毎日がしあわせ日和

ほんとうの自分に戻れば戻るほど 毎日がしあわせ日和

送る儀式について考えた ・ その3

2012年05月27日 22時33分34秒 | 奈良・実家・家族
4月30日のお通夜のメインイベント(笑)、家族で歌う 母ゆかりの歌。

曲目は、両親が若かりし頃はやったロシア民謡の「カチューシャ」「ともしび」などから、母が好きだった「涙そうそう」、そしてラストの「歌詞がいかにも母らしい」ということで決まった 岩谷時子さん訳詞の「マイ・ウェイ」まで 全8曲。

「ともしび」は、昨年の誕生日に 父が母からプレゼントされ 練習を積んできたマンドリンの演奏入り。

さらに、BGMとして 生前母が氣に入っていた オカリナの宗次郎さんのクラシック曲集を使わせてもらうことに。

これがまた こういう場に見事にマッチして(宗次郎さん、お氣に障ったらごめんなさい)、「これ 誰が聞いても会館用意の定番BGMだと思うだろうね」と家族みんなが口をそろえるほど。

実際、当日献花のときの「G線上のアリア」や「アヴェ・マリア」なんて あまりにも美しくて涙が出そうなほどだったもの。



さて、曲目が出揃ったところで 全員で歌の練習。

時刻はすでに 夜中近く。

氣の毒なことに この4月29日が誕生日だった弟、お祝いが何もないのはあまりにもかわいそうと買ってきたイチゴのケーキなど食べながら、台所のテーブルにみんなで集まって、「この曲は1番だけにする?」「間奏はどうするの?」などと あーだこーだにぎやかなこと。

相変わらず居間に安置されている仏さまそっちのけ。。。いえ、決して忘れてるわけじゃないんだけど、ついつい歌のほうに意識が集中してしまって とてもお通夜前夜の雰囲氣とは思え~ん

途中でふと 台所の窓が開けっ放しになっていることに氣づいて 慌てて閉めながら、「こんなの聞こえたら あそこの家族 悲しみのあまり全員氣が違ったかと思われるよ」なんて肩をすくめたりして(笑)

そんなこんなもひっくるめて なんともわが家らしいこの空氣、母も苦笑するしかなかったことでしょう(^_^;)



結局 お通夜も告別式も 葬儀社さんのホールをお借りして行わせていただくことになったので、30日の晩は 家族みんなで母とさいごの夜を過ごすべく 会場2階の和室に泊まることに。

30日午前、母の出棺を見送った私たちは、すぐ後に続いて 山ほどの荷物を持って 会館に向かいました。

まずは 母の湯灌と納棺の儀に 家族で立ち会い。

湯灌と化粧をしてくださったのは係りの若い女の方、そして納棺は それまでずっとわが家の式全般の担当として付いてくださった男性社員のAさん。

このAさん、ずっと営業の方だとばかり思ってたのですが、会場の采配以外に なんと納棺師まで務めておられてびっくり。

お二方ともとても思いやり深く丁寧にお世話下さって、悲しい中にも穏やかな心持ちで 全プロセスを見守ることが出来ました。

そのあとは、母が安置された実際の会場で またしても歌の練習(笑)

祭壇は、お願いしたとおり たくさんの花で見事にデザインされ、母の大きな遺影が飾られて、この上ない出来栄え。

横のほうに やはり花で飾られた電子ピアノが置かれているのは いささかミスマッチな光景?

ここから先の雰囲氣は、お通夜をすっ飛ばして もうすっかりゲネプロ(^◇^;)

もしもし、え~っと、私たちここに何しに来たんだっけ?(爆)

とはいえ、母との思い出深い歌の数々、曲の持つ雰囲氣も相まって 演奏しながら涙が溢れてくることもしばしば、ほーちゃんなんて 泣きじゃくって歌えなくなってしまったりして。

そんな中、涙で顔を濡らしつつも しっかり片手を上げてポーズとってた弟、「職業病や!」と開き直り(笑)

どこまでも“らしからぬ”雰囲氣が漂っておりましたが、そこがなんともわが家らしく。

母だって 生きてたらけっこう楽しく声上げていっしょに歌ってたでしょうし、ヘンにしんみりめそめそされるより こういうの氣に入ってくれたと思うなぁ




練習以外の時間は、歌の楽譜に黒画用紙で表紙を付けたり、大きめの額に母のスナップ写真を数枚ずつ入れ コメントを添えて いらした方に見てもらえるようにしたり。

糊だのハサミだのせっせと使って、どこまでも 通常のお式では見かけないようなことばかりやってる一家です(笑)

でもこれは、私たちのアイデアを可能な限り形にしようと頑張って下さった Aさん始め 式場の方々の熱意のおかげなのです。

母の写真をプロジェクターで流そうという案は 残念ながら機械の事情で無理でしたが、遺影の他に 若かりし日の両親のツーショット写真を何枚か組み合わせたものを ポスターのように仕上げて 入り口に飾ってくれたり、写真立てに入れたスナップを置くスペースを設けてくれたり、会場の設営も 何度もチェックして手直ししてくれたりと、最大限いい式にしようと努めてくださる氣持ちが伝わってくるお仕事振りには 頭が下がる思いでした。

さらに、ご近所の方がお三人 受付を引き受けてくださって これまた心からありがたかったです。


こうして、多くの方々に力を貸して頂きながら、いよいよ本番に臨む(笑)次第となりました。