OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

チャック・ベリーで厄払い!

2013-01-30 14:56:21 | Rock

Chuck Berry Hits (Chess / Pie International)

今年に入ってガタガタに落ちまくっているサイケおやじの運気を厄払い!

そんな言い訳を弄しつつ、某ネットオークションでゲットしたのが、掲載のイギリス盤EPです。

いゃ~、とにかくライプステージの熱気がダイレクトに伝わってくるジャケ写の素晴らしさは圧巻ですし、それを活かしきったスリープデザインもたまりませんねぇ~♪

これぞっ! R&Rを創成した偉人のひとりであるチャック・ベリーの面目躍如!!

と、思わず力んでしまうほどです♪♪~♪

 A-1 Johnny B. Good
 A-2 Nadine
 B-1 No Particular Place To Go
 B-2 Memphis Tennessee

さて、演じているチャック・ベリーについては説明不要でありますが、あえてサイケおやじが凄いなぁ~~♪ と痛感させられるのが自ら弾き語るエレキギターと歌のコンビネーション、そして今ではロックギターの定番となっている、あの独得のシンコペイションによるリズム的興奮度の高さです。

例えばA面ド頭「Johnny B. Good」にしても、イントロから既に複音弾きをミックスさせたスピード感溢れるフレージングは永遠に不滅ですし、コード弾きから選んで用いるブルーススケールによるバッキングも、特に低音域でのドライヴ感重視主義が、後に確立されるロックビートの基本形となっているんじゃ~ないでしょうか。

また、特有の味わいを表出するチョーキングの上手さも、ロックの原点かもしれません。

ちなみにギターソロにおける単音のフレーズは、そのリズム的イントネーションがブルース界の大物ギタリスト&シンガーだったT.ボーン・ウォーカーと似ていますが、源流を遡ればモダンジャズ創成期にエレキギターを用いていたチャーリー・クリスチャンに辿りつくはずですから、なかなか侮れません。

しかし、それでもチャック・ベリーが屹立するのは、ロックが明確に8ビートである論拠を提示した事だと思いますねぇ~。

それは決して1958年の「Johnny B. Good」だけでありません。

ビートルズやストーンズのメンバー達ばかりでなく、この世のロックに魅せられた者全てが感じる事の出来る真実が、過言ではなく「チャック・ベリー」なのです。

ところが皆様もご存じのとおり、この偉人は本来全盛期になるはずであった1959年末から1963年まで、少女への淫行事件で懲役暮らし……。

今となってはR&Rという、白人の大人社会にとっては厄介な音楽の黒人スタアを排除する目的があったとまで言われていますが、その間にもチャック・ベリーの音楽は殊更愛され続け、ビートルズやストーンズ等々の英国からの侵略者がアメリカを征服した時、実は地元の英雄だったチャック・ベリーの偉大さをアメリカの国民は再認識させられる事になるのですから、時の流れは偉大です。

そしてこのEPに収められた「Nadine」と「No Particular Place To Go」こそが、出所後のチャック・ベリーが1964年というブリティッシュ・インベンジョンの真っ只中で大ヒットさせた名曲名演なんですねぇ~♪

もちろん両曲共、チャック・ベリーならではのギターリフ&コードカッティングで演じられる特有の「節とノリ」は最高であり、しかもホーンセクションを入れた「Nadine」がスワンプロックに染まっていた1970年代初頭のストーンズを彷彿させるのは、逆もまた真なり!

一方、「No Particular Place To Go」は、直後に芽吹く白人主導によるブルースロックの雛型!?

う~ん、このガサツなビート&グルーヴは、生半可な気持ちでは真似すら出来ないでしょう。

その意味でオーラスの「Memphis Tennessee」は1959年に世に出た隠れ人気曲ながら、その汎用性の高さは未来永劫と思われるほどで、シンプルな第一印象の中にラテンミュージックっぽい味わいやフォークロック的なサウンドのキモが潜んでいると感じられるのは、それはそれで奥深いところと思います。

ということで、最後になりましたが、このイギリス盤はモノラルミックスで、しかも45回転ですから、なかなかギスギスに黒い音が飛び出してきました。

どうか、この勢いで厄払いが叶いますようにっ!!