遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

【続】与那国町 自衛隊配備で3度目の町民判断

2015-02-23 23:20:01 | 日本を護ろう
 日本最西端の与那国島への陸上自衛隊「沿岸監視隊」配備についての住民の賛否を問うことが、3度目度目となる住民投票が22日に行われました。前回(町長選)は、47票の僅差であったことから、反対派により中高生や永住外国人にも投票権を与えるという異常な住民投票を行うことが議会で決まり、実施されてのでした。
 結果は、1回目の103票差をも上回る、187票差で賛成票が多数を占めました。与那国島の皆様の良識ある賢明な選択に、拍手と感謝を申し上げます。
 

与那国陸自配備 住民投票「賛成」 来年3月完了へ弾み (2/23 産経)

 
日本最西端の与那国島(沖縄県与那国町)への陸上自衛隊「沿岸監視隊」配備の賛否を問う住民投票が22日行われ、即日開票の結果、賛成が632票で反対の445票を上回った。陸自を誘致した外間守吉(ほかましゅきち)町長と防衛省にとって来年3月の部隊配備完了に向けて弾みがついた形だ。ただ、駐屯地予定地を縦断する町道の廃止などで町議会の議決を得ることが課題で、なお楽観はできない。 (半沢尚久)

 「非常に安堵(あんど)した。行政運営がスムーズにできる」
 外間氏は同日夜、そう記者団に述べた。住民投票に法的拘束力はないが、反対票が上回れば配備反対派が勢いづき、配備完了の障害となりかねなかっただけに胸をなでおろした。
 住民投票は
僅差が予想されたが、187票の差がついた
。平成21年と25年の町長選で外間氏はそれぞれ103票差、47票差で反対派を破っており「103票以上の大差をつけ、決着をつける」(与党町議)との賛成派の訴えが浸透した。
 すでに駐屯地予定地では工事が進んでいる。
今さら配備計画を中断させることは非現実的だとの認識が町民に広がっていることも大差につながった一因
だ。
 住民投票は1284人に投票資格があり、選挙権のない中学生41人や永住外国人5人にも資格が与えられた。
自治体が政府の専権事項である安全保障問題で住民投票を行い、外国人にも投票権を与えたことは「憲法違反」と指摘
される。
 ただ、
85・74%という投票率と大差を踏まえれば、賛成派が積極的に投票所へ足を運んだことは明らかだ。逆に、配備に反対する野党町議が中学生や外国人に投票資格を与えるよう主導したことは、町民の反発を買った
といえる。
 沿岸監視隊配備は中国の脅威をにらんだ措置。同時に町の人口減と高齢化が進む中、「160人の陸自隊員と家族を迎えるしか活性化の方策はない」(自営業者)のも実情で、町民は合理的な判断を示した。
 
今後は駐屯地整備に伴う町道廃止と水道引き込みで町議会の議決を得られるかが焦点
だ。昨年9月の町議会でそれらの議案は否決されており、議決がないと駐屯地整備に支障が生じる。
 町幹部は「住民投票で町民のお墨付きをもらい、来月の町議会で議案に賛成するよう野党を説得する切り札になる」と指摘する。
 
町議会は与野党が3対3の同数で、与党議員が議長に選ばれ、採決では野党が多数を占める
が、野党議員の1人は住民投票で賛成票が上回ったことで配備容認に転じる可能性があるという。1人が転じれば議決を得られる見通しが立つ。
 仮に議決が得られなければ、外間氏は首長の伝家の宝刀とされる「専決処分」も視野に入れざるを得ない。専決処分は議決を経ないで首長が議案を処理するものだ。
 廃止すべき町道は駐屯地予定地の中心を縦断しているため「廃止できなければ春には工事に影響が出る」(政府高官)とされ、政府内には早期の専決処分を求める声もある。

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【用語解説】 沿岸監視隊 領海や領空の境界近くに配置し、地上レーダーで数十キロ先までの海・空域を警戒する。与那国町への配備は南西諸島の防衛力強化の一環で、航空自衛隊の移動式レーダーも必要に応じて展開。昨年4月から駐屯地などの施設整備を進めている。


 何故3回も同じテーマを争点に選挙が繰り返されるのか、それも町長の主張に沿った結果がでているのにと不思議でした。しかも今回は、前回の町長選の僅差から、危うくばと、中高生や外国人にも選挙権を与える暴挙。
 答えは、町会議員が6人で、与野党が3人づつ。(2014年9月の町議会議員選挙で、自民4名、無所属2名から、自民3名、無所属3名に変わった。)与党が議長になって、与党議員が2人で野党議員が3人。なので野党に議決力がある...。議員選挙では与野党同数なのに、与党が少数派に陥落。これって仕組みがおかしいでしょう。せめて多数派が議長を出しても、議員数が同数になり議長裁決で決まる様、議員定数は、5人か7人にしておくべきでしょう。
 民意は、議員数は与野党同数で、町長は自衛隊誘致の外間町長が選出されたのですから、結論は自衛隊誘致なのです。それが、議会の構成の仕組みがおかしいので、与野党逆転現象が生じていたのですね。
 そのために、野党が目論んだ異常な住民選挙は、記事の言う様に賛成派が積極的に投票所へ足を運んでいただいたことで、野党の野望は大差での敗北となったのでした。与那国町の町民の方々の賢明なご判定が下されたのでした。
 課題として残っている町道の廃止などで町議会の議決が得られるか、議長を除くと与党議員が2人で野党議員が3人の構成の議会での今後の動向が注目されます。

 今回の住民投票の異常さについては、読売でも指摘されています。
 

与那国 住民投票 陸自配備 賛成過半数 推進派の町長「安堵」 (2/23 読売朝刊)

<前略>
抑止力強化に追い風 南西諸島
 政府が与那国島への陸上自衛隊配備計画を進めるのは、海洋進出の動きを活発化させる中国を念頭に、南西諸島の防衛態勢を強化するのが狙いだ。住民投票で賛成票が過半数を得たことを追い風に、政府は日本全体の安全保障の観点からも、計画を着実に進める構えだ。中谷防衛相は22日夜、「部隊配備は国土、国民を守り、地域の平和と安全、災害対応などのためにも極めて重要だ。地域のご協力をお願いしたい」とコメントした。
 
沖縄本島から与那国島までの約500キロ・メートルは、陸自部隊が配備されていない「空白域」になっており、防衛省幹部は「日本最西端に位置する島に、自衛隊が存在することが一番の抑止力になる
」と強調する。与那国島に配属される部隊の主な任務は、付近を通る艦船や航空機の監視だ。
 南西諸島近海など日本周辺では近年、中国軍の活発な動きが目立っている。2012年10月には、与那国島と、西表島に近い仲ノ神島の間の海域を、中国軍艦7隻が初めて北進したことが確認された。14年版防衛白書は、「中国海軍の艦艇部隊による太平洋への進出回数は近年増加傾向にある」と指摘し、「進出の常態化」への懸念を示している。
 与那国島には警察官2人が駐在しているが、住民からはかねて、「
拳銃2丁で国境の島が守れるのか」と不安の声も上がっていた。与那国島の北、約150キロに位置する尖閣諸島の周辺では、中国公船による領海侵入が断続的に続く。政府関係者は「アジアの安全保障環境が変化する中、自衛隊の配備は緊急時への備えにもなる
」と強調する。

国家的課題の是非 住民投票なじまず
 今回の住民投票を巡っては、
国の存立に直結する国防政策について、一自治体の住民の判断を問うことへの問題点
も指摘された。
 住民投票は、市町村合併など、基本的に影響が地域に限定される課題については意味がある。今月15日に埼玉県所沢市で行われた、小中学校へのエアコン設置の是非を問う住民投票が好例だ。自治体内で「自己完結」するテーマだからで、与那国島のケースとは本質的に異なる。
 与那国島の住民投票で、仮に反対票が過半数を得ていたら、どうなっただろうか。投票結果に法的拘束力はないとはいえ、部隊配備の時期や関連施設の整備などに影響が出る可能性もあった。それが国益を損なう事態につながれば、日本社会全体に禍根を残しかねない。
 同じことは、原子力発電所の再稼働を住民投票で決めようという動きについても言える。安全保障やエネルギーなど国家的な課題は、住民投票になじまないことを再確認する必要がある。(政治部 白石洋一)


 2012年12月に、中国国家海洋局所属の多用途小型プロペラ機Y12が領空に侵入する事件があったことは、諸兄のご記憶にあることと存じます。
 
 日本の最西端のレーダーサイトは宮古島にありますが、先島諸島にはレーダーの盲点が存在することは以前から指摘されていました。そこを突かれたのでしたね。
 
中国、領空侵犯で尖閣強奪の予行演習 低高度、低速で日本の盲点突く やまと新聞

 頻度を増している海軍艦船の航行も併せ、こうした中国の攻勢への抑止力として、レーダーの盲点をなくし、監視能力を高めることは、喫緊の課題で、ようやく実行に移されたのが与那国への自衛隊「沿岸監視隊」配備なのです。日本の安全保障に欠かせない配備です。

 今回は、賢明な与那国町の方々により、事なきを得ましたが、国家の安全保障に係る案件を、住民投票で計ってよいのか。投票に、選挙権のない永住外国人や中高生を参加させても違憲ではないのか。異常な今回の住民投票が、悪例の実績として残してよいのかの検証も、このまま放置しないでなされることを願います。
 与那国住民投票「安全保障に関与、違憲疑い」 中央大・長尾一紘名誉教授 (産経新聞) - Yahoo!ニュース



 # 冒頭の画像は、領空侵犯に成功した中国国家海洋局所属の小型プロペラ機「Y12」




  ワレモコウ


2月22日は、竹島の日でした。

 1953年6月、島根県が竹島に建てた日本の領土であることを示す標柱

竹島に関する動画 / 政府広報 - YouTube

杉原由美子氏による絵本「メチのいた島」読み聞かせ - YouTube

尖閣諸島に関する動画 / 政府広報 - YouTube

日本の国境 - ASIANEWS Inc., Tokyo Japan


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Fotolia


日本は国境を守れるか (プレイブックス・インテリジェンス)
竹島は日韓どちらのものか
尖閣諸島灯台物語






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1 コメント

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課題の町道対策 前進か (遊爺)
2015-02-25 11:30:26
自己レスで恐縮です。

>駐屯地予定地を縦断する町道の廃止などで町議会の議決を得ることが課題で、なお楽観はできない。

 外間町長は、2段階の処置を経て解決を図られるとのことです。
 http://www.sankei.com/politics/news/150225/plt1502250009-n1.html
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