11月の米大統領選挙に向け、民主党のバイデン候補が副大統領候補にカマラ・ハリス上院議員を指名したことで、選挙戦の陣容が固まりました。
黒人女性とのキーワードで、オバマ政権時代に共闘した、パンダハガーのスーザン・ライス氏でなかったのはなによりでした。
しかし、ハリス氏の指名は過去20年間、民主党大統領候補が選んできた副大統領候補とはいささか趣が違うと指摘されているのは、滞米生活が長かったジャーナリストの堀田佳男氏。
民主党の副大統領は、これまでは大統領候補とは違う考え方の人物、党内的には穏健派を指名する流れがあったが、ハリス氏の指名はいささか趣が違うと堀田氏。
副大統領の選考にルールがあるわけではないが、少なくとも過去20年間、落ち着いた穏健派が民主党の副大統領候補に指名されているが、今回は、バイデン、ハリス両氏の政治的気質は逆転していると。
ハリス氏は昨年1月、大統領選に出馬表明してほぼ1年間、バイデン氏とは大統領候補として闘っていたことは諸兄がご承知の通りです。
更に、ハリス氏の豪胆で押しの強い性格は米上院ではよく知られていることなのだそうです。
トランプ大統領はハリス氏が副大統領候補指名を受けた直後、同氏を「ナスティー(えげつない)」と形容したのだそうです。
バイデン氏にしてみると、自身が副大統領を8年も勤めた経験があることから、役割は誰よりも理解しているはずだ。そのうえであえてハリス氏を選んでいると堀田氏。
バイデン氏自身が穏健派であることは本人が自覚しているので、副大統領には対極の急進派を充てるという選択肢は選挙重視のものであると。
但し、ハリス氏指名により、バイデン氏の「静かなる戦略」が壊れ始めていると堀田氏。
今年の大統領選挙は新型コロナウイルスの影響でメディアの選挙報道が例年より少なかったばかりか、多くの州では予備選の投票日が延期されて有権者の関心も低かった。
バイデン氏はそうしたなか、民主党代表候補として11月3日の本選挙に向けて静かに準備をしてきた。
現在約4割と言われる無党派の有権者の政治判断が11月の選挙でのカギを握るが、現時点ではバイデン有利で動いていることは世論調査報道で、衆知のことですね。一時は2桁%の差の開きがありましたね。
「バイデン氏は決して社会を分極しない人です。彼の経歴を眺めても、いつも人々をまとめる役割を担ってきました」
「民主党の予備選では、何があっても共和党に敵対すべきというタイプの候補がいましたが、バイデン氏はいつも反対側の人たちといかにうまく仕事をするかに精力を傾けてきています」
こう語るバイデン選挙対策本部の顧問を務めるアニタ・ダン氏の言葉が、バイデン氏が保守派からも受け入れられる余地があると同時に、トランプ大統領ほどは国民に嫌われていないことを示していると堀田氏。
しかしそのバイデン氏が分極化を煽るハリス氏を副大統領に選定。
ハリス氏がバイデン氏自滅のきっかけにならなければいいのだがと堀田氏。
世論調査の差の通りの結果となるのか。トランプ氏が逆転するのか。佳境に入った大統領選。巻き返しを図るトランプ大統領。どんな策を繰り出してくるのでしょうか。
# 冒頭の画像は、バイデン氏とハリス氏
この花の名前は、ホタルブクロ
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黒人女性とのキーワードで、オバマ政権時代に共闘した、パンダハガーのスーザン・ライス氏でなかったのはなによりでした。
しかし、ハリス氏の指名は過去20年間、民主党大統領候補が選んできた副大統領候補とはいささか趣が違うと指摘されているのは、滞米生活が長かったジャーナリストの堀田佳男氏。
“劇薬”を副大統領候補にしたバイデンの損得勘定 巧妙で静かな選挙戦略を台無しにする危険性も | JBpress(Japan Business Press) 2020.8.17(月) 堀田 佳男
米民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)がカマラ・ハリス上院議員(55)を副大統領候補に指名したことで、大統領選はいよいよ佳境に入る。
ただハリス氏の選択は、過去の大統領選の事例と比べると異質なものと言わざるを得ない。
さらに、ハリス氏を選んだことでバイデン氏が民主党代表候補になってから進めてきた「静かな選挙戦略」が壊れ始めてもいる。
バイデン氏はそれを認識したうえで、本当にハリス氏を適任者として選んだのか。本稿ではこの2点について詳述していきたい。
まずハリス氏の指名は過去20年間、民主党大統領候補が選んできた副大統領候補とはいささか趣が違う。
というのも民主党ではこれまで候補とは違う考え方の人物、党内的には穏健派を指名する流れがあった。
2000年の大統領選でアルバート・ゴア候補が指名したのは自分よりも穏健なジョー・リーバーマン上院議員だったし、2004年にはジョン・ケリー候補もハト派といえるジョン・エドワーズ上院議員を指名した。
そして2008年、バラク・オバマ氏は穏健派の代表ともいえるバイデン氏を選択。
また前回2016年選挙でもヒラリー・クリントン氏は、「目立たない人物」と形容できるほどのティム・ケイン上院議員を指名している。
副大統領の選考にルールがあるわけではないが、少なくとも過去20年間、落ち着いた穏健派が民主党の副大統領候補に指名されている。
大統領候補は予備選を勝ち上がった、いわば舌戦をものにしてきた人物だが、副大統領候補は補佐的な役回りをこなせる政治家が望まれてきた。
けれども今年は様子が違う。
というよりバイデン・ハリス両氏の政治的気質は真逆なのだ。
ハリス氏は昨年1月、大統領選に出馬表明してほぼ1年間、大統領候補として闘ったが、昨年12月に選挙資金不足などを理由に撤退した。
ハリス氏はカリフォルニア州で生まれ育ち、ロースクールを卒業後は地方検事になり、2010年には同州検事総長に当選。
2016年からは同州選出の上院議員になり、さらに大統領選に出馬し、上昇志向の強さが見てとれる。
しかも、ハリス氏の豪胆で押しの強い性格は米上院ではよく知られていた。
2018年9月、上院司法委員会で開かれたブレット・カバノー最高裁判事候補(当時)の性的暴行疑惑の公聴会で、ハリス氏は上院議員1期目であるにもかかわらず、カバノー氏に厳しい質問を浴びせ続けた。
それはカリフォルニア州の元検事総長としての手腕というより、ハリス氏の攻撃的な人間性を表していた。
ドナルド・トランプ大統領はハリス氏が副大統領候補指名を受けた直後、同氏を「ナスティー(えげつない)」と形容したが、当時の記憶が鮮明だったからとも受け取れる。
バイデン氏にしてみると、自身が副大統領を8年も勤めた経験があることから、役割は誰よりも理解しているはずだ。
そのうえであえてハリス氏を選んでいる。
それは過去20年で行われてきた穏健派の副大統領候補指名とは真逆ではあるが、バイデン氏にとっては当然の選択であったのかもしれない。
バイデン氏自身が穏健派であることは本人が誰よりも熟知しているはずだ。
大統領が穏健派であれば、副大統領には対極の急進派を充てるという選択肢は選挙重視のものである。
しかもハリス氏の父親はジャマイカからの移民で、母親もタミル系インド人というマイノリティーであり、有色人種を選ぶことで選挙では幅広い有権者からの票を期待できる。
次にハリス氏指名により、バイデン氏の「静かなる戦略」が壊れ始めている点に触れたい。
今年の大統領選挙は新型コロナウイルスの影響でメディアの選挙報道が例年より少なかったばかりか、多くの州では予備選の投票日が延期されて有権者の関心も低かった。
ただバイデン氏はそうしたなか、民主党代表候補として11月3日の本選挙に向けて静かに準備をしてきた。
7月中旬、バイデン氏は数人の米記者を集めて「ポスト・コロナ」に向けての政策提案を行っている。それは「ポスト・トランプ」構想である。
そこにはクリーン・エネルギーの最新インフラ整備、米製造業の再生プラン、介護福祉業務の刷新、人種的不平等の是正などが入っていた。
さらにバイデン氏はトランプ氏が11月の選挙で敗れた場合、共和党議員が民主党寄りになり、両党が手を合わせる機会ができるとの見方を示してもいる。
バイデン氏はそこで、「手を合わせるといっても、両党が一枚岩になるわけではない。共闘することによって政治を前へ進めていく」という考えを述べている。
もちろんトランプ氏が負けたとしても、バイデン氏と共闘することなど想像すらできないと考える共和党議員もいる。
同時にバイデン氏は、共和党の中にトランプ嫌いがいることも熟知しており、民主党と一緒に手を合わせられる議員がいるとも述べる。
このように、バイデン氏は水面下で静かにポスト・トランプ構想を練り込んできている。
反トランプの狼煙を上げて過激にトランプ氏を攻撃するのではなく、地中で少しずつ根を広げるかのように、着実な選挙戦を展開しているのだ。
バイデン選挙対策本部の顧問を務めるアニタ・ダン氏は米メディアにこう述べている。
「ジョー・バイデン氏は決して社会を分極しない人です。彼の経歴を眺めても、いつも人々をまとめる役割を担ってきました」
「民主党の予備選では、何があっても共和党に敵対すべきというタイプの候補がいましたが、バイデン氏はいつも反対側の人たちといかにうまく仕事をするかに精力を傾けてきています」
この言葉はバイデン氏が保守派からも受け入れられる余地があると同時に、トランプ大統領ほどは国民に嫌われていないことを示している。
こうした状況を踏まえると、現在約4割と言われる無党派の有権者の政治判断が11月の選挙でのカギを握るが、現時点ではバイデン有利で動いている。
しかしそのバイデン氏が分極化を煽るハリス氏を選んだことで、今後流れがどう変わるのか。
ハリス氏がバイデン氏自滅のきっかけにならなければいいのだが。
米民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)がカマラ・ハリス上院議員(55)を副大統領候補に指名したことで、大統領選はいよいよ佳境に入る。
ただハリス氏の選択は、過去の大統領選の事例と比べると異質なものと言わざるを得ない。
さらに、ハリス氏を選んだことでバイデン氏が民主党代表候補になってから進めてきた「静かな選挙戦略」が壊れ始めてもいる。
バイデン氏はそれを認識したうえで、本当にハリス氏を適任者として選んだのか。本稿ではこの2点について詳述していきたい。
まずハリス氏の指名は過去20年間、民主党大統領候補が選んできた副大統領候補とはいささか趣が違う。
というのも民主党ではこれまで候補とは違う考え方の人物、党内的には穏健派を指名する流れがあった。
2000年の大統領選でアルバート・ゴア候補が指名したのは自分よりも穏健なジョー・リーバーマン上院議員だったし、2004年にはジョン・ケリー候補もハト派といえるジョン・エドワーズ上院議員を指名した。
そして2008年、バラク・オバマ氏は穏健派の代表ともいえるバイデン氏を選択。
また前回2016年選挙でもヒラリー・クリントン氏は、「目立たない人物」と形容できるほどのティム・ケイン上院議員を指名している。
副大統領の選考にルールがあるわけではないが、少なくとも過去20年間、落ち着いた穏健派が民主党の副大統領候補に指名されている。
大統領候補は予備選を勝ち上がった、いわば舌戦をものにしてきた人物だが、副大統領候補は補佐的な役回りをこなせる政治家が望まれてきた。
けれども今年は様子が違う。
というよりバイデン・ハリス両氏の政治的気質は真逆なのだ。
ハリス氏は昨年1月、大統領選に出馬表明してほぼ1年間、大統領候補として闘ったが、昨年12月に選挙資金不足などを理由に撤退した。
ハリス氏はカリフォルニア州で生まれ育ち、ロースクールを卒業後は地方検事になり、2010年には同州検事総長に当選。
2016年からは同州選出の上院議員になり、さらに大統領選に出馬し、上昇志向の強さが見てとれる。
しかも、ハリス氏の豪胆で押しの強い性格は米上院ではよく知られていた。
2018年9月、上院司法委員会で開かれたブレット・カバノー最高裁判事候補(当時)の性的暴行疑惑の公聴会で、ハリス氏は上院議員1期目であるにもかかわらず、カバノー氏に厳しい質問を浴びせ続けた。
それはカリフォルニア州の元検事総長としての手腕というより、ハリス氏の攻撃的な人間性を表していた。
ドナルド・トランプ大統領はハリス氏が副大統領候補指名を受けた直後、同氏を「ナスティー(えげつない)」と形容したが、当時の記憶が鮮明だったからとも受け取れる。
バイデン氏にしてみると、自身が副大統領を8年も勤めた経験があることから、役割は誰よりも理解しているはずだ。
そのうえであえてハリス氏を選んでいる。
それは過去20年で行われてきた穏健派の副大統領候補指名とは真逆ではあるが、バイデン氏にとっては当然の選択であったのかもしれない。
バイデン氏自身が穏健派であることは本人が誰よりも熟知しているはずだ。
大統領が穏健派であれば、副大統領には対極の急進派を充てるという選択肢は選挙重視のものである。
しかもハリス氏の父親はジャマイカからの移民で、母親もタミル系インド人というマイノリティーであり、有色人種を選ぶことで選挙では幅広い有権者からの票を期待できる。
次にハリス氏指名により、バイデン氏の「静かなる戦略」が壊れ始めている点に触れたい。
今年の大統領選挙は新型コロナウイルスの影響でメディアの選挙報道が例年より少なかったばかりか、多くの州では予備選の投票日が延期されて有権者の関心も低かった。
ただバイデン氏はそうしたなか、民主党代表候補として11月3日の本選挙に向けて静かに準備をしてきた。
7月中旬、バイデン氏は数人の米記者を集めて「ポスト・コロナ」に向けての政策提案を行っている。それは「ポスト・トランプ」構想である。
そこにはクリーン・エネルギーの最新インフラ整備、米製造業の再生プラン、介護福祉業務の刷新、人種的不平等の是正などが入っていた。
さらにバイデン氏はトランプ氏が11月の選挙で敗れた場合、共和党議員が民主党寄りになり、両党が手を合わせる機会ができるとの見方を示してもいる。
バイデン氏はそこで、「手を合わせるといっても、両党が一枚岩になるわけではない。共闘することによって政治を前へ進めていく」という考えを述べている。
もちろんトランプ氏が負けたとしても、バイデン氏と共闘することなど想像すらできないと考える共和党議員もいる。
同時にバイデン氏は、共和党の中にトランプ嫌いがいることも熟知しており、民主党と一緒に手を合わせられる議員がいるとも述べる。
このように、バイデン氏は水面下で静かにポスト・トランプ構想を練り込んできている。
反トランプの狼煙を上げて過激にトランプ氏を攻撃するのではなく、地中で少しずつ根を広げるかのように、着実な選挙戦を展開しているのだ。
バイデン選挙対策本部の顧問を務めるアニタ・ダン氏は米メディアにこう述べている。
「ジョー・バイデン氏は決して社会を分極しない人です。彼の経歴を眺めても、いつも人々をまとめる役割を担ってきました」
「民主党の予備選では、何があっても共和党に敵対すべきというタイプの候補がいましたが、バイデン氏はいつも反対側の人たちといかにうまく仕事をするかに精力を傾けてきています」
この言葉はバイデン氏が保守派からも受け入れられる余地があると同時に、トランプ大統領ほどは国民に嫌われていないことを示している。
こうした状況を踏まえると、現在約4割と言われる無党派の有権者の政治判断が11月の選挙でのカギを握るが、現時点ではバイデン有利で動いている。
しかしそのバイデン氏が分極化を煽るハリス氏を選んだことで、今後流れがどう変わるのか。
ハリス氏がバイデン氏自滅のきっかけにならなければいいのだが。
民主党の副大統領は、これまでは大統領候補とは違う考え方の人物、党内的には穏健派を指名する流れがあったが、ハリス氏の指名はいささか趣が違うと堀田氏。
副大統領の選考にルールがあるわけではないが、少なくとも過去20年間、落ち着いた穏健派が民主党の副大統領候補に指名されているが、今回は、バイデン、ハリス両氏の政治的気質は逆転していると。
ハリス氏は昨年1月、大統領選に出馬表明してほぼ1年間、バイデン氏とは大統領候補として闘っていたことは諸兄がご承知の通りです。
更に、ハリス氏の豪胆で押しの強い性格は米上院ではよく知られていることなのだそうです。
トランプ大統領はハリス氏が副大統領候補指名を受けた直後、同氏を「ナスティー(えげつない)」と形容したのだそうです。
バイデン氏にしてみると、自身が副大統領を8年も勤めた経験があることから、役割は誰よりも理解しているはずだ。そのうえであえてハリス氏を選んでいると堀田氏。
バイデン氏自身が穏健派であることは本人が自覚しているので、副大統領には対極の急進派を充てるという選択肢は選挙重視のものであると。
但し、ハリス氏指名により、バイデン氏の「静かなる戦略」が壊れ始めていると堀田氏。
今年の大統領選挙は新型コロナウイルスの影響でメディアの選挙報道が例年より少なかったばかりか、多くの州では予備選の投票日が延期されて有権者の関心も低かった。
バイデン氏はそうしたなか、民主党代表候補として11月3日の本選挙に向けて静かに準備をしてきた。
現在約4割と言われる無党派の有権者の政治判断が11月の選挙でのカギを握るが、現時点ではバイデン有利で動いていることは世論調査報道で、衆知のことですね。一時は2桁%の差の開きがありましたね。
「バイデン氏は決して社会を分極しない人です。彼の経歴を眺めても、いつも人々をまとめる役割を担ってきました」
「民主党の予備選では、何があっても共和党に敵対すべきというタイプの候補がいましたが、バイデン氏はいつも反対側の人たちといかにうまく仕事をするかに精力を傾けてきています」
こう語るバイデン選挙対策本部の顧問を務めるアニタ・ダン氏の言葉が、バイデン氏が保守派からも受け入れられる余地があると同時に、トランプ大統領ほどは国民に嫌われていないことを示していると堀田氏。
しかしそのバイデン氏が分極化を煽るハリス氏を副大統領に選定。
ハリス氏がバイデン氏自滅のきっかけにならなければいいのだがと堀田氏。
世論調査の差の通りの結果となるのか。トランプ氏が逆転するのか。佳境に入った大統領選。巻き返しを図るトランプ大統領。どんな策を繰り出してくるのでしょうか。
# 冒頭の画像は、バイデン氏とハリス氏
この花の名前は、ホタルブクロ
↓よろしかったら、お願いします。