遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ミャンマー支援国会合 日本が主導し国際的な支援策をまとめた

2012-10-13 23:08:38 | my notice
 IMFと世界銀行年次総会が東京で開催されました。世界経済が厳しいなか、会議の内容や成果も厳しいものがありました。しかし、中国の代表団の参加が無かったことは、世界に中国の野蛮さが広く知られることとなるなど、会議以外での話題も豊富です。
 その豊富な会議以外の話題で、心和んだのは銀座の街が挙げて歓迎の趣向を凝らした話。諸兄もご承知のことですので、ここでは触れませんが、日本の良さ、日本人の気質を知っていただけたと、銀座の皆さんの企画と活動には拍手を贈るとともに感謝申し上げます。
 そして、遊爺が気になった成果は、ミャンマー支援国会合です。日本が主導し、国際的な支援策をまとめることが出来たのだそうで、ホスト国としての成果をあげることが出来、日本の存在感を少しは回復できたとしたら、民主党政権では珍しい外交成果となります。

 
IMF・世銀総会の参加者、銀座を挙げておもてなし :日本経済新聞
 
ミャンマー支援 民主化と経済再建に弾みを (10/13 読売社説)

 
民主化改革を進めるミャンマーに対し、国際社会が支援体制を整えたことを歓迎したい。改革と経済再建に弾みをつける必要がある。
 先進国と世界銀行、アジア開発銀行によるミャンマー支援国会合が東京で開かれた。
 ミャンマーが抱える延滞債務を来年1月に免除し、国際社会が20年以上も中止してきた金融支援を再開する方針で合意した。
 約5000億円という
最大の貸し手である日本は、大半の債権を放棄したうえ、円借款を来年早い時期に26年ぶりに再開
する。
 世銀とアジア開銀が新規融資を行えるよう、
世銀などに対するミャンマーの借金を日本がいったん肩代わり
する協力も決めた。
 ミャンマーとの関係修復に積極的な日本が主導し、国際的な支援策をまとめた意義は大きい。
 ミャンマーは軍事政権下の人権弾圧などを理由に、先進国側から長年にわたり経済制裁を受けてきた。そのため、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中で取り残されてきた最貧国である。
 しかし、2010年に民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チー氏が軟禁を解かれ、昨春には民政移管を果たし、テイン・セイン政権が民主化を進めている。
 こうした大きな変化を国際社会が評価して、ようやく支援再開にこぎつけた。
 ミャンマーは人口が6000万人を超え、天然資源なども豊富だ。「アジア最後のフロンティア」として急成長が期待される。
 アジア開銀の黒田東彦総裁も、「国内改革が進めば、今後5~10年で他のASEAN諸国に追いつける」と予想している。
 先進国などの金融支援と投資拡大をテコに、経済発展を加速させることが肝要だ。
 課題は、電力、鉄道などのインフラや、医療、教育などの整備が遅れていることである。
日本は円借款供与によって、インフラ輸出の拡大も目指したい

 すでに大手商社などがミャンマーでの事業に乗り出している。経済特区の整備でも、政府と企業が全面的に協力する方向だ。
 日系企業にとって、ミャンマーは、アジアの新たな生産拠点となる可能性が高い。官民連携を一層強化すべきである。
 ミャンマーは中国と近接し、貿易量は多いが、中国の影響力に対する警戒感もうかがえる。
 
日本の積極的なミャンマー支援は、地域での存在感を強めようとする中国への牽制(けんせい)にもなる


 IMFへの日本の出資比率は、米国の17.407に次いで二位の6.464(中国は三位で6.394)ですので、発言権はもともと大きいはずですが、チャイナプラスワンの新たな有力候補として世界が注目するミヤンマーへの国際的支援策を日本が主導できたことは意義深い話です。大半の債権を放棄し、更に世銀などに対するミャンマーの借金を肩代わりするなどの大盤振る舞いに裏打ちされた主導ではありますが。

 ただ、風に乗り遅れまいと焦るのは禁物の様です。
 親日的で目上の人を敬う国民性は、親しみがありますが、仏教徒が多く価値観が似ていると言うのは間違いで、同じ仏教でも、上座部仏教という仏が法律より上位にあり、現世は仮の姿との認識があり、価値観は異なっているのだそうです。
 そういった価値観があり、仕事より仏に近いことに携わりたいとか、仕事をしなくて済むのならそうしたいといった意識があり、与えられたことは規律正しく達成するのだが、ある日突然退社してしまうといったリスクもあるのだそうです。
 とは言え、目上の人を敬う国民性は、過日の「報道2001」の特集によれば、ある衣料メーカーの従業員が、日本企業は丁寧に仕事を教えてくれるので、他国の企業と比べて賃金が高いとは言えないし厳しいが働き甲斐があると日本企業を評価していた様に、教育し甲斐がある素養の労働力に期待が出来るのだそうです。
 ただし、賃金の上昇は近隣の国々と同様に上昇傾向で、安い賃金を期待して進出しようとすると、失敗することになるようです。
 「報道2001」の特集でも紹介されていた、ミヤンマーで成功している、マニーと言う日本企業へのインタビュー記事が、ミヤンマーの現状をつぶさに紹介しています。
 
良い意味で現地リスクを“割り切る”こと ミャンマー進出を成功させたマニーの胆力(1)|ミャンマー その投資ブームは本物か|ダイヤモンド・オンライン
 僧侶に工場で講話をしてもらい、満月の日はお休み!? ミャンマー歴13年のマニーも苦労した現地従業員管理(2)|ミャンマー その投資ブームは本物か|ダイヤモンド・オンライン
 政治・経済分野に比べて進む労働者の“民主化” マニーが気を使う当局との絶妙な距離感(3)|ミャンマー その投資ブームは本物か|ダイヤモンド・オンライン
 突然賃金水準が50%上昇し、デモも発生! 民主化が進むと高まる工場運営の意外なリスク(4)|ミャンマー その投資ブームは本物か|ダイヤモンド・オンライン

 とは言え、チャイナプラスワン or 脱中国が迫られている日本企業にとっては、有望な新しいパートナー国であることには間違いありません。
 
 40億のアジアの人口の内の13億の中国市場。世界の工場になって今日の繁栄の基となった低賃金は崩れ始め、労働争議が活発化した今は、その人口の内需が注目されるのですが、少子高齢化が目前に迫り、政府の公共投資(財政負担)で支えられたGDP成長率も危険水域の7%代に低迷し始めています。
 尖閣を「核心的利益」と定義した海洋覇権拡大戦略を、尖閣国有化を契機に表面化させてきた中国のリスクは、拡大し長期化してきます。
 そのリスクを計算に入れても、13億の市場に投資するメリットがあるのか、残りの27億に共存共栄の活路を求めるのか、今、決断の時なのです。

 西欧諸国が中国投資を減らしている中、唯一投資を増やしてきた日本が方向転換することが、巡り巡って中国の財政悪化、軍備拡大抑止にもつながるのです。



 # 冒頭の画像は、城島財務相から赤い羽根をもらい、笑顔のラガルドIMF専務理事





  この花の名前は、ミヤマオダマキ   撮影場所; 六甲高山植物園


↓よろしかったら、お願いします。





Fotolia


続 中国の海洋戦略



 

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