Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

あの胸にもう一度

2009-04-14 | 外国映画(あ行)
★★★☆ 1968年/イギリス 監督/ジャック・カーディフ
「裸にジャンプスーツ」


峰不二子のモデルと聞き及んでから、ずっと見たかった映画です。マリアンヌ・フェイスフル、彼女自身については、その波瀾万丈な人生を知るのみで、映画は初めて。

この年代のヨーロッパ映画ってのは、いろんな影響を日本の映画やドラマに与えていたんだろうなあってのが、よくわかりますね。峰不二子も作者側は肯定していないそうだけど、沢たまきがやってた「プレイガール」とか、雰囲気似てるもんね。(リアルタイムで見てないっすよ!)音楽にしても、この手のサウンドはクラブサウンドとして、今でも現役だしね。見終わった後に「パッパ、パヤッパ~♪」みたいな類似メロディが、頭をよぎりました。出来不出来はさておき、影響力の大きさってのも、映画のひとつの価値なんだろうなと思います。

お話としては、ナイスバディのねーちゃんが、バイクにまたがってる。ただ、それだけの映画なんですよ、ホント。しかも、自分で乗ってないし、もろ牽引バレバレだし、バイクの疾走感はイマイチですよね。でも、道中に見る妄想夢が、面白いんです。勘違いオンナ丸出しです。「全てのオトコたちは、私を見ているわ」なんて、マリアンヌじゃなかったら、成立しません。可愛くて、セクシーで、魅力全開です。相手役のアラン・ドロンもびっくりするくらい男前だし。やっぱ、この時代のアラン・ドロンを凌ぐイイ男って、未だに見あたらないですね。ジュード・ロウがデビューした時、アラン・ドロンをふと思い出しましたけどもね。

「裸にジャンプスーツで愛人の元へバイクを転がせる」という行為そのものが、1968年という時代においては、開放的な女のアイコンたり得たんでしょうね。風を受け、バイクの振動を感じ、愛人とのセックスを思い出しては、恍惚に浸る。モラルは?夫は?なんて無粋なことを言ってると、ラストに驚かされますよ。