遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米国に、G2を迫る中国も、COPでは途上国の立ち位置

2015-12-01 23:58:58 | 中国 全般
 テロの暴挙があったパリで、195カ国が参加した「COP21」が開催されています。
 先進国に多くの削減を嫁した従来の活動を、参加国すべてが削減に参加する様転換を図ることを目指すということですが、どうなるのか注目されていますね。
 米国に、G2で世界を分かち合おうと持ち掛けている中国は、いまや世界1位のCO2排出国となっているのですが、会議では途上国の立場にたって途上国への支援を訴えています。
 見事な変身と論理の飛躍ですが、誰も咎めることがないのも不思議な話です。咎めてはいるけど、日本で報道されないだけなのでしょうか。
 

新興国の負担焦点 COP21 削減目標・資金支援 先進国と攻防 (12/1 読売朝刊 [スキャナー])

 国連の気候変動パリ会議(COP21)が30日、開幕した。2020年以降の地球温暖化対策について、すべての国が参加する初めての国際枠組みの採択を目指す
。だが経済成長を遂げた新興国の責任分担などを巡り、争点は多い。紛糾必至の会議は、合意にたどり着けるのか。(パリで、社会部 大野潤三)

■能力のある国
 「9月に途上国支援のための基金を設立したとすでに発表している」。この日、5番目に登壇した中国の
習近平シージンピン国家主席
は世界最大の排出国として、途上国支援を進めていることを強調した。
 しかし、同じ演説の中で
途上国グループの盟主として、先進国をけん制した。「先進国と途上国を区別した『共通だが差異ある責任』の原則は守られるべきだ」


 開幕前日の29日に始まった事務レベル交渉では、各国交渉官が手にしたパリ合意文書のたたき台に、
「そうする立場にある国」「その能力のある国」といった言葉が盛り込まれていた。
 経済規模が大きくなり、温室効果ガスを大量に排出している中国やインドなどの新興国が念頭にある。
先進国と途上国の二分論に不満を持つ米国、欧州連合(EU)、日本など先進国と途上国の攻防の中で、この言葉が加わった
。能力や意思のある新興国は今後、積極的に温室効果ガスの排出削減を行い、温暖化対策資金のない途上国を支援するべきだとの考えを表す。

■中印の立場
 
習氏は11月2日、オランド仏大統領との共同声明で、資金支援については先進国の負担を強調しながらも、「意思のある国による補完的な支援も奨励されるべきだ」と表明
した。世界最大の排出国である中国が、責任を分担する仕組みに向けて一歩踏み出したとの見方があった。
 しかし習氏のこの日の演説を聞いていた日本の環境NGOのメンバーは
「途上国の立場を強調するスタンスは変わっていない。今後の交渉は一筋縄ではいかない
だろう」と語った。
 また、
世界3位の排出国・インドの政府関係者も「国民の3割はいまだに電気のない暮らしを送っている。温室効果ガスを減らすのは大切だが、経済成長を犠牲にするわけにはいかない」と訴え、あくまでも資金支援を受ける「途上国」の立場を強調
する。
 
インドが国連に出した削減目標によると、30年までに総発電量の4割を二酸化炭素(CO2)を排出しない非化石エネルギーにする。その実現には「先進国の支援が前提」と明記
。インド政府関係者は「化石燃料依存型の経済発展からの脱却という新しい道を進むには資金が必要。我々は支援する側ではない」と説明する。

■落としどころ
 各国の自主削減目標を巡っても、先進国と途上国の間の「差」が議論になる。
 多くの途上国は「先進国による削減目標の達成には、強い法的拘束力を持たせるべきだ」と主張する。先進国側は、すべての国が参加する枠組みの意義を強調。米国は「自国が定めた目標を実行する、と一律に定めればよい」などと譲らない構えだ。オバマ大統領は演説で、「目標は我々により設定されるのだ」と語り、義務づけせずに実現できるとの考えを示唆した。
 目標や取り組みを公平に検証できる仕組みや、5年ごとに見直して目標を高めていく制度も争点で、
途上国側は先進国により厳しい努力を求める
とみられる。
 
日本政府幹部は「CO2を大量に出して近代化を成し遂げた先進国と、近代化を目指す途上の途上国の責任に濃淡があるのは認める。しかし、その濃淡は少ない方が温暖化抑止につながる
」と指摘する。
 各国が歩み寄れる点を探る交渉が続く。

日本 支援に軸足「苦肉の策」
 
日本は2011年の東日本大震災後、原子力発電所の停止に伴う火力発電の増加で、CO2排出量が大幅に増えた。温室効果ガスの削減で大胆な目標を設定するだけの余裕はない。安倍首相が今回のCOP21で、資金援助や、日本が得意とする温暖化防止技術の支援を選んだ
のは「苦肉の策」(外務省幹部)とも言える。
 そんな状況でも、首相は枠組み合意の形成を主導しつつ、日本の国連安全保障理事会常任理事国入りに途上国の協力も取り付ける「一石二鳥」を狙った。

「年間約1・3兆円(約106億ドル)」
 首相は11月26日、首相官邸で開かれた会議で、途上国への援助目標を明らかにした。各国首脳が国際会議で資金拠出を表明する場合、金額は直前まで内密にするのが通例だ。しかし、首相はあえて発表を早めた。政府高官は「交渉をリードする姿勢を内外に示すためだった」と明かす。
 09年のCOP15では、20年までに先進国で官民合わせ年1000億ドルの支援を行うと約束されたが、14年は約618億ドルにとどまった。日本の積み増しにより、独仏も合わせると年1000億ドルにメドがつき、先進国は面目を保った格好だ。
 一方、途上国各国は、日本が目指す国連安保理改革を巡る投票で「1票」を握る重要な存在だ。
 首相は9月の国連総会などでも途上国へ地道に働きかけてきた。30日には太平洋島嶼とうしょ国のパラオの首脳らと会場で立ち話をし、地球温暖化対策への支援を猛アピールした。   (パリで 政治部 田島大志)

 原発の稼働への国内世論が割れる日本では、火力発電が増加しCO2排出量が増えてしまった状況です。
 オイルショック以降、脱化石燃料依存を進めた日本は、元々CO2排出策が進んでいて、削減の余地は少ないのです。
 そうした、削減策実施が進んでいる国、削減策を実施する余地が大きく残っている途上国、まだ発展途上にあり、削減に取り組めない国々があり、そのなかでどう削減を進めるのか。それぞれの国の経済成長にかかわる国益のぶつかり合いでもあり、どうまとめるかは知恵の出しあいが必要ですね。

 事務局がたたき台に出してきた、従来の先進国と途上国の二分論から、「そうする立場にある国」「その能力のある国」といった新たな概念は、従来の対立の構図を崩すもので、納得できます。
 納得できないのは、今や経済大国となり、覇権拡大の為に軍拡に多大な費用をつぎ込み、札束外交で中華の国に従わせる政策を推進する中国が、ここでは途上国側の立ち位置を堅持していることです。
 世界一のCO2排出国になった現在、国内の大気汚染は危険なレベルに達しているのですから、COP云々ではなく、国民の安全の為に、削減を急がねばならないはずです。
 
中国北部の大気汚染、危険レベルに PM2.5が基準の22倍 : AFPBB News
 
 この非常識な国が、堂々と非常識を主張してまかり通っている現状。
 お金欲しさに、その非常識と裏に持つ中華の国の復活の野望に目を瞑る国々が多いからですが、このままでは、かつてのナチスの暴走の事態を招きかねません。
 多くの国、特に欧州の国々の覚醒を求めます。



 # 冒頭の画像は、中国ハルピンの危険な大気汚染状況
  中国のPM2.5が激ヤバ!史上最悪「オレンジ警報」発令!人類の居住に適さないレベルとか大丈夫かよ・・・


↓よろしかったら、お願いします。






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