震災ボランティアレポートIndex
先日もちょっと書いたけど、石巻で出会ったボランティアは、社会貢献にもともと関心が高かったわけではなく、ボランティアも今回が初めてという人が多かった。
いちいちインタビューをとってまわったわけではないので正確なところはわからないが、ぐり個人の印象としては、石巻専修大学に滞在していた最大300名余のボランティアの全体の雰囲気として、その印象はさほど間違ってはいないのではないかと思う。なんでかっつーと、皆さんすごく寡黙というかもの静かというか、ただただ淡々と黙々と任務に集中してとりくんでたから。
ボランティア活動や社会貢献に習熟した人だとこうはいかない(爆)。経験があるだけにあれこれ意見をいいたくなってしまうのだ。ボランティアはどこでも寄せ集めの組織でしかないから、非効率的な部分や不完全な部分がいくらかあるのは致し方ない。伊達に経験があるとどうしても主張したくなってしまうのである。それはそれで悪いことでは決してない。ただ、文字通り人海戦術での大規模作戦を要求される現段階の被災地では、意見も主張もなくひたすら体を動かすだけのボランティアの力も重要なエネルギーであることも間違いない。
専修大に滞在したボランティアの中には40名余の外国籍のインターナショナルチームもいた。
彼らはいつも元気いっぱいで、ボランティアたちのムードメーカーだった。朝礼の点呼では毎朝大声で返事をし、夜も遅くまで実に楽しそうに談笑していた(ぐりのテントのすぐ近所に彼らのテントが集まっていた)。
言葉の壁がある(6人一組のグループにつき1名の日本語スピーカーがいればOK)インターチームのタスクはクリーン、つまりヘドロ清掃、要するに力仕事である。沿岸部の倒壊した水産加工場跡が集中する地域で、腐乱した魚の片付けに従事していたのも彼らである。しかも生半可な量ではない。現場から運び出される魚は2トントラックに10台分を超えていた。危険な重労働であるうえに衛生的なリスクもあり、かつ強烈な悪臭を伴う困難な作業に活躍した彼らの勇気には心からの喝采を贈りたい。
ラジオ体操の代わりに子ども向けのユニークな体操をやってくれたジョンさん、マオリ族の伝統的な神聖な踊り・ハカを披露してくれたニュージーランドの人たち、最終日に全員の集合写真を撮ってくれた写真家の方、ゆっくり交流する余裕がなかったのはとても残念だったけど、4月も半ばというのに雪が降るほど寒い石巻まで来てくれてほんとうにありがとう。他の在日外国人がほいほいと日本を去っていくこの時期に、被災地までボランティアに来てくれた彼らの勇気は称賛に値する。
インターチームも含め、今回専修大に集まっていた人たちは、ボランティアというよりアウトドアに慣れているようにも見えた。テント泊で食事は非常食という条件を初めからクリアしてやってくるわけだから、それも自然なことかもしれない。
それなら力仕事に慣れているのも頷ける。キッチンチームにも、小柄で可憐な外見に似合わず意外なほど力持ちの女性ボランティアがいた。ぐりは見かけ倒しで腕力はまったく頼りにならないのでその点ではさっぱり役に立ちませんでしたが。でもそーゆー人員にも他にそれなりにやることはあるのがボランティアの現場である。
とにかくそこにいさえすれば誰にでも何かしら仕事はあり、しかもどれもとびきりやりがいがある。無職で滞在日程に制限のない人たちがまさに重宝されるし、とりあえずここにいる間は生活費は1円もかからない。アルコールが禁止されている上に電源不足なので娯楽と呼ばれるものはほぼいっさいなく、マスメディアに触れる機会も少ない。
俗世間からは隔絶された、いわば出家生活さながらの特殊なこの場所の居心地の良さにうっかりハマってしまい、何週間も居残っているボランティアもかなりいる。本人にとってはちょっとアブナイんじゃないかとぐりなんかは思うのだが、それでも被災地にとっては貴重な人材であることには間違いない。
東京に戻って来て1週間、あっという間だった。
石巻にいた間の時間は奇妙に濃密で、1ヶ月ほどにも感じた9日間だったのに、不思議なものである。
そして戻って来てから毎日、石巻のこと、被災地のことを思わない日はない。毎日出会う人たちにいちいち被災地の話をして聞かせているぐりも相当イタいと我ながら思うけど、それでも、どうにかして一人でも多くの人に被災地に行ってほしいと、切実に思う。
今月あたりからアウトドア門外漢でも参加できるバス移動+温泉泊の短期パックもたくさん企画されている。すばらしい。行くべし。マジで行ってほしい。
お願いします。
インターナショナルチームのレポート(英語) すばらしい画像多数。
東京ボランティア・市民活動センター 災害ボランティアセンター設置・受入状況 バスパック情報多数。とりあえずClick。
早朝6時、日和山公園からの牡鹿半島方面を望む。
朝陽が逆光になってうまく写せてないけど、旧北上川を挟んだこの辺りも壊滅的な被害を受けて今だ復旧作業もままならない。
航空写真の凄惨さと、ストリートビューの在りし日の風景のギャップが悲しい。
ぐりは石巻には今回初めて行ったので、これら被災地のストリートビューを見て初めて、被災地のもとの風景を知ることができる。今の風景からは想像がつかない。それほど被害は激しい。
Googleマップ 震災ボランティアレポートマップ
先日もちょっと書いたけど、石巻で出会ったボランティアは、社会貢献にもともと関心が高かったわけではなく、ボランティアも今回が初めてという人が多かった。
いちいちインタビューをとってまわったわけではないので正確なところはわからないが、ぐり個人の印象としては、石巻専修大学に滞在していた最大300名余のボランティアの全体の雰囲気として、その印象はさほど間違ってはいないのではないかと思う。なんでかっつーと、皆さんすごく寡黙というかもの静かというか、ただただ淡々と黙々と任務に集中してとりくんでたから。
ボランティア活動や社会貢献に習熟した人だとこうはいかない(爆)。経験があるだけにあれこれ意見をいいたくなってしまうのだ。ボランティアはどこでも寄せ集めの組織でしかないから、非効率的な部分や不完全な部分がいくらかあるのは致し方ない。伊達に経験があるとどうしても主張したくなってしまうのである。それはそれで悪いことでは決してない。ただ、文字通り人海戦術での大規模作戦を要求される現段階の被災地では、意見も主張もなくひたすら体を動かすだけのボランティアの力も重要なエネルギーであることも間違いない。
専修大に滞在したボランティアの中には40名余の外国籍のインターナショナルチームもいた。
彼らはいつも元気いっぱいで、ボランティアたちのムードメーカーだった。朝礼の点呼では毎朝大声で返事をし、夜も遅くまで実に楽しそうに談笑していた(ぐりのテントのすぐ近所に彼らのテントが集まっていた)。
言葉の壁がある(6人一組のグループにつき1名の日本語スピーカーがいればOK)インターチームのタスクはクリーン、つまりヘドロ清掃、要するに力仕事である。沿岸部の倒壊した水産加工場跡が集中する地域で、腐乱した魚の片付けに従事していたのも彼らである。しかも生半可な量ではない。現場から運び出される魚は2トントラックに10台分を超えていた。危険な重労働であるうえに衛生的なリスクもあり、かつ強烈な悪臭を伴う困難な作業に活躍した彼らの勇気には心からの喝采を贈りたい。
ラジオ体操の代わりに子ども向けのユニークな体操をやってくれたジョンさん、マオリ族の伝統的な神聖な踊り・ハカを披露してくれたニュージーランドの人たち、最終日に全員の集合写真を撮ってくれた写真家の方、ゆっくり交流する余裕がなかったのはとても残念だったけど、4月も半ばというのに雪が降るほど寒い石巻まで来てくれてほんとうにありがとう。他の在日外国人がほいほいと日本を去っていくこの時期に、被災地までボランティアに来てくれた彼らの勇気は称賛に値する。
インターチームも含め、今回専修大に集まっていた人たちは、ボランティアというよりアウトドアに慣れているようにも見えた。テント泊で食事は非常食という条件を初めからクリアしてやってくるわけだから、それも自然なことかもしれない。
それなら力仕事に慣れているのも頷ける。キッチンチームにも、小柄で可憐な外見に似合わず意外なほど力持ちの女性ボランティアがいた。ぐりは見かけ倒しで腕力はまったく頼りにならないのでその点ではさっぱり役に立ちませんでしたが。でもそーゆー人員にも他にそれなりにやることはあるのがボランティアの現場である。
とにかくそこにいさえすれば誰にでも何かしら仕事はあり、しかもどれもとびきりやりがいがある。無職で滞在日程に制限のない人たちがまさに重宝されるし、とりあえずここにいる間は生活費は1円もかからない。アルコールが禁止されている上に電源不足なので娯楽と呼ばれるものはほぼいっさいなく、マスメディアに触れる機会も少ない。
俗世間からは隔絶された、いわば出家生活さながらの特殊なこの場所の居心地の良さにうっかりハマってしまい、何週間も居残っているボランティアもかなりいる。本人にとってはちょっとアブナイんじゃないかとぐりなんかは思うのだが、それでも被災地にとっては貴重な人材であることには間違いない。
東京に戻って来て1週間、あっという間だった。
石巻にいた間の時間は奇妙に濃密で、1ヶ月ほどにも感じた9日間だったのに、不思議なものである。
そして戻って来てから毎日、石巻のこと、被災地のことを思わない日はない。毎日出会う人たちにいちいち被災地の話をして聞かせているぐりも相当イタいと我ながら思うけど、それでも、どうにかして一人でも多くの人に被災地に行ってほしいと、切実に思う。
今月あたりからアウトドア門外漢でも参加できるバス移動+温泉泊の短期パックもたくさん企画されている。すばらしい。行くべし。マジで行ってほしい。
お願いします。
インターナショナルチームのレポート(英語) すばらしい画像多数。
東京ボランティア・市民活動センター 災害ボランティアセンター設置・受入状況 バスパック情報多数。とりあえずClick。
早朝6時、日和山公園からの牡鹿半島方面を望む。
朝陽が逆光になってうまく写せてないけど、旧北上川を挟んだこの辺りも壊滅的な被害を受けて今だ復旧作業もままならない。
航空写真の凄惨さと、ストリートビューの在りし日の風景のギャップが悲しい。
ぐりは石巻には今回初めて行ったので、これら被災地のストリートビューを見て初めて、被災地のもとの風景を知ることができる。今の風景からは想像がつかない。それほど被害は激しい。
Googleマップ 震災ボランティアレポートマップ