インドの総選挙では、「民衆の間に現政権の5年間で進んだ対米接近に戸惑いがある」とのことで、米印原子力協定を目玉に現政権の支持率が低下し、野党の伸張があり政権交代の危惧がなされていました。
結果はご存じの通り、マンモハン・シン首相の国民会議派が圧勝でした。
野党は戦術を間違ったと言っているのだそうですが、インド国民の広い視野と中長期の視点がもたらした結果だと、他国民の身ですが祝杯を挙げています。
会議派を中心とした与党連合は、選挙後に社会主義党(SP)、大衆社会党(BSP)など地域政党が相次いで支持を表明したことを受け、閣外協力を加えて下院定数545の6割近い計322議席に達したのだそうです。
選挙前には状勢の厳しさから「協定に反対して閣外協力を解消した左翼4党に再び協力を仰ぐ」とまで言っていたシン首相ですが、今後の連立政権のかじ取りは、「強い首相」として、内外へ、これまでのアジアの自由主義連合国との絆を深める道を引き続き推進していただける事を期待しています。
選挙結果を待っていた米国も動き始めることでしょうが、日本も元気なインドとの絆を太く強固な者として、相互の連携で、アジアや世界経済を救う道をみけていかねばなりませんね。
↓ よろしかったら、お願いします。
結果はご存じの通り、マンモハン・シン首相の国民会議派が圧勝でした。
野党は戦術を間違ったと言っているのだそうですが、インド国民の広い視野と中長期の視点がもたらした結果だと、他国民の身ですが祝杯を挙げています。
印シン政権2期目スタート 「強い首相」に変身 (5/23 産経)
権謀術数が渦巻く政界には、およそふさわしくない人物だ。
マンモハン・シン首相(76)。英オックスフォード大で経済学の博士号を取った、もとは経済学者だ。おとなしく控えめ。権力欲が彼を5年前に首相の座へと導いたわけでもない。実務肌であることも手伝って「弱い指導者」と揶揄(やゆ)されもした。それが、1期目の政権運営の末に、下院選挙で国民の信任を勝ち得たことで「強い首相」へと変身した。
「シン首相、引き続き“キング”」
16日の下院選挙の開票で国民会議派率いる与党連合が圧勝した翌日、地元紙はこんな見出しを掲げた。昨年夏にヒットした映画「シン・イズ・キング」にひっかけたものだ。首相が任期5年を全うした後に続投する例はまれで、ネール初代首相(1947~64年)以来でもある。
その「キング」も、会議派の象徴であるガンジー家の“雇われ首相”にすぎなかった。しかも下院優位の議会にあって上院議員だ。本来なら会議派の総裁、ソニア・ガンジー氏が首相に就くはず。しかし、イタリア人ということもあり、1990年代に、財務相としてインドの社会主義経済からの脱却と経済自由化に貢献したシン氏に首相の実務を委ねた。
政権1期目には、3年連続で9%を超える高い経済成長率を維持するなど実績を挙げた。だが、左派共産党などを政権内に抱え、大胆な経済改革を思うように進められず「決断力に欠ける」という批判も浴びた。
そうした評価は、昨年夏の出来事によって変わる。左派勢力が米印原子力協力協定に反対して閣外協力を解消し、政権は窮地に陥った。しかし、シン首相は「経済成長を支えるエネルギーを確保するためには協定の発効が必要だ」という信念を貫く。そして、左派勢力に固執することなく、さっさと別の政党を取り込み協定発効にこぎつけた。「政治的に無力」とのイメージを打ち破りタフさを見せつけた瞬間だった。
今年1月には心臓手術を受け、下院選挙戦の序盤は存在感がなかった。野党側は首相批判を強め、会議派のガンジー家は首相を擁護し応酬した。勢い首相は注目され、週刊誌は「なぜ首相がこれほどまで重要人物になったのか」と特集を組んだほどだ。
首相には、ソニア総裁のような熱狂的な人気はない。だが、汚職とは無縁なクリーンさや、素朴さを国民は好感している。野党幹部は「シン首相への個人攻撃が選挙の敗因の1つだった」とまで語っている。
首相はいまや、安定政権の上に立つ。「強い首相」の今後が注目される。(田北真樹子)
権謀術数が渦巻く政界には、およそふさわしくない人物だ。
マンモハン・シン首相(76)。英オックスフォード大で経済学の博士号を取った、もとは経済学者だ。おとなしく控えめ。権力欲が彼を5年前に首相の座へと導いたわけでもない。実務肌であることも手伝って「弱い指導者」と揶揄(やゆ)されもした。それが、1期目の政権運営の末に、下院選挙で国民の信任を勝ち得たことで「強い首相」へと変身した。
「シン首相、引き続き“キング”」
16日の下院選挙の開票で国民会議派率いる与党連合が圧勝した翌日、地元紙はこんな見出しを掲げた。昨年夏にヒットした映画「シン・イズ・キング」にひっかけたものだ。首相が任期5年を全うした後に続投する例はまれで、ネール初代首相(1947~64年)以来でもある。
その「キング」も、会議派の象徴であるガンジー家の“雇われ首相”にすぎなかった。しかも下院優位の議会にあって上院議員だ。本来なら会議派の総裁、ソニア・ガンジー氏が首相に就くはず。しかし、イタリア人ということもあり、1990年代に、財務相としてインドの社会主義経済からの脱却と経済自由化に貢献したシン氏に首相の実務を委ねた。
政権1期目には、3年連続で9%を超える高い経済成長率を維持するなど実績を挙げた。だが、左派共産党などを政権内に抱え、大胆な経済改革を思うように進められず「決断力に欠ける」という批判も浴びた。
そうした評価は、昨年夏の出来事によって変わる。左派勢力が米印原子力協力協定に反対して閣外協力を解消し、政権は窮地に陥った。しかし、シン首相は「経済成長を支えるエネルギーを確保するためには協定の発効が必要だ」という信念を貫く。そして、左派勢力に固執することなく、さっさと別の政党を取り込み協定発効にこぎつけた。「政治的に無力」とのイメージを打ち破りタフさを見せつけた瞬間だった。
今年1月には心臓手術を受け、下院選挙戦の序盤は存在感がなかった。野党側は首相批判を強め、会議派のガンジー家は首相を擁護し応酬した。勢い首相は注目され、週刊誌は「なぜ首相がこれほどまで重要人物になったのか」と特集を組んだほどだ。
首相には、ソニア総裁のような熱狂的な人気はない。だが、汚職とは無縁なクリーンさや、素朴さを国民は好感している。野党幹部は「シン首相への個人攻撃が選挙の敗因の1つだった」とまで語っている。
首相はいまや、安定政権の上に立つ。「強い首相」の今後が注目される。(田北真樹子)
会議派を中心とした与党連合は、選挙後に社会主義党(SP)、大衆社会党(BSP)など地域政党が相次いで支持を表明したことを受け、閣外協力を加えて下院定数545の6割近い計322議席に達したのだそうです。
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