落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

被災地に戻りたいキモチ 戻れない現状

2011年05月22日 | 復興支援レポート
震災ボランティアレポートIndex

東京に戻って来て2週間経った。

被災地にいたのはたった8日間だったのに、未だに心のどこかで、被災地につながれている自分がいる。
ネットやツイッターで現実に現地にいる人たちの状況がリアルタイムに伝わるということもあるけど、常に、いつどうやって戻ろうか、戻って(つまり現実生活を犠牲にして)自分の生活がやっていけるのか、もっと役に立てる活動をするにはどうすればいいかが、強迫観念のように頭の中でぐるぐるとめぐっている。
こうして悶々としていても誰の何の役にもたたないことはよくわかっているのだけれど。

長くボランティアをしていて無理がたたって体を壊してしまう人もいる。それでもタスクは待ってはくれないから、交替要員や補欠要員で現場をやり過ごしていくしかない。
梅雨時が近づいて、被災地の天候もどんどん変わっていく。天候が変わればボランティアのワークフローも変更が求められる。
暗中模索の中で、被災地に関わる人々みんなが苦しみながら、悩みながら、何をすればいいのか、何ができるのかを考えている。
ぐりはただただ被災地のこと、被災地にいる地元の人、ボランティアの人たちのことを心配しているだけだけど。
雨が降ったら寒いだろうなとか、風が吹いたらテント飛ばされてないかなとか、東京の天候の変化にさえ、被災地の天候が気になる。

東京に戻って2週間、毎日のように出会う人にいちいち被災地の話をして聞かせたけど。
ボランティアの話、被災者支援の話、真剣に耳を傾けてくれた人、自分でも何かしようと思ってくれた人もいたけど。
やっぱり、ここにいると、震災のことはどんどん遠く過去の出来事になっていってしまっているような気がして、とても怖い。
未だに続く余震にも、ほとんど誰も大して反応しなくなったし、原発事故のこともそれほど深刻に気にしている人はあまり多くない気がする。
絶対それでいいはずはないのに。
なんでそんなに簡単に忘れられるのか、どうでもいいことみたいになっちゃうのか、どうしてもわからない。

被災地にいた時、毎日のように各界の著名人が慰問や視察に来ていたけれど、あれはその後なにかに反映されているのだろうか。
あのころは毎日ラジオを聴いてたけど(なにしろそれしかメディアがなかった)、被災地のFMから流れる番組は別として、芸能人の激励メッセージ的なCMにはずいぶん距離感を感じてしまったものだった。その感覚は東京に戻ってからも残ってしまった。
いやな言い方だけど、現実の被災地を見てしまうと、あまりの悲惨さに、おいそれと「がんばれ」とか「がんばろう」なんて言葉は出てこない。励ましたいとか、癒したいとか、労いたいとか、そういう目線では何もできないし、何もいえない。そんな気持ちになる。
ただただその光景はあまりにも悲しい。その悲しさを、ほんとうにそこで暮らして来た皆さんと共有したい。共有し続けたい。そのために、何かさせてほしい。させていただきたい。

ほんとうはそんなもの共有なんかできっこない。
大事なもの、かけがえのないものをなくしたのはぐりではなくて、被災地にいる人たちだからだ。
けど、誰にでもできることがあるはずだし、できることはやるべきだ。

みなさん忙しいと思います。
でも、土日だけでいいです。2~3日でいいです。
お時間のある方は是非被災地に行って下さい。
健康でありさえすれば、できることは必ずあります。
みんなの助けが、必要です。

被災地ボランティアに参加するための最新情報:
東京ボランティア・市民活動センター
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