遊爺雑記帳

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薄煕来・前重慶市党委書記 実質上の身柄拘束となる「双規」通告

2012-03-20 22:33:14 | 中国 全般
 習近平新体制に向け、権力争いが激しさを増し、薄煕来・前重慶市党委書記の処遇が急速な展開を見せています。
 四川省成都の米総領事館に逃げ込んだ王立軍副市長を斬り延命を図ろうとした薄氏でしたが、全人代終了時に温家宝首相が厳しく批判したことに事態の根深い深刻さが感じられたと思いきや、間髪を入れず、重慶市党委書記を解任されました。
 この素早さに驚いたのですが、政権移行を混乱なくスムース行うには、薄氏への処理も間に江沢民派を入れここらで一服との見方がありました。ところがなんと、実質上の身柄拘束となる「双規」が通告されたのだそうですね。「双規」の手続きを取られた党高官は、例外はあるものの大半が起訴され、懲役刑以上の判決を受けているのだそうです。
 事態の進展の速さにまたまた驚くとともに、うらでの深刻さはいかばかりかと推測してしまいます。
 
「解任・重慶前トップ拘束 妻の収賄など、完全失脚」:MSN産経ニュース
 
薄煕来氏失脚 崩れる権力バランス 勢い増す胡主席派 (3/20 産経)

 【北京=矢板明夫】中国共産党の次期最高指導部、政治局常務委員会入りが有力視されていた薄煕来・前重慶市党委書記の失脚は党内の権力バランスを大きく崩す。共産主義青年団(共青団)出身者を中心とした胡錦濤国家主席のグループが大きく勢力を伸ばす一方、江沢民前国家主席のグループや習近平国家副主席ら「太子党」グループが政局の主導権を失いつつある秋の党大会まで半年余、ポストをめぐる抗争が激化する
見通しだ。

 共産党筋によれば、ポスト胡錦濤体制では、習氏を党総書記兼国家主席、李克強氏を首相に起用する既定方針に変わりはないが、この2人の力関係が微妙に変化するという。胡派の躍進で李氏の影響力が強くなり、同じ太子党の薄氏を失った習氏の影響力が低下し、厳しい政権運営を強いられるとの見方だ。
 薄氏は失脚しなければ、国家安全、警察、司法担当の中央政法委員会書記として最高指導部入りの可能性が高いといわれてきた。このポストは
政敵の動向調査や逮捕権の行使ができるため、各派閥が最も欲しいとされるポストだった。薄氏の代わりに、江沢民派は公安相の孟建柱氏を推しているが、力不足で実現する可能性は低いとされる。現在のところ、胡主席の懐刀といわれる広東省トップの汪洋氏がこのポストに就く
可能性が高いといわれている。
 また、金融・貿易担当の副首相で太子党の王岐山氏は、李氏の後任として筆頭副首相に就任する可能性が高いといわれてきたが、重慶事件のあおりを受け、閑職の全国人民代表大会常務委員長(国会議長に相当)に回される可能性もささやかれるようになった。
 今年の全人代期間中、王氏は「刑法を修正したい」などと担当外のことを言及していたことが注目された。実権のある筆頭副首相は、重慶事件で胡派に協力した張徳江副首相が就任する可能性が高くなったという。
 さらに、胡派の若手で、令計画氏と胡春華氏が最高指導部入りの可能性が出てきた。実現すれば
習氏の次の世代を胡派で押さえた
ことになる。

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【政治局常務委員の予想候補】
                  (定員9人)

 習近平 国家副主席(太子党)       ◎
 李克強 筆頭副首相(胡錦濤派)      ◎
 李源潮 党組織部長(胡錦濤派、太子党)  ◎
 王岐山 副首相  (太子党)       ○
 張徳江 副首相  (江沢民派)      ○
 汪洋  広東省書記(胡錦濤派)      ○
 兪正声 上海市書記(太子党)       △
 張高麗 天津市書記(江沢民派)      △
 劉雲山 党宣伝部長(江沢民派?)     △
 劉延東 国務委員 (胡錦濤派、太子党)  △
 令計画 党中央弁公庁主任 (胡錦濤派)  ▲
 胡春華 内モンゴル書記  (胡錦濤派)  ▲
 孟建柱 国務委員    (江沢民派)   ▲

 ◎確実 ○有力 △可能性あり ▲浮上

 政権移行では、胡錦濤氏の李克強氏をとの意向が通らず、江沢民の上海派と軍部の推す太子党の習近平氏が座を射止めていました。
 胡錦濤・温家宝両氏がレームダック化し、江沢民と人民解放軍の以前の政治形態=国民の不満を反日で逸らし、私利私欲を追求し軍拡を進め近隣国に覇権を拡大する政治に戻るのかと危惧していました。
 
 ところが、習金平氏が先般訪米した時には、胡錦濤政権の政治姿勢を踏襲すると発言していました。政権移行を円滑にするためと、訪米での外交辞令とも受け取り、真意を測りかねていました。
 
 今、中国の政治は、胡錦濤派(共青団)+温家宝氏(無派閥)、江沢民派(上海派)、習金平派(太子党)、人民解放軍が影響力を競っていると遊爺は素人考えをしています。この内の、江沢民派と人民解放軍が習近平氏を推して、次期政権の座を獲得させたと理解していましたし、多くの報道が、今回の事件の表面化まではそんな流れだったと認識しています。
 今回の事件に関しては、この四つの勢力の中の誰が薄・王両氏を追い落したのか。胡錦濤派(共青団)と太子党の争いとする報道と、習氏と薄氏との党内対立と胡錦濤(共青団)とが合致した動きとの見方とがありますね。
 薄氏の重慶市党委書記の後任は、本来は共青団と対立関係にあるはずの江沢民派の張徳江副首相が当てられ、共青団と太子党との直接対決の表面化を回避しながらの薄氏の訴追です。
 更にいえば、人民解放軍の動向が全く報道に出て来ないのも不気味です。

 産経の記事では、薄氏が消えた後の、政治局常務委員の9つの席を目指す候補者12人の名前があげられています。
 未だ未だ今後も続きそうな新政権の9つの席を巡る争い。秘密のベールの奥で何が起きているのか、日本はもちろん世界への影響が大きい分注目が必要ですね。
 中央政法委員会書記の席を、汪洋広東省党委書記(胡錦濤派)が採れるか、政権離脱後の胡錦濤・温家宝両氏の身の安全には欠かせない椅子ですから、特に注目が必要です。





  冠雪したコトネアスター・ミクロフィラ 撮影場所; 六甲高山植物園

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写真素材 PIXTA

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