米国務省 米国内の慰安婦像などの設置活動をけん制

　連日の慰安婦問題のアップで恐縮です。はやくもご破算の匂いがしてきたと昨日アップさせていた様に、混とんとしている現状。続報がポロポロ出て来ていますので、注目しています。
　中国の覇権拡大に対し、日米韓の連携を強めたい米国は、日韓の歴史認識での対立解決を促してきました。最近は米政府が水面下で韓国側に慰安婦問題の妥結を目指すよう注文を付ける場面が増えていたとの報道があり、韓国に圧力をかけていたことが、朴槿恵が合意に向けた姿勢に転じた一因であったことは諸兄がご承知の通りです。
　慰安婦像等の撤去について、韓国の日本大使館前に不法に設置されているものについては、その撤去または移転が日本の10億円の拠出の条件とされていることが明らかになってきましたが、米国を中心としたその他の国々での展開には、合意への反発や、合意に相乗りした賠償請求の拡大が報じられていて、日本政府としては手をこまねいている状況でした。
　が、米国内での活動について、米国務省が沈静化に向けたけん制発言を公表していただいたとのことです。読売と産経の記事を、大筋は同じですが、少しニュアンスが異なるので、備忘録がてら転載させていただきます。
　

米、韓国系に自制求める　「慰安婦」合意「履行支持を」　（12/31　読売朝刊）

　【ワシントン＝尾関航也】米国務省のトナー副報道官は29日の定例記者会見で、慰安婦問題を巡る日韓合意に関して「この合意の成功には市民社会の支持が欠かせない」と述べ、米国内の民間活動団体(NGO)などに慰安婦問題の最終解決へ向けた支持を呼び掛けた。韓国系市民団体が全米各地で慰安婦像の設置を進めていることを念頭に、活動の自制を求めたものだ。
　トナー氏は「米国内を含めて、当事者以外も、この合意とその完全な履行を支持してほしい。それが治癒と和解を促す重要な意思表示になると信じている」とも述べ、日韓の関係改善へ向けて合意の着実な履行を望む立場を強調した。
　米国では2007年に下院が慰安婦問題で日本に公式謝罪を求める決議案を採択、その後、慰安婦像の設置など韓国系市民団体の活動がさらに活発化した。

　

「慰安婦」合意　米、韓国系に「支持」促す　（12/31 産経 【水平垂直】）

■反日改善　加州などを牽制
　日韓両政府が慰安婦問題の最終的な解決で合意したことを受け、米国政府は今回の合意に反発している一部の在米韓国系団体に対し、融和に向けて自制を促すメッセージを発信した。一方、元慰安婦が存在するとされるアジアの他地域では、韓国と同様に謝罪や支援などの対応を日本政府に求める声も出ている。

　【ワシントン＝青木伸行】米国務省のトナー副報道官は２９日の記者会見で、慰安婦をめぐる日韓合意を受け、慰安婦像の設置などを推進する米国内の韓国系団体に対し「合意と完全な履行を支持するよう望む。それは融和を促進する重要な行為であり、合意の成功には市民社会の支持が極めて重要だ」と述べ、自制を強く促した。
　米政府は日韓両政府に慰安婦問題をはじめとする歴史問題の解決を強く促し、こうした米側の“圧力”も日韓の合意に結びついたと認識している。しかし、米国ではカリフォルニア、バージニア、ニュージャージーの各州などで韓国系団体が、慰安婦碑・像の設置活動を活発化させてきた。
　さらに、公立学校の教科書に「日本海」と「東海」を併記する法律を成立させたり、公立高校のカリキュラムに慰安婦問題を盛り込む動きをみせたりするなどし、米国はいわば、海外における歴史問題の“主戦場”と化している。
　こうした事態を米政府も常々、憂慮し「状況を改善するためには、源（日韓両政府）の関係改善が先決だ」（政府筋）としてきた。慰安婦問題などの解決を日韓に促してきた理由の一つも、そこにある。
　米政府としては、合意を契機に活動の沈静化を図りたい考えだ。だが、「カリフォルニア州韓国系米国人フォーラム（ＫＡＦＣ）」が、早々と合意を非難し、慰安婦像などの設置活動を続ける方針を示しており、国務省も牽制（けんせい）した格好だ。

　慰安婦問題は、日韓の間での国際条約で決着していた問題を、韓国が蒸し返し、朴槿恵政権になり告げ口外交を展開し、中国系の抗日連合会の支援もあり米国を中心に慰安婦碑や像の設置が活発化したものです。
　韓国と中国の反日プロパガンダに、第三国を巻き込むなと、カリフォルニア州・ブエナパーク市や、豪・ストラスフィールド市の先送りや否決されるケースが生じ始めていましたが、中国系の抗日連合会が表に立つことで、サンフランシスコ市では再び盛り返していました。
　サンフランシスコ市議会、慰安婦像設置案を採択 - 遊爺雑記帳

　そこで、かねて日韓に解決を迫っていた米・国務省がけん制をしていただいたのですね。
　ニューヨーク州の韓国系団体「韓米公共政策委員会」は、今回の合意を評価し、今後は同問題をめぐる政治的な活動をやめる意向を表明したのだそうです。
　

「慰安婦」合意　ＮＹでは政治活動中止を表明　（12/31 【水平垂直】）

　米東部で慰安婦の碑の建立などに携わってきた韓国系団体「韓米公共政策委員会」（ニューヨーク州）のイ・チョルウ会長は２９日、日韓両政府が慰安婦問題の決着で合意したことを評価し、今後は同問題をめぐる政治的な活動をやめる意向を表明した。共同通信の電話取材に答えた。
　イ会長は「歴史的合意を喜んでいる。今こそ両国が抱擁を交わし、（関係改善に）共に取り組むべき時だ」と強調。今後は碑の建立などの政治的活動でなく、現代絵画の展示会や音楽祭を日韓で共催するなど文化交流を推進する考えを示した。合意をめぐっては、「カリフォルニア州韓国系米国人フォーラム」が非難しており、賛否が分かれた格好だ。（ニューヨーク　共同）

　まだまだ混沌としている、今回の合意に伴う展開。
　しばらくは、目が離せませんね。


　# 冒頭の画像は、米・国務省　トナー副報道官




　　この花の名前は、パンジー


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