遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

韓国哨戒艦沈没 北犯行説と日本の行動

2010-05-21 23:38:25 | EEZ 全般

 3月26日に発生した韓国哨戒艦沈没事件。去年の11月に、黄海の「北方限界線(NNL)」近くで起きた両国の艦艇銃撃戦で、装備の差で完敗した北朝鮮が、潜水戦力の強化で軍事力バランスを取り戻そうとしたものとのことです。
 韓国はよくぞ物証を集めたと感心しますし(海域が浅かったのが幸いした)、第三国の米、英、豪、スウェーデンを加えた調査団という国際世論造りを視野に入れた犯行の立証戦術もすばらしいものです。
 ですが、鳩山氏は安保理での制裁決議に、日本は率先して支持すると例によって軽々に言っていますが、何時何処の誰に何を頼まれ、国内でどれだけの範囲と深さで検討したのかは解りませんが、選挙を控え例によって燃え上がる韓国民の感情に巻き込まれていいのでしょうか?
 言うまでもないことですが、北朝鮮、中国、ロシアの脅威への危機感を訴えるのがこのblogの主要テーマのひとつとなっているなかで、北の擁護をしているわけではありません。
 わが国は、北とは、拉致問題を強く掲げ6カ国会談でも拉致問題の解決を優先するよう迫ってきました。韓国とは、「竹島」や日本海の名称、魚業権では相容れない長年の懸案を抱えています。民主党政権になり、更に高校無償化、外国人参政権という火種も燃え上がってきています。
 ここで、韓国の使い走りのように、韓国の提案する「北朝鮮制裁決議」に対し、「日本として先頭を走るべきだ」(20日夜の鳩山発言)とは、どういう国益をもっての発言でしょう?
 上述したように、調査団は、米、英、豪、スウェーデンが招かれて、日本は入っている訳ではないのです。
 髭の隊長こと佐藤正久氏は、twitterで、以下のようにつぶやいておられました。
-----------------------------------------
哨戒艦沈没の合同調査団、米・英・豪は朝鮮戦争の国連軍で、スウェーデンは国際監視団の一員だ。日本は韓国の意向で調査団に入っていないため、今後の協力や日本防衛のためにも発表された中身を冷静に分析する必要がある。気持ちはわかるが「先頭に立つ」首相発言やや過敏過ぎでは?
-----------------------------------------

 調査結果についての、読売のひとつの見方の記事は以下。
 

北の魚雷 米韓が協調 物証重ね「北の犯行」 根拠に一部推論 北、反論の余地も (5/21 読売朝刊)

 【ソウルー1前田泰広】韓国海軍哨戒艦の沈没で、米英なども加わった韓国軍・民間合同調査団は20日、回収した魚雷のスクリューなどを物証として積み重ね、魚雷攻撃があったと断定した。しかし、攻撃を加えたのが北朝鮮だと判断した根拠には、状況証拠に基づく推論も加えざるを得なかった。北朝鮮が、自らの関与を否定する余地を残した側面もある。

スクリューなど5部品提示

 調査団が北朝鮮による魚雷攻撃という結論を導いた最有力の物証は、沈没海域で見つかったスクリュー、モーターなど魚雷の部晶5点だ。部品に、洋数字とハングルを組み合わせた「1番」という表記があったほか、部品の寸法と形が北朝鮮が輸出用兵器の紹介冊子に載せた「CHTー02D」魚雷の設計図面と「正確に一致」したとしている。
 調査団は、北朝鮮の小型潜水艦艇が3月26日の2~3日前に、所属する基地を離れ、沈没から2~3日後に戻ったことを確認したことも明らかにし、「魚雷は北朝鮮の小型潜水艦艇から発射されたということ以外に説明できない」と結論づけた。
 朝鮮半島問題の専門家は、北朝鮮が誰にも分からないように奇襲を仕掛けたとの見方を示し、北朝鮮は「韓国がここまで証拠を集めると思っていなかっただろう」と指摘する。李明博大統領も20日、豪首相との電話会談で「北朝鮮の軍事的挑発だという点が明らかになった」と述べ、調査結果に自信と満足感を示している。
 ただ、韓国軍当局は、
基地を離れた北朝鮮の潜水艦艇がどこに行ったかは把握できていない。哨戒艦が沈没した3月26日、北朝鮮が現場海域でどのような軍事行動を取ったかは不明なままだ。
 韓国の安全保障問題専門家は「
物証と魚雷発射の行為が直接つながらない」と指摘する。北朝鮮の潜水艦艇が沈没現場海域にいたことや、魚雷を発射したことを完全には証明できなかったとの見方を示し、「北朝鮮が『韓国側が北朝鮮の魚雷を第三国で入手し発射した』などと反論する司能性がある」との見方を示す。
 調査結果は韓国国民や日米の支持を得るには十分だが、北朝鮮と良好な関係にある中国などの理解を得られるかは疑問だとの見方も強い。対北朝鮮制裁論議が本格化した場合、中国やロシアがさらなる証拠の提示を求める可能性もある。
 
 
軍事評論家 多田智彦氏 日本は海上防衛見直し必要

 調査結果は回収した魚雷の破片などの物証をそろえ説得力のある内容だ。米英などの専門家も交えており客観性にも闇題ない。
 
疑問点は爆発直前の状況に触れていない点だ。哨戒艦は水中音波探知機(ソナー)や目視などで常に周囲に危険がないか監視している。哨戒艦が潜水艦や魚雷が近づくのを音波などで察知していれば、艦を切って魚雷を避ける行動を取っていたはずだ。爆発前の状況について情報を出さないのは、乗員が監視を怠っていたなど韓国にとって都合の悪い何らかの情報を隠すためではないか。
 今回の攻撃で北朝鮮が技術的に高い水準の魚雷を持っていることが分かった。日本の周辺海域で北朝鮮が魚雷を使う可能性も否定できない。
日本にとっては弾道ミサイルだけでなく魚雷という新たな脅威が加わったと言え、海上防衛の見直しを迫られる。


 民主党は、国連で日本が主導提案した「国際連合安全保障理事会決議1874 」を日本が実行するための、「北朝鮮貨物検査特別措置法」を、さきの衆議院選挙直前の国会で、参議院の決議を政局を優先させ廃案に追い込みました。つまり、世界の国々に北朝鮮への経済制裁を主導しておきながら、自分の国は法整備をせず今日に至るという、世界の国々に面目ない状況をいまだにつづけているのです。何度かは既に北の武器輸出が他国によって阻止活動は実行されているのにです。
 それを放置しておきながら、「日本が先頭をはしる」とは、「決議1874」を実行に移している国にすれば笑止千万であり、ただでさえ鳩山氏の言動で失墜している日本の信用を、ますます落とすことばですね。

 黄海に「北方限界線(NNL)」がありますが、日本海には、かつては「李承晩ライン 」があり、今日でも韓国が不法占拠を続ける「竹島」問題があります。
 「竹島」にかんしては、今まさに、韓国が不法占拠の拡大行為を始めようとしていて、日本政府は抗議しているところです。数年前に韓国が竹島付近の海洋調査を行うに際し、日本は巡視船を出して阻止すると主張し緊迫したときもありました。
 黄海の緊迫は、攻守ところを変えて日本海ではわが国と韓国とで実在しているのです。
 だからこそ、ここで韓国を支援し、北への制裁を強めるという選択に反対しているのではありません。むしろ、賛成です。
 しかし、国際外交では、いくつかカードを持ち、国益に活かすよう使うべきなのは、諸兄がご承知の通りです。佐藤氏のつぶやきの「韓国の意向で調査団に入らない」のがどのような意向なのか、拉致問題では日本に積極的に同調しているとは思えないがなぜなのか。よく考えて発言や実行の時期を口にすべきです。
 今回の鳩の発言は、韓国に小鳩が命令された外国人参政権の法案成立が頓挫し、そのお詫びに使い走りをさせられている、まるで属国であるかの様な姿勢に見えてしまうのは、遊爺だけでしょうか?

 時間が経てば経つほど支持率が低下する民主党と内閣支持率。小沢氏の再度の「不起訴相当」判断は予定通りとして、次に想定される再度の「起訴相当」の検察審の決議の前にという急ぐ事情から、参院選は先延ばしせず最短コースで実施することになるのだそうです。

 飽きやすいマスコミや、国民(遊爺もそうですが)にとっては、小鳩や民主党批判にすこし飽きてきたというか、批判しても反省の色を示さない小鳩や民主党議員にうんざりしてき始めたところでしたから、このまま間延びして矛先が鈍る前に選挙が実施されるのは、民主党に過半数を取らせたくないという世論結果がピークの時に実施され、その世論が選挙に反映されることになり、都合がよいともいえます。

 失政を重ねる小鳩政権。ころころ総理大臣を替えるのは国際信用云々という、御用評論家に騙された街角インタビューを散見しますが、鳩山氏に関しては、在籍すればするほど、しゃべればしゃべるほど、どどん国際信用を落とし日本を破滅の道に導いていますから、一刻も早く退場していただかねばならないのです。
 鳩山氏が存続して喜ぶのは誰か!日本の国土は日本人だけのものではないという鳩山氏が、売り渡そうとしている相手なのです!日本国民のための政治ではないのです。沖縄の基地問題が、沖縄の方たちのためでない迷走を見せ、中国、韓国、ロシアが日本の領土侵食攻勢を開始したのもその一例でしょう。




↓ よろしかったら、お願いします。


 竹島は日韓どちらのものか 








コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 普天間移転は結局\"現行案\" | トップ | 原口大臣と孫社長 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
韓国の風物詩だった選挙の時の北風の復活 (逝きし世の面影)
2010-05-24 11:05:00
はじめまして

朝鮮戦争は休戦中で陸上停戦ラインは確定しているが、現場海域は停戦ラインが未確定で今までにも軍事衝突は頻発していた。
ですから北朝鮮の魚雷攻撃の可能性は非常に高いでしょう。

ですが今回の事件のように韓国の軍艦を折角撃沈したのに何も無かったと沈黙する事は考えられない。
北の軍事独裁政権は、旧日本軍と同じで一艘沈めたら数艘沈めたと誇大宣伝する可能性は高いが沈黙する事はありません。
過去の事例では、ラングーン事件は中立国で行ったのでハーグ陸戦規定に違反するので沈黙するしかない。
大韓航空機爆破事件は、目的がオリンピックではなく韓国大統領選挙なので北が実行したとしても沈黙するしかない。
あの猿轡をされた美女がタラップを降りてくる扇情的な映像は韓国軍事政権の盧泰愚が金大中と大統領選挙を争った投票日の前日です。
そして今回も大事なソウル市長選など韓国統一地方選の直前で当然今度の事件は有権者の投票行動の結果に影響する。

『確実な証拠』ですが、あれは99・9%ニセモノですよ。
爆発したはずなのに見つかったスクリューにもシャフトにもモーター部分にも何の痕跡もないのです。
しかもスクリュウー部分だけに年代もののフジツボが付着、それ以外には全くなし。
事前に流されていた報道ではスクリューの破片に北朝鮮の刻印だったのに実物は、
破片ではなく全く損傷のない完成品で、青いマジックインキの何故か鮮明すぎる手書き文字。
何とも、韓国の有権者を馬鹿にしたインチキ臭い証拠品です。
韓国の発表が全部正しいなら、北はレーダーにもソナーにも反応しないステルス潜水艦とスクリュー音のないステルス魚雷を装備していた事になり、アメリカ以上の驚くべき科学力ですよ。
返信する
北風 (遊爺)
2010-05-24 16:16:54
逝きし世の面影さん、はじめまして。
いただいたTBも合わせて拝読させていただきました。「北風」は勉強させていただきました。貴重な情報を、ありがとうございます。

南の選挙に干渉したがる北が、統一地方選挙直前に攻撃することの、北にとってのメリット、デメリットは何かといった点も、北犯人説の鍵になるのですね。

それにしても、韓国から、今回の事件に対し枠外に置かれている日本、「竹島」の不法占拠の拡大計画に抗議をしている最中の日本という情勢の中での、岡田、鳩山両氏の発言は、日本の主権、国益という意識が皆無で、涙が出てきます。
返信する
イラク侵攻を真っ先に支持した小泉純一郎 (逝きし世の面影)
2010-05-26 09:34:01
ニセ情報を世界中に宣伝してイラクに侵攻したブッシュ政権を世界で真っ先に支持したのが我が日本国なのですね。
この戦争の結果。アメリカの威信も信用も地に落ち、世界一の軍事力も疲弊して経済も落ち込んで苦しんでいます。
結果的には、アメリカが破滅の道に転げ落ちるのを日本の小泉純一郎が声援した事になる。
日本がアメリカの真の同盟国であるなら、
アメリカの国益の為に、日本の小泉の態度が正しかったのかドイツやフランスの態度が正しかったのかは、今では誰にでも分かる程度に『現実の歴史』が証明している。
今度の北の魚雷攻撃ですが、
韓国軍の自作自演の可能性が濃厚で、北が実行した可能性は限りなく低いでしょう。
あの韓国調査団の提示した魚雷部品は不発弾ですよ。
300キロの高性能火薬の爆発の火炎の高温高圧でマジックインキが消えないなどはないし脆弱なスクリューが曲がらないなどもありえない。
海底に残置されていた北の魚雷から部品を外してきたと判断するのが一番実物の証拠品の判断としては適当でしょう。
そして今度は日本の鳩山首相が真っ先に全面支持を表明してしまっている。
現在韓国は選挙戦の真っ最中で、北の魚雷説が正しいなら与党ハンナラ党が大勝利し、韓国軍の不手際に因る座礁や衝突あるいは同士討ちなど、北が関与していなければ韓国軍上層部の責任問題に発展し、野党民主党が大勝利します。
これからの展開の予想ですが、南北お互い全面戦争はしたくない。
大騒ぎした挙句、小競り合い程度で収束してしまうでしょうが、有権者が如何判断するかによって、選挙結果には大きく影響する。
ですから、今度の日本の鳩山内閣の軽率な対応は、隣国である韓国の内政干渉に近い愚行ですね。

>「竹島」の不法占拠<などの表現は,
21世紀になってから我が国ではじまった表現方法ですが、これは第三次中東戦争の結果イスラエルがガザやヨルダン川西岸を軍事占領して国連安保理決議を無視して居座っている事に対して使われる言葉です。
日本の海上保安庁を制圧して韓国軍が竹島を占拠したなどのことがない限り、国際的には使わない方が良いでしょう。
外交とは自国の体面(面子)も大事ですが、交渉相手の体面も尊重するのが基本なのです。これが無いと円滑な話し合いは進みません。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

EEZ 全般」カテゴリの最新記事