青森県上北郡六ケ所村の日本原燃が経営する使用済み核燃料再処理工場では再処理工程はどのようになっており、どのような廃棄物が出るのであろうか。先ず、使用済み核燃料を剪断する際に希ガスなどの気体放射能が大量に放出される。続いて高温の硝酸で溶解し、化学物質を用いてウラン、プルトニウム、核分裂生成物を分離する、ここで核分裂生成物を含む高レベル廃液が発生する。この高レベル放射性廃棄物のガラス固化工程では不具合が続き、ガラス固化体が製造できなくなっている。分離したプルトニウムは、核物質管理上の問題から日本では核兵器への転用防止のため、同量のウランを加えたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)の形で製品化される。
再処理工程では、原発より何桁も多い放射性物質を排出している。液体廃棄物については海洋放出管で沖合3㌔の海底から放出し、気体廃棄物は3本の排気塔から大気中に拡散させる。
住民の被爆線量については自公政府は0.022m㏜/年と評価しているが、その内訳は評価の度に異なっている。海産物、農畜産物による内部被爆も懸念されているのであるが、影響は過小評価している。また、付近に存在する大陸棚外縁断層については、学会は「活断層」と認識しているが、自公政府は否定している。
また、再処理工場は多くの建屋(構造は機密扱い)の集合体で、それを地下トンネルでつないでいる。そのため化学物質を送る配管を設置しているため、耐震性にも大きな問題を有している。
(2021年11月27日投稿)