インド太平洋地域で主導権を巡って、中国の「一帯一路」、日米豪印の「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」、日豪ベトナム他の「CPTPP(TPP11)」、年内の大筋合意を目指していた「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」と様々な活動が行われています。
大きくは、中国と日米豪等の自由主義陣営との対抗構造となっています。
そこで、インドネシアのジョコ大統領は、特定陣営にくみしないASEAN独自のインド太平洋を巡る構想を打ち出したのだそうです。
ASEANが構想の主導権を握ることで、「タイやシンガポールなど、米国主導の構想だけには乗りにくい国から一定の支持を得る可能性がある」との狙い。
自分達の国の国益と主権に係る重要な構想に、自分達が主導権を持とう。構想には多くの国の参画を募り易いものとしたい。対抗する勢力の一方に属すのではなく、是是非非で国益を高めたい。等々を考えるのは当然であり、解りやすく言うと、両天秤にかけることで国益を高めたいのも、当然の願望です。
ただ、韓国の様にどっちつかずで「コウモリ外交」と言われた、廬武鉉の「均衡論」ではありませんが、二兎を追う者一兎をも得ずとなりかねない。
タイやシンガポールなど、米国主導の構想だけには乗りにくい国(既にチャイナマネーの罠に取り込まれてしまった国)があるとのことで、米中いずれの国が主役かリーダー国ではない構想で、広く参加国を募るものを目指しているとのことですが。
中国の札束外交の罠は怖いけど、資金は欲しい。日米等が主催する構想の自由も欲しいと言うものですね。
自分達の国益追及は自分達が主導して決めたいとの志は素晴らしいことで、日本も見習い、自分の国は自分で守る気概は持ちたいが。。
# 冒頭の画像は、ポンペオ米国務長官とインドネシアのジョコ大統領
この花の名前は、ミヤマカラマツ
↓よろしかったら、お願いします。
大きくは、中国と日米豪等の自由主義陣営との対抗構造となっています。
そこで、インドネシアのジョコ大統領は、特定陣営にくみしないASEAN独自のインド太平洋を巡る構想を打ち出したのだそうです。
ASEANが構想の主導権を握ることで、「タイやシンガポールなど、米国主導の構想だけには乗りにくい国から一定の支持を得る可能性がある」との狙い。
インド太平洋 独自構想 ASEAN 日米中を意識 主導権模索 (11/16 読売朝刊)
【シンガポール=田中洋一郎、大重真弓】東南アジア諸国連合(ASEAN)が、インド太平洋地域で主導権を握るために、独自の構想を模索し始めた。南シナ海や経済協力などを巡り、地域に影響力を行使したい中国や日米などに対し、特定陣営にくみしない構想を掲げることで、ASEANとしての一定の独立性を保ちたい思惑があるとみられる。
競争でなく協力
インドネシアのジョコ大統領は15日、シンガポールで行われた東アジア首脳会議(EAS)で演説し、インド太平洋を巡る独自の構想を明らかにした。「インド太平洋地域は、天然資源や主張の違いについての争いの場にすべきではない」と指摘した上で、「継続して海洋上の事案について、各国に協力するよう呼びかける」と強調した。
これに先立ち、14日の中国とASEANとの首脳会議でも、ジョコ氏はこの構想を示した。関係者によると、構想は「競争のためではなく、協力のためだ」と強調し、中国が主導する巨大経済圏構想「一帯一路」について、ASEANとの「相乗効果を目指す」としている。
日本と米国は、すでに「自由で開かれたインド太平洋構想」を打ち出しているが、ASEANが構想の主導権を握ることで、「タイやシンガポールなど、米国主導の構想だけには乗りにくい国から一定の支持を得る可能性がある」(ASEAN関係者)とみられている。
危機感
ただ、南シナ海で強引な海洋進出を進める中国に対するASEANの警戒感は、海域での埋め立てなどへの「懸念」を盛り込んだ14日発表のASEAN首脳会議の議長声明からも明らかだ。「米中対立が先鋭化し、ASEANも中国に文句を言いやすい環境になった」(外交筋)という。
昨年11月の首脳会議では、議長国フィリピンの配慮で、議長声明から「懸念」の表現を削ったものの、ミサイル配備など、今年に入っても中国による軍事拠点化の動きは止まらなかった。
ベトナムは、対中けん制力として米国に期待し、マティス米国防長宮は今年2回、訪越した。3月には、ベトナム戦争終結後初めて、米空母によるベトナム寄港が実現するなど、両国は連携を深めている。
ドゥテルテ大統領の就任後、中国に妥協的だったフィリピンにも、危機感が出ている。スプラトリー(南沙)諸島の上空を飛んだ比軍機に対し、中国が警告を発した事案を念頭に、今夏、ドゥテルテ氏は.人工島を造成し、領海と主張することはできないしと発言した。15日もシンガポールで記者団に、「あつれきが続けば、何かのきっかけで誤った方向に向かいかねない」と武力衝突を危惧した。
経済依存脱却
政権交代の起きたマレーシアが「一帯一路」関連事業を中止するなど、経済面での中国脱却の動きも出ている。一方で、7月の総選挙を経て、さらに中国依存を深めるカンボジアなどは、中国の代弁者として振る舞う可能性が高い。
中国は、今後も南シナ海での紛争防止に向けた行動規範の策定協議などで、各国の足並みの乱れを利用するとみられる。ASEANは独自構想を打ち出すことで、こうした対立から距離を取りたい考えのようだが、地政学的に米中対立から完全に逃れることは難しそうだ。
【シンガポール=田中洋一郎、大重真弓】東南アジア諸国連合(ASEAN)が、インド太平洋地域で主導権を握るために、独自の構想を模索し始めた。南シナ海や経済協力などを巡り、地域に影響力を行使したい中国や日米などに対し、特定陣営にくみしない構想を掲げることで、ASEANとしての一定の独立性を保ちたい思惑があるとみられる。
競争でなく協力
インドネシアのジョコ大統領は15日、シンガポールで行われた東アジア首脳会議(EAS)で演説し、インド太平洋を巡る独自の構想を明らかにした。「インド太平洋地域は、天然資源や主張の違いについての争いの場にすべきではない」と指摘した上で、「継続して海洋上の事案について、各国に協力するよう呼びかける」と強調した。
これに先立ち、14日の中国とASEANとの首脳会議でも、ジョコ氏はこの構想を示した。関係者によると、構想は「競争のためではなく、協力のためだ」と強調し、中国が主導する巨大経済圏構想「一帯一路」について、ASEANとの「相乗効果を目指す」としている。
日本と米国は、すでに「自由で開かれたインド太平洋構想」を打ち出しているが、ASEANが構想の主導権を握ることで、「タイやシンガポールなど、米国主導の構想だけには乗りにくい国から一定の支持を得る可能性がある」(ASEAN関係者)とみられている。
危機感
ただ、南シナ海で強引な海洋進出を進める中国に対するASEANの警戒感は、海域での埋め立てなどへの「懸念」を盛り込んだ14日発表のASEAN首脳会議の議長声明からも明らかだ。「米中対立が先鋭化し、ASEANも中国に文句を言いやすい環境になった」(外交筋)という。
昨年11月の首脳会議では、議長国フィリピンの配慮で、議長声明から「懸念」の表現を削ったものの、ミサイル配備など、今年に入っても中国による軍事拠点化の動きは止まらなかった。
ベトナムは、対中けん制力として米国に期待し、マティス米国防長宮は今年2回、訪越した。3月には、ベトナム戦争終結後初めて、米空母によるベトナム寄港が実現するなど、両国は連携を深めている。
ドゥテルテ大統領の就任後、中国に妥協的だったフィリピンにも、危機感が出ている。スプラトリー(南沙)諸島の上空を飛んだ比軍機に対し、中国が警告を発した事案を念頭に、今夏、ドゥテルテ氏は.人工島を造成し、領海と主張することはできないしと発言した。15日もシンガポールで記者団に、「あつれきが続けば、何かのきっかけで誤った方向に向かいかねない」と武力衝突を危惧した。
経済依存脱却
政権交代の起きたマレーシアが「一帯一路」関連事業を中止するなど、経済面での中国脱却の動きも出ている。一方で、7月の総選挙を経て、さらに中国依存を深めるカンボジアなどは、中国の代弁者として振る舞う可能性が高い。
中国は、今後も南シナ海での紛争防止に向けた行動規範の策定協議などで、各国の足並みの乱れを利用するとみられる。ASEANは独自構想を打ち出すことで、こうした対立から距離を取りたい考えのようだが、地政学的に米中対立から完全に逃れることは難しそうだ。
自分達の国の国益と主権に係る重要な構想に、自分達が主導権を持とう。構想には多くの国の参画を募り易いものとしたい。対抗する勢力の一方に属すのではなく、是是非非で国益を高めたい。等々を考えるのは当然であり、解りやすく言うと、両天秤にかけることで国益を高めたいのも、当然の願望です。
ただ、韓国の様にどっちつかずで「コウモリ外交」と言われた、廬武鉉の「均衡論」ではありませんが、二兎を追う者一兎をも得ずとなりかねない。
タイやシンガポールなど、米国主導の構想だけには乗りにくい国(既にチャイナマネーの罠に取り込まれてしまった国)があるとのことで、米中いずれの国が主役かリーダー国ではない構想で、広く参加国を募るものを目指しているとのことですが。
中国の札束外交の罠は怖いけど、資金は欲しい。日米等が主催する構想の自由も欲しいと言うものですね。
自分達の国益追及は自分達が主導して決めたいとの志は素晴らしいことで、日本も見習い、自分の国は自分で守る気概は持ちたいが。。
# 冒頭の画像は、ポンペオ米国務長官とインドネシアのジョコ大統領
この花の名前は、ミヤマカラマツ
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