震災ボランティアレポートIndex
8日間炊出しをしておった訳ですが。
今回参加したNGOの災害支援の炊出し要員は5人1チーム、プラス以前から被災地に居残って炊出しを続けている3人の都合8人。うちぐりと学生ボランティアのひとりを除いた全員が、調理師や管理栄養士など飲食業の実務経験をもつプロである。
みんな経験があるから仕事は早いし綺麗だし、何より手際がいい。そして味にもこだわりがある。米をとぐやら炊くやらいうだけで大激論できるくらい。自分で食べるわけでもなく、商売でつくるわけでもないのに。誰かをもてなすことが、人を喜ばせる行為がただただ好きなのだろう。熱いです。
毎日1000人分の食事となると、食材の量もハンパじゃない。
お米は80キロ/1日、肉は20キロ/1日。野菜類もそれぞれ洗って剥いてカットした状態で巨大なゴミバケツに1~2杯ずつ。
それらはすべて支援物資でまかなわれている。協力企業が定期的に食材を納入してくれるほか、キッチンチームからのリクエストも検討してくれる。足りなくなると自衛隊にねだって譲っていただいたりもする(自衛隊も支援物資を配布している)。
この他に、全国の有志の方々が食材を送って来てくれる。多くは生産者や流通業者の方々で、そうして贈られた野菜はどれも新鮮で質が良く、東京のスーパーではまずお目にかかれないくらい素晴らしい品ばかりである。粒ぞろいの大きなジャガイモ、つやつやと黒光りする茄子、シャキシャキに色鮮やかな小松菜。間違いなくボランティアの食事より炊出しの方が贅沢である。
箱をあけると姿を現す堂々とした立派な野菜たちに、腕をふるう方も興奮する。自分では食べられなくても、いい食材を使っておいしいものをつくるのはやはり楽しい。
日本全国のみならず、世界中から寄せられる支援物資は自治体宛に届けられ、そこからボランティアの拠点で行き先が振り分けられる。
拠点にはWFP(国連世界食糧計画)の倉庫があり、食材はすべてここに集約される。この倉庫の担当者はぐりが参加した団体のボランティアなので、日頃から彼と仲良くしておいて、いいものが届いたら脇へどけておいてもらったり、ほしいものは予めリクエストしておいたりする。
なんと段ボール箱1箱分のこごみが届いたこともある。もちろんキッチンチームでキープである(その直後に帰京したので何に使ったかは不明)。どこのどなたかはわからないが、世の中には気前のいい人もいるものである。だってこごみだよ。箱いっぱいのこごみ。集めるのにどんなに苦労しただろう。
食材だけでなく調味料や調理用具、消毒用アルコールや使い捨て手袋、ラップなどの消耗品やガスボンベも、キッチンにあるものすべてが支援物資である。
キッチンチームの活動は、日本中、世界中の善意で成り立っている。
「おいしかったよ」「ありがとう」と被災者の皆さんに声をかけていただくたびに誇らしい気持ちになるのは、そんな無数の善意の人々の代表として感謝されているからである。
何もできないぐりだけど、被災地に行けばできることがあった。それはほんとうに素晴らしい体験だった。
だから、これを読んでいるあなたにもきっと、できることがある。
ひとりでも多くの人が、被災地に向かってくれることを、心から願う。
支援物資の調理器具。
いまいちばん欲しいのは、屋根と壁のあるキッチン。
そろそろ食中毒が真剣に心配な時期。冷蔵庫もない(小型のが一台きり。もちろん足りるわけがない)、吹きっさらしのこんな環境では、いつなんどき大事故が起きても不思議ではない。
日を追うごとに避難所が集約され、炊出しの数は減少傾向にあるが、数週間後には拠点のそばに仮設住宅が完成する。そうなれば炊出しの需要はまた膨らむだろう。
被災者の方々に少しでも食事を楽しんでほしい。せめてごはんくらいおいしいものを食べてほしい。
東京に戻って来ても、そのことばかりが気になる。
8日間炊出しをしておった訳ですが。
今回参加したNGOの災害支援の炊出し要員は5人1チーム、プラス以前から被災地に居残って炊出しを続けている3人の都合8人。うちぐりと学生ボランティアのひとりを除いた全員が、調理師や管理栄養士など飲食業の実務経験をもつプロである。
みんな経験があるから仕事は早いし綺麗だし、何より手際がいい。そして味にもこだわりがある。米をとぐやら炊くやらいうだけで大激論できるくらい。自分で食べるわけでもなく、商売でつくるわけでもないのに。誰かをもてなすことが、人を喜ばせる行為がただただ好きなのだろう。熱いです。
毎日1000人分の食事となると、食材の量もハンパじゃない。
お米は80キロ/1日、肉は20キロ/1日。野菜類もそれぞれ洗って剥いてカットした状態で巨大なゴミバケツに1~2杯ずつ。
それらはすべて支援物資でまかなわれている。協力企業が定期的に食材を納入してくれるほか、キッチンチームからのリクエストも検討してくれる。足りなくなると自衛隊にねだって譲っていただいたりもする(自衛隊も支援物資を配布している)。
この他に、全国の有志の方々が食材を送って来てくれる。多くは生産者や流通業者の方々で、そうして贈られた野菜はどれも新鮮で質が良く、東京のスーパーではまずお目にかかれないくらい素晴らしい品ばかりである。粒ぞろいの大きなジャガイモ、つやつやと黒光りする茄子、シャキシャキに色鮮やかな小松菜。間違いなくボランティアの食事より炊出しの方が贅沢である。
箱をあけると姿を現す堂々とした立派な野菜たちに、腕をふるう方も興奮する。自分では食べられなくても、いい食材を使っておいしいものをつくるのはやはり楽しい。
日本全国のみならず、世界中から寄せられる支援物資は自治体宛に届けられ、そこからボランティアの拠点で行き先が振り分けられる。
拠点にはWFP(国連世界食糧計画)の倉庫があり、食材はすべてここに集約される。この倉庫の担当者はぐりが参加した団体のボランティアなので、日頃から彼と仲良くしておいて、いいものが届いたら脇へどけておいてもらったり、ほしいものは予めリクエストしておいたりする。
なんと段ボール箱1箱分のこごみが届いたこともある。もちろんキッチンチームでキープである(その直後に帰京したので何に使ったかは不明)。どこのどなたかはわからないが、世の中には気前のいい人もいるものである。だってこごみだよ。箱いっぱいのこごみ。集めるのにどんなに苦労しただろう。
食材だけでなく調味料や調理用具、消毒用アルコールや使い捨て手袋、ラップなどの消耗品やガスボンベも、キッチンにあるものすべてが支援物資である。
キッチンチームの活動は、日本中、世界中の善意で成り立っている。
「おいしかったよ」「ありがとう」と被災者の皆さんに声をかけていただくたびに誇らしい気持ちになるのは、そんな無数の善意の人々の代表として感謝されているからである。
何もできないぐりだけど、被災地に行けばできることがあった。それはほんとうに素晴らしい体験だった。
だから、これを読んでいるあなたにもきっと、できることがある。
ひとりでも多くの人が、被災地に向かってくれることを、心から願う。
支援物資の調理器具。
いまいちばん欲しいのは、屋根と壁のあるキッチン。
そろそろ食中毒が真剣に心配な時期。冷蔵庫もない(小型のが一台きり。もちろん足りるわけがない)、吹きっさらしのこんな環境では、いつなんどき大事故が起きても不思議ではない。
日を追うごとに避難所が集約され、炊出しの数は減少傾向にあるが、数週間後には拠点のそばに仮設住宅が完成する。そうなれば炊出しの需要はまた膨らむだろう。
被災者の方々に少しでも食事を楽しんでほしい。せめてごはんくらいおいしいものを食べてほしい。
東京に戻って来ても、そのことばかりが気になる。