事が出てくるのを待っていましたが、産経の佐々木論説副委員長が書いていただいていました。
プーチン氏はキエフ陥落という戦術で勝てたとしても、ウクライナ全土制圧という戦略で負けるだろうと!
ウクライナ停戦交渉再開 ロシア軍、攻撃拡大で圧力―首都では住宅砲撃:時事ドットコム
ロシアが中国に軍事・経済援助要請か ロシア軍はポーランド国境近くを空爆 ウクライナ侵攻18日目 - BBCニュース
日本軍が米国に宣戦布告し、太平洋戦争に踏み切った時、連合艦隊司令長官の山本五十六は「「それは是非やれと云われば、初め半年か1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら、2年3年となれば、全く確信は持てぬ。三国条約が出来たのは致方ないが、かくなりし上は日米戦争を回避するよう、極力御努力を願いたい」と返答していました。
「半年か1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら…」山本五十六が忌み嫌った“日独伊三国同盟”締結の裏側 | 文春オンライン
米国相手に戦っても、総力の違いで負けると言いたかったのですが、真意が伝わらず敗戦に至ったのですね。
プーチンのウクライナ侵攻は、その逆で、独裁者プーチンが、米国を含むNATO軍の軍事行動による関与を、核戦争を厭わないとちらつかせ封じ込める脅しも使い、短期決戦で勝てると思い込む過ちを犯したのでした。
短期決戦失敗の理由として、急ぐあまりに、近代戦の定石である「制空権の奪取をおろそかにした」ことが挙げられているのですね。
短期決戦が前提なので、食糧や武器弾薬、燃料などの「兵站(補給)に問題を抱えている」いることとなり、長期化を促進。
ロシア軍は数カ月前からウクライナ国境に長期滞留していた。厳寒の中で、ロシア兵は疲弊しているとのこと。
かつて、ナポレオンやヒトラーの侵略からロシアを護ってもらった「冬将軍」が、今回は逆に敵に!戦車の行動には、地面が凍結している間にとの戦術ではあるのでしょうが、肝心の兵士の戦意には「冬将軍」は大敵。
そして、戦費の増大も深刻だと佐々木氏。
英国経済回復センターなどによると、侵攻開始から最初の 5日間で、ロシアは装備や兵の死傷で約70億ドル(約8,168億円)を失ったのだそうです。
戦費は 1日約200億ドル(約 2兆3,338億円)かかっている可能性もあるというのだから驚きだと佐々木氏。
ロシアのGDP(国内総生産)は、韓国に次ぐ世界11位の 1兆4,785億7,000万ドル(約172兆5,343億円)に過ぎない。
ロシア軍が 1カ月間戦っただけでGDPの 3割近くを消耗する計算となる。なのに、ロシア軍はヨーロッパで 3番目に面積が広いウクライナ全土の制圧を目指して多方面から攻め込んでいるのである。打ち出の小づちがいくつあっても足りなかろうと佐々木氏。
ロシアが拠点都市や施設を制圧出来ても、広い国土のウクライナ全体を占領するには、露軍単独の軍事力での制圧は困難との専門家の意見は、少なくないですね。
米欧主導の強力な経済制裁で、ロシア通貨のルーブルが大暴落した。西側諸国への送金禁止などで、国内経済は音を立てて壊れつつあると佐々木氏。
(佐々木氏の原文では、「日米欧主導の」とありますが、日本商工会議所会頭は、日本は欧米の流れには沿わないと明言。岸田氏も難民引き受けを公言しましたが具体策はなく、行動は民間ボランティアペース。といった現状なので、日本が主導などとはおこがましいので、日本は外させていただきました。)
苦しむのは前線の将兵だけではない。ロシア国民がソ連崩壊時に経験した「経済崩壊」という塗炭の苦しみを再び味わわされるのであるとも。
ロシア国民はソ連崩壊後、西側の自由経済という旨味を覚えてしまった。困窮する生活への不満の矛先となるプーチン氏が、内政面でも窮地に追い込まれるのは時間の問題だと佐々木氏。
前日、WSJの記事を紹介させていただきましたが、国外脱出を進めているのは、戦火から逃れるウクライナの女性や子供だけではなく、ロシアの国民もなのですね。
なんと、国外に逃げ出しているのはウクライナ人だけではない。多くのロシア人も自国を去っている。 - 遊爺雑記帳
どうしたらそうなるのか、ロシア兵がウクライナ市民から暖かい飲み物や食料を提供されている映像を散見しますね。
経済力に裏付けされた兵站なくして、ロシアの勝利がないことは自明の理だ。プーチン氏はキエフ陥落という戦術で勝てたとしても、ウクライナ全土制圧という戦略で負けるだろうと佐々木氏。
日本では、とても考えられないウクライナの人々。プーチンの誤算の産みの元ですね。ベトナムがあの米軍との闘いで負けなかったことが想い起されます。
実行が伴わない、口先だけの岸田氏の難民受け入れ。民間機を利用するのか、領空制限が多い中、専用機を飛ばすのか、早急に、大々的に実行していただきたい!
# 冒頭の画像は、キエフ近郊で、ロシア軍の戦車を捕獲したウクライナ兵(ロイター)
ブルーベリーの黄葉
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遊爺さんの写真素材 - PIXTA
とはいえ、いよいよ首都キエフ包囲がなされ、総攻撃が近い。
4回目の停戦交渉が14日開催され、ウクライナ、ロシア双方から事前には合意点が見つかりそうなコメントが出されていましたが、どうなったのでしょう。
プーチン氏の目論見違いで長期化しているロシアの侵略戦。
いろいろな分析がなされていますが、大国ロシアとはいえ、GDPは韓国に次ぐ11位の国。かねて、宇宙開発のトップ争いを演じていることの不思議さは、貧困国のはずの北朝鮮のミサイル開発とともに不思議(疲弊する国民が、太平洋戦争時の日本の様に耐えている?)に思っていました。
そこへ、大軍の侵攻。そのロジや使用武器(ミサイル、砲弾、銃弾 etc.)出費は膨大であろうが、裕福とは言えない筈のロシアの財政下、長期戦は困難ではないかと推測し、関連記事が出てくるのを待っていましたが、産経の佐々木論説副委員長が書いていただいていました。
プーチン氏はキエフ陥落という戦術で勝てたとしても、ウクライナ全土制圧という戦略で負けるだろうと!
ウクライナ停戦交渉再開 ロシア軍、攻撃拡大で圧力―首都では住宅砲撃:時事ドットコム
ロシアが中国に軍事・経済援助要請か ロシア軍はポーランド国境近くを空爆 ウクライナ侵攻18日目 - BBCニュース
「1日2兆円以上」の巨額戦費にロシア国民悲鳴 プーチン氏「戦略で負ける」と識者 露軍は後方支援に大きな問題、ウクライナ侵攻「長期化」予想 - zakzak:夕刊フジ公式サイト 2022.3/13
ロシア軍が、ウクライナの首都キエフに近づいている。米国防総省高官は11日までに、北東部からの部隊が市中心部から約15キロにまで前進したとの分析を明らかにした。中東からの志願兵も募り、総攻撃が近いとの見方もある。ただ、ウラジーミル・プーチン大統領が当初想定していた「短期間での電撃作戦」は完全に失敗した。相次ぐ国際法違反に加え、子供や女性を含む民間人にも多数の犠牲者が出ており、「ロシア=国際社会の敵」となった。1日2兆円以上という巨額戦費と、ロシア経済を直撃する経済制裁。産経新聞論説副委員長の佐々木類氏は、軍事力でキエフを陥落させても、「ロシアの勝利はあり得ない」「ロシア国民は塗炭の苦しみを味わう」と喝破した。
◇
キエフに迫るロシア軍だが、「国民の生命と財産」「祖国の独立」を守ろうとするウクライナ軍の激しい抵抗に遭い、プーチン氏が目指した「短期決戦によるウクライナ全土の制圧」は失敗に終わった。
侵攻開始(2月24日)当初は、専門家の「数日間でキエフは陥落する」との観測もあった。だが、ロシア軍の進撃速度は、第2次世界大戦の独ソ戦で、ドイツ陸軍機甲師団が見せた電撃作戦とは程遠い遅々としたものだった。
その理由について、吉田圭秀陸上幕僚長は10日の会見で、「ロシア軍が制空権を掌握しない中で、(ウクライナを)多方面から侵攻したのは、短期決戦を想定していたからだ」とし、今後のロシア軍の展開については「後方支援に非常に大きな問題がある」との見方を示した。
つまり、ロシアは近代戦の定石である「制空権の奪取をおろそかにした」うえ、食糧や武器弾薬、燃料などの「兵站(補給)に問題を抱えている」のだ。これに、「戦費の増大」と「経済の疲弊」も加わり、ウクライナ侵攻は長期化が予想される。
ロシア軍は数カ月前からウクライナ国境に長期滞留していた。厳寒の中で、ロシア兵は疲弊している。これに食糧不足や燃料不足が追い打ちをかければ、どんなに訓練された将兵といえども士気が下がろうものだ。
戦費の増大も深刻だ。
英国経済回復センターなどによると、侵攻開始から最初の5日間で、ロシアは装備や兵の死傷で約70億ドル(約8168億円)を失ったという。20万人規模の将兵、補給・救護などの要員、燃料や食糧などの兵站、高価な精密誘導弾など、戦費は1日約200億ドル(約2兆3338億円)かかっている可能性もあるというのだから驚きだ。
何しろ、ロシアのGDP(国内総生産)は、世界11位の1兆4785億7000万ドル(約172兆5343億円)に過ぎない(2021年、IMF=世界通貨基金調べ)。
10位の韓国を下回る額である。ロシア軍が1カ月間戦っただけでGDPの3割近くを消耗する計算となる。これが家計なら「一家離散の危機」である。
なのに、ロシア軍はヨーロッパで3番目に面積が広いウクライナ全土の制圧を目指して多方面から攻め込んでいるのである。打ち出の小づちがいくつあっても足りなかろう。
それだけではない。日米欧主導の強力な経済制裁で、ロシア通貨のルーブルが大暴落した。西側諸国への送金禁止などで、国内経済は音を立てて壊れつつある。
苦しむのは前線の将兵だけではない。ロシア国民がソ連崩壊時に経験した「経済崩壊」という塗炭の苦しみを再び味わわされるのである。
ロシア国民はソ連崩壊後、西側の自由経済という旨味を覚えてしまった。困窮する生活への不満の矛先となるプーチン氏が、内政面でも窮地に追い込まれるのは時間の問題だ。
ロシアは歴史的に、フランスのナポレオン、ドイツのヒトラーに代表されるように、外敵との「祖国防衛戦争」を戦ってきた。敵を広大な領土に深く引き込んで補給路を断つ。さらには、冬将軍の力を借りて敵を撃退する「持久戦」を得意としてきた。
経済力に裏付けされた兵站なくして、ロシアの勝利がないことは自明の理だ。プーチン氏はキエフ陥落という戦術で勝てたとしても、ウクライナ全土制圧という戦略で負けるだろう。
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■佐々木類(ささき・るい) 1964年、東京都生まれ。89年、産経新聞入社。警視庁で汚職事件などを担当後、政治部で首相官邸、自民党など各キャップを歴任。この間、米バンダービルト大学公共政策研究所で客員研究員。2010年にワシントン支局長、九州総局長を経て、現在、論説副委員長。沖縄・尖閣諸島への上陸や、2度の訪朝など現場主義を貫く。主な著書に『チャイニーズ・ジャパン』(ハート出版)=写真、『日本が消える日』(同)、『日本復喝!』(同)など。
ロシア軍が、ウクライナの首都キエフに近づいている。米国防総省高官は11日までに、北東部からの部隊が市中心部から約15キロにまで前進したとの分析を明らかにした。中東からの志願兵も募り、総攻撃が近いとの見方もある。ただ、ウラジーミル・プーチン大統領が当初想定していた「短期間での電撃作戦」は完全に失敗した。相次ぐ国際法違反に加え、子供や女性を含む民間人にも多数の犠牲者が出ており、「ロシア=国際社会の敵」となった。1日2兆円以上という巨額戦費と、ロシア経済を直撃する経済制裁。産経新聞論説副委員長の佐々木類氏は、軍事力でキエフを陥落させても、「ロシアの勝利はあり得ない」「ロシア国民は塗炭の苦しみを味わう」と喝破した。
◇
キエフに迫るロシア軍だが、「国民の生命と財産」「祖国の独立」を守ろうとするウクライナ軍の激しい抵抗に遭い、プーチン氏が目指した「短期決戦によるウクライナ全土の制圧」は失敗に終わった。
侵攻開始(2月24日)当初は、専門家の「数日間でキエフは陥落する」との観測もあった。だが、ロシア軍の進撃速度は、第2次世界大戦の独ソ戦で、ドイツ陸軍機甲師団が見せた電撃作戦とは程遠い遅々としたものだった。
その理由について、吉田圭秀陸上幕僚長は10日の会見で、「ロシア軍が制空権を掌握しない中で、(ウクライナを)多方面から侵攻したのは、短期決戦を想定していたからだ」とし、今後のロシア軍の展開については「後方支援に非常に大きな問題がある」との見方を示した。
つまり、ロシアは近代戦の定石である「制空権の奪取をおろそかにした」うえ、食糧や武器弾薬、燃料などの「兵站(補給)に問題を抱えている」のだ。これに、「戦費の増大」と「経済の疲弊」も加わり、ウクライナ侵攻は長期化が予想される。
ロシア軍は数カ月前からウクライナ国境に長期滞留していた。厳寒の中で、ロシア兵は疲弊している。これに食糧不足や燃料不足が追い打ちをかければ、どんなに訓練された将兵といえども士気が下がろうものだ。
戦費の増大も深刻だ。
英国経済回復センターなどによると、侵攻開始から最初の5日間で、ロシアは装備や兵の死傷で約70億ドル(約8168億円)を失ったという。20万人規模の将兵、補給・救護などの要員、燃料や食糧などの兵站、高価な精密誘導弾など、戦費は1日約200億ドル(約2兆3338億円)かかっている可能性もあるというのだから驚きだ。
何しろ、ロシアのGDP(国内総生産)は、世界11位の1兆4785億7000万ドル(約172兆5343億円)に過ぎない(2021年、IMF=世界通貨基金調べ)。
10位の韓国を下回る額である。ロシア軍が1カ月間戦っただけでGDPの3割近くを消耗する計算となる。これが家計なら「一家離散の危機」である。
なのに、ロシア軍はヨーロッパで3番目に面積が広いウクライナ全土の制圧を目指して多方面から攻め込んでいるのである。打ち出の小づちがいくつあっても足りなかろう。
それだけではない。日米欧主導の強力な経済制裁で、ロシア通貨のルーブルが大暴落した。西側諸国への送金禁止などで、国内経済は音を立てて壊れつつある。
苦しむのは前線の将兵だけではない。ロシア国民がソ連崩壊時に経験した「経済崩壊」という塗炭の苦しみを再び味わわされるのである。
ロシア国民はソ連崩壊後、西側の自由経済という旨味を覚えてしまった。困窮する生活への不満の矛先となるプーチン氏が、内政面でも窮地に追い込まれるのは時間の問題だ。
ロシアは歴史的に、フランスのナポレオン、ドイツのヒトラーに代表されるように、外敵との「祖国防衛戦争」を戦ってきた。敵を広大な領土に深く引き込んで補給路を断つ。さらには、冬将軍の力を借りて敵を撃退する「持久戦」を得意としてきた。
経済力に裏付けされた兵站なくして、ロシアの勝利がないことは自明の理だ。プーチン氏はキエフ陥落という戦術で勝てたとしても、ウクライナ全土制圧という戦略で負けるだろう。
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■佐々木類(ささき・るい) 1964年、東京都生まれ。89年、産経新聞入社。警視庁で汚職事件などを担当後、政治部で首相官邸、自民党など各キャップを歴任。この間、米バンダービルト大学公共政策研究所で客員研究員。2010年にワシントン支局長、九州総局長を経て、現在、論説副委員長。沖縄・尖閣諸島への上陸や、2度の訪朝など現場主義を貫く。主な著書に『チャイニーズ・ジャパン』(ハート出版)=写真、『日本が消える日』(同)、『日本復喝!』(同)など。
日本軍が米国に宣戦布告し、太平洋戦争に踏み切った時、連合艦隊司令長官の山本五十六は「「それは是非やれと云われば、初め半年か1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら、2年3年となれば、全く確信は持てぬ。三国条約が出来たのは致方ないが、かくなりし上は日米戦争を回避するよう、極力御努力を願いたい」と返答していました。
「半年か1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら…」山本五十六が忌み嫌った“日独伊三国同盟”締結の裏側 | 文春オンライン
米国相手に戦っても、総力の違いで負けると言いたかったのですが、真意が伝わらず敗戦に至ったのですね。
プーチンのウクライナ侵攻は、その逆で、独裁者プーチンが、米国を含むNATO軍の軍事行動による関与を、核戦争を厭わないとちらつかせ封じ込める脅しも使い、短期決戦で勝てると思い込む過ちを犯したのでした。
短期決戦失敗の理由として、急ぐあまりに、近代戦の定石である「制空権の奪取をおろそかにした」ことが挙げられているのですね。
短期決戦が前提なので、食糧や武器弾薬、燃料などの「兵站(補給)に問題を抱えている」いることとなり、長期化を促進。
ロシア軍は数カ月前からウクライナ国境に長期滞留していた。厳寒の中で、ロシア兵は疲弊しているとのこと。
かつて、ナポレオンやヒトラーの侵略からロシアを護ってもらった「冬将軍」が、今回は逆に敵に!戦車の行動には、地面が凍結している間にとの戦術ではあるのでしょうが、肝心の兵士の戦意には「冬将軍」は大敵。
そして、戦費の増大も深刻だと佐々木氏。
英国経済回復センターなどによると、侵攻開始から最初の 5日間で、ロシアは装備や兵の死傷で約70億ドル(約8,168億円)を失ったのだそうです。
戦費は 1日約200億ドル(約 2兆3,338億円)かかっている可能性もあるというのだから驚きだと佐々木氏。
ロシアのGDP(国内総生産)は、韓国に次ぐ世界11位の 1兆4,785億7,000万ドル(約172兆5,343億円)に過ぎない。
ロシア軍が 1カ月間戦っただけでGDPの 3割近くを消耗する計算となる。なのに、ロシア軍はヨーロッパで 3番目に面積が広いウクライナ全土の制圧を目指して多方面から攻め込んでいるのである。打ち出の小づちがいくつあっても足りなかろうと佐々木氏。
ロシアが拠点都市や施設を制圧出来ても、広い国土のウクライナ全体を占領するには、露軍単独の軍事力での制圧は困難との専門家の意見は、少なくないですね。
米欧主導の強力な経済制裁で、ロシア通貨のルーブルが大暴落した。西側諸国への送金禁止などで、国内経済は音を立てて壊れつつあると佐々木氏。
(佐々木氏の原文では、「日米欧主導の」とありますが、日本商工会議所会頭は、日本は欧米の流れには沿わないと明言。岸田氏も難民引き受けを公言しましたが具体策はなく、行動は民間ボランティアペース。といった現状なので、日本が主導などとはおこがましいので、日本は外させていただきました。)
苦しむのは前線の将兵だけではない。ロシア国民がソ連崩壊時に経験した「経済崩壊」という塗炭の苦しみを再び味わわされるのであるとも。
ロシア国民はソ連崩壊後、西側の自由経済という旨味を覚えてしまった。困窮する生活への不満の矛先となるプーチン氏が、内政面でも窮地に追い込まれるのは時間の問題だと佐々木氏。
前日、WSJの記事を紹介させていただきましたが、国外脱出を進めているのは、戦火から逃れるウクライナの女性や子供だけではなく、ロシアの国民もなのですね。
なんと、国外に逃げ出しているのはウクライナ人だけではない。多くのロシア人も自国を去っている。 - 遊爺雑記帳
どうしたらそうなるのか、ロシア兵がウクライナ市民から暖かい飲み物や食料を提供されている映像を散見しますね。
経済力に裏付けされた兵站なくして、ロシアの勝利がないことは自明の理だ。プーチン氏はキエフ陥落という戦術で勝てたとしても、ウクライナ全土制圧という戦略で負けるだろうと佐々木氏。
日本では、とても考えられないウクライナの人々。プーチンの誤算の産みの元ですね。ベトナムがあの米軍との闘いで負けなかったことが想い起されます。
実行が伴わない、口先だけの岸田氏の難民受け入れ。民間機を利用するのか、領空制限が多い中、専用機を飛ばすのか、早急に、大々的に実行していただきたい!
# 冒頭の画像は、キエフ近郊で、ロシア軍の戦車を捕獲したウクライナ兵(ロイター)
ブルーベリーの黄葉
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