遊爺雑記帳

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メディア統制を進める習近平 「多様かつ先進的な手法で競争力も持つ新型主流メディア」構築

2015-02-27 23:44:08 | 中国 全般
 中国の春節で訪日した人々の"爆買い"が連日メディアを賑わせていました。中国メディアでも大きく報じられているのだそうですが、「四月ネット」など左派系サイトなどでは「非国民が多すぎる」「彼らが使ったお金はやがて日本の原子爆弾開発に使われるだろう」といった批判があるのだそうです。
 今年は春節旅行の行き先の二分化傾向が鮮明になっているのだそうで、比較的若い富裕層や知識人は日本や欧米を選ぶ一方、中高年を中心とする保守層には中国当局が推奨する延安などの革命聖地を訪れる人が多いのだそうです。そして、双方は互いに「売国奴」「洗脳された人々」などと非難しあっているのだとか。
 ところが、こうした世論もメデイアの報道が影響を及ぼしているのですが、習近平は、「伝統メディア」とポータルサイトなどの「新興メディア」を融合させ、「多様かつ先進的な手法で競争力も持つ新型主流メディア」の構築を打ち出した。発信力と影響力を持つ複数の新型メディア集団を発足させ、社会への影響力があり、自らの意のままになるメディア統制を進めようとしているのだそうです。

 
春節旅行、透ける政治傾向 日本で爆買い…保守派「売国奴」 革命聖地に…改革派「洗脳」 - Infoseek ニュース
 
メディア統制意のまま 再編実行役は旧知の忠臣 (2/27 読売朝刊 [獅子の計略 政策決定][4])

 携帯電話などの閲覧アプリのダウンロード数は約800万回、閲覧件数は連日、1000万件を超える。発足から1年もたたないインターネット・ニュースメディアが中国メディア界で影響力を強めている共産党機関紙のような官製メディアではなく、読者の関心に応えることで部数を伸ばしてきた上海の商業紙「東方早報」傘下にある「澎湃新聞(ほうはいニュース)
」だ。

■スクープ連発
 2月半ば、党中央規律検査委員会は、澎湃新聞が昨年10月から、その不正を告発してきた江西省の助言機関・省政治協商会議の許愛民・副主席に「重大な規律違反」で党籍剥奪などの処分を下した。全国に配した記者約100人を駆使し、
官僚腐敗など政治問題にも踏み込んでスクープを放つ姿勢が人気を集めている

 
もちろん、完全な「報道の自由」が認められているわけではない。発足間もない昨年8月末、「中央指導者が報道を批判したらしい」との情報が社内に流れた。報道方針の再検討が行われ、記者らには、党中央宣伝部の「許容範囲」が徹底
されたという。
 スクープはその後も続く。9~10月には胡錦濤フージンタオ前国家主席の元側近、令計画リンジーフア氏の一族の腐敗ぶりを独自リポートで次々と伝えた。令氏自身の処分が決まる前の関連報道は本来ご法度だが、それが許された。
習近平(シージンピン)国家主席が唱える「メディア再編構想」に基づいて、党中央宣伝部が澎湃新聞を利用
しているとみられる。

■苦労惜しまず
 習氏が昨年8月の会議で示した再編構想は、
新聞やテレビなど「伝統メディア」とポータルサイトなどの「新興メディア」を融合させ、「多様かつ先進的な手法で競争力も持つ新型主流メディア」の構築
を打ち出した。発信力と影響力を持つ複数の新型メディア集団を発足させるともしている。
 構想実現に取り組んでいるのは、2013年10月に浙江省杭州市トップから宣伝部に転じ、昨年12月に筆頭副部長に昇格した黄坤明(フアンクンミン)氏(58)だ。福建省、浙江省時代の習氏と10年以上の交流を持つ腹心の一人で、「報道統制のキーパーソンとして中央に送り込まれた」(福建省党関係者)とされる。浙江省の党関係者によると、習氏は同省トップ時代、黄氏について、周辺に「人柄が良く、苦労を惜しまない」と語っていた。北京の党関係者によると、黄氏は最近の宣伝部の会議でも、その「忠臣」ぶりを物語るような発言があった。
 「党中央の政策決定に基づき新メディア集団を創り出す」「世論の中での陣地を一寸たりとも失うことは許されない」「メディアがそれぞれ異なる意見を持つことは許されない」――。

■不徹底に不信感
 党幹部によると、
習氏は、新興メディアだけでなく、党の「喉と舌(代弁者)」を象徴する新華社通信や機関紙・人民日報、中央テレビなど官製メディアにさえも、「末端まで完全に統制できていない」との不信感
を抱いているとされる。
 習氏が浙江省トップを務めていた05年、隣の福建省に大型台風が上陸。浙江省駐在の新華社記者が赴き、地元当局の対応を手厳しく批判した。習氏は当時の福建省トップから激しい抗議を受け、対応に苦慮した経験をもつ。ここから学んだ
習氏の構想の真意は「社会への影響力があり、自らの意のままになるメディアの構築」
にあるとみられる。
 湖南省のメディア関係者によると、地元の商業紙の瀟湘晨報(しょうしょうしんぽう)は昨年、省宣伝部門から省党委機関紙・湖南日報との合併を通告された。上場企業が経営し、読みやすい紙面作りで全国有数の発行部数を誇る瀟湘晨報と機関紙ゆえに部数が伸び悩む湖南日報。「権力を背景に、小が大をのみ込もうとする」動きだという。
 メディア関係者はこう語った。「
言うことを聞かないメディアへの習政権の統制がますます強まっている


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共産党中央宣伝部
 党中央委員会に直属し、党の思想・理論の宣伝などを担う重要部門。メディア全般の報道を監視、是正する権限も持つ。現部長は共産主義青年団(共青団)出身の劉奇葆(リウ・チーバオ)氏。党最高指導部メンバーである劉雲山(リウ・ユンシャン)・党政治局常務委員は前部長で、習氏の父、習仲勲・元副首相、胡耀邦・元党総書記も部長経験者。
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 読売の連載記事は、昨日から面白くなってきて、昨日は、習氏との関係が良好な張高麗(ジャンガオリー)筆頭副首相(68)と同郷の福建省泉州出身であることから、張氏を通じ習氏に近づいて、共青団派でありながら、国家海洋局の局長から海南省・省長に転出した劉賜貴(リウツーグイ)が、尖閣への艦船巡視の常態化や南シナ海の実効支配の強化を進め、海洋強国を進めている話でした。
 一貫して書かれているのは、江沢民・上海派でもなく、胡錦濤・共青団派でもなく、強固な派閥をもたず、太子党という高級官僚子女人脈だけの習近平は、浙江省のトップ時代の部下や縁者を登用することで、政権基盤を固めてきているということです。
 江沢民・上海派や胡錦濤・共青団派の虎を、汚職で失墜させ、夫々の派閥に動揺を産ませ、力を削いで、子飼の部下で政権を固めて基盤を強化してきている習近平の現状がつづられています。

 話が横道に逸れました。
 共産党一党独裁を護り、毛沢東越えの強固な独裁体制を築くとともに、軍事強国化も進め、米国に追いつき追い越して、世界制覇し中華の世界を目指す習近平。胡錦濤と江沢民の抗争の産物として江沢民が傀儡としてねじ込んだ国家主席で、ひ弱な操り人形政権になるのかと予測していましたが、一党独裁政権のトップの座の威力が凄いのか、習近平に政局制覇の能力があるのか、汚職の悪を挫く英雄として支持も高まって、政権は安定してきているという声が増えてきていますね。
 その肝は、メディアコントロールによる世論コントロールが優れていることも、大きく寄与しているのですね。
 今年は、戦後70周年を謳って、対日批判を強める宣言をしていて、先日の国連での討論会主催を序幕として世界世論への宣伝を始めたことは、先日触れさせていただきました。

 国内で、メディアを支配し、国民をコントロールすることは、習近平にとっては、たやすいことなのでしょうか。中国にも憲政を求める声も根強くありますが、弾圧で芽が摘まれています。
 このまま習近平の国民洗脳が進むのか、どこかで優れた人材が出て、共産党一党独裁体制が変わることがあるのか、長い目で注目していきたいと考えます。
 経済の高度成長が長く続いている中国ですが、その陰りが憂慮されています。富裕層と貧困層の格差が開いてきていますが、高度成長がその弊害を薄めていました。その経済成長が止まる時、バブルがはじける時が弊害が表面に噴出す時です。



 # 冒頭の画像は、春節で来日した中国人観光客




  この花の名前は、朝顔


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