遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

軍高官の腐敗摘発、狙いは台湾侵攻へ引き締め

2023-10-03 01:23:56 | 台湾海峡危機
 戦略ミサイル部隊「ロケット軍」の司令官が更迭され、李尚福(り・しょうふく)国防相も公の場から姿を消して1カ月以上がたちました。いずれも汚職摘発機関の調査を受けていると報じられました。権力基盤を固めた習近平国家主席によって引き上げられた軍高官たちが今、摘発されているのはなぜでしょうか。
 産経新聞・西見由章編集委員が、石平氏に取材されています。
 
【教えて!石平先生】軍高官の腐敗摘発、狙いは台湾侵攻へ引き締め - 産経ニュース 2023/10/2 編集委員 西見 由章

 読者からの声をもとに、評論家の石平さんに中国に関する質問をぶつけます。今回のテーマは中国人民解放軍の腐敗問題です。戦略ミサイル部隊「ロケット軍」の司令官が更迭され、李尚福(り・しょうふく)国防相も公の場から姿を消して1カ月以上がたちました。いずれも汚職摘発機関の調査を受けていると報じられました。権力基盤を固めた習近平国家主席によって引き上げられた軍高官たちが今、摘発されているのはなぜでしょうか

 --7月にロケット軍の李玉超司令官と、ほぼ同格の徐忠波政治委員が更迭され、李氏ら複数幹部が調査を受けていると報じられました。ロケット軍で何が起きているのでしょうか

 
異常な更迭でした。ロケット軍は専門性が高い軍種ですが、後任の司令官も政治委員も生え抜きのロケット軍幹部ではなかった。司令官は海軍出身、政治委員は空軍出身です。異例の人事からわかるのは、習氏がロケット軍の幹部層全体を信頼していないということです組織ぐるみの腐敗があるとしか考えられない。

 さらに
ロケット軍の初代司令官や国防相を歴任した魏鳳和(ぎほうわ)氏も姿を消した。8月末の中国国防省の記者会見で、記者が魏氏の行方について質問したところ、報道官の答えは実に奇妙でした。自ら腐敗摘発の話を持ち出して「反腐敗闘争はひとときもとどまることはない」といったのです。魏氏らロケット軍の幹部は腐敗問題で取り調べを受けているとしか思えません

 
さらに今度は現役の国防相の李尚福氏が 8月29日を最後に公の場から姿を消し、消息不明になっています。彼は国防相になるまでに5年間、中央軍事委員会の装備発展部の部長を務めました。陸・海・空・ロケット軍など、すべての軍種の装備を調達する部署で、まさに腐敗を生むポストです。彼は国防相になってからまだ日がたっていませんから、おそらく装備発展部長を務めたときの腐敗問題でしょう。

 
この問題が発展すると現役の中央軍事委副主席(軍制服組トップ)である張又俠(ちょう・ゆうきょう)氏につながるかもしれない。張氏は李氏の前任として装備発展部長を務めていましたからね。万が一、軍における習氏の最側近である張氏まで調査が及べば軍は大混乱に陥るでしょう。そこまでやらない可能性のほうが高いですが、もう少し観察を続ける必要があります。

--装備発展部とロケット軍がそれぞれ調査を受けているとしたら、この2つの問題は関連しているのでしょうか

 推測ですが、その可能性はあります。
昨年 6月、中国軍はペロシ米下院議長(当時)の訪台に対抗して台湾周辺で軍事演習を行う中で、周辺に向かってミサイルを発射した。日本側の発表では 9発、台湾側によると11発を撃ちました。このうち 5発は日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。これはおかしな話です。本来は軍事演習と日本は関係ない

 台湾有事の際に手を出さないよう日本に警告を発したという見方もありますが、それなら1、2発をうてばいい。
5発も日本のEEZに着弾したのは、ミサイルの精度がかなり低かったためでしょう。

 
そこからロケット軍の腐敗問題が浮上して、さらに追及していくと装備発展部の問題も出てきたというのが私の推測です。ロケット軍司令官と前装備発展部長の李氏がほぼ同時期に摘発されたのは、それで説明がつきます。一般的にいえばロケット軍が調達の要求を出して、最終決定は装備発展部長が行う。ということはロケット軍の上層部と装備発展部がグルになって腐敗している可能性は十分ある。軍需産業の企業トップたちにも腐敗摘発の手が及んでいるという未確認情報があります。

--習政権が、ここにきて改めて軍をターゲットに反腐敗闘争を展開している背景をどう分析しますか

 これまで習氏による軍への摘発は主に、胡錦濤前政権時代に要職にいた軍人たちを政治闘争の意味合いで粛清して軍を掌握するという狙いがありました。しかし
昨年の党大会で軍の掌握は完成したはず。いま調査を受けているのは全て習氏自らが抜擢(ばってき)した軍人です。

 背後になにがあるのか。それは軍が腐敗していれば、習氏が一世一代の大仕事として考えている台湾併合が不可能になるということ。
台湾侵攻の成否のカギを握るのがロケット軍です。台湾軍を支援するために接近しようとする米海軍の空母を威嚇、阻止するのはロケット軍ですし、台湾上陸の前に台湾の軍事施設を全部たたきつぶすのもロケット軍の仕事です。

 ですからペロシ氏訪台に対抗して実施した軍事演習の目玉もミサイルの発射でした。しかし肝心のロケット軍の上層部が装備発展部と組んで腐敗しているならば、習氏は絶対許さない。
腐敗しきっている現状の軍では台湾侵攻で使い物にならないという習氏なりの大きな危機感があるのです。

--これまで習氏は、軍に対して「戦って勝てる軍隊になれ」と何度も要求してきました

 これもまた私の推測ですが、
習氏が発動しようとしている台湾侵攻戦争について、軍全体に抵抗があるのかもしれません戦争になれば米国には勝てないと生え抜きの幹部はわかっている。腐敗以上の問題として、軍全体が台湾侵攻に消極的だという問題があるのかもしれません。だからこそ習氏は今まで、軍を視察するたびに「戦争の準備を整えよ。戦争すれば必ず勝つ軍隊にしなければならない」と言ってきた。中国の指導者が強調することは、それが政権にとってネックになっていたり不足したりしていることなのです

 
つまり習氏が軍を頻繁に視察し、ちゃんと戦える準備をしろと強調するのは、軍にやる気がないことへの危機感からでしょう。

 腐敗によりロケット軍が機能不全になっていては戦えません。さらに、おそらく
軍全体が台湾侵攻にやる気がない。そこで習氏が、粛清によって軍を引き締めているというのが現在の状況だと思います

 7月にロケット軍の李玉超司令官と、ほぼ同格の徐忠波政治委員が更迭され、李氏ら複数幹部が調査を受けている。
 異常な更迭でしたと石平氏。異例の人事からわかるのは、習氏がロケット軍の幹部層全体を信頼していないということです。組織ぐるみの腐敗があるとしか考えられないと。

 さらにロケット軍の初代司令官や国防相を歴任した魏鳳和(ぎほうわ)氏も姿を消した。
 魏氏らロケット軍の幹部は腐敗問題で取り調べを受けているとしか思えませんと、石平氏。

 現役の国防相の李尚福氏も 8月29日を最後に公の場から姿を消し、消息不明になっているのだと。
 彼は国防相になってからまだ日がたっていませんから、おそらく装備発展部長を務めたときの腐敗問題でしょうと、石平氏。

 この問題が発展すると、現役の中央軍事委副主席(軍制服組トップ)である張又俠(ちょう・ゆうきょう)氏につながるかもしれない。
 軍における習氏の最側近である張氏まで調査が及べば軍は大混乱に陥るでしょう。そこまでやらない可能性のほうが高いですが、もう少し観察を続ける必要がありますとも。

 昨年 6月、中国軍はペロシ米下院議長(当時)の訪台に対抗して台湾周辺で軍事演習を行う中で、周辺に向かってミサイルを発射。このうち 5発は日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾。
 5発も日本のEEZに着弾したのは、ミサイルの精度がかなり低かったためと、石平氏。

 そこからロケット軍の腐敗問題が浮上して、さらに追及していくと装備発展部の問題も出てきたと。
 ロケット軍司令官と前装備発展部長の李氏がほぼ同時期に摘発されたのは、それで説明がつきますとも。
 ロケット軍の上層部と装備発展部がグルになって腐敗している可能性は十分あると、石平氏。

 昨年の党大会で軍の掌握は完成したはず。いま調査を受けているのは全て習氏自らが抜擢(ばってき)した軍人。

 台湾侵攻の成否のカギを握るのがロケット軍。米海軍の空母を威嚇、阻止するのはロケット軍ですし、台湾上陸の前に台湾の軍事施設を全部たたきつぶすのもロケット軍。
 腐敗しきっている現状の軍では台湾侵攻で使い物にならないという習氏なりの大きな危機感があると、石平氏。

 習氏が発動しようとしている台湾侵攻戦争について、軍全体に抵抗があるのかもしれません。戦争になれば米国には勝てないと生え抜きの幹部はわかっている。腐敗以上の問題として、軍全体が台湾侵攻に消極的だという問題があるのかもしれませんとも。

 習氏が軍を頻繁に視察し、ちゃんと戦える準備をしろと強調するのは、軍にやる気がないことへの危機感からでしょうと。
 おそらく軍全体が台湾侵攻にやる気がない。そこで習氏が、粛清によって軍を引き締めているというのが現在の状況だと思いますと、石平氏。

 繰り返しになりますが、対抗勢力の共青団派の粛清は出来たのに、未だ幹部の粛清。それも、習近平氏の側近の粛清をせざるを得ないまでに孤立。
 それは、軍全体が台湾侵攻に消極的だという問題があるのかもしれませんと、石平氏。

 毛沢東に並ぶレジェンドたろうと目指す習近平。
 それには、国共内戦でやり残した台湾併合を成し遂げることを目指す習近平の欲望。しかし、米軍との戦争になり勝てないと読める軍幹部。

 プーチンは、クリミアの併合ができたので、ウクライナ全土の併合に踏み切りましたが、目論見違いで長期戦になり、世界からの制裁網で苦境に。
 それをみている習近平。軍全体は台湾侵攻に消極的。それでも台湾侵攻に踏み切るのか。どうする習近平?



 # 冒頭の画像は、習近平国家主席(手前)と、李尚福国防相



  この花の名前は、カリガネソウ

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