遊爺雑記帳

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プーチン氏 人気回復に「北極と極東での海軍力強化」

2012-02-27 00:05:43 | ロシア全般
 反プーチン勢力が強まり、支持率が下降していたプーチン氏の支持率が反転上昇しているのだそうですね。
 原因は、「愛国主義」=ナショナリズム強化と、軍需産業への支出に加え、公務員給与の大幅引き上げや年金の増額など大盤振る舞いといったポピュリズム。
 日本の近隣国、中国・韓国の政府が民意のコントロールに使う常套手段が反日運動ですが、プーチン氏も“外敵”に対する団結を訴える「愛国主義」を強め、「北極と極東での海軍力強化」を重点課題に掲げたのだそうです。
 

プーチン氏、軍拡鮮明 露大統領選 「愛国」訴え支持上昇 (1/26 産経)

 【モスクワ=遠藤良介】3月4日の大統領選まで1週間となったロシアで、最有力候補のプーチン首相(前大統領)が次期政権で国防費を増加させ、米欧に対抗して軍拡路線をとる方針を鮮明にしている。プーチン氏は各種の社会支出を増やすバラマキ政策の約束や、“外敵”に対する団結を訴える「愛国主義」で支持率を上昇
させており、第1回投票で過半数を得票して当選を決める可能性が高い。
 プーチン氏は最近の国営新聞への寄稿で「ロシアや同盟国の国境間近で紛争を挑発しようとの意図的な試みがある」と主張。今後10年間に23兆ルーブル(約62兆円)を支出して兵器近代化を急ぎ、米国のミサイル防衛(MD)計画にも対抗していく考えを改めて示した。
 また
「北極と極東での海軍力強化」を重点課題
に掲げ、日本から近いカムチャツカ半島には核ミサイルを搭載可能な最新型のボレイ級原子力潜水艦を配備することを明らかにした。
 プーチン氏は最近の演説で「われわれは内政干渉を許さない。ロシアをめぐる(外国との)戦いは続いている」などと「愛国主義」を鼓舞。軍需産業への支出に加え、公務員給与の大幅引き上げや年金の増額など大盤振る舞いを約束している。
 専門家の試算では、ロシアの国防費が国内総生産(GDP)に占める割合は現在の約3%から5~6%に上昇する見通し。
独立系世論調査機関によると、プーチン氏は地方や国営部門を中心に支持率を66%まで伸ばしている


 ロシアは、2010年に「第2次世界大戦が終結した日」を、改めて制定、メドベージェフ氏が署名をしました。このころから、北方領土を巡り、国内のナショナリズムに迎合する政策が始まっていて、多くの諸兄が警告を発信されていたのでした。
 
対日戦勝記念日 - Wikipedia

 プーチン氏の予想外の支持率低下への対策で、軍事上の対日強硬姿勢を懸念されている方も多かったと思いますが、残念ながら的中してしまった様ですね。
 産経のこの記事で「北極海と極東」と簡略にふれていますが、日本の「北方領土」も含まれますが、主眼は、氷が解けて往来が可能となる北極海の領海権益争いと、米中がつばぜり合いを始めた、西太平洋&アジアの覇権争いへの参戦ということなのですね。
 その意味からも、北方四島は軍事的に要衝として重要性を増していて、不法占拠の実効支配強化というレベルを越え、軍事要塞化が進められているそうですね。
 
北方領土、要塞化の危機 日本を仮想敵に演習活発 - MSN産経ニュース

 当然日本政府は抗議すると共に、何らかの具体的行動を起さないと、このロシアの攻勢を黙認することになるのですが、なにかアクションを起こした報道は今のところ見当たりません。
 今、ロシアが一番苦労していることは、現在の主力の天然ガス田の枯渇に伴う、極東や北極圏のガス田の新規開発と、欧州での脱露依存に伴う、新しい販路の開拓です。
 中国、韓国と共に、当然世界でNo.3の経済大国でありサハリンでの開発実績もある日本に開発と消費を大きく依存せざるをえません。日本の一部の目先の利益しか見えていない企業等に、その誘いの罠に気づいているのかどうか、はまってしまいそうな動きがありますが、ここは、じっと我慢が必要です。
 北方四島の返還と平和条約の締結(条約を破るのは得意な国ですが)までは、うかつに動いてはいけません。また、開発したガスも欧州各国が脱露を進めていると同様に、エネルギー安全保障上、購入してはいけません。中韓に売ればいいのです。シェールガスの出現や、カタールなどの拡販で、コスト高の極東や北極圏のガス田のガスを買う国はないかもしれませんが。
 高騰する資源のおかげで経済成長したプーチンのロシア経済は、苦境に面しています。そして、日本の支援が必要になるのです。
 プーチン氏の人気回復策のポピュリズムと軍事力強化によるナショナリズム高揚も、経済の裏打ちがあればこその政策で、このまま突っ走れば、ソ連の崩壊の再来を迎えるゴールは見えています。

 「待てば海路の日和あり」。ここは冷静に、我慢比べの時でしょう。そして、北方四島の要塞化には強行に抗議し、サハリンやウラジオストックでの開発協力は凍結話を持ちだせはいいのです。
 北極海への進出をうかがう中国に対し、強い警戒をしているロシアが、中国と対米協調をすることがあっても、親交を交わすことはありません。韓国がチョロチョロ動いても、大勢に影響はありません。
 日本は、しっかり横綱相撲をとればいいのです。


 # 冒頭の画像は、国後島に最近配備されたT80型戦車



  畑のニンジン

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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)
誰がメドベージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交





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