遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

金正恩 “脱中国”路線から急旋回

2018-03-30 23:40:12 | 北朝鮮 全般
 金正恩の訪中には驚かされました。様々な関連報道が飛び交っていますが、昨日(29日)の産経の報道が、概ね的をついている様に思えます。
 米朝会談に向け、金王朝の生き残りを懸け、“脱中国”路線から急旋回し、中国を最大の擁護者とするため、「宿敵」に膝を屈して取り入った。
 脱中国姿勢で面子を汚されていた中国にしては、異例の素早い対応で応じたのには、外交担当になった王岐山の影響が大きい。
 しかし、非核化問題は解決できるとしながらも、段階的で歩調を合わせた措置と、北朝鮮ペースを条件としているのですね。

 中国側とすれば、南北朝鮮と米国とで急展開で進められることになった米朝会談で、蚊帳の外になりかけたところを、このタイミングしかないと面子を潰され続けていたことは目をつぶって、割り込んで、主導権を取り戻したと言う結果となりました。
 
習近平氏訪朝へ 「千年の宿敵」に屈服した正恩氏 (3/29 産経)

 中国中央テレビと朝鮮中央通信が28日に報じた習近平との会談のやり取りからは、金正恩が訪中に踏み切った微妙な心境が浮かぶ。
 「初の外国訪問が中国の首都となったのは当然で、(訪中は)朝中親善を引き継ぐ私の崇高な義務だ」
 金は26日の夕食会でこう強調した。会談でも習に朝鮮半島情勢の急速な変化を挙げ、「私が遅滞なく習同志に状況を報告するのは当然だ」と言ってのけた。

◆真剣にメモ取る姿も
 その言葉とは裏腹に
中国のテレビは、習と握手する際のぎこちない笑顔を映し出した。習が発言する間、金が真剣にメモを取る姿もクローズアップした。北朝鮮メディアが、訪朝した韓国特使団が金の言葉を必死にメモする様子を強調して報じたのとは対照的に屈辱的場面ともいえた。

 「中国は千年の宿敵だ」。米政府系メディアによると、昨年12月、北朝鮮国内の講習会で幹部がこう中国への警戒を訴えた。中朝関係者によると、中国と密な関係にあった叔父の張成沢(チャン・ソンテク)を処刑したのも、異母兄の金正男(キム・ジョンナム)を暗殺したとされるのも親中派への見せしめの側面があったという。こうした
“脱中国”路線から急旋回したことになる。

◆予想外の米の承諾
 
制裁の打撃を免れるには中国に歩み寄るほかなかった事情が指摘されるが、それだけではないようだ
 中国共産党関係者によると、金の訪中に向けた動きが具体化したのは今月に入ってからだという。会談で
金は「電撃的な訪問提案」を習が快諾したことに謝意を示した

 金の動静報道は6日以降、途絶えた。「核は宝剣だ」と強調する労働新聞の記事も7日を最後に途切れる。8日には、金の非核化意思の表明と会談要請に対し、米大統領のトランプが5月までの会談を承諾。一連の動きは軌を一にしていることが分かる。
 南北対話とは異なり、
習との会談は、予想外に早いトランプとの会談に備え、急遽(きゅうきょ)、準備した可能性がある。北朝鮮メディアは、金が非核化意思を示したことに一切、触れていない。国民生活を犠牲に推し進めてきた核開発の看板を引き下ろす国内向けの論拠が整っていないことを物語る。

 首脳会談に応じても、米国が求めるのは「完全な核廃棄」だ。軍事オプションを取り下げたわけでもない。
 金は、米韓が「善意でわれわれの努力に応え、
段階的で歩調を合わせた措置をとるなら、非核化問題は解決できる」とし、習に意思疎通の強化や対話の擁護を要請した。北朝鮮ペースでなければ、非核化に応じないとの表明といえ、前提は韓国特使にも訴えた「体制の安全の保証」だ。生き残りを懸け、中国を最大の擁護者とするため、「宿敵」に膝を屈して取り入った覚悟がにじむ。 =敬称略 (ソウル 桜井紀雄)

 金正恩が"脱中国”路線から急旋回し、訪中に踏み切った微妙な心境は以下かと。
 ・制裁の打撃を免れるには中国に歩み寄るほかなかった
 ・予想外に早いトランプとの会談に備える為、急遽の訪中となった
 ・路線転換の詫びには、外遊先が中国を一番最初とする必要がある
 ・中国も求める非核化の用意があることの表明が必要だが、北朝鮮ペースでうやむやにしたい
 米国が求めるのは「完全な核廃棄」とは判っているので、米朝会談の決裂なしで、北朝鮮ペースに持ち込むために、そして、金王朝の存続を謀るために中国を最大の擁護者とする必要があり、「宿敵」に膝を屈して取り入ったということの様ですね。

 中国側は、対北朝鮮の主導権を獲り返すべく、王岐山が初仕事で異例の緊急対応をした。
 
中朝首脳会談 中国…血の友誼再び「特別な関係」演出 (3/29 産経)

<前略>
 【北京=藤本欣也】28日の中国国営中央テレビの映像によると、26日に行われた中朝首脳会談で、習近平国家主席はにこやかな表情をみせていた。前に座る金正恩朝鮮労働党委員長に何度もメンツをつぶされたとは思えない様子だ。
今回の電撃訪中の成功は、王岐山国家副主席が関与することになった新たな中国外交の初めての成果となった。

 中朝両国は特別な歴史を有している。中国は朝鮮戦争(1950~53年)で人民義勇軍を派兵し北朝鮮を滅亡の淵から救った。「血盟関係」「血で固めた友誼(ゆうぎ)」と表現される。
 しかし冷戦終結後の92年、中国が韓国と国交を樹立すると関係が冷却化。習氏自身、2014年、中朝の外交慣例を無視する形で最高指導者として北朝鮮より先に韓国を訪問し、金氏が激怒したといわれる。
 その金氏は近年、中国で開催される国際イベントの期間を狙うように弾道ミサイルの発射実験を強行。主催者の習氏は何度も面目をつぶし、両国は「普通の国と国の関係」と表現されることが多くなっていた。
 今月17日、国家主席に再選した習氏に送られた金氏の祝電も簡単な文面で、以前のような「伝統的な親善」を強調する文言はなかった。しかし金氏はそのわずか8日後に訪中した。
 「17日の時点で訪中が決まっていれば『親善』は抜け落ちないはず。訪中をカムフラージュするためだったのか、あるいは…」。外交関係者は首をかしげる。

 いずれにせよ、
習政権は北朝鮮側の電撃的な訪中要請を受け入れた。極めて重大な首脳会談を短期間の準備で行うという、以前では考えられない外交的決断を下した背景に陰のナンバー2、王岐山国家副主席の存在を指摘する声もある。26日の夕食会では金氏の側近中の側近、崔竜海(チェ・リョンヘ)党副委員長の隣に座っていた。

 その夕食会のあいさつで金氏は何度も「中朝親善」を強調。習氏も「伝統的な中朝親善は血で結ばれた親善だ」と述べ、
中朝「血盟関係」の復活を宣言した。
 国際社会は今後、“特別”な関係で結ばれた中朝両国を相手にすることになる。

 中朝「血盟関係」の復活がなされた形となり、最近の金正恩の脱中国支配姿勢が転換され、国際社会は対応には留意が必要だと。
 
 金正恩の訪中については、習近平からトランプ大統領に事前連絡はあったのですね。
 
中朝首脳会談 米国…大統領「会談楽しみ」 (3/29 産経)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の中国訪問に関し、米国の主導による国際社会の「最大限の圧力と関与」路線への取り組みが「北朝鮮との対話に向けた適切な環境を作り上げている証左だ」(サンダース大統領報道官)との確信を深め、5月の実施が見込まれる米朝首脳会談で北朝鮮に「完全非核化」を迫る構えだ。
 
トランプ大統領は28日、中国の習近平国家主席から「金正恩氏が私との会談を楽しみにしているとのメッセージを受け取った」とツイッターで明らかにした。その上で、トランプ氏は「われわれの会談を楽しみにしている」ともツイートした。

 金氏による電撃訪中の動機について、
ジョージタウン大外交大学院のウィリアム・ブラウン非常勤教授は「制裁圧力に苦しむ北朝鮮が事態打開に向け中国に活路を求めた」とみる。

 
米政権が警戒するのは、中国が今回の中朝会談を受け、金体制を温存する思惑から、米国が目指す北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」に立ちはだかるような態度に回帰することだ。

 米国務省のナウアート報道官は「中国は北朝鮮制裁でさらにできることがあり、それらを避けて通ることのないよう希望する」と述べ、
中国が国際社会に制裁緩和を働きかけるなどして対北包囲網を乱すことのないようくぎを刺した

 米政権が警戒するのは、中国が今回の中朝会談を受け、金体制を温存する思惑から、米国が目指す北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」に立ちはだかるような態度に回帰することだと。
 日米は、北朝鮮の核の廃棄が見届けられるまで、制裁は継続するとしていますね。
 米朝会談の露払いとしての南北朝鮮会談で、何処まで核とミサイル開発について話がつめられるのか。米朝会談は、始まるのか。始まって、核とミサイル開発についてどこまで詰められるのか。日米が求める「完全な核廃棄」への協議は合意に至るのか。要注目です。

 南北朝鮮会議前に割り込んで行われた中朝会談で、中国が主導権を取り返したのが現状。
 主導権を握ったかに見えていたのに奪われたトランブ大統領は、どう挽回するのか。
 金正恩は、貿易で米国との間で抗争が始まった中国だけに頼るのではなく、ロシアとも繋がっておきたく、金正恩の訪露の話も聞こえてきます。
 まさにひっぱりだこの金正恩。

 日本国内では、日本だけが蚊帳の外と、安倍首相の訪朝による金正恩との会談を促すこえが聞こえてきています。
 しかし、金正恩は自国が核保有国である立場で、核保有国同士での対話交渉を求めていますから、日本は無視です。
 更にいえば、日本とは平和条約を結んで、韓国と同様に戦後補償を獲得する狙いがあります。
 その補償額を釣り上げておく必要があります。(平壌への切符代金とも言われていますね。)
 なので、日本はいま急いで首脳会談をするわけには行かないのです。拉致被害者のご家族にとっては、早期の拉致被害者奪還交渉を望んでおられるのは、重々理解できますが。
 日米(米国も人質をとられている)の連携で、焦らず交渉する必要があります。

 政府や国会議員の関与はないと証人喚問で証言がなされた森友問題。文書改竄は、財務省内で行われたとし、検察で操作中。今後は財務省への追及・糾明がもとめられるのに、政権転覆にこじつけて世論を煽ろうとする野党や偏向オールドメディア。
 日本を取り巻く国際環境の変化に素早い対応が遅れると、民主党政権時代の様に、日本沈没の道にさまよいこみかねません。
 野党や偏向オールドメディアの利益の為で、国益を損なう行為には、民進党政権にノーを下した日本国民。再び騙されない用心が必要です。



  # 冒頭の画像は、訪中した会議でメモをとる金正恩




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