バイデン大統領と文在寅大統領の会談が、21日に実施されました。
同盟国との関係強化を急いでいるバイデン大統領の姿勢から、発表された共同声明で台湾問題に触れるなど過去になく「対中シフト」がにじむ内容となったのだそうです。
21日の会談前、ホワイトハウスでバイデン氏と文氏が出席したのは、朝鮮戦争で人海戦術を繰り広げる中国義勇軍の猛攻に対して勇敢に戦った元米兵への名誉勲章の授与式。
米韓が敵である中国側の攻撃に対して共に戦った同盟国であることを韓国側に想起させる目的があるのは明らかだったと日経。
会談後に出された共同声明には中国を意識した文言が並び、「両首脳は台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を強調する」と明記。台湾問題を米韓の共同声明に盛り込むのは異例なことなのだそうです。
4月の日米首脳会談の共同声明でも、異例の台湾問題への言及がなされ、菅首相は対応の強化を約束しました。(具体策は未明ですね。)
バイデン、文両大統領会談の共同声明でも、「ルールに基づく国際秩序を脅かし、不安定にするあらゆる行動に反対する」とも言及。中国が勢力圏拡大を目指す南シナ海情勢を念頭に、航行の自由の尊重をうたっています。
また、中国に対する日米豪印の4カ国連携の枠組みである「Quad(クアッド)」についても「重要性を認識する」との文言を盛り込んだのだそうです。
韓国側は会談に合わせて韓国企業による4兆円の対米投資計画のおみやげを発表。
バイデン氏は記者会見の冒頭、「韓国企業の投資は雇用を生み、半導体や電池分野の供給網を強くする。深く感謝する」と列席したサムスン電子やSKグループなど韓国企業首脳に謝意を伝えるとともに、「私たちは外交を通じて北朝鮮に関与していく」と明言したのだそうです。
対中諸策最優先のバイデン政権は、北朝鮮に関しては現状維持で静観と言われていますが、お土産にはリップサービス?
南北朝鮮融和が一丁目一番地の文在寅政権。金正恩氏とトランプ氏との会談実現の仲介をしましたが、両方から信用を失う結果となっていたことは諸兄がご承知の通りです。
また、経済で依存する中国との関係悪化への懸念もあり、文政権は米中対立において中立的な外交を模索するに至っていたと日経。
というより、対北支援や、失政に伴う韓国経済の落ち込み回復が大命題の文政権は、対中接近姿勢といえる現状ですね。
今回の会談は、こうした米韓のわだかまりを解消し、対中シフトに向けた同盟関係の仕切り直しを図った形となったと日経。それは、韓国側の希望的見解?
バイデン政権内では韓国がクアッド参加に消極的なことへの不満がくすぶっているのだそうで、韓国側の米側への新型コロナワクチン支援要請に対しては、会談では大規模な供給策は打ち出されず、バイデン氏も記者会見で「米軍と密接に協力する55万人の韓国軍にワクチンを供給する用意がある」と述べるにとどめたのだそうです。
レームダック化が顕著な文在寅氏。今回の訪米で支持率回復を期していたのはみえみえでしたが、そのあせりかどうか、情報の混乱が生じていますね。
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真相はどうなのでしょう。残り 1年を待たず退任する文在寅氏。混迷が続きそうですね。
# 冒頭の画像は、ホワイトハウスでのバイデン大統領と文在寅大統領
この花の名前は、ミヤマキンバイ
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同盟国との関係強化を急いでいるバイデン大統領の姿勢から、発表された共同声明で台湾問題に触れるなど過去になく「対中シフト」がにじむ内容となったのだそうです。
米、対中シフトへ韓国引き込み 首脳共同声明で台湾言及: 日本経済新聞 2021年5月22日
【ワシントン=永沢毅、ソウル=恩地洋介】バイデン米大統領が同盟国との関係強化を急いでいる。「重大な競争相手」と位置づける中国に対抗するためで、4月に菅義偉首相と会ったのに続き21日には韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談。安全保障や経済面での連携強化を申し合わせた。発表された共同声明も台湾問題に触れるなど過去になく「対中シフト」がにじむ内容となった。
21日の会談前、ホワイトハウスでバイデン氏と文氏が出席したのは、朝鮮戦争で人海戦術を繰り広げる中国義勇軍の猛攻に対して勇敢に戦った元米兵への名誉勲章の授与式だった。式典には米韓が敵である中国側の攻撃に対して共に戦った同盟国であることを韓国側に想起させる目的があるのは明らかだった。
実際、会談後に出された共同声明には中国を意識した文言が並んだ。直接の名指しを避けながらも「両首脳は台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を強調する」と明記した。台湾問題を米韓の共同声明に盛り込むのは異例。中国は4月の日米首脳会談の共同声明に盛られた同様の文言に対して猛反発した経緯がある。
声明は「ルールに基づく国際秩序を脅かし、不安定にするあらゆる行動に反対する」とも言及。中国が勢力圏拡大を目指す南シナ海情勢を念頭に、航行の自由の尊重をうたった。中国に対する日米豪印の4カ国連携の枠組みである「Quad(クアッド)」についても「重要性を認識する」との文言を盛り込んだ。
韓国側は会談に合わせて韓国企業による4兆円の対米投資計画を発表。バイデン政権が目指す半導体などのサプライチェーン(供給網)での中国依存の脱却を支援する形となった。「韓国企業の投資は雇用を生み、半導体や電池分野の供給網を強くする。深く感謝する」。バイデン氏は記者会見の冒頭、列席したサムスン電子やSKグループなど韓国企業首脳に謝意を伝えた。
バイデン氏にとって対中政策よりも優先度が低い北朝鮮問題では、北朝鮮との対話路線を提唱する韓国側の要望が幅広く反映された。文氏が事実上の「お土産」とした韓国企業の4兆円の対米投資の見返りとみる向きもある。声明には「南北協力へのバイデン大統領の支持」も明記された。
文氏はトランプ前政権から対朝制裁に抵触しかねない独自の南北協力を拒まれ、それを理由に北朝鮮からも強い圧力を受けてきた経緯がある。バイデン氏は記者会見で「私たちは外交を通じて北朝鮮に関与していく」と明言した。文氏は「南北関係を進展させ、米朝対話との好循環を実現させるため努力する」と語った。
米韓関係はトランプ前政権時に、在韓米軍の駐留経費の負担などを巡って不協和音が広がった。韓国国内では負担増額を求めるトランプ政権に対する世論の反発が強まった。経済で依存する中国との関係悪化への懸念もあり、文政権は米中対立において中立的な外交を模索するに至っていた。
米国も「対中戦略に韓国が十分に協力しないことに不満を募らせていた」(米韓関係に詳しい外交筋)。今回の会談は、こうした米韓のわだかまりを解消し、対中シフトに向けた同盟関係の仕切り直しを図った形となった。
ただ、バイデン政権内では韓国がクアッド参加に消極的なことへの不満がくすぶっている。新型コロナウイルスのワクチン接種が遅れている韓国側は米側にワクチン支援を求めているが、会談では大規模な供給策は打ち出されなかった。米政府はクアッド参加国への支援を優先する姿勢で、バイデン氏も記者会見で「米軍と密接に協力する55万人の韓国軍にワクチンを供給する用意がある」と述べるにとどめた。
【ワシントン=永沢毅、ソウル=恩地洋介】バイデン米大統領が同盟国との関係強化を急いでいる。「重大な競争相手」と位置づける中国に対抗するためで、4月に菅義偉首相と会ったのに続き21日には韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談。安全保障や経済面での連携強化を申し合わせた。発表された共同声明も台湾問題に触れるなど過去になく「対中シフト」がにじむ内容となった。
21日の会談前、ホワイトハウスでバイデン氏と文氏が出席したのは、朝鮮戦争で人海戦術を繰り広げる中国義勇軍の猛攻に対して勇敢に戦った元米兵への名誉勲章の授与式だった。式典には米韓が敵である中国側の攻撃に対して共に戦った同盟国であることを韓国側に想起させる目的があるのは明らかだった。
実際、会談後に出された共同声明には中国を意識した文言が並んだ。直接の名指しを避けながらも「両首脳は台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を強調する」と明記した。台湾問題を米韓の共同声明に盛り込むのは異例。中国は4月の日米首脳会談の共同声明に盛られた同様の文言に対して猛反発した経緯がある。
声明は「ルールに基づく国際秩序を脅かし、不安定にするあらゆる行動に反対する」とも言及。中国が勢力圏拡大を目指す南シナ海情勢を念頭に、航行の自由の尊重をうたった。中国に対する日米豪印の4カ国連携の枠組みである「Quad(クアッド)」についても「重要性を認識する」との文言を盛り込んだ。
韓国側は会談に合わせて韓国企業による4兆円の対米投資計画を発表。バイデン政権が目指す半導体などのサプライチェーン(供給網)での中国依存の脱却を支援する形となった。「韓国企業の投資は雇用を生み、半導体や電池分野の供給網を強くする。深く感謝する」。バイデン氏は記者会見の冒頭、列席したサムスン電子やSKグループなど韓国企業首脳に謝意を伝えた。
バイデン氏にとって対中政策よりも優先度が低い北朝鮮問題では、北朝鮮との対話路線を提唱する韓国側の要望が幅広く反映された。文氏が事実上の「お土産」とした韓国企業の4兆円の対米投資の見返りとみる向きもある。声明には「南北協力へのバイデン大統領の支持」も明記された。
文氏はトランプ前政権から対朝制裁に抵触しかねない独自の南北協力を拒まれ、それを理由に北朝鮮からも強い圧力を受けてきた経緯がある。バイデン氏は記者会見で「私たちは外交を通じて北朝鮮に関与していく」と明言した。文氏は「南北関係を進展させ、米朝対話との好循環を実現させるため努力する」と語った。
米韓関係はトランプ前政権時に、在韓米軍の駐留経費の負担などを巡って不協和音が広がった。韓国国内では負担増額を求めるトランプ政権に対する世論の反発が強まった。経済で依存する中国との関係悪化への懸念もあり、文政権は米中対立において中立的な外交を模索するに至っていた。
米国も「対中戦略に韓国が十分に協力しないことに不満を募らせていた」(米韓関係に詳しい外交筋)。今回の会談は、こうした米韓のわだかまりを解消し、対中シフトに向けた同盟関係の仕切り直しを図った形となった。
ただ、バイデン政権内では韓国がクアッド参加に消極的なことへの不満がくすぶっている。新型コロナウイルスのワクチン接種が遅れている韓国側は米側にワクチン支援を求めているが、会談では大規模な供給策は打ち出されなかった。米政府はクアッド参加国への支援を優先する姿勢で、バイデン氏も記者会見で「米軍と密接に協力する55万人の韓国軍にワクチンを供給する用意がある」と述べるにとどめた。
21日の会談前、ホワイトハウスでバイデン氏と文氏が出席したのは、朝鮮戦争で人海戦術を繰り広げる中国義勇軍の猛攻に対して勇敢に戦った元米兵への名誉勲章の授与式。
米韓が敵である中国側の攻撃に対して共に戦った同盟国であることを韓国側に想起させる目的があるのは明らかだったと日経。
会談後に出された共同声明には中国を意識した文言が並び、「両首脳は台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を強調する」と明記。台湾問題を米韓の共同声明に盛り込むのは異例なことなのだそうです。
4月の日米首脳会談の共同声明でも、異例の台湾問題への言及がなされ、菅首相は対応の強化を約束しました。(具体策は未明ですね。)
バイデン、文両大統領会談の共同声明でも、「ルールに基づく国際秩序を脅かし、不安定にするあらゆる行動に反対する」とも言及。中国が勢力圏拡大を目指す南シナ海情勢を念頭に、航行の自由の尊重をうたっています。
また、中国に対する日米豪印の4カ国連携の枠組みである「Quad(クアッド)」についても「重要性を認識する」との文言を盛り込んだのだそうです。
韓国側は会談に合わせて韓国企業による4兆円の対米投資計画のおみやげを発表。
バイデン氏は記者会見の冒頭、「韓国企業の投資は雇用を生み、半導体や電池分野の供給網を強くする。深く感謝する」と列席したサムスン電子やSKグループなど韓国企業首脳に謝意を伝えるとともに、「私たちは外交を通じて北朝鮮に関与していく」と明言したのだそうです。
対中諸策最優先のバイデン政権は、北朝鮮に関しては現状維持で静観と言われていますが、お土産にはリップサービス?
南北朝鮮融和が一丁目一番地の文在寅政権。金正恩氏とトランプ氏との会談実現の仲介をしましたが、両方から信用を失う結果となっていたことは諸兄がご承知の通りです。
また、経済で依存する中国との関係悪化への懸念もあり、文政権は米中対立において中立的な外交を模索するに至っていたと日経。
というより、対北支援や、失政に伴う韓国経済の落ち込み回復が大命題の文政権は、対中接近姿勢といえる現状ですね。
今回の会談は、こうした米韓のわだかまりを解消し、対中シフトに向けた同盟関係の仕切り直しを図った形となったと日経。それは、韓国側の希望的見解?
バイデン政権内では韓国がクアッド参加に消極的なことへの不満がくすぶっているのだそうで、韓国側の米側への新型コロナワクチン支援要請に対しては、会談では大規模な供給策は打ち出されず、バイデン氏も記者会見で「米軍と密接に協力する55万人の韓国軍にワクチンを供給する用意がある」と述べるにとどめたのだそうです。
レームダック化が顕著な文在寅氏。今回の訪米で支持率回復を期していたのはみえみえでしたが、そのあせりかどうか、情報の混乱が生じていますね。
米下院議長が文氏との会談で慰安婦決議をアピール 大統領府発表に混乱も - 産経ニュース
韓国政府が文大統領の発言取り消し 米下院議長との会談で - 産経ニュース
真相はどうなのでしょう。残り 1年を待たず退任する文在寅氏。混迷が続きそうですね。
# 冒頭の画像は、ホワイトハウスでのバイデン大統領と文在寅大統領
この花の名前は、ミヤマキンバイ
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