■なんたって18歳! / 岡崎友紀 (東芝)
あの悲惨な大震災から今日で1ヵ月……。
時の流れの早さは非情でもあり、ほとんど進まない復興作業には暗澹たる気持にさせられるのですが、しかし下を向いてばかりもいられません。
サイケおやじの関係する仕事にも相当な支障が出ているのは確かですが、とにかく今、こうしていられる幸せを大切にしつつ、なんとか再びの繁栄に結びつく働きをやっていく所存ということで、今回の災害で春からの就職が取り消しとなった新人数名を預かることになりました。
で、サイケおやじの部署にやってきたのが、実は観光会社でバスガイドを目指していた、これがなかなかに感じの良い女性でしたから、もう皆様ご推察のとおり、本日の1枚は、その彼女にインスパイアされてのご紹介です。
歌っている岡崎友紀は、このシングル盤が発売された昭和46(1971)年当時、最高の売れっ子アイドルとして、テレビドラマや歌の世界で人気絶頂でした。
なにしろ、その爽やかな笑顔とナチュラルな存在感は、子役としての活動もあったキャリアの中でも、決して芸能界どっぷりのイヤミが無く、それでいてプロ意識は抜群だったと思いますから、まさに元祖アイドルに成り得たというわけです。
そして当然ながら主演するテレビドラマの主題歌も自ら歌い、この「なんたって18歳!(TBS)」は、ジャケ写どおりのミニスカ制服で演じたバスガイド役が最高にキュートでしたねぇ~~♪ もちろん当時の事ですから、ムチムチした脚線美とヒップラインを意図的に撮影したカットも多く、それはパスの乗り降りの仕草とか、思い出してもグッと凝視させられるシーンが多々あった事が忘れられません。
肝心の楽曲は作詞:木飛鳥、作編曲:菊池俊輔の手による青春歌謡ポップスの代表格ともいうべき仕上がりで、岡崎友紀の屈託の無い歌い方がジャストミート♪♪~♪
昨日の事を思い出すだけじゃ
わからないさ すばらしい人生
昨日を捨てて 背伸びだけしても
とどかないさ すばらしい人生
飛び出そう! 自由を求めて
飛び出そう! ほら明日があるさ
なんたって18歳!
明るい中にも、微妙にセンチメンタルな情感を滲ませて歌う岡崎友紀は、溌剌としつつも胸に秘めた悲しみを振り払うが如き節回しが全開で、本当にせつないほど最高ですよ。
それを見事にサポートするアレンジの妙も潔く、特にスパっと終る最後のパートは、テレビドラマの主題歌という意図があるにせよ、実に効果的♪♪~♪
ということで、この歌こそ、本日やって来た彼女に相応しいと思うサイケおやじではありますが、結局は他人に理解しえない深い悲しみと喪失感に満たされている当事者にとっては、有難迷惑かもしれませんねぇ……。
実は彼女の新しい出発へのささやかなお祝いして、サイケおやじは iPod をプレゼントしたのですが、中にはこの歌を入れるという余計なお世話をやってしまい、今頃になって額に汗が滲んでいるというわけです。
彼女だって、自分の夢を決して捨ててしまったわけじゃありませんからねっ!
失礼致しました。