毎日がしあわせ日和

ほんとうの自分に戻れば戻るほど 毎日がしあわせ日和

送る儀式について考えた ・ その1

2012年05月24日 12時34分05秒 | 奈良・実家・家族
普段どおりの暮らしの流れに戻りつつ、4月22日からこっちの記憶の断片が時おりひらりと挟まれる時間を過ごしています。

懐かしいもの、悲しいもの、心残りをはらんだものなど 思い出にもいろいろありますが、その中でもとくに お通夜と告別式の光景が浮かぶと 妙に元氣がでてきちゃうのです☆

まあ、ああいう次第でああいう式だったからなんだろうな、と




そもそも 生前の母の希望は、無宗教で 内輪だけの家族葬でした。

いや、それ以前に「献体するから葬式もいらない」と言ってたんですが。

しかし、いざそのときになってみると、肝心の当人が献体手続きをしていなかったことがわかりました。

今思えば、母は(いや、私たち家族みんな 多かれ少なかれその傾向があるんですが)反社会的に突っ張ったところがあって、どこか反抗的にそういう主義主張を唱えていただけに過ぎないような氣がしているんですけど(^_^;)

だって、葬式いらないって言いながら 一方では葬儀社さんでしっかり積み立てしてたし(笑)

なにはともあれ、本人は口にするだけでよかったとしても、それを実現しなければならないのは 遺された家族。

遺体に付き添ってこられた葬儀社の方に そういう形で執り行いたい旨を伝えたのですが。



実はこの時点で 私の中でかなりの違和感が膨れ上がっていました。

自宅で、と言っても、ただでさえ決して広くはない家、奥の一間は父の事務所になっているし、母の居場所だった六畳は 介護ベッドと酸素吸入器にあらかたを占領されてギュウギュウ詰め。

しかも、2階の寝室から台所にいたるまで 居間を空けるために無理やり放り込んだ品々でシッチャカメッチャカのカオス状態。

こんな落ち着かない中で 家族だけがひっそりと身を潜めて、ほんとうに悔いのない葬りの式が出来るものか。

また、建物の混乱以外にも、今の私には 「身内だけで」というところに どこか意固地な閉塞感が感じられてなりませんでした。

以前だったらそんなふうに思うこともなかったのでしょうが、和歌山に移って、土地の人が力を合わせて行う 手作り感漂う暖かいお葬式を幾度も見、ときにはその端っこに加えてもらって、そういうみんなのパワーや心遣いが 亡くなった方にも残されたご家族にも大きな慰めとなる様子を目の当たりにしてきました。

俗に言う「村八分でも 火事とお葬式だけはいっしょにする」という言葉はほんとうだったのだなぁ、と。

そんな体験を重ねた身には、「身内のみ」と閉じこもって行うお葬式が、どこか寂しく寒々しいものに感じられてならなかったのです。



とはいえ、そんな思いをわかりやすく言葉にする猶予もないまま、あくまでも「故人の意思」ということで 話はどんどん進んでいきます。

家に来られた社員さんたちは ホールでのお式担当ということで、自宅葬担当の方が入れ替わりで来られることになりました。

夜中の12時に駆けつけてくださったこの方のおかげで、私たちはほんとうに悔いのない いいお式を行うことが出来たのです。

とにかく身内のみで、の一点張りの私たちに、この方は諭してくれました。

「近くでよく知った方が亡くなられてお葬式があるということになれば、ご近所の方だってお参りに来られますよ。

 そんなときに『身内だけでしますから』とお引取り願えますか?」

そう言われてみれば まったくおっしゃるとおり。

しかし、そうなると ごった返しているこの家に ご近所の方にまでいらしていただくのはムリがあります。

しかも、無宗教ということになれば、読経や焼香に替わる儀式の形を用意しなければなりません。

これはいったいどうしたものか。

主義主張ばかりが先走って 具体的なイメージをまったくといっていいほど持っていなかった私たちの危うさを指摘してくれた担当者さんは、さらに 悲しみや疲れから正常な判断能力が働かなくなっている様子を見て取って、当初29日お通夜・30日告別式の予定だったのを 一日日延べした上で、ホールを仮押さえするよう手配してくれたのです。

とりあえずこういうことにしておくから、猶予の中一日で もう一度ゆっくりお考えなさいと。

今思うと、この余分な一日がどれほどありがたかったことか。

ここから家族で額を寄せ合い アイデアを出し合っての オリジナルお通夜&告別式に向けて、事が動き出しました。




こちらの不手際からプランが二転三転した挙句、結局ホールでの式を選んだ私たちに 深夜に出向いて下さりながら 出番のなくなってしまった担当者さん。

でも、この方には今でも深く感謝しています。

おかげさまで、いま思い出しても心温まる 素晴らしいお式を出すことができました。

ほんとうにいい助言と手配をありがとうございました。




この話、思い入れがあって長くなりそうなので、いったんここで切りますね(^^ゞ

相変わらず言葉数の多い展開、長々とごめんなさいm(__)m