それはやはり突然、と言っていいでしょう……。
昨夜、ひし美ゆり子様のプログで女優・浜かおるの訃報に接しました。
ご存じのとおり、故人は特にテレビのセクシーアクションドラマでは最高峰「プレイガール」のレギュラーとして忘れ得ぬわけですが、芸歴としてはそれ以前に浜川智子として日活で活躍しておりました。
残念ながら主演作は残しませんでしたが、それでもグッと強い印象を与えてくれる面立ちは、その大きな眼の輝きに強固な意志が感じられ、また男好きのするスタイルの良さ、立ち振る舞いの華やかさも含め、如何にも女優然とした佇まいは吉永小百合、小林旭、大田雅子(現・梶芽衣子)、浅丘ルリ子といった主役スタアの脇にあっても、なんら遜色の無い存在として、映画ファンを惹きつけずにはおきません。
しかし、その潜在的な人気とは裏腹に、これほど過小評価されている女優さんもいないと思われるほどですが、いかがなものでしょう。
ですから、「浜かおる」に改名してのプレイガール出演ばかりがクローズアップされるのは、それはそれで充分な必需性があるとは思いますが、なにか物足りないような気分が打ち消せません。
もちろん、やはりプレイガールにおける故人の素晴らしさは圧倒的であって、昭和44(1969)年7月放送の第14話での初登場以降、忽ちにして世の男どもを虜した活躍は痛快至極♪♪~♪ 特に出し惜しみしないアクションシーンでのパンツ見せ、その前段としての脚線美全開のハイキックやモダンダンス的な動作を連想させる溌剌さ!
そういう、ある意味での媚びた演技が決してイヤミにならないところにも、女優・浜かおるの真骨頂があったように思います。
つまり平たく言えば、彼女が出ていれば、その回のクライマックスでは美味しい場面がテンコ盛りという「お約束」がきっちり守られ、それゆえの安心感が殊更ギラギラしていた十代のサイケおやじのスケベ心を満たしてくれたのです。
あぁ、そのポイントだけでさえ、故人への感謝の念と訃報に接しての衷心からの気持は、尽きることがありません。
ひし美ゆり子様の言によれば、故人は気の強い性格だったようですが、決して「裸の安売り」的な仕事はやっていませんし、最近は実質的に芸能界を引退され、結婚してご家族と平穏に生活されていた中での不治の病……。
そしてあまりにも早すぎる突然の訃報には、本当に言葉を失いましたですねぇ。
ということで、最後になりましたが、故人の日活における出演作品で、現在までにDVD化されている代表的なものを幾つかご紹介致します。
★俺にさわると危ないぜ (昭和41年・長谷部安春監督)
小林旭主演、長谷部安春監督の第1回作品です。
現代版女忍者のザ・ニンジャーズのひとりとして登場♪
★東京流れ者 (昭41和年・鈴木清順監督)
渡哲也主演にして代表作のひとつ!
漫画好きで笑ってばかりの女として、強い印象を残しています。
★愛と死の記録 (昭和41年・蔵原惟繕監督)
吉永小百合主演、彼女の友人という定番役を演じていますよ。
確かレコード屋の店員だったはずです。
★あゝ、ひめゆりの塔 (昭和44年・舛田利雄監督)
説明不要、日活女優陣総出演の傑作です。
なんと、太田雅子=梶芽衣子と壮絶な手榴弾自決でした。
と、まあ、あまりにも少ないですよねぇ、ソフト化作品が……。
本当は、もっともっと素晴らしい人気作がどっさりあるんで、未だ一部しかパッケージ化されていない「プレイーガール」も併せて、ぜひとも復刻して欲しいものですよ。
ちなみに日活を退社されてからが、浜かおる名義とされていますが、テレビ出演に関しては、昭和45年以降も浜川智子としての活動があると言われています。
合掌。
(一部敬称略)