Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ハゲタカ 第2回

2007-08-20 | TVドラマ(日本)
「ハゲタカは企業を食い尽くすワルか?」

第一話で描かれていたのは、バブルの波に乗ってゴルフ場経営に手を出したばかりに本業の旅館を手放さねばならなくなった「西乃屋」。第二話&第三話では、宝石や着物など私物に金をつぎ込む女社長(名古屋在住の名物社長、またはアパホテル社長を彷彿させる)が経営する「サンデートイズ」。いずれも会社が傾くのは自業自得に思える。確かに鷲津の言う「あなた達を救いに来ました」という高飛車な言葉にはムカツクけれども。

それでも、やはり諸悪の根源は、社長の経営者としての手腕と、長期視点に立たずに金を貸し続ける日本の銀行のせい。しかし、ドラマはあくまでも「ハゲタカ」を悪党として描くことに徹する。それは、そうすることで、逆に「ハゲタカ」へのシンパシーを視聴者が持つようにするためではないか。そして、日本企業の甘えの体質を浮き彫りにするため。私はそう受け止めた。

それにしても、本ドラマ視聴率が5~6%前後だったとか。そんなにみなさん、金融業界のドラマに食指が動かないもんですかねえ…。

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<見事なイメージチェンジに成功した大森南朋>
いつからか、彼が出ていない日本映画はないというほど露出が目立つようになり、「第二の田口トモロヲ」と私は勝手に命名していた。しかしひねくれた役やアクの強い役が多く、金縁眼鏡のアメリカ帰りの金融マンでしかも主人公なんて務まるのかしらと心配していたが、嬉しいことに杞憂に終わった。

得てしていい俳優は、演技者としての力量以外に、「影」を感じさせる生来の魅力を持ち合わせている。つまり、母性本能をくすぐる男。本作では、銀行の貸し渋りのせいで取引先のおやじさんが自殺したという暗い過去を引きずる役。主役ではあるが、ダーティーヒーロー。そこが、彼本来の「影」の部分とうまく呼応して魅力的な男、鷲津を作り上げた。

常に冷酷な言葉を吐き続ける鷲津だが、その言葉の裏には彼なりの優しさや葛藤があるのではないか、ついそんなことを思わせてしまう色気がある。各人物の心理状況に迫る演出からか、アップのシーンが多く、個人的にはやや多様し過ぎなのでは?と思う部分もあるが、金縁眼鏡から遠くを見つめる鷲津の悲しげな目は、多くの女性ファンを鷲づかみにしたことでしょう。(ダジャレじゃありませんよ)って、傷を持つ男にめっぽう弱いワタシだけかな(笑)。