【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

朝日歌壇 戦争を詠む PART10

2022-11-07 | 日記
 朝日歌壇 10月分 (10/2 10/9 10/16 10/23 10/30)朝日新聞朝刊日曜日 ☆印は共選作
<高野公彦選>
世界葬もて送らんと希(こひねが)ふゴルバチョフとふ稀有なる人を(日進市)土谷三津子
 ★世界平和に貢献した人への絶大な尊敬の念を歌う。
ウクライナの翻訳家いふロシア兵に読ませたい本「ビルマの竪琴」(船橋市)大内はる代
防人(さきもり)の裾に取り付き泣く子らを今なお見たりウクライナの地に(五所川原市)戸沢大二郎
ヘルシーで美味しいからと水団(すいとん)をリクエストする平成生まれ(中津市)瀬口美子
柳条湖この三文字がどこにもない「九・一八」の日本の新聞(薩摩川内市)川野 雄一
柳条湖事件⇒こちら<永田和宏選>
フルネームですらすら言える政治家の一人だったミハイル・ゴルバチョフ(八千代市)砂川壮一
国葬でなくて良かったゴルビーに市民の列はバラを手向ける(中津市)瀬口美子
友達と戦争ごっこ「戦争」はそれしか知らぬ団塊世代(筑紫野市)二宮 正博
予備役の兵三十万に命下すその動員に自身は含まず(石川県)瀧上 裕幸

 <馬場あき子選>
被爆者の証言こそが抑止力になるとて今日もズームで証言(アメリカ)大竹幾久子
 ★被爆者としての証言を広く世界に発信する大竹さん。
☆いつの日かゼレンスキー氏の背広着る日がくることを祈り待っている(町田市)古賀公子
洪水と旱(ひでり)の世紀難民の箱舟沈むと日々のニュースは(オランダ)モーレンカンプふゆこ
 ★世界的に当面している洪水や旱魃(かんばつ)、さらには戦争や難民の問題。下句が重い。
「戦争の時代ではない」モディ首相のこの一言は重くせつない(鳥取県)表 いさお
 ★インドのモディ首相のことば。まさにその通りだがどうにもならない今日。結句が苦しい。
クルド人難民認定やっとひとりその経緯聞くクルド人らと(朝霞市)青垣  進
 ★難民認定、ともに寄り添いかち取った作者だ。

<佐佐木幸綱選>
子どもらと折づる手向け祈りゐしゴルバチョフ氏の姿を偲ぶ(和歌山県)市ノ瀬伊久男
翁長氏を悼みてくれしゴルバチョフ日本人の政治家よりも(水戸市)中原千絵子
地球儀の陸地を区分する線に人の争ふ来し方が見ゆ(尾道市)堀川  弘
 ★ロシアのウクライナ侵攻で、陸続きの各国家間のきびしい現実が浮かびあがった感じがする。
☆イジュームに四四七本の番号だけの十字架の立つ(西海市)山本 智恵
イジュームの戦い (2022年)⇒こちら

《山添さん親子》⇒こちら
編むという動詞の主語になれた日の九月の風は光をまとう(奈良市)山添聖子
★自分の著書を編んだ喜びであろう。
寂しさをどこかへ仕舞いたくなって穴深きシフォンケーキを買いぬ(奈良市)山添 聖子
コスモスと同じ背丈になった子とコスモスよりも高くなった子(奈良市)山添 聖子
弟は二学期最初の授業には教科書・ノートを持たずに行った(奈良市)山添葵
☆しおりには原爆ドームを描いたのに修学旅行は延期になった(奈良市)山添葵
二学期の席がえとなりの男の子お道具箱にバッタはいない(奈良市)山添  葵
☆遠足でじょう水場の地下へ行く電気はついたけどこわかった(奈良市)山添 聡介