プーチンが見誤った、東部親露派の独立だけでなく、ウクライナ全土への侵攻での政権交代。誤算続きで大幅に制圧がおくれていますね。
振り上げたこぶしの落としどころが見つからず、強硬姿勢を逆に強めるしかない迷路に陥り、いまや、政権の存続の可否に係る、世界規模の批判にさらされています。
侵攻で、ウクライナ国民の方々の、避難の苦行の数々が報じられていますが、なんと、ロシア国内でも国外脱出する人々が増えているのだそうです。
プーチンの政治に愛想をつかした人々。
今のプーチンの戦争犯罪の声も湧き上がる暴挙に、ロシア国内で反戦活動を起こしている人々も報道されていますが、国外へ脱出する人々もいる。
高学歴でリベラルなロシア人の集団頭脳脱出は、同国の長期的な発展を脅かすと、wsjの記事。
旧ソ連が1970年代にユダヤ人による大規模な海外移住に扉を開いた際、科学者、技術者や医師の多くがイスラエルや西側諸国に向かった時以来の出来事だと。
厳しい対ロシア制裁、深まる孤立、ひどくなるばかりのウラジーミル・プーチン大統領の圧政を背景に多くの人々がロシアから逃げ出しているのだそうです。
その数は、ウクライナから国外に避難した200万人とは比べものにならない。しかしそれは、政治的自由の段階的縮小と経済的苦境に直面するロシア人の大量出国の始まりかもしれない。出国者の多くは、専門職を持つ者や富裕層だ。ジャーナリスト、活動家、文化人たちも国外に去っていると、wsjの記事。
最近何週間かでどれほどの数のロシア人が国を去ったのかを示す正確なデータは入手できていない。しかし、他の諸国から得られるデータは、ロシアを去った人々の数が何千人にも上ることを示唆していると。
今年2月にフィンランドに入国したロシア人は約4万4000人となり、前年同月の2万7000人を上回った。ロシアからフィンランドに向かうバス、列車の乗車券は売り切れ状態になっており、国営フィンランド鉄道(VR)は、ヘルシンキとサンクトペテルブルクを結ぶ列車の増便に努めるとしているのだそうです。
一部のロシア人は、プーチン氏が近く戒厳令を出すのではないかと懸念している。戒厳令が出されれば、検閲のさらなる強化や国境封鎖が可能になる。
プーチン氏は5日、戒厳令を布告する必要はないと述べていたそうですが。
プーチン氏は長年、自らを批判する人々を黙らせようとしてきたが、その圧力は先週、一層強くなった。ロシア議会は、軍に関して意図的に「虚偽」の情報を拡散した場合に最長15年の禁錮刑を科す法案を可決したことは諸兄がご承知の通り。
多くの国外メディアが、拠点閉鎖に追い込まれていますね。
ニューヨーク・タイムズ、ロシアから記者を一時撤退 報道規制の影響 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
英BBC、ロシアからの報道再開 NYタイムズは記者撤退: 日本経済新聞
しかし、国を離れるロシア人の多くは、長年プーチン氏に批判的だったセクターに属している。国内に目を向けると、他の人々の多くは大統領を支持し続けているのが現状。
なので、多くの人々が、近年、宣伝活動を強化している国営メディアの虚偽の主張に感化されている。
母親の葬儀後、イスラエルに定住することを決めヘルシンキ空港で24時間待機状態のクビイキン氏は、自分の母親を含め周囲の人々は徐々に「洗脳されていった」と。
「私の母は世界中のあらゆる書物を読んでいた。しかし亡くなる前の最後の5年間はテレビばかり見ていた。(政府の)プロパガンダは本当に効果を持っていた」と目に涙をためながら語ったのだそうです。
米ビザとマスターカードは5日、ロシア国内での業務を停止すると発表。ロシア国内で発行されたカードは海外で(決済サービスを)利用できなくなる。
カード会社の動きは、国外に出た際の資金確保を困難にすることから、海外にも資産移転している新興財閥(オリガルヒ)よりも、一般のロシア人に主として打撃を与える可能性が大きいのだそうです。
乗馬クラブのオーナーで、夫はサンクトペテルブルクのストリート・アート・ミュージアムの創設者だというダシャ・キリロワ氏。
ウクライナのアーティストたちに現金を渡して自分は馬の世話のため、すぐにロシアに戻る予定だと。
「ただし、国内が北朝鮮のような状態になるのであれば、私たちはもちろん国を離れる。馬はコーカサス地方に連れて行く」と。
そして、「プーチン氏はマッドマン(常軌を逸した人物)だ」と述べるとともに、「私にとって最も恐ろしいことは多くの人々が彼を支持していることだ」と話したのだそうです。
等々、記事では細かいけど具体的なロシアの人々の声や行動を挙げています。
表にはまだ一部しか顕在化していない、反プーチン政治の声。
プーチンの異常な戦犯に近い言動を止められるのは、ロシア国民ですが、ヘルシンキ空港でのクビイキン氏のお母さまの様な、国営メディアで啓蒙されていまった人々が多いのがロシアの現状。
それを、各国の制裁包囲網で、国民生活や、オリガルヒの経営に損害を多発させ、反プーチンの動きがプーチンを追い込むのが先か、ウクライナ政権が、軍事侵攻で倒されるのが先か。
欧米諸国の、第三次世界大戦の忌避での腰の引けたウクライナ支援では、早晩、首都陥落、政権交代が見込まれます。
但し、ウクライナの国土の広さと、国民の反露の士気は高く、かたや露軍の士気は低く、ロシアが全土を征服は出来ないとの専門家の声が多い。
プーチンの独裁の終わりは、たとえ今回の侵攻で政権交代を強行出来ても、やがてやってくるということ。
トランプ前大統領は、はちゃめちゃと非難する声が多いのですが、ディール上手というか、喧嘩上手というか、戦争を起こさなかった稀有の大統領。
米中の「新冷戦」時代に至ったのは、中国の習近平の世界覇権獲得の中華の夢が招いたもの。
オバマ大統領が、南シナ海の人口島建設での軍事拠点化に対し、ハリス太平洋司令官の早期阻止提言を、自分が話し合いで阻止すると制し、面談しましたが、逆に太平洋二分割統治論でおしきられ、習近平のやり放題。
これをトランプ氏が、大統領就任時に習近平と会談時のティータイムに、シリア攻撃の話を披露。習近平を絶句させたのが始まりで、かつての米ソ冷戦から、新しい米中「新冷戦」時代に至るも、優勢に展開し、プーチンの出る幕は抑えてきました。
ところが、オバマ政権時代間副大統領だったバイデン氏。その時点で既に勝負ありの感はありましたが、アフガンステン撤兵戦術の大失政。
すっかり、中国にも、ロシアにも見下されてしまっています。
プーチンは、ウクライナを手始めに、ソ連邦、ロシア帝国時代の勢力復活。習近平は、毛沢東が無しえなかった国共内戦での台湾併合と、中華時代(米国を抜いて世界覇権確立)の確立を目指しています。
バイデン政権は、住主義国の連携で阻止を唱えていますが、各国の利害はマチマチ。
先ずは、このチャンスに暴走を始めたプーチンを、どう抑えるか。続いて、虎視眈々と台湾併呑の準備をしている習近平を都の様にして阻止するか。
両国ともに、尖閣諸島や東シナ海のEEZ境界のガス田開発の中国。北方領土不法占拠のロシアと、G7等の他国にはない領土侵犯の実害を抱える日本。
むしろ、率先して世界の諸国に、中露の不法行為への対抗を訴えねばならないのが日本。
それを高めたのが、安倍政権の、「自由で開かれたインド太平洋(Free and Open Indo-Pacific)」であり、クアッド(quad)。あるいは、「CPTPP」。
外務大臣実績は、内弁慶で相手国にほんろうされ放題(慰安婦問題他)で失格。河野氏と交代(韓国との貿易交渉で切れきれなかった岸田氏に代わり、交渉室は普通の会議室で机を片付けたでけで、黒板には事務的説明会と明治、韓国に誤報悪用防止)させられた岸田氏が総理の今。
第三次大戦の懸念もたかまる今日、メジャーが撤退する「サハリン2」を、日照会頭が、他国には連動せず日本は独自路線と大歩危をこき、それに引っ張られる岸田政権。大丈夫かと気がかりなのは、遊爺だけ?
# 冒頭の画像は、ロシアの反戦デモの取り締まり
ロシア各地で反戦デモ 1400人拘束 写真16枚 国際ニュース:AFPBB News
ブルーベリーの黄葉
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遊爺さんの写真素材 - PIXTA
振り上げたこぶしの落としどころが見つからず、強硬姿勢を逆に強めるしかない迷路に陥り、いまや、政権の存続の可否に係る、世界規模の批判にさらされています。
侵攻で、ウクライナ国民の方々の、避難の苦行の数々が報じられていますが、なんと、ロシア国内でも国外脱出する人々が増えているのだそうです。
プーチンの政治に愛想をつかした人々。
今のプーチンの戦争犯罪の声も湧き上がる暴挙に、ロシア国内で反戦活動を起こしている人々も報道されていますが、国外へ脱出する人々もいる。
高学歴でリベラルなロシア人の集団頭脳脱出は、同国の長期的な発展を脅かすと、wsjの記事。
旧ソ連が1970年代にユダヤ人による大規模な海外移住に扉を開いた際、科学者、技術者や医師の多くがイスラエルや西側諸国に向かった時以来の出来事だと。
国外に逃げ出すロシア人 制裁と弾圧に反発 - WSJ By Sune Engel Rasmussen in Vaalimaa, Finland and Alexander Osipovich in London 2022 年 3 月 10 日
国外に逃げ出しているのはウクライナ人だけではない。多くのロシア人も自国を去っている。
ある男性は、妻が必要とするインスリンがそのうち買えなくなるかもしれないとの懸念から、妻とともに出国し、ドイツに住む娘の家に向かった。薬を詰めたスーツケース2つと、衣服を詰めたスーツケース2つを携えて。
別の男性は、母親の葬儀を終えた直後にイスラエルに移住するため出国した。戦争のプロパガンダに囲まれて息苦しくなったのだという。戦争反対のデモに参加して逮捕されたある女性は、釈放後すぐに荷物をまとめ、若い息子を連れてアルメニアに向けて出国した。
7日にフィンランドに入国したあるロシア人によれば、彼の乗った列車が国境を越えた後、1人の乗客が「ウクライナに栄光あれ」と叫んだという。
厳しい対ロシア制裁、深まる孤立、ひどくなるばかりのウラジーミル・プーチン大統領の圧政を背景に多くの人々がロシアから逃げ出している。その数は、ウクライナから国外に避難した200万人とは比べものにならない。しかしそれは、政治的自由の段階的縮小と経済的苦境に直面するロシア人の大量出国の始まりかもしれない。出国者の多くは、専門職を持つ者や富裕層だ。ジャーナリスト、活動家、文化人たちも国外に去っている。
米系企業に勤務するユリア・ザハロワ氏(36)は8日、ロシアとフィンランドの国境線を越えた数分後、「私の父は『早く出国しなさい。そうしないとロシアに閉じ込められる』と言っていた」と語った。彼女とハイテク分野の新興企業の最高経営責任者(CEO)を務めるギリシャ人の夫は、ロシアとギリシャの間を航空機で往復する生活を何年も続けてきた。しかし、彼女が妊娠7カ月になったこともあって、2人は生活の場を当面ギリシャに移すことを決めた。
彼女は「こんな状況が続くロシアで子供を産むつもりはない」と語った。
最近何週間かでどれほどの数のロシア人が国を去ったのかを示す正確なデータは入手できていない。また、ロシアを出た人々の全員が、長期間国外にとどまるのかどうかも分からない。しかし、他の諸国から得られるデータは、ロシアを去った人々の数が何千人にも上ることを示唆している。
フィンランドの国境警備当局によれば、今年2月にフィンランドに入国したロシア人は約4万4000人となり、前年同月の2万7000人を上回った。ロシアからフィンランドに向かうバス、列車の乗車券は売り切れ状態になっており、国営フィンランド鉄道(VR)は、ヘルシンキとサンクトペテルブルクを結ぶ列車の増便に努めるとしている。
一部のロシア人は、プーチン氏が近く戒厳令を出すのではないかと懸念している。戒厳令が出されれば、検閲のさらなる強化や国境封鎖が可能になる。プーチン氏は5日、戒厳令を布告する必要はないと述べていた。
ロシアの侵攻から数日後に反戦デモに参加して逮捕されたサンクトペテルブルク在住の俳優兼監督の女性は、釈放後、急いでアルメニア行きの航空機のチケットを買いに行った。自分と5歳の息子用にだ。
女性はフライトのために空港で16時間待った。機内はロシア人の家族であふれていた。アルメニアの首都エレバンに着いた女性は、警察官が自分のサンクトペテルブルクの住所を訪れていたことを知った。女性はロシアに戻るのは心配だが、エレバンで1~2カ月暮らせる程度のお金しか持っていないと話した。
「どうすれば良いか分からない」と心配している。
プーチン氏は長年、自らを批判する人々を黙らせようとしてきたが、その圧力は先週、一層強くなった。ロシア議会は、軍に関して意図的に「虚偽」の情報を拡散した場合に最長15年の禁錮刑を科す法案を可決した。
無期限で友人宅に滞在するため、妻と5歳の息子と一緒にバルセロナに向かっていたエバン・セルゲエフ氏は、「われわれは戦争と呼ぶことさえ禁じられている」と話した。プーチン氏はウクライナ侵攻を「特殊作戦」と呼んでいる。
ロシア人たちは、メッセージアプリのテレグラムで、査証(ビザ)入手に関する手続きの詳細、新型コロナウイルス感染症関連の要件やチケットの販売状況などについて情報交換している。
高学歴でリベラルなロシア人の集団脱出は、同国の長期的な発展を脅かす。同国でこのような頭脳流出が起きることは、初めてではない。旧ソ連が1970年代にユダヤ人による大規模な海外移住に扉を開いた際、科学者、技術者や医師の多くがイスラエルや西側諸国に向かった。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、西側諸国が相次いでロシアに制裁を科した後、米国企業に勤めている50代のあるロシア人男性は、モスクワの薬局の棚から薬が消えていくのを心配そうに眺めていたという。男性はまだインスリンの在庫がある薬局を何とか見つけ、できるだけ多くを荷物につめ、妻とともにヘルシンキ行きの列車に乗った。ヘルシンキからは、学生の娘が暮らしているドイツに飛びたつ予定だ。
ヘルシンキ空港でフライトを待っていた男性は、「このチャンスを逃したら、手遅れになると判断した」と話した。
国を離れるロシア人の多くは、長年プーチン氏に批判的だったセクターに属している。国内に目を向けると、他の人々の多くは大統領を支持し続けている。ロシア国営メディアが近年、宣伝活動を強化していたことが理由の1つだ。プーチン氏は、ウクライナ政府の「非ナチ化」が必要だとしてウクライナでの戦争を正当化し、ウクライナ政府が米国の支援するネオナチの陰謀団によってコントロールされているという虚偽の主張をしている。
マキシム・クビイキン氏(54)によると、ここ数日はモスクワの街を見渡すと、あらゆるところで「Z」の文字を見かけたという。ロシア政府はウクライナ侵攻をめぐり、ロシア人を奮起させる愛国的なシンボルとしてそれを使っている。
ヘルシンキ空港で24時間待機状態のクビイキン氏は、自分の母親を含め周囲の人々は徐々に「洗脳されていった」と語った。母親は戦争が勃発する少し前になくなったという。クビイキン氏はユダヤ系でイスラエルのパスポートを持っており、母親の葬儀後、イスラエルに定住することを決めた。同氏は「私の母は世界中のあらゆる書物を読んでいた。しかし亡くなる前の最後の5年間はテレビばかり見ていた。(政府の)プロパガンダは本当に効果を持っていた」と目に涙をためながら語った。
クビイキン氏は「私は長年、プーチン氏が常軌を逸し、隣国を攻撃することを知っていた」と指摘。「いま、私はそこから逃げている。その片棒を担ぎたくない」と付け加えた。
多くのロシア人は欧州諸国に定住した場合でも、依然として対ロ制裁の影響を被るとみられる。米ビザとマスターカードは5日、ロシア国内での業務を停止すると発表。ロシア国内で発行されたカードは海外で(決済サービスを)利用できなくなる。ビザ、マスターカードの代表はコメント要請にすぐには応じなかった。
カード会社の動きは、国外に出た際の資金確保を困難にすることから、プーチン氏あるいは同氏の政権下で富を蓄えた新興財閥(オリガルヒ)よりも、一般のロシア人に主として打撃を与える可能性が大きい。
フィンランドとの国境では大胆な行動をとっている人物もいた。乗馬クラブのオーナーで、夫はサンクトペテルブルクのストリート・アート・ミュージアムの創設者だというダシャ・キリロワ氏(55)は、バッグに札束を入れて持ち歩いており、娘のいるドバイに到着したらすぐにウクライナのアーティストたちに現金を渡すつもりだと語った。自分は馬の世話のため、すぐにロシアに戻る予定だという。
キリロワ氏は「ただし、国内が北朝鮮のような状態になるのであれば、私たちはもちろん国を離れる。馬はコーカサス地方に連れて行く」と語った。
キリロワ氏は「プーチン氏はマッドマン(常軌を逸した人物)だ」と述べるとともに、「私にとって最も恐ろしいことは多くの人々が彼を支持していることだ」と話した。
モスクワのIT企業で働くナタン・カルト氏(36)は、戦争が始まった後、アルメニアに脱出したが、(ロシアの)隣国で、友人たちもいるジョージアに移動することを計画していると語った。彼はプーチン氏や戦争に反対の立場をとっていることで、トラブルになるのを恐れており、当面、ロシアに戻るつもりはないという。
カルト氏は現在滞在している、アルメニアの首都エレバンにあるロシア人家族で一杯のホテルから、「グラーグ(ソ連時代の収容所)が復活するのを懸念している」と語った。
プーチン氏が自国の名の下に行っていることについて、深く恥じていると話す人々もいた。
ヘルシンキ空港でフライト待ちの女性は「これまでの自分で経験したことのなかった恐怖だ。現在の世界を直視できない」と語った。
国外に逃げ出しているのはウクライナ人だけではない。多くのロシア人も自国を去っている。
ある男性は、妻が必要とするインスリンがそのうち買えなくなるかもしれないとの懸念から、妻とともに出国し、ドイツに住む娘の家に向かった。薬を詰めたスーツケース2つと、衣服を詰めたスーツケース2つを携えて。
別の男性は、母親の葬儀を終えた直後にイスラエルに移住するため出国した。戦争のプロパガンダに囲まれて息苦しくなったのだという。戦争反対のデモに参加して逮捕されたある女性は、釈放後すぐに荷物をまとめ、若い息子を連れてアルメニアに向けて出国した。
7日にフィンランドに入国したあるロシア人によれば、彼の乗った列車が国境を越えた後、1人の乗客が「ウクライナに栄光あれ」と叫んだという。
厳しい対ロシア制裁、深まる孤立、ひどくなるばかりのウラジーミル・プーチン大統領の圧政を背景に多くの人々がロシアから逃げ出している。その数は、ウクライナから国外に避難した200万人とは比べものにならない。しかしそれは、政治的自由の段階的縮小と経済的苦境に直面するロシア人の大量出国の始まりかもしれない。出国者の多くは、専門職を持つ者や富裕層だ。ジャーナリスト、活動家、文化人たちも国外に去っている。
米系企業に勤務するユリア・ザハロワ氏(36)は8日、ロシアとフィンランドの国境線を越えた数分後、「私の父は『早く出国しなさい。そうしないとロシアに閉じ込められる』と言っていた」と語った。彼女とハイテク分野の新興企業の最高経営責任者(CEO)を務めるギリシャ人の夫は、ロシアとギリシャの間を航空機で往復する生活を何年も続けてきた。しかし、彼女が妊娠7カ月になったこともあって、2人は生活の場を当面ギリシャに移すことを決めた。
彼女は「こんな状況が続くロシアで子供を産むつもりはない」と語った。
最近何週間かでどれほどの数のロシア人が国を去ったのかを示す正確なデータは入手できていない。また、ロシアを出た人々の全員が、長期間国外にとどまるのかどうかも分からない。しかし、他の諸国から得られるデータは、ロシアを去った人々の数が何千人にも上ることを示唆している。
フィンランドの国境警備当局によれば、今年2月にフィンランドに入国したロシア人は約4万4000人となり、前年同月の2万7000人を上回った。ロシアからフィンランドに向かうバス、列車の乗車券は売り切れ状態になっており、国営フィンランド鉄道(VR)は、ヘルシンキとサンクトペテルブルクを結ぶ列車の増便に努めるとしている。
一部のロシア人は、プーチン氏が近く戒厳令を出すのではないかと懸念している。戒厳令が出されれば、検閲のさらなる強化や国境封鎖が可能になる。プーチン氏は5日、戒厳令を布告する必要はないと述べていた。
ロシアの侵攻から数日後に反戦デモに参加して逮捕されたサンクトペテルブルク在住の俳優兼監督の女性は、釈放後、急いでアルメニア行きの航空機のチケットを買いに行った。自分と5歳の息子用にだ。
女性はフライトのために空港で16時間待った。機内はロシア人の家族であふれていた。アルメニアの首都エレバンに着いた女性は、警察官が自分のサンクトペテルブルクの住所を訪れていたことを知った。女性はロシアに戻るのは心配だが、エレバンで1~2カ月暮らせる程度のお金しか持っていないと話した。
「どうすれば良いか分からない」と心配している。
プーチン氏は長年、自らを批判する人々を黙らせようとしてきたが、その圧力は先週、一層強くなった。ロシア議会は、軍に関して意図的に「虚偽」の情報を拡散した場合に最長15年の禁錮刑を科す法案を可決した。
無期限で友人宅に滞在するため、妻と5歳の息子と一緒にバルセロナに向かっていたエバン・セルゲエフ氏は、「われわれは戦争と呼ぶことさえ禁じられている」と話した。プーチン氏はウクライナ侵攻を「特殊作戦」と呼んでいる。
ロシア人たちは、メッセージアプリのテレグラムで、査証(ビザ)入手に関する手続きの詳細、新型コロナウイルス感染症関連の要件やチケットの販売状況などについて情報交換している。
高学歴でリベラルなロシア人の集団脱出は、同国の長期的な発展を脅かす。同国でこのような頭脳流出が起きることは、初めてではない。旧ソ連が1970年代にユダヤ人による大規模な海外移住に扉を開いた際、科学者、技術者や医師の多くがイスラエルや西側諸国に向かった。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、西側諸国が相次いでロシアに制裁を科した後、米国企業に勤めている50代のあるロシア人男性は、モスクワの薬局の棚から薬が消えていくのを心配そうに眺めていたという。男性はまだインスリンの在庫がある薬局を何とか見つけ、できるだけ多くを荷物につめ、妻とともにヘルシンキ行きの列車に乗った。ヘルシンキからは、学生の娘が暮らしているドイツに飛びたつ予定だ。
ヘルシンキ空港でフライトを待っていた男性は、「このチャンスを逃したら、手遅れになると判断した」と話した。
国を離れるロシア人の多くは、長年プーチン氏に批判的だったセクターに属している。国内に目を向けると、他の人々の多くは大統領を支持し続けている。ロシア国営メディアが近年、宣伝活動を強化していたことが理由の1つだ。プーチン氏は、ウクライナ政府の「非ナチ化」が必要だとしてウクライナでの戦争を正当化し、ウクライナ政府が米国の支援するネオナチの陰謀団によってコントロールされているという虚偽の主張をしている。
マキシム・クビイキン氏(54)によると、ここ数日はモスクワの街を見渡すと、あらゆるところで「Z」の文字を見かけたという。ロシア政府はウクライナ侵攻をめぐり、ロシア人を奮起させる愛国的なシンボルとしてそれを使っている。
ヘルシンキ空港で24時間待機状態のクビイキン氏は、自分の母親を含め周囲の人々は徐々に「洗脳されていった」と語った。母親は戦争が勃発する少し前になくなったという。クビイキン氏はユダヤ系でイスラエルのパスポートを持っており、母親の葬儀後、イスラエルに定住することを決めた。同氏は「私の母は世界中のあらゆる書物を読んでいた。しかし亡くなる前の最後の5年間はテレビばかり見ていた。(政府の)プロパガンダは本当に効果を持っていた」と目に涙をためながら語った。
クビイキン氏は「私は長年、プーチン氏が常軌を逸し、隣国を攻撃することを知っていた」と指摘。「いま、私はそこから逃げている。その片棒を担ぎたくない」と付け加えた。
多くのロシア人は欧州諸国に定住した場合でも、依然として対ロ制裁の影響を被るとみられる。米ビザとマスターカードは5日、ロシア国内での業務を停止すると発表。ロシア国内で発行されたカードは海外で(決済サービスを)利用できなくなる。ビザ、マスターカードの代表はコメント要請にすぐには応じなかった。
カード会社の動きは、国外に出た際の資金確保を困難にすることから、プーチン氏あるいは同氏の政権下で富を蓄えた新興財閥(オリガルヒ)よりも、一般のロシア人に主として打撃を与える可能性が大きい。
フィンランドとの国境では大胆な行動をとっている人物もいた。乗馬クラブのオーナーで、夫はサンクトペテルブルクのストリート・アート・ミュージアムの創設者だというダシャ・キリロワ氏(55)は、バッグに札束を入れて持ち歩いており、娘のいるドバイに到着したらすぐにウクライナのアーティストたちに現金を渡すつもりだと語った。自分は馬の世話のため、すぐにロシアに戻る予定だという。
キリロワ氏は「ただし、国内が北朝鮮のような状態になるのであれば、私たちはもちろん国を離れる。馬はコーカサス地方に連れて行く」と語った。
キリロワ氏は「プーチン氏はマッドマン(常軌を逸した人物)だ」と述べるとともに、「私にとって最も恐ろしいことは多くの人々が彼を支持していることだ」と話した。
モスクワのIT企業で働くナタン・カルト氏(36)は、戦争が始まった後、アルメニアに脱出したが、(ロシアの)隣国で、友人たちもいるジョージアに移動することを計画していると語った。彼はプーチン氏や戦争に反対の立場をとっていることで、トラブルになるのを恐れており、当面、ロシアに戻るつもりはないという。
カルト氏は現在滞在している、アルメニアの首都エレバンにあるロシア人家族で一杯のホテルから、「グラーグ(ソ連時代の収容所)が復活するのを懸念している」と語った。
プーチン氏が自国の名の下に行っていることについて、深く恥じていると話す人々もいた。
ヘルシンキ空港でフライト待ちの女性は「これまでの自分で経験したことのなかった恐怖だ。現在の世界を直視できない」と語った。
厳しい対ロシア制裁、深まる孤立、ひどくなるばかりのウラジーミル・プーチン大統領の圧政を背景に多くの人々がロシアから逃げ出しているのだそうです。
その数は、ウクライナから国外に避難した200万人とは比べものにならない。しかしそれは、政治的自由の段階的縮小と経済的苦境に直面するロシア人の大量出国の始まりかもしれない。出国者の多くは、専門職を持つ者や富裕層だ。ジャーナリスト、活動家、文化人たちも国外に去っていると、wsjの記事。
最近何週間かでどれほどの数のロシア人が国を去ったのかを示す正確なデータは入手できていない。しかし、他の諸国から得られるデータは、ロシアを去った人々の数が何千人にも上ることを示唆していると。
今年2月にフィンランドに入国したロシア人は約4万4000人となり、前年同月の2万7000人を上回った。ロシアからフィンランドに向かうバス、列車の乗車券は売り切れ状態になっており、国営フィンランド鉄道(VR)は、ヘルシンキとサンクトペテルブルクを結ぶ列車の増便に努めるとしているのだそうです。
一部のロシア人は、プーチン氏が近く戒厳令を出すのではないかと懸念している。戒厳令が出されれば、検閲のさらなる強化や国境封鎖が可能になる。
プーチン氏は5日、戒厳令を布告する必要はないと述べていたそうですが。
プーチン氏は長年、自らを批判する人々を黙らせようとしてきたが、その圧力は先週、一層強くなった。ロシア議会は、軍に関して意図的に「虚偽」の情報を拡散した場合に最長15年の禁錮刑を科す法案を可決したことは諸兄がご承知の通り。
多くの国外メディアが、拠点閉鎖に追い込まれていますね。
ニューヨーク・タイムズ、ロシアから記者を一時撤退 報道規制の影響 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
英BBC、ロシアからの報道再開 NYタイムズは記者撤退: 日本経済新聞
しかし、国を離れるロシア人の多くは、長年プーチン氏に批判的だったセクターに属している。国内に目を向けると、他の人々の多くは大統領を支持し続けているのが現状。
なので、多くの人々が、近年、宣伝活動を強化している国営メディアの虚偽の主張に感化されている。
母親の葬儀後、イスラエルに定住することを決めヘルシンキ空港で24時間待機状態のクビイキン氏は、自分の母親を含め周囲の人々は徐々に「洗脳されていった」と。
「私の母は世界中のあらゆる書物を読んでいた。しかし亡くなる前の最後の5年間はテレビばかり見ていた。(政府の)プロパガンダは本当に効果を持っていた」と目に涙をためながら語ったのだそうです。
米ビザとマスターカードは5日、ロシア国内での業務を停止すると発表。ロシア国内で発行されたカードは海外で(決済サービスを)利用できなくなる。
カード会社の動きは、国外に出た際の資金確保を困難にすることから、海外にも資産移転している新興財閥(オリガルヒ)よりも、一般のロシア人に主として打撃を与える可能性が大きいのだそうです。
乗馬クラブのオーナーで、夫はサンクトペテルブルクのストリート・アート・ミュージアムの創設者だというダシャ・キリロワ氏。
ウクライナのアーティストたちに現金を渡して自分は馬の世話のため、すぐにロシアに戻る予定だと。
「ただし、国内が北朝鮮のような状態になるのであれば、私たちはもちろん国を離れる。馬はコーカサス地方に連れて行く」と。
そして、「プーチン氏はマッドマン(常軌を逸した人物)だ」と述べるとともに、「私にとって最も恐ろしいことは多くの人々が彼を支持していることだ」と話したのだそうです。
等々、記事では細かいけど具体的なロシアの人々の声や行動を挙げています。
表にはまだ一部しか顕在化していない、反プーチン政治の声。
プーチンの異常な戦犯に近い言動を止められるのは、ロシア国民ですが、ヘルシンキ空港でのクビイキン氏のお母さまの様な、国営メディアで啓蒙されていまった人々が多いのがロシアの現状。
それを、各国の制裁包囲網で、国民生活や、オリガルヒの経営に損害を多発させ、反プーチンの動きがプーチンを追い込むのが先か、ウクライナ政権が、軍事侵攻で倒されるのが先か。
欧米諸国の、第三次世界大戦の忌避での腰の引けたウクライナ支援では、早晩、首都陥落、政権交代が見込まれます。
但し、ウクライナの国土の広さと、国民の反露の士気は高く、かたや露軍の士気は低く、ロシアが全土を征服は出来ないとの専門家の声が多い。
プーチンの独裁の終わりは、たとえ今回の侵攻で政権交代を強行出来ても、やがてやってくるということ。
トランプ前大統領は、はちゃめちゃと非難する声が多いのですが、ディール上手というか、喧嘩上手というか、戦争を起こさなかった稀有の大統領。
米中の「新冷戦」時代に至ったのは、中国の習近平の世界覇権獲得の中華の夢が招いたもの。
オバマ大統領が、南シナ海の人口島建設での軍事拠点化に対し、ハリス太平洋司令官の早期阻止提言を、自分が話し合いで阻止すると制し、面談しましたが、逆に太平洋二分割統治論でおしきられ、習近平のやり放題。
これをトランプ氏が、大統領就任時に習近平と会談時のティータイムに、シリア攻撃の話を披露。習近平を絶句させたのが始まりで、かつての米ソ冷戦から、新しい米中「新冷戦」時代に至るも、優勢に展開し、プーチンの出る幕は抑えてきました。
ところが、オバマ政権時代間副大統領だったバイデン氏。その時点で既に勝負ありの感はありましたが、アフガンステン撤兵戦術の大失政。
すっかり、中国にも、ロシアにも見下されてしまっています。
プーチンは、ウクライナを手始めに、ソ連邦、ロシア帝国時代の勢力復活。習近平は、毛沢東が無しえなかった国共内戦での台湾併合と、中華時代(米国を抜いて世界覇権確立)の確立を目指しています。
バイデン政権は、住主義国の連携で阻止を唱えていますが、各国の利害はマチマチ。
先ずは、このチャンスに暴走を始めたプーチンを、どう抑えるか。続いて、虎視眈々と台湾併呑の準備をしている習近平を都の様にして阻止するか。
両国ともに、尖閣諸島や東シナ海のEEZ境界のガス田開発の中国。北方領土不法占拠のロシアと、G7等の他国にはない領土侵犯の実害を抱える日本。
むしろ、率先して世界の諸国に、中露の不法行為への対抗を訴えねばならないのが日本。
それを高めたのが、安倍政権の、「自由で開かれたインド太平洋(Free and Open Indo-Pacific)」であり、クアッド(quad)。あるいは、「CPTPP」。
外務大臣実績は、内弁慶で相手国にほんろうされ放題(慰安婦問題他)で失格。河野氏と交代(韓国との貿易交渉で切れきれなかった岸田氏に代わり、交渉室は普通の会議室で机を片付けたでけで、黒板には事務的説明会と明治、韓国に誤報悪用防止)させられた岸田氏が総理の今。
第三次大戦の懸念もたかまる今日、メジャーが撤退する「サハリン2」を、日照会頭が、他国には連動せず日本は独自路線と大歩危をこき、それに引っ張られる岸田政権。大丈夫かと気がかりなのは、遊爺だけ?
# 冒頭の画像は、ロシアの反戦デモの取り締まり
ロシア各地で反戦デモ 1400人拘束 写真16枚 国際ニュース:AFPBB News
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遊爺さんの写真素材 - PIXTA