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つまり、権力抗争で圧倒的に優位な展開を示していた胡錦濤・共青団が、習近平の一時公式舞台欠席を経て北戴河会議で大逆転されたことの辻褄が合うのです。追いつめられていた習近平が、尖閣国有化に対する胡錦濤政権の姿勢を攻撃し逆転に成功したという説です。
この時、胡錦濤政権の姿勢が批判にさらされた根拠がはっきりしませんでしたが、日本政府が東京都の購入を阻止し、現状維持をする為だと事前連絡し、胡錦濤政権がやむなしとする気運があったという記事がありました。
ウラジオストクでの野田・胡錦濤会談で胡錦濤氏が強く国有化に抗議したことと、事前黙認説との辻褄はどう合わせるかが疑問となりますが、ピンチに立たされた胡錦濤氏が黙認気運を否定する為に強い姿勢で抗議したと考えれば話は繋がります。
中国の尖閣強硬策は習近平が主導 - 遊爺雑記帳
中国は来月8日開会の第18回共産党大会で、胡錦濤国家主席・温家宝首相の現体制から、習近平副主席、李克強副首相らの新指導部への世代交代を行う。胡・温政権の10年間に中国は経済・軍事の両面で米国に次ぐ大国にのし上がり、近年はアジア太平洋地域を中心に覇権拡大の動きをあらわにしている。習副主席のこれまでの言動からみると、この傾向は今後さらに強まりそうで、東アジア情勢は波乱含みと言うほかない。
「日本政府の釣魚島(尖閣諸島)国有化はおかしい。(主権問題を棚上げする)両国の共通認識を破られては、われわれが自制を保つ根拠はどこにあるのか」。尖閣国有化への抗議暴動が始まった先月中旬、中国外務省高官は憔悴(しょうすい)しきった表情でこう語った。
いつもは明るく当意即妙の応答をする人物だが、この日はモノローグ(独白)さながらの語り口。暴動対策を聞いても「日本国民の安全を保証するため対策を講じているところ」と力なく応じるばかりだった。
日中関係筋によると野田政権は事前に「尖閣の現状を維持するために国有化する」と外交ルートで伝えていた。中国側の反応も「東京都による尖閣購入を防ぐにはやむなし」との感触だった。
局面を大きく変えたのは習近平副主席との見方がもっぱらだ。すでに胡錦濤主席からの政権引き継ぎ過程にある習副主席ら強硬派は、胡政権の対日関係重視の外交を一変させた。抗議行動が暴動に拡大するのも放任し、日本領海への侵犯や周辺海域での軍事演習を常態化させるなど、まさにこれを好機とばかりにやりたい放題だ。
中国外務省も集中的なバッシングを受けたもようで、くだんの外務省高官の落ち込みぶりは、その激しさを“雄弁”に物語っていた。
「習近平副主席ら次世代、特に太子党(高級幹部子弟)は、親米反日傾向が強い」(北京の対外関係筋)。習氏の娘や失脚した薄煕来前政治局員の子息など、多くの太子党幹部が親族を米国に留学、または移住させている。米国の大手メーカーや金融資本と手を握り、巨利を貪(むさぼ)る高級幹部も多い。
両親から反日教育をたたき込まれ、青少年期に文革の紅衛兵として数々の暴行に関わった世代だけに、今回の反日暴動もほんの“序の口”といったところかもしれない。
しかも今の日本は「主要な外交相手ではなく」(高洪・中国社会科学院研究員)、「米国のように中国に重傷を負わせる強さもない国」(環球時報紙18日付社説)にすぎないという。随分傲慢になったものだ。
そこで習近平氏は“ボス”の江沢民前主席が1990年代に推進した「親米反日路線」を再現して日米分断を進めようとしているが、今度はそう簡単ではないだろう。
米調査機関が今年前半に行った国内世論調査では中国は「競争相手」との見方が66%、「敵」も15%を占めた。「信頼できる国」との答えは26%と英国(78%)、日本(62%)を大きく下回った。
就任当初は「G2(米中基軸)」を唱えたオバマ政権も、昨秋から対中包囲網形成の動きを加速している。この100年余り、米国はアジア太平洋地域で自らの覇権に挑戦する相手を潰してきた。帝政ロシア、戦前の日本、ソ連。中国はかなり手ごわい相手になったが、米中蜜月の再現は無理だろう。
外交常識として、唐突に一方的に尖閣国有化を宣言実行したと見える民主党外交は異常です。いかに外交センスが欠如する民主党政府とは言え、外交のプロの外務省(経済一流外交三流と言われる実力ですが)がついていれば、全くコンタクトなしとは、いかに三流外交とは言えそこまで無能かとひっかかっていました。
記事では、「尖閣の現状を維持するために国有化すると外交ルートで伝えていた」とされています。そして、「中国側の反応も、東京都による尖閣購入を防ぐにはやむなしとの感触」と受け取っていたと。
曲者は、「感触の受け取り方」でしょう。あくまでも感触だけなら、政権交代の権力闘争の最中なのですから、一夜にして変化することは敏感に注視する必要があったはずです。胡錦濤・共青団が優位に展開していることは、素人の遊爺でさえ各種報道で知りえていましたから、政府・外務省も十分承知はしていたことです。習近平が、最後の頼みの綱として軍と共謀して、胡錦濤・共青団への反攻をするであろうことも、素人の遊爺でさえ警戒していましたから、政府・外務省も当然アンテナは張っていたはずです。
三流外交の実力の故、そのアンテナに引っかからなかったとしても、ウラジオストクでの胡錦濤氏の態度から、「受け取っていた感触」との違いには疑問を持たねばなりませんでした。しかし、直後に国有化を閣議決定しました。
習近平は大喜び!
このストーリーの真偽は遊爺の推論です。しかし、このストーリーなら、感度の鈍さにあきれますが、根回しはしようとしていたことで、いくばくかの野田政権と外務省の外交音痴への非難を和らげることは出来ます。
しかし、事前連絡をしていたのが本当なら、この手の情報漏洩が頻繁な民主党ですから洩れてきそうなものですが、遊爺はこの記事以外では見かけませんので、事前連絡をして、その反応を得ていた(連絡しただけで反応を得ていなければ外交連絡をしたとは言えない)とは思えないのですが。
真実は解りませんが、習近平が逆転し、習近平主導で、江沢民派の昔に回帰した反日政権が誕生することになったのが現状です。
日本は、米、豪の同盟国、準同盟国の他に、インドやASEANの国々との中国包囲網のパイプを太く強くし、長期持久戦に転換していくことが今後の道となりますね。
インドと次官級対話 中国を牽制 豪州、欧州とも連携強化 - MSN産経ニュース
比、豪と軍事協力強化 大統領きょう訪問/合同演習開始→対中シフト (産経新聞) - Yahoo!ニュース
防衛省・自衛隊:日豪2+2成果文書(骨子)
# 冒頭の画像は、ウラジオストクで立ち話をした野田、胡錦濤
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/c1/a447ea2b8a8bfeb6ec01b4d0b7b449f1.jpg)
この花の名前は、アオモリマンテマ 撮影場所; 六甲高山植物園
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