Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

デス・プルーフ

2010-08-21 | 外国映画(た行)
★★★★★ 2006年/アメリカ 監督/クエンティン・タランティーノ

「超バイオレンス版SEX&THE CITY」


サ、サ、サイコー!ビバ!タランティーノ!いやあ、やられました。スプラッターが苦手なのですが、がんばって見て良かったです。なんで、そもそも今頃これを見ているかというと、グラインドハウス2本立て企画としての片割れ「プラネット・テラー」を先に見ようとしていたからなんですよ。ゾンビ出まくりの血しぶき飛ぶ展開に途中でDVD止めちゃいまして。こりゃ「デス・プルーフ」も無理だなと棚の奥に追いやっていたのです。

ぺちゃくちゃダラダラ続く女たちのおしゃべり。あけすけな会話。男たちを迎え撃つ4人組。なーんか、SEX&THE CITYのバイオレンス版みたい。くだらんおしゃべりがおもしろすぎる。女子モードのホラーアクションってのが、このジャンルになじみのない私にはとっても新鮮。こういうのをきっかけに「片腕マシンガール」とかにも興味がいっちゃったりするんだろうか。

とことん相手を痛めつけちゃうってのは、見ていてすごく痛快でなんですけど、やっぱそれは相手がほんとにワルじゃないといけないワケです。「アバター」みたいにやっちまえ~と思う自分に罪悪感を感じるようじゃ、映画としてダメなんですよ。その点、これはもう「このオトコ、早くたたっきっておくんなさい」てな、仕事人の依頼者みたいな心境になり。反撃始まった途端、イケイケモード全開。それにしても、メインスタントを務めるゾーイ・ベルかっちょええー。彼女の壮絶カースタントだけでも見る価値アリですね。

映像をわざと汚したり、フィルムが飛んだり、昔のグラインドハウスをそのままなぞらえた映像世界は、タランティーノがほんと、現場で楽しそうにやってんだろうなあってのが、目に浮かぶようです。作り手の興奮や楽しさがそのままドストレートに観客に伝わってきて、実に爽快でした。