中国が日本政府の同意を得ずに日本の排他的経済水域(EEZ)内で海底調査し、学術論文で公表しているのだそうです。
目的は、大陸棚に関する自国の主張を補強して海洋権益を拡大すること。
読売新聞が専門家の助言も得て検証し、07年8月から今年1月までに発表された30本の論文に、日本の同意を得ずに行った調査と一致する記述があったのだそうです。
論文については、数年前から日本政府も実態把握を進めていて、外務省アジア大洋州局は「同意のない調査の結果を利用する権利は認められない」と問題視。海事法に詳しい豪国立海洋資源安全保障センターのサム・ベイトマン専門研究官も「同意なしに収集されたデータの公開は不適切」と批判しているのだそうです。
中国は、海底地形の形や地質を根拠に「中国の大陸棚は沖縄トラフまで続いている」と主張し、沖縄トラフまで自国の権限があるとして調査を強行し、自説を補強するデータを収集して成果の発表を続けています。
EEZについては、中国は「東シナ海大陸棚沖縄トラフ限界説」を主張。日本は、「東シナ海大陸棚琉球海溝限界説」をとり、大陸棚上の境界は「衡平な解決」の原則を採り日中等距離中間線を大陸棚・EEZの境界とするのが妥当であると主張していて、東シナ海では日中間で主張の相違があることは諸兄がご承知の通りです。
中国の多数の論文発表の背景には、中国の「東シナ海大陸棚沖縄トラフ限界説」を補強する動機があり、データを収集して成果の発表を続けているのですね。
また、沖縄トラフや沖ノ鳥島周辺での調査は、潜水艦の航行という軍事利用目的もあるのですね。
東シナ海の日本が主張するEEZ境界線でのガス田開発を巡っては、2008年6月の日中両政府によるガス田共同開発の合意がありましたが、現状は、中国が無視して開発を進め、軍事利用さえ始めているのですね。
中国による東シナ海での一方的資源開発の現状 | 外務省
小泉政権時に、故中川経産大臣(当時)は、日中境界線の日本側で開発着手を表明し中国を牽制したことがありましたが、小泉氏は二階氏(媚中派であることは衆知)に交代させる人事を採りました。
その時代に、尖閣の領有権問題は稀に危惧する声がきかれましたが、今日の軍艦による領海侵入が現実のものになるとは、思いもよらないことでした。
「ゆでがえる」化してしまっている日本の現状を、改めて気づかされます。
更に10年後は、はたして沖縄が日本国として残っているでしょうか。
朝鮮半島は、何処が領有しているでしょうか。
戦後最大の危機に面している日本をとりまく環境下の、「モリカケ」に関する政局論争への多大な時間と労力。日本を沈没させようとする意図を感じてしまうのは、考えすぎでしょうか。韓国が、北朝鮮の影響下に治められつつある現状は、他人事と思えなくなってきています。
# 冒頭の画像は、中国の調査船「科学号」
コスモス
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目的は、大陸棚に関する自国の主張を補強して海洋権益を拡大すること。
読売新聞が専門家の助言も得て検証し、07年8月から今年1月までに発表された30本の論文に、日本の同意を得ずに行った調査と一致する記述があったのだそうです。
日本のEEZ内 中国無断調査 レアアースなど採取 07年以降 学術論文30本で言及 (4/14 読売朝刊)
【ジュネーブ=笹沢教一】日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国が日本政府の同意を得ずに海底調査し、豊富な資源を含む「海底熱水鉱床」やレアアース(希土類)、希少な深海生物などの海底資源類を採取していたことが明らかになった。中国の研究者が2OO7年以降、少なくとも30本の学術論文で調査内容に言及していた。
中国の海洋調査船がEEZ内に進入し、日本の同意なしに調査を繰り返してきたことは海上保安庁などが確認していたが、具体的な調査内容は明らかになっていなかった。中国側は調査内容を論文にすることで、学問上の優先権(先取権)を得ることや、大陸棚に関する自国の主張を補強して海洋権益を拡大することを、狙っているとみられる。
本紙は中国の研究者が国内外の学術誌に英語や中国語で発表した論文を学術論文の専用サイトで検索、専門家の助言も得て検証した。
検証の結果、07年8月から今年1月までに発表された30本の論文に、採取地点の緯度・経度、採取時期などについて、03~14年にかけて沖縄周辺や沖ノ鳥島周辺のEEZで中国船が日本の同意を得ずに行った調査と一致する記述があった。
このうち18本は、中国科学院の最新調査船「科学号」が14年4月に実施した調査と一致。海上保安庁は同月、科学号が日本のEEZ内の沖縄県久米島の北約140~160キロの海上でワイヤを海中に垂らして調査を行っていたことを確認していた。
中国科学院海洋研究所のチームが国際学術誌「マイクロバイオロジカル・リサーチ」(15年8月号)に発表した論文によると、14年4月、久米島の北約140~160キロの海底にある沖縄トラフ・伊平屋海嶺の熱水噴出孔近くや同海嶺北方の海底で、科学号が深さ1200~1600メートルの4地点からテレビカメラ付き採泥器など2種の機材を使って採泥した。
16年10月に発表された論文には、久米島の北約140キロの2地点で14年4月、科学号に搭載された遠隔操作の潜水機のロボットアームで熱水鉱床の堆積物を採取したことが記されている。
新種の深海生物も
同海嶺周辺は世界有数の金銀含有量を誇る海底熱水鉱床で、18論文の内容を総合すると、採取した試料には、銀や銅、鉛などの金属、ネオジム、イットリウムなど15種のレアアース、ゴカイ類の新種などの貴重な深海生物が含まれていた。
中止要請 再三無視
14年4月の調査で中国は、航海計画を日本政府に提出したが、日本の中止要請を無視して強行した。外務省アジア大洋州局は「同意のない調査の結果を利用する権利は認められない」と問題視している。海事法に詳しい豪国立海洋資源安全保障センターのサム・ベイトマン専門研究官も「同意なしに収集されたデータの公開は不適切」と批判する。
中国が日本のEEZ内で調査した内容の論文については、数年前から日本政府も実態把握を進めていた,
03~04年に沖ノ鳥島の周辺で継続的に実施された調査内容は07年頃から論文として出始めた。中国が国連大陸棚限界委員会に、沖縄トラフ西側までの大陸棚延長を申請した12年以降、調査の舞台が沖縄トラフに移り、国内中心だった投稿先も国際的な学術誌に移った。
中国は、海底地形の形や地質を根拠に「中国の大陸棚は沖縄トラフまで続いている」と主張し、沖縄トラフまで自国の権限があるとして調査を強行し、自説を補強するデータを収集して成果の発表を続けている。多数の論文発表の背景に、こうした動機があるとみられる。日本の外務省は「国際法上、海底地形に関係なく、沿岸から等距離に日中中間線を引くのが公平な解決法」と反論している。
軍事目的でも
中国軍は南西諸島までを第1列島線、小笠原諸島までを第2列島線と位置付け、軍事戦略の重要海域としている。沖縄トラフや沖ノ鳥島周辺での調査は、潜水艦が航行する際に海底地形や水温、塩分、海水密度などを事前に把握する必要があるためとみられる。
【ジュネーブ=笹沢教一】日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国が日本政府の同意を得ずに海底調査し、豊富な資源を含む「海底熱水鉱床」やレアアース(希土類)、希少な深海生物などの海底資源類を採取していたことが明らかになった。中国の研究者が2OO7年以降、少なくとも30本の学術論文で調査内容に言及していた。
中国の海洋調査船がEEZ内に進入し、日本の同意なしに調査を繰り返してきたことは海上保安庁などが確認していたが、具体的な調査内容は明らかになっていなかった。中国側は調査内容を論文にすることで、学問上の優先権(先取権)を得ることや、大陸棚に関する自国の主張を補強して海洋権益を拡大することを、狙っているとみられる。
本紙は中国の研究者が国内外の学術誌に英語や中国語で発表した論文を学術論文の専用サイトで検索、専門家の助言も得て検証した。
検証の結果、07年8月から今年1月までに発表された30本の論文に、採取地点の緯度・経度、採取時期などについて、03~14年にかけて沖縄周辺や沖ノ鳥島周辺のEEZで中国船が日本の同意を得ずに行った調査と一致する記述があった。
このうち18本は、中国科学院の最新調査船「科学号」が14年4月に実施した調査と一致。海上保安庁は同月、科学号が日本のEEZ内の沖縄県久米島の北約140~160キロの海上でワイヤを海中に垂らして調査を行っていたことを確認していた。
中国科学院海洋研究所のチームが国際学術誌「マイクロバイオロジカル・リサーチ」(15年8月号)に発表した論文によると、14年4月、久米島の北約140~160キロの海底にある沖縄トラフ・伊平屋海嶺の熱水噴出孔近くや同海嶺北方の海底で、科学号が深さ1200~1600メートルの4地点からテレビカメラ付き採泥器など2種の機材を使って採泥した。
16年10月に発表された論文には、久米島の北約140キロの2地点で14年4月、科学号に搭載された遠隔操作の潜水機のロボットアームで熱水鉱床の堆積物を採取したことが記されている。
新種の深海生物も
同海嶺周辺は世界有数の金銀含有量を誇る海底熱水鉱床で、18論文の内容を総合すると、採取した試料には、銀や銅、鉛などの金属、ネオジム、イットリウムなど15種のレアアース、ゴカイ類の新種などの貴重な深海生物が含まれていた。
中止要請 再三無視
14年4月の調査で中国は、航海計画を日本政府に提出したが、日本の中止要請を無視して強行した。外務省アジア大洋州局は「同意のない調査の結果を利用する権利は認められない」と問題視している。海事法に詳しい豪国立海洋資源安全保障センターのサム・ベイトマン専門研究官も「同意なしに収集されたデータの公開は不適切」と批判する。
中国が日本のEEZ内で調査した内容の論文については、数年前から日本政府も実態把握を進めていた,
03~04年に沖ノ鳥島の周辺で継続的に実施された調査内容は07年頃から論文として出始めた。中国が国連大陸棚限界委員会に、沖縄トラフ西側までの大陸棚延長を申請した12年以降、調査の舞台が沖縄トラフに移り、国内中心だった投稿先も国際的な学術誌に移った。
中国は、海底地形の形や地質を根拠に「中国の大陸棚は沖縄トラフまで続いている」と主張し、沖縄トラフまで自国の権限があるとして調査を強行し、自説を補強するデータを収集して成果の発表を続けている。多数の論文発表の背景に、こうした動機があるとみられる。日本の外務省は「国際法上、海底地形に関係なく、沿岸から等距離に日中中間線を引くのが公平な解決法」と反論している。
軍事目的でも
中国軍は南西諸島までを第1列島線、小笠原諸島までを第2列島線と位置付け、軍事戦略の重要海域としている。沖縄トラフや沖ノ鳥島周辺での調査は、潜水艦が航行する際に海底地形や水温、塩分、海水密度などを事前に把握する必要があるためとみられる。
論文については、数年前から日本政府も実態把握を進めていて、外務省アジア大洋州局は「同意のない調査の結果を利用する権利は認められない」と問題視。海事法に詳しい豪国立海洋資源安全保障センターのサム・ベイトマン専門研究官も「同意なしに収集されたデータの公開は不適切」と批判しているのだそうです。
中国は、海底地形の形や地質を根拠に「中国の大陸棚は沖縄トラフまで続いている」と主張し、沖縄トラフまで自国の権限があるとして調査を強行し、自説を補強するデータを収集して成果の発表を続けています。
EEZについては、中国は「東シナ海大陸棚沖縄トラフ限界説」を主張。日本は、「東シナ海大陸棚琉球海溝限界説」をとり、大陸棚上の境界は「衡平な解決」の原則を採り日中等距離中間線を大陸棚・EEZの境界とするのが妥当であると主張していて、東シナ海では日中間で主張の相違があることは諸兄がご承知の通りです。
中国の多数の論文発表の背景には、中国の「東シナ海大陸棚沖縄トラフ限界説」を補強する動機があり、データを収集して成果の発表を続けているのですね。
また、沖縄トラフや沖ノ鳥島周辺での調査は、潜水艦の航行という軍事利用目的もあるのですね。
東シナ海の日本が主張するEEZ境界線でのガス田開発を巡っては、2008年6月の日中両政府によるガス田共同開発の合意がありましたが、現状は、中国が無視して開発を進め、軍事利用さえ始めているのですね。
中国による東シナ海での一方的資源開発の現状 | 外務省
小泉政権時に、故中川経産大臣(当時)は、日中境界線の日本側で開発着手を表明し中国を牽制したことがありましたが、小泉氏は二階氏(媚中派であることは衆知)に交代させる人事を採りました。
その時代に、尖閣の領有権問題は稀に危惧する声がきかれましたが、今日の軍艦による領海侵入が現実のものになるとは、思いもよらないことでした。
「ゆでがえる」化してしまっている日本の現状を、改めて気づかされます。
更に10年後は、はたして沖縄が日本国として残っているでしょうか。
朝鮮半島は、何処が領有しているでしょうか。
戦後最大の危機に面している日本をとりまく環境下の、「モリカケ」に関する政局論争への多大な時間と労力。日本を沈没させようとする意図を感じてしまうのは、考えすぎでしょうか。韓国が、北朝鮮の影響下に治められつつある現状は、他人事と思えなくなってきています。
# 冒頭の画像は、中国の調査船「科学号」
コスモス
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