2019年6月21日、関西電力は株主総会を開催した。その際、大阪市や京都市など大株主の自治体や個人株主から「脱原発」の要求が出された。大阪市は「可及的速やかにすべての原発の廃止」、京都市は「原発に依存しない電力供給体制の早期の構築」(門川大作市長は「再エネを飛躍的に導入する取り組みの加速」)などであるが、これに対して関電岩根社長は「原発は安全確保を大前提に、将来にわたり活用していく」などと反対した。「安全確保」という言葉については、原発事故に対する事前対策や事後対応・事故処理技術、放射性廃棄物処理技術、廃炉技術などについて、何の裏付けもないにもかかわらず軽々しく使用しており、現実を直視しておらず責任の重大さを自覚すべき立場にある人間とは感じられない言葉である。その程度の認識力判断力しかもっていないからこそ、「将来にわたり活用していく」との言葉を述べる事ができたのであろう。主権者国民は、このような原発についての考え方に対し、これを許さず、かつての四大公害問題以上に重大な発言(問題)として位置づけ対処するべきである。つまり、原発についてのすべての問題は現代の「公害」問題以外の何物でもないのである。このような判断に立たなければいけないのである。
安倍自公政権のエネルギー基本計画によると、2030年度の電源構成は、原子力を20~22%とし、再生可能エネルギーを22~24%としている。再エネの比率については、国際エネルギー機関(IEA)の予測では、2040年には全世界の発電量の40%に達するとしている事を考えれば、明らかに意図的に低く位置づけている。この計画を安倍自公政権にそのまま実行させてしまうとその間、主権者国民は原発事故の危険性に日々慄き、処理できない危険な放射性廃棄物の蓄積の更なる増加のために莫大な税金が使われる事になる。その主権者国民の将来の生活に対して安倍自公政権は責任を負わないだろう。
ちなみに、6月26日には原発を持つ大手電力8社が株主総会を開催した。脱原発の株主提案が出されたが全社で否決された。実質国有化している東京電力の川村会長は「(再建計画の利益目標などを)本当に最終的に達成していくにはやっぱり原発の稼働がいる」と強く述べているが、まったく許す事ができない。
(2019年7月2日投稿)