トランプ大統領のアジア5ヵ国歴訪は、最終の予定の「EAS」への出席はなく帰国しました。
米国の貿易赤字対策と北朝鮮対応協議が目的の歴訪や会議出席。ご本人の評価は、帰国してから表明するとのことです。各方面からの評価もこれから出てくるのでしょうが、現時点での遊爺の感想は、中国・習近平の圧勝です。
表に公表・報道されている範囲での評価ですが、最初の日韓を歴訪したあたりまでは、軍備のセールスを公表したり、日米同盟の絆の強さを広くアピールしたり、韓国の対北制裁の国際強力への姿勢批難の態度を示したりと、トランプ大統領のペースでした。
ところが、今回の歴訪の大本命の中国訪問で、先行訪問していた、ロス米商務長官と企業団が契約または契約予定した商談、2500億ドル(約28兆4000億円)の成果を聞いたせいか、故宮で綿密な中国インテリジェンスの調査にもとづいた接待にはめられたのか、高齢で疲れて体力・気力を消耗したのか、すっかり主導権を習近平に奪われてしまったと感じたのは、遊爺だけでしょうか。
「中国の貿易赤字は中国の責任ではなく、米国の歴代政権に原因がある」、更には「金正恩とは友達になれる」など、訪日当初とは、180度反対の方向を向いた発言が飛び出しましたのには、驚くというより、あきれました。
「EAS」はパス(元々日程が長くなりすぎるので、パスしかったとの報道もあり)しましたので、最後ととなった「ASEAN」の会合では、アジア重視の姿勢を示し、訪日時に安倍首相との会談成果の中で謳った「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱したのですが、中国・習近平への牽制・対抗軸との期待に沿えるまでの説得力に欠け、不評をかった様ですね。
南シナ海の行動規範については、ASEANで何年話し合いがつづいてきたのでしょう。ベトナム等が求める法的拘束力についても一向に進展しません。主因は、中国の札束外交による、ASEAN分断政策のなせる業とは、諸兄がご承知の通りです。
今回もその流れは変わらず、ただ時間が経過し、その間に、人口島の軍事基地化は進み、中国の実効支配化が進んでいます。
今回のトランプ大統領の歴訪中に、トランプ大統領が、南シナ海の中国の仲裁裁判所の裁定を無視し続けて行動する態度への突っ込んだ発言を、遊爺は聴いていません。
中国訪問で籠絡された感のあるトランプ大統領に、ASEAN諸国も失望している様ですね。
ASEAN諸国の、覇権を拡大する中国への牽制の期待に沿うどころか、「米国第一」主義をASEANとの関係でも押し通す様な姿勢も垣間見られ、信頼を失ってさえいると。
勿論、表に出てこない裏での交渉もあったことと推察します。トランプ大統領自身は、「すさまじく成功した旅」とアピールしておられますが、日韓を含め、中国で貰ったお土産で、貿易赤字の戦利品を獲たことなのでしょうか。スポット的なお土産で米国民にアピールして、貿易不均衡の構造は変化すると国民の支持率が上昇するのでしょうか。
帰国後のコメントと、それに対する世界の反応に注目ですね。
トランプ氏:5カ国歴訪を終了「すさまじく成功した旅」 - 毎日新聞
# 冒頭の画像は、ASEAN会議で記念撮影に臨んだ、トランプ大統領やドゥテルテ大統領等
この花の名前は、セイヨウアブラナ
↓よろしかったら、お願いします。
米国の貿易赤字対策と北朝鮮対応協議が目的の歴訪や会議出席。ご本人の評価は、帰国してから表明するとのことです。各方面からの評価もこれから出てくるのでしょうが、現時点での遊爺の感想は、中国・習近平の圧勝です。
表に公表・報道されている範囲での評価ですが、最初の日韓を歴訪したあたりまでは、軍備のセールスを公表したり、日米同盟の絆の強さを広くアピールしたり、韓国の対北制裁の国際強力への姿勢批難の態度を示したりと、トランプ大統領のペースでした。
ところが、今回の歴訪の大本命の中国訪問で、先行訪問していた、ロス米商務長官と企業団が契約または契約予定した商談、2500億ドル(約28兆4000億円)の成果を聞いたせいか、故宮で綿密な中国インテリジェンスの調査にもとづいた接待にはめられたのか、高齢で疲れて体力・気力を消耗したのか、すっかり主導権を習近平に奪われてしまったと感じたのは、遊爺だけでしょうか。
「中国の貿易赤字は中国の責任ではなく、米国の歴代政権に原因がある」、更には「金正恩とは友達になれる」など、訪日当初とは、180度反対の方向を向いた発言が飛び出しましたのには、驚くというより、あきれました。
「EAS」はパス(元々日程が長くなりすぎるので、パスしかったとの報道もあり)しましたので、最後ととなった「ASEAN」の会合では、アジア重視の姿勢を示し、訪日時に安倍首相との会談成果の中で謳った「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱したのですが、中国・習近平への牽制・対抗軸との期待に沿えるまでの説得力に欠け、不評をかった様ですね。
中国、南シナ海主導権 ASEAN関連会議 「行動規範」協議合意 日米けん制友好演出 (11/14 読売朝刊)
【マニラ=中川孝之】中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は13日、マニラで首脳会議を開き、南シナ海での紛争防止に向けた「行動規範」について、条文策定の協議を始めることで合意した。中国の習近平政権には、南シナ海問題の当事者であるASEANとの協力を演出し、日米などの介入をけん制する狙いがある。
中国の李克強首相は、会議で「行動規範を早期に完成させ、南シナ海の平和の安定装置にしたい」と述べた。李氏は「中国の貨物輸送の大半は南シナ海を通過しており、中国はこの地域の平和と安定をどの国よりも望んでいる」とも強調した。議長国フィリピンのドゥテルテ大統領は、中国との協力を拡大したいと歓迎した。
今後の協議は、今年8月の中ASEANの外相会議で合意した行動規範の「枠組み」を基に進められる。
枠組みは非公表のままで、本紙が入手した文書によれば「航行の自由」など抽象的な目標が挙げられているだけだ。今回の首脳会議では、行動規範の完成時期や、ベトナムなどが求めている法的拘束力に関する合意がなく、協議の長期化が予想されている。協議が長引けば、中国が、南シナ海の軍事拠点化をさらに進展させる懸念もある。
中国は、フィリピンが提訴し、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が昨年7月に出した判決で、南シナ海での主権主張を全面否定され、国際社会の批判にさらされた。だが、その後の展開は完全な「中国ペース」で進んでいる。
中国は、同判決の直後から、行動規範の策定準備を主導し、ASEANが「反中」でまとまることを防いできた。10月末には、船舶の衝突を想定した過去最大規模の救助訓練をASEAN主要国と中国沖で行い、周到に協力関係を築いてきた。
フィリピンには巨額の経済支援を持ち掛けて、仲裁判決を「棚上げ」することで一致。今年に入って南シナ海の海底開発などを巡り、関係がぎくしゃくしたベトナムとも、習氏が12日のグエン・フー・チョン共産党書記長との会談で、南シナ海問題を「話し合いで解決する」ことで合意し、和解に持ち込む姿勢を打ち出した。
中国外務省に政策提言する専門家は本紙に、行動規範の協議について、「日米など外部勢力が協議内容に介入しないことと、ASEAN側が、仲裁裁判所判決を蒸し返さないことが重要だ」と主張した。一方で、外部からの介入を理由に、中国が協議を中断させかねないとの観測も出ている。
中国は、習政権1期目の過去5年間で、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で大規模な埋め立てと軍事拠点化を終え、「ミサイルや戦闘機を配備すればいつでも『基地化』できる状態」(軍事関係筋)にした。ロイター通信によると、最近もパラセル(西沙)諸島の計2か所で、中国による施設建設の動きが確認されている。
【マニラ=中川孝之】中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は13日、マニラで首脳会議を開き、南シナ海での紛争防止に向けた「行動規範」について、条文策定の協議を始めることで合意した。中国の習近平政権には、南シナ海問題の当事者であるASEANとの協力を演出し、日米などの介入をけん制する狙いがある。
中国の李克強首相は、会議で「行動規範を早期に完成させ、南シナ海の平和の安定装置にしたい」と述べた。李氏は「中国の貨物輸送の大半は南シナ海を通過しており、中国はこの地域の平和と安定をどの国よりも望んでいる」とも強調した。議長国フィリピンのドゥテルテ大統領は、中国との協力を拡大したいと歓迎した。
今後の協議は、今年8月の中ASEANの外相会議で合意した行動規範の「枠組み」を基に進められる。
枠組みは非公表のままで、本紙が入手した文書によれば「航行の自由」など抽象的な目標が挙げられているだけだ。今回の首脳会議では、行動規範の完成時期や、ベトナムなどが求めている法的拘束力に関する合意がなく、協議の長期化が予想されている。協議が長引けば、中国が、南シナ海の軍事拠点化をさらに進展させる懸念もある。
中国は、フィリピンが提訴し、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が昨年7月に出した判決で、南シナ海での主権主張を全面否定され、国際社会の批判にさらされた。だが、その後の展開は完全な「中国ペース」で進んでいる。
中国は、同判決の直後から、行動規範の策定準備を主導し、ASEANが「反中」でまとまることを防いできた。10月末には、船舶の衝突を想定した過去最大規模の救助訓練をASEAN主要国と中国沖で行い、周到に協力関係を築いてきた。
フィリピンには巨額の経済支援を持ち掛けて、仲裁判決を「棚上げ」することで一致。今年に入って南シナ海の海底開発などを巡り、関係がぎくしゃくしたベトナムとも、習氏が12日のグエン・フー・チョン共産党書記長との会談で、南シナ海問題を「話し合いで解決する」ことで合意し、和解に持ち込む姿勢を打ち出した。
中国外務省に政策提言する専門家は本紙に、行動規範の協議について、「日米など外部勢力が協議内容に介入しないことと、ASEAN側が、仲裁裁判所判決を蒸し返さないことが重要だ」と主張した。一方で、外部からの介入を理由に、中国が協議を中断させかねないとの観測も出ている。
中国は、習政権1期目の過去5年間で、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で大規模な埋め立てと軍事拠点化を終え、「ミサイルや戦闘機を配備すればいつでも『基地化』できる状態」(軍事関係筋)にした。ロイター通信によると、最近もパラセル(西沙)諸島の計2か所で、中国による施設建設の動きが確認されている。
南シナ海の行動規範については、ASEANで何年話し合いがつづいてきたのでしょう。ベトナム等が求める法的拘束力についても一向に進展しません。主因は、中国の札束外交による、ASEAN分断政策のなせる業とは、諸兄がご承知の通りです。
今回もその流れは変わらず、ただ時間が経過し、その間に、人口島の軍事基地化は進み、中国の実効支配化が進んでいます。
今回のトランプ大統領の歴訪中に、トランプ大統領が、南シナ海の中国の仲裁裁判所の裁定を無視し続けて行動する態度への突っ込んだ発言を、遊爺は聴いていません。
中国訪問で籠絡された感のあるトランプ大統領に、ASEAN諸国も失望している様ですね。
トランプ氏、具体像なく ASEANの信頼得られず (11/14 読売朝刊)
【マニラ=大木聖馬、大重真弓】マニラで13日に行われた米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議は、中国の影響力増大に不安を強めるASEAN諸国に対し、トランプ米大統領が何を訴えるのかが焦点だった。トランプ氏はASEANとの関係を重視する姿勢を打ち出したものの、地域諸国の信頼を勝ち取るには至っていない。
トランプ氏は会議の冒頭で「平和、安全保障を促進し、真に自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて協力するために私はここにいる」と力を込めた。
トランプ氏はこれまで明確なアジア太平洋戦略を打ち出してこなかった。今年1月の大統領就任後すぐに環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を表明したことも、ASEANの一部加盟国から不信を買った。
トランプ氏は今回の首脳会議で「自由で開かれたインド太平洋」を推進する方針を示した。その説明として「パートナーが強くなり、自立し、繁栄し、自分たちの運命を制御し、誰の取り巻きにもならない」ことを目指すとしたが、そうした将来へ向けて米国として具体的に何をするのかが明確になったとは言い難い。
トランプ氏は同時に「公正さと互恵に基づく経済協力関係を求める」と述べた。トランプ氏が大統領就任前から一貫して唱えてきた「米国第一」主義をASEANとの関係でも押し通すという意思表示ともとれる。
フィリピンの国際政治学者リチャード・ヘイダリアン氏は「今回、ASEANとの関係を重視する姿勢は見えたが、最大の疑問は、例えば南シナ海問題を巡り、何をしてくれるのかだ」と指摘した。
【マニラ=大木聖馬、大重真弓】マニラで13日に行われた米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議は、中国の影響力増大に不安を強めるASEAN諸国に対し、トランプ米大統領が何を訴えるのかが焦点だった。トランプ氏はASEANとの関係を重視する姿勢を打ち出したものの、地域諸国の信頼を勝ち取るには至っていない。
トランプ氏は会議の冒頭で「平和、安全保障を促進し、真に自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて協力するために私はここにいる」と力を込めた。
トランプ氏はこれまで明確なアジア太平洋戦略を打ち出してこなかった。今年1月の大統領就任後すぐに環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を表明したことも、ASEANの一部加盟国から不信を買った。
トランプ氏は今回の首脳会議で「自由で開かれたインド太平洋」を推進する方針を示した。その説明として「パートナーが強くなり、自立し、繁栄し、自分たちの運命を制御し、誰の取り巻きにもならない」ことを目指すとしたが、そうした将来へ向けて米国として具体的に何をするのかが明確になったとは言い難い。
トランプ氏は同時に「公正さと互恵に基づく経済協力関係を求める」と述べた。トランプ氏が大統領就任前から一貫して唱えてきた「米国第一」主義をASEANとの関係でも押し通すという意思表示ともとれる。
フィリピンの国際政治学者リチャード・ヘイダリアン氏は「今回、ASEANとの関係を重視する姿勢は見えたが、最大の疑問は、例えば南シナ海問題を巡り、何をしてくれるのかだ」と指摘した。
ASEAN諸国の、覇権を拡大する中国への牽制の期待に沿うどころか、「米国第一」主義をASEANとの関係でも押し通す様な姿勢も垣間見られ、信頼を失ってさえいると。
勿論、表に出てこない裏での交渉もあったことと推察します。トランプ大統領自身は、「すさまじく成功した旅」とアピールしておられますが、日韓を含め、中国で貰ったお土産で、貿易赤字の戦利品を獲たことなのでしょうか。スポット的なお土産で米国民にアピールして、貿易不均衡の構造は変化すると国民の支持率が上昇するのでしょうか。
帰国後のコメントと、それに対する世界の反応に注目ですね。
トランプ氏:5カ国歴訪を終了「すさまじく成功した旅」 - 毎日新聞
# 冒頭の画像は、ASEAN会議で記念撮影に臨んだ、トランプ大統領やドゥテルテ大統領等
この花の名前は、セイヨウアブラナ
↓よろしかったら、お願いします。