Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

七人のマッハ!!!!!!!

2010-08-22 | 外国映画(さ行)
★★★★☆ 2004年/タイ 監督/パンナー・リットグライ

「落下!激突!強打!」


「マッハ!」が面白かったので観賞。いやあ、凄まじいスタントの連続でお口あんぐりでした。「マッハ!」より1対1の対決が少ないのがちょっと不満ですけど、それでも主演を務めるダン・チューボンの数々のスタントシーンに釘付けでした。とにかく落ちて、落ちて、落ちまくる。しかも、ただ落ちるんじゃあないですよ。必ず何かにぶつかってから落ちるんです。車、丸太、建物…etc。出演者のみなさん肋骨、何本折れてますかね。いや、肋骨くらいならかわいいもんでしょうか。燃えるトラックが次々と村中の家屋に激突。村ひとつぶっつぶすくらい、どーってことありゃしないという、もはやそれは意気込みとか、驚かせたいとか、そんなことでなく、無茶苦茶したれという狂った波動攻撃であります。

虫けらのように村人が虐殺されるわけですが、タイ人によるタイ人のための映画であることを考えると、この描写を「やり過ぎ」、「可哀想」、「ストーリーのためにわざわざ」、というのは、いかにも生ぬるい日本人的思考だと感じられて仕方ありません。父親の無惨な死を目の当たりにした少女が自ら下す鉄槌。憤怒の表情で肘鉄を入れるあの表情は、阿修羅のようです。その後続く、「とどめを刺して!」というセリフ。「殺して!」ではなく「とどめを刺して!」というセリフに侵略された者の憎しみの深さを感じさせます。しかも、それをあんな小さい少女に言わせるというところに、タイという国が抱える闇を感じられてしょうがないのです。ストーリーは無茶苦茶だし、セパタクローの選手なんて、ほとんどお笑い担当ですけどね。でも、侵され続けた者の怒り。それが、アクションというフィルターを通じて爆発する。それが、あまりに無謀で命知らずゆえに、圧倒されました。