Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

朝が来る

2021-08-22 | 日本映画(あ行)
★★★★☆ 2020年/日本 監督/河瀬直美

我が子を手放さなければなかった少女の悲劇的な運命と養子に迎えた我が子を慈しむ夫婦の生き様。ドキュメンタリーとフィクションの境目がない演出が効果的で直球の感動をもたらしてくれる。この演出によって全ての出演者が私たちのすぐそばにいるようなリアリティを持って迫ってきた。

なぜ父親である少年の人生には何事も起きず、少女だけが全ての苦を背負うのかと怒りにも似た悲しみを感じずにはいられない。それだけ、蒔田彩珠がすばらしかったのだが。彼女を筆頭に全ての役者の佇まいがいいが、中でも浅田美代子が出色。養子縁組のセミナーシーンは本職の人ではないかと疑うほど。