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千鳥ヶ淵墓苑 戦没者217柱納骨と沖縄戦(男女学徒隊の死亡率)

2023-06-10 11:21:52 | アジア・太平洋戦争

 2022年5月31日の新聞に、コロナ禍のため3年ぶりに同月30日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で217柱を納骨する拝礼式を開催したとの記事を見た。4月時点で、海外の戦没者約240万人のうち、112万柱が収集できずに残されているとの事も。

 アジア太平洋戦争における大日本帝国政府軍の損害は、軍人軍属の戦死および行方不明(死没)が陸軍が約183万人、海軍が約57万人で合計240万人、その他戦傷病による障害者が約10万人である。空襲その他による一般市民の戦没者は、約70万人(広島と長崎の原爆による死者約32万人を含む)で、総計は310万人(日中戦争の死者18万9千人を含む)となっている。

 ちなみに沖縄戦での戦没者は、正規軍が6万5908人、地元出身兵が約2万8千人(防衛隊員含む)、住民約13万人である。沖縄県民は当時の人口の約3分の1に匹敵する損害を被った。

 教育分野では学校教員30%が戦死した。沖縄守備軍学徒を命令で動員した。男子中等学校生徒については、各学校ごとに「鉄血勤皇隊」を編成して戦場に投入し、女子中等学校生徒については、従軍看護要員として各戦闘部隊の野戦病院に配置し、それぞれ多数の死者を出した。

鉄血勤皇隊所属の男子学徒隊死亡率

沖縄師範学校 58.0%、県立第一中学校 56.6%、県立第二中学校 88.8%、

県立第三中学校 10.2% 那覇市立商業学校 72.7%、県立工業学校 90.4%、

県立農林学校 23.7%、県立水産学校 46.9%、私立開南中学校 86.4%、

男子学徒合計 50.0%

女子学徒隊所属の死亡率

沖縄師範学校 85.2%、県立第一高等女学校 43.0%、県立第二高等女学校 50.7%、

県立第三高等女学校 10.0%、私立積徳高等女学校 50.9%、県立首里高等女学校 60.2%、

市立昭和高等女学校 70.5%、

女子学徒合計 57.5%

男女学徒合計 51.9% 

 また、1946年の生存者の男女比率調査(米海軍軍政府厚生部調査)では、20代から40代男性対女性の割合は、2対8であった。戦後、家庭を経済的に支え子どもを育てたのは女性たちであり、戦争は老人や女性に対し最も苛酷な苦労をしわ寄せしたのである。

(2022年5月31日投稿)

※2023年5月29日、岸田自公政府は、千鳥ヶ淵墓苑で拝礼式を開催。皇室からは秋篠宮家次女佳子さんが主席した。硫黄島やロシアで収容された、身元不明のアジア太平洋戦争戦没者らの遺骨235柱を納骨した。遺骨は計37万485柱となった。 

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